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「時間がないから口頭で」な上司と働くのはつらい

2022/06/01に公開

https://twitter.com/siskw/status/1531640417435123713?s=20&t=CeJlkubJlIt6MqC5cGuMRw

対話で仕事をしたがる人の場合、作業を進める際に付随する雑事を自分でやりたくないパターンがありますね…年長者に多い印象があります。
意思決定だけが自分の仕事で、決定内容の記録や伝達に必要な作業を別の人にやらせたいので、とにかく対面で話したがる。会議後に「あとはよろしく」って言う。

対話にすることで相手にその後の雑事の主導権を渡すという手法になっているので、Teamsみたいなテキストではダメなんだよね。
そして対話しかしていないので、そもそも思考をテキストに落とし込む能力が著しく低かったりするケースもあって…。作文ができない&パソコンが使えない。

まあこの引用がすべてなんですが、まさにこれと同じような上司に苦しんだ経験をしているのでお話しします。


うちの会社にもチャットツールが導入されてしばらく経つのですが、その上司というのがとにかく「会話させてください」「打ち合わせのときに話しましょう」で、チャットで質問しても返事がない(定例ミーティングのときに口頭で返事が来る)、仕事の指示も口頭、レビュー指摘も口頭、説明も口頭、資料とかも特に作ってないので、上司が話すのを必死にメモするみたいな感じです。

で、上司の側も事前に話すことを決めてるわけではなくアドリブで話すので、話がすぐに逸れるし後で「言った言わない」の議論になるしで、まあとにかく大変です。この上司の下で働いたのは一ヶ月くらいでしたが、定例ミーティングの前はいつも憂鬱な気持ちになっていたし、ミーティングが終わったらぐったりして仕事にならなかったです。

これがまさに、引用した「決定内容の記録や伝達に必要な作業を別の人にやらせたい」なわけですが。
結局どうしてその上司と話してて疲れるかって、こちら側が上司の話の背景、目的、制約条件、等々をヒアリングして言語化して構造化した上で進め方を考えて提案して合意をもらうところまで毎回やらないといけないからで。雑なこと言うと 「要件定義」を毎回の会話ごとにやってるようなものだから、そりゃ疲れるんですよね。

振り返ってみると、それまで一緒に働いた上司たちは、複雑なことをやり取りするために「会話で」ということはありましたが、それにしたって話す内容の目次くらいは事前に向こうで用意してくれていたので、そういうのを見ながら「全体がこれくらいあって、今ここの話をしているんだな」というのが分かるので、話を聞くのがすごく楽だったんですよ。

ところがその上司は完全にアドリブで話すので、今どこにいてどこに向かっているのかもわからない状態で聞くので、会話中はずーっと神経をとがらせていないといけません。ボールを取り落とさないように会話しながら必死に議事録を取らないといけないし。しかもあとで全然違うことを言われたりして(言った本人が忘れてる)。


そういった状況が続いたので、「ちょっと会話させて」と上司に言われたときに「どういうことを私に要求しているのか、事前にリストアップして出してくれませんか?」というのを要求してみたんですが、上司の答えは「時間がないので無理」だそうな。
そりゃまあ、コミュニケーションのコストを一方的に部下に押し付けてたら、上司の側は楽だよね、と。
ただしそういうやり方をされた部下の方は、とにかく短い頻度で上司に確認を取らないといけないし、とはいえ上司側も自分の要求をぜんぜん構造化できてないので勘違いや手戻りが頻発して、それによってさらに上司の仕事が増えて――。
そりゃそんな仕事のやり方をしてたら時間なくなるよな、と思いました。

そういったチームで何が起きるかというと「上司と会話したくない」という状況に陥ります。
タスクの文脈を上司からヒアリングするコストが高騰しすぎて「とりあえず上司に言われた具体的なことだけやろう…」になりがちです。しかも自分のやり方に確信が持てないので頻繁に小刻みに上司に確認する。
こうして上司-部下間のコミュニケーションのだけは高まって時間が奪われるわけですが、結局それは無圧縮の情報を無秩序にやり取りしているだけなのでコミュニケーションのはめちゃくちゃ低いんですよね。

コミュニケーション自体どうしてもコストがかかるので、それを軽くするためには情報の圧縮が必要です。これは「早くしゃべる」でもいいんですけど、まあそれだと限界があるので、「指示内容を構造化する」とか「指示の背景を伝えて細部を判断できるようにする」とか「伝える内容を抽象化する」とかの方法がとられます。
もちろん、「時間がないので会話で」な上司はそういった発信側の手間暇を惜しむので、会話では未加工の生の情報がどーんと流れてきて、非効率な長時間の打ち合わせがスケジュール帳にあふれて死にます。しかも内容が文書化されていないので異なる人に同じ説明を何回も喋ることになります。

これは結果だけを見ると「心理的安全性が低い」状態とあまり変わらないんですよね。上司とのやりとりが増えるので、会話の時間だけはめちゃくちゃ長いんですが。色々思うところがあったり、提案できること、コミットできることはあるけど、上司と話すと面倒だから黙っていよう……みたいな。


愚痴ばかり言っててもアレなんで、そういう上司を反面教師にしてこれから私たちはどうするべきか。
もうとにかく年長者だろうが職位が上だろうが、コミュニケーションの発信側がちゃんとコストをかけて言語化しようということですね。
それを一方的に押し付けてはいけない。
それは回り回って、年長者や上司の時間を奪うことにつながります。
私も後輩に同じことやってないか不安になりました。

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