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UI改修のゴールはどう測る?効果検証の実例と得られた成果

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こんにちは😃 BABY JOB株式会社でUI/UXデザイナーをしているせいのです。
もうすぐクリスマスですね〜🎄子供に初めてリアルアドベントカレンダーをプレゼントしたのですが、とっても喜んでくれたので嬉しいです🎁

さてさて、今回はUI改修における効果検証の話をしたいと思います🙋‍♀️

はじめに

弊社では手ぶら登園というおむつサブスクのサービスを、保育施設さまと保護者さまへ提供しています。
日々プロダクトの改善を行っていますが、UIの改修や機能追加をするときは「なんとなく良さそう」で終わらせず、課題の目的を明確にして必ずゴール設定をするようにしています。
今回は、保育施設向け管理画面で行った改修の中から、課題に対してどのような効果測定と分析を行ったか、具体的な事例をご紹介します!

課題:意図しない重複発注の防止

多忙な保育現場では、職員間の連携漏れにより「意図しないおむつの重複発注」が発生していました。(保育施設側は利用園児数や消費量に合わせておむつを発注する必要があります)
発注する前に確認を促すモーダルはすでにあるものの、その内容は直感的でなく、「確認案内が不明瞭なことで起こる問い合わせ」や「重複発注後の取消依頼」が来ている状況でした。

そこで、警告内容を明確にし、ネクストアクション(キャンセル・履歴確認・発注続行)を整理するUI改修を行いました。


改修前後の比較

改修ポイント

  • 見出しの追加:注意喚起を高めるため、明確な警告見出しを配置
  • 状況の明示:何が起きているか理解できるよう、「お届け予定の注文があること」をテキストで明示
  • 自己解決の促進:電話サポートの案内を削除し、モーダル内の情報だけでユーザー自身が判断できるよう誘導
  • 導線のメリハリ:発注履歴へのリンクをボタンからテキストリンクに変更し、メインアクション(キャンセル/続行)との優先順位を整理
  • ボタン文言の改善:「はい/いいえ」のような曖昧な表現をやめ、ボタンを押した後の挙動が予測できる具体的な文言に変更

検証の設計

改修の効果を測るため、以下のゴールと検証方法を設定しました。

ゴール

モーダル起因の問い合わせをゼロにする

検証方法

  • フェーズ1(検証期間:短期)
    • 定量:ネクストアクションのクリック数計測
    • 定性:CS(カスタマーサクセス)へのヒアリング
  • フェーズ2(検証期間:繁忙期を含む長期)
    • 定量:問い合わせ数の計測

検証結果

今回は上記の検証方法「フェーズ1」についてご紹介します。

クリック数の計測から見えたこと


モーダル表示回数に対するクリック率

6割以上が発注を思いとどまった

モーダル表示後、約49%がキャンセル、約14%が履歴確認へ遷移しました。
合計で6割以上のユーザーが一旦立ち止まっており、警告として機能していることが分かります。

計測前は「発注したいケースの方が多いのでは?」という予想もありましたが、結果は逆で、多くのユーザーがモーダルを見て立ち止まってくれました。
ユーザーの行動は、実際に計測してみないとわからないですね!

ただ、この6割の中に反射的にキャンセルをしたユーザーがいるかもしれません。
他の検証結果も踏まえて総合的に判断する必要があります。

あえて発注するニーズも確認

一方で、約37%はそのまま発注を進めました。「前回発注したばかりだが、在庫不足で追加したい」というニーズも確実にあるため、発注ボタンを押しやすく配置した設計は適切だったと言えます。

CSヒアリングからわかったこと

CSチームへのヒアリングでも「わかりにくい」といった問い合わせはなく、現時点では混乱なく受け入れられていることが確認できました。

ただ1件だけ、モーダル内の文言「追加でおむつの発注を進めますか?」を見て、「現在の発注に追加する形で変更でき、同じ日に届けてもらえる」と勘違いされたケースがありました。文言が誤解を招く要因となってしまったため、こちらは今後の改善課題としています。

また、自社での発注取消し作業を減らすため、ユーザー自身が誤った発注をキャンセルできるような機能を望んでいることもわかりました。

次の改善アクション

検証から見えた新たな課題に対し、以下の改善を検討しています。

  • 文言の微調整:「追加で」を「別で」などに変更し、誤解を完全になくす
  • キャンセル機能: 管理画面からキャンセル可能にし、誤発注しても自己処理できるようにする

おわりに

小さな改善に見えるかもしれませんが、「意図しない操作」はユーザー体験を損なう大きな要因です。また、「問い合わせを減らす」ことは自社のコスト削減にも繋がります。

今回のように、クリック率といった定量データと、CSへのヒアリングという定性データの両面から検証を行うことで、「デザインがどのように機能したか」「次は何をすべきか」が明確になりました。

次の検証方法「フェーズ2」では、検証期間に繁忙期を含むため、より多くの問い合わせから分析をすることができます。新規利用のユーザーも増えるため、初めてこのモーダルを見る方の反応もわかるはずです。次はより精度の高い検証ができるかと思います。

また、副次的なメリットとして、PO、CS、エンジニア、デザイナーが集まって一つの課題に対する効果検証を行うプロセス自体にも価値があったと感じています。職種を超えてユーザーのことを考える機会にもなり、同じ方向を向いて課題解決に取り組むことでチームとしての連携が深まった気もします。

今回の学びを活かし、これからもユーザーにとって本当に価値のある改善を続けていきたいです🧑‍🍼♻️

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