人事部長はAI駆動BIで社員離職リスクをどう分析したか -Amazon Quick Suite-
本ブログは AWS AI Agent ブログ祭り(Zenn: #awsaiagentblogfes, X: #AWS_AI_AGENT_ブログ祭り)の第 8 日目です。
はじめに:ワークショップで学ぶAmazon Quick Suite
本記事は、AWSワークショップ「A Complete Guide to Amazon Quick Suite」で体験できるAmazon Quick Suiteの主要機能を説明するものです。(※現状ワークショップの言語は英語のみ)

Amazon Quick Suite は、生成AIを活用した包括的なビジネスインテリジェンス(BI)プラットフォームです。機械学習の専門知識を必要とせず、自然言語での対話を通じてインサイトを得ることができます。
ワークショップ完遂に要する標準時間は記載されていませんが、私は4時間以上を要しました。
本記事では数分の読了でAmazon Quick Suiteの全体像と主要機能を把握できるよう構成しています。
時間的制約でワークショップに取り組めない方には概要理解のガイドとして、これからワークショップに挑戦される方には事前学習や振り返りの資料としてご活用いただけます。
ワークショップでは、架空企業AnyCompany社の人事部長パウロ氏が主人公として登場します。Amazon Quick Suiteを活用し、彼が直面している課題を解決し、人事業務の変革に取り組みます。
人事部長パウロ氏が抱える主な課題
-
情報の分散と検索の非効率性
- 従業員データが複数システムに散在し、重要な情報を探すだけで数時間を消費
-
反復的タスクによる時間の浪費
- 月次レポート作成、従業員リクエスト処理、承認プロセスの調整などを反復
ワークショップで使用するデータセット
ワークショップでは、実際の企業環境を模擬した以下のデータセットを使用します:
HR政策文書(PDF形式)
- employee_handbook.pdf:従業員ハンドブック(全社ポリシー、福利厚生、行動規範)
- leave_policy.pdf:休暇ポリシー(有給休暇、病欠、育児休暇の規定)
- onboarding_checklist.pdf:新入社員オンボーディングチェックリスト
- performance_review_guidelines.pdf:パフォーマンスレビューガイドライン
従業員データ(CSV形式)
📊 employee_data.csv - サンプルデータを表示
従業員の詳細データ(0.8MB、約1,000件のレコード)
| Employee ID | Gender | Age | Department | Job Role | Position Level | Location | Annual Salary | Performance Rating | Engagement Score | Satisfaction Score | Training Hours | Attrition Flag |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| EMPF8C0D0 | Male | 48 | Sales | Sales Director | L3 | San Francisco | $143,230 | 3.1 | 82 | 7.4 | 62 | Low |
| EMP1D334D | Male | 35 | Operations | Process Engineer | L1 | San Francisco | $96,431 | 2.8 | 100 | 8.1 | 12 | High |
| EMP2D2A2D | Male | 28 | HR | HR Specialist | L2 | Austin | $77,490 | 4.1 | 51 | 5.9 | 15 | High |
| EMP7D0AF4 | Female | 36 | Finance | Finance Manager | L4 | San Francisco | $195,371 | 3.5 | 41 | 5.9 | 60 | High |
主要な分析項目:
- 識別情報:従業員ID、マネージャーID
- 人口統計:年齢、性別、所在地
- 雇用情報:部門、役職、役職レベル、入社日、退職日
- 報酬データ:給与、ボーナス
- パフォーマンス:評価スコア、昇進履歴
- エンゲージメント:満足度スコア、トレーニング時間、認定数
- 離職リスク指標:離職フラグ(分析の核心データ)
📄 employee_feedback_full_dataset.pdf - データ概要
従業員フィードバックデータ(1.7MB)
このPDFには、従業員の声、満足度調査結果、改善提案が含まれています。主な内容:
- 従業員満足度調査の自由記述回答
- 部門別・役職別のフィードバック集計
- 改善提案とその優先度評価
- 経営層へのメッセージ
このデータは、Quick Researchでの定性分析や、Custom Chat Agentでの質問応答に活用されます。
📅 public_holidays.csv - サンプルデータを表示
会社の祝日カレンダー
| Date | Holiday Name | Type |
|---|---|---|
| 2025-01-01 | New Year's Day | Federal |
| 2025-01-20 | Martin Luther King Jr. Day | Federal |
| 2025-02-17 | Presidents' Day | Federal |
| 2025-05-26 | Memorial Day | Federal |
| 2025-07-04 | Independence Day | Federal |
| 2025-09-01 | Labor Day | Federal |
| 2025-11-27 | Thanksgiving Day | Federal |
| 2025-12-25 | Christmas Day | Federal |
このデータは、休暇申請システム(Actions)やカレンダー統合(Flows)で参照されます。
これらのデータを組み合わせることで、構造化データ(CSV)と非構造化データ(PDF文書)の両方を活用した包括的な人事分析が可能になります。特にemployee_data.csvの離職リスク指標は、本記事のタイトルにもなっている、Quick Sightでの離職リスク分析の核心となるデータです。
主要機能の説明
ワークショップでは Quick Suite の8つの機能のハンズオンが行われます。
- 統合チャット(Unified Chat)
- スペース(Spaces)
- 研究(Research Agent)
- アクション(Actions)
- フロー(Flows)
- カスタムチャットエージェント(Custom Chat Agent)
- クイックサイト(Quick Sight)
- ナレッジベース(Knowledge bases)
Quick Suite画面における各機能の位置付けは以下の通りです。

1. 統合チャット:AIアシスタントとの自然言語対話

統合チャットについては、このブログに辿り着くような方ならば、他の類似AIチャットアプリケーションのご利用経験から、なんとなくどういうものかがわかると思いますので詳細は省略します。
自然言語での質問に対してAIが回答を提供しますが、特筆すべきはWeb検索機能がオプションで選択できることと、組織データへのアクセス(このあとの他の機能紹介で詳細説明)が統合されている点です。
ワークショップでは、パウロ氏は、従業員ハンドブックファイルをアップロードし、「会社はどのように業績評価と専門能力開発計画を管理していますか?」といった質問を投げかけることで、即座に正確な情報を取得できました。回答には適切な引用元が明示され、情報の信頼性が担保されます。

2. スペース:チーム向けの知識共有環境
スペースは、関連するアセット(ドキュメント、ダッシュボード、ナレッジベース、アクション、トピックなど)を整理し、特定のメンバーと共有できるコレクション機能です。パウロ氏は以下の2つの関連資料をまとめたスペースを作成しました:
-
HR - Company Policies:全社向けのHRポリシーと手順の中央リポジトリ
- employee_handbook.pdf:従業員ハンドブック(全社ポリシー、福利厚生、行動規範)
- leave_policy.pdf:休暇ポリシー(有給休暇、病欠、育児休暇の規定)
- performance_review_guidelines.pdf:パフォーマンスレビューガイドライン
- public_holidays.csv:会社の祝日カレンダー
-
HR - Operations:HR業務データ、分析、内部手順
- onboarding_checklist.pdf:新入社員オンボーディングチェックリスト
- employee_feedback_full_dataset.pdf:従業員フィードバックデータ

先ほどご紹介した統合チャットで、作成したスペースを選択すると、その情報を考慮した回答をしてくれます。

これにより、チームメンバーは必要な情報に迅速にアクセスでき、情報の一元管理が実現しました。スペースは単なるファイル共有ではなく、AIが理解可能な構造化された知識ベースとして機能します。
3. 研究:深掘りリサーチエージェント
Amazon Quick Research は、他のAIサービスにおける「Deep Research」に相当する機能をイメージするとわかりやすいと思います。Web検索だけでなく、自社データもデータソースとして活用できる点が大きな特徴です。
パウロ氏は、「中規模テクノロジー企業におけるリモートワークポリシーの現在のベストプラクティスは何か?生産性測定アプローチ、推奨されるコラボレーションツール、ワークライフバランスの考慮事項を含めて」というリサーチ目標を設定しました。
Quick Researchは、Web検索と社内のHR - Company Policiesスペースを組み合わせて包括的な調査を実施し、構造化されたレポートを生成します。各主張には適切な引用が付与され、情報源の透明性が確保されます。リサーチには最大1時間かかる場合がありますが、完了すると詳細な分析レポートが提供され、バージョン管理や要約機能も利用できます。

4. アクション:外部システムとの統合
アクションでは、外部システムとの統合により、自然言語での指示だけで外部システムの操作が可能になります。
ワークショップでは、OpenAPI統合とMCP(Model Context Protocol)統合の2つの統合方式を体験できます。
ワークショップで事前準備されている統合環境
ワークショップでは、CloudFormationによって以下のリソースが自動的にデプロイされ、すぐに使える状態で提供されます:
1. OpenAPI統合:Workshop HR System API
AWS API Gateway + Lambda + DynamoDBで構築されたHRシステムAPIです。以下のエンドポイントが利用可能です:
-
従業員管理:
ListEmployees、CreateEmployee、GetEmployee -
求人管理:
ListJobListings、CreateJobListing、GetJobListing -
休暇申請:
ListTimeOffRequests、CreateTimeOffRequest、GetTimeOffBalance -
チケット管理:
ListTickets、CreateTicket、GetTicket、AddTicketComment -
メール送信:
ListEmails、SendEmail、GetEmailMessage -
カレンダー:
ListCalendarEvents、CreateCalendarEvent、UpdateCalendarEvent
認証にはAmazon Cognito User Poolが使用され、OAuth 2.0フローで保護されています。
2. MCP統合:AWS News MCP Server
Amazon Bedrock AgentCore Gatewayを通じて公開されたMCPサーバーです。AWSの最新ニュースとアナウンスメントを取得できるget_latest_aws_newsツールを提供します。
事前準備されている設定ファイルの詳細
ワークショップでは、S3バケットから以下の2つのファイルをダウンロードして使用します:
📄 workshop-schema.json(OpenAPI仕様書) - クリックして展開
{
"openapi": "3.0.0",
"info": {
"title": "Workshop HR System API",
"version": "1.0.0",
"description": "Complete HR management system with employee records, job listings, time-off requests, IT support tickets, internal messaging, and calendar events."
},
"servers": [
{
// APIのベースURL(API Gatewayのエンドポイント)
"url": "https://k5xy1bnjgj.execute-api.us-east-1.amazonaws.com/prod"
}
],
"paths": {
"/employees": {
"get": {
// 従業員一覧を取得するエンドポイント
"description": "Retrieve a paginated list of all employees",
"operationId": "listEmployees",
"parameters": [
{
"name": "limit",
"in": "query",
"description": "Maximum number of employees to return (max 50)",
"schema": { "type": "integer" }
}
],
"responses": {
"200": {
"description": "Successfully retrieved employee list"
}
},
// OAuth 2.0による認証が必要(読み取り権限)
"security": [{"oauth2": ["workshop/read"]}]
},
"post": {
// 新しい従業員を作成するエンドポイント
"description": "Create a new employee record",
"operationId": "createEmployee",
"requestBody": {
"required": true,
"content": {
"application/json": {
"schema": {
"type": "object",
// 必須フィールド:名、姓、メール、部門
"required": ["first_name", "last_name", "email", "department"],
"properties": {
"first_name": {"type": "string"},
"last_name": {"type": "string"},
"email": {"type": "string", "format": "email"},
"department": {"type": "string"},
"position": {"type": "string"},
"hire_date": {"type": "string", "format": "date"}
}
}
}
}
},
// OAuth 2.0による認証が必要(書き込み権限)
"security": [{"oauth2": ["workshop/write"]}]
}
}
// 他のエンドポイント(/job-listings、/time-off、/tickets、/emails、/calendar/events)も同様の構造
},
"components": {
"securitySchemes": {
"oauth2": {
"type": "oauth2",
"flows": {
"authorizationCode": {
// OAuth 2.0認証フローのエンドポイント(Cognito User Pool)
"authorizationUrl": "https://workshop-hr-{account-id}.auth.us-east-1.amazoncognito.com/oauth2/authorize",
"tokenUrl": "https://workshop-hr-{account-id}.auth.us-east-1.amazoncognito.com/oauth2/token",
"scopes": {
"workshop/read": "Read access to resources", // 読み取り権限
"workshop/write": "Write access to resources" // 書き込み権限
}
}
}
}
}
}
}
このファイルは、Quick SuiteがAPIの構造を理解し、適切なエンドポイントを呼び出すために必要な情報を提供します。各エンドポイントの操作(GET、POST)、必要なパラメータ、認証方法が定義されています。
📄 workshop-details.txt(認証情報) - クリックして展開
Workshop Login Details
========================
OpenAPI Configuration (Actions Module):
- Base URL: https://xxxxx.execute-api.us-east-1.amazonaws.com/prod/
- Client ID: ************************
- Client Secret: ************************************************
- Token URL: https://workshop-hr-{account-id}.auth.us-east-1.amazoncognito.com/oauth2/token
- Authorization URL: https://workshop-hr-{account-id}.auth.us-east-1.amazoncognito.com/oauth2/authorize
MCP Configuration (Actions Module):
- MCP Server Endpoint: https://aws-news-mcp-xxxxx.gateway.bedrock-agentcore.us-east-1.amazonaws.com/mcp
- Client ID: ************************
- Client Secret: ************************************************
- Token URL: https://workshop-hr-{account-id}.auth.us-east-1.amazoncognito.com/oauth2/token
- User Pool ID: us-east-1_xxxxxxxxx
Test Credentials:
- Username: jane_doe@example.com
- Password: ****************
重要: これらの認証情報は、CloudFormationスタックのデプロイ時に自動生成され、S3バケットに保存されます。上記は例示のためマスキングしていますが、実際のワークショップでは各参加者固有の値が生成されます。ワークショップ参加者は、これらの情報をコピー&ペーストするだけで統合を完了できます。

実際の使用例
パウロ氏は、以下のような自然言語での指示だけでシステムを操作できました:
OpenAPI統合の例
- 「現在募集中の職種は何ですか?」→
ListJobListingsAPIが自動呼び出し - 「来週火曜日から水曜日まで歯医者の予約があるため休暇を申請したい」→ フォーム生成後、
CreateTimeOffRequestAPIを実行


MCP統合の例
- 「今週のAWSの新機能は何ですか?」→
get_latest_aws_newsツールが最新のAWSニュースフィードを取得

サードパーティ統合とカスタム実装
ワークショップでは、事前準備されたOpenAPI統合とMCP統合を体験できますが、実際の業務では以下のような統合も可能です:
サードパーティサービスとの統合
- Jira:課題管理とプロジェクト追跡
- Slack:チームコミュニケーションと通知
- Confluence:ドキュメント管理と知識共有
- Asana:プロジェクト管理とタスク追跡
- Microsoft Teams:メッセージング、チャネル、コラボレーション
- Salesforce:CRM操作と顧客データ管理
これらのサードパーティ統合やカスタムAPI統合の詳細な実装方法については、ワークショップの「Action Connectors Reference」セクションを参照してください。各サービスの具体的な設定手順、認証方法、使用例が詳しく解説されています。
5. フロー:ノーコードワークフロー自動化
Amazon Quick Flowsは、ビジネスユーザーがプログラミング知識なしで複雑な自動化ワークフローを構築できる革新的な機能です。自然言語での指示、またはGUIでのドラッグ&ドロップ操作により、日常業務を自動化できます。
チャットからFlowを自動生成
パウロ氏は、HR関連の質問に答えるチャット会話を、再利用可能なワークフローに変換できることに気づきました。
Quick Suiteスペース内で利用可能な人事関連文書を使用して、
特定のオンボーディングに関する質問を入力として受け取り、
従業員のオンボーディングプロセスに関する詳細な回答を出力するフローを生成します。
自然言語で上記ワークフロー生成指示をします。

生成ボタンを押すとフローの生成が始まります。

以下のようなワークフローが生成されました。

「Generate」をクリックすると、短時間でFlowが自動生成されます。これにより、チームメンバーは同じ質問を繰り返し尋ねることなく、標準化された回答を得られるようになります。
実践:複雑な従業員オンボーディングの完全自動化
上記例は比較的シンプルなフローでしたが、
パウロ氏は、以下の複雑かつ反復的なタスクを1つのFlowで自動化することにチャレンジしました:
- 従業員レコード管理:新入社員のオンボーディング時に従業員を作成
- ウェルカムメール送信:新入社員へのパーソナライズされたオンボーディングメールを送信
- ITチケット作成:新入社員のバッジ作成用のサポートチケットを生成
Flowの構成(15ステップ)
- 入力ステップ(1-7):名、姓、メール、部門、役職、入社日、マネージャーのメール
-
従業員存在確認(8):
ListEmployeesAPIを呼び出して既存従業員を確認 -
条件付き処理グループ(9-15):従業員が存在しない場合のみ以下を実行
- 従業員レコード作成(
CreateEmployeeAPI) - ウェルカムメール生成(HR - Company Policiesスペースを参照)
- メール送信(
SendEmailAPI) - バッジリクエストチケット生成
- ITチケット作成(
CreateTicketAPI) - 最終サマリー生成
- 従業員レコード作成(

@記号による前ステップの参照
Flowsの強力な機能の1つが、@記号を使った前ステップの出力参照です。(@に該当する前ステップは、上の画像の左側のプロンプトにある青枠で表されています)
例えば、ステップ11「Generate Welcome Email」のプロンプトでは、以下のように前のステップの出力を参照しています:
-
@First Name:ステップ1で入力された名前 -
@Last Name:ステップ2で入力された姓 -
@Position:ステップ5で入力された役職 -
@Department:ステップ4で入力された部門 -
@Hire Date:ステップ6で入力された入社日
さらに、ステップ12「Send Welcome Email」では、@Generate Welcome Emailを使って、ステップ11で生成されたメール本文を参照します:
このように、各ステップが前のステップの結果を活用し、データが自然に流れるワークフローを構築できます。
Reasoning Group(条件分岐)
ステップ9の「Employee Creation Flow」は、Reasoning Groupと呼ばれる条件分岐ロジックです:
条件:@Emailが@Check Employee Existsの結果に見つからない場合に実行
これにより、冪等性(同じ従業員を重複して作成しない)が保証されます。
ヒューマン・イン・ザ・ループによる確認
外部システムへの書き込みを行うアクションステップ(Create Employee Record、Send Welcome Email、Create Badge Ticket)では、実行前に確認画面が表示されます。ユーザーは、以下の内容を確認してから「Submit」ボタンをクリックすることで、アクションを実行します:
- 作成される従業員の情報(名前、メール、部門、役職など)
- 送信されるメールの宛先と内容
- 作成されるチケットの詳細
これにより、誤った操作や重複作成を防ぎ、人間による最終確認を経てから外部システムに変更が加えられます。
自然言語でも同じFlowを作成可能
上記のFlowは、GUIで手動構築しましたが、この複雑なタスクにおいても自然言語プロンプトだけでも同等のFlowを生成できます。
📝 自然言語プロンプトの例 - クリックして展開
以下のプロンプトを使用すると、上記と同じFlowが自動生成されます:
以下の完全な仕様でHR従業員オンボーディングFlowを作成してください:
【Flow設定】
タイトル:HR - Employee Onboarding Flow
説明:従業員レコード作成、ウェルカムメール、ITセットアップチケットを自動化
【Flowステップ構造】
入力ステップ(ステップ1-7)- テキスト入力タイプ
すべてのステップは「テキスト」ステップタイプを使用:
ステップ1:First Name
- ステップタイプ:テキスト
- タイトル:First Name
- プレースホルダー:従業員の名を入力してください
- 出力:@First Name
ステップ2:Last Name
- ステップタイプ:テキスト
- タイトル:Last Name
- プレースホルダー:従業員の姓を入力してください
- 出力:@Last Name
ステップ3:Email
- ステップタイプ:テキスト
- タイトル:Email
- プレースホルダー:従業員のメールアドレスを入力してください
- 出力:@Email
ステップ4:Department
- ステップタイプ:テキスト
- タイトル:Department
- プレースホルダー:Engineering, Human Resources, Sales, Marketing, Finance, Operations, Legal, IT
- 出力:@Department
ステップ5:Position
- ステップタイプ:テキスト
- タイトル:Position
- プレースホルダー:Software Engineer, Senior Software Engineer, Engineering Manager, HR Specialist, HR Manager, Sales Representative, Sales Manager, Marketing Specialist, Marketing Manager, Financial Analyst, Accountant, Operations Specialist, Legal Counsel, IT Specialist, Director, VP, CEO
- 出力:@Position
ステップ6:Hire Date
- ステップタイプ:テキスト
- タイトル:Hire Date
- プレースホルダー:入社日を入力してください(YYYY-MM-DD形式)
- 出力:@Hire Date
ステップ7:Manager Email
- ステップタイプ:テキスト
- タイトル:Manager Email
- プレースホルダー:マネージャーのメールアドレスを入力してください
- 出力:@Manager Email
【データ取得ステップ(ステップ8)】
ステップ8:Check Employee Exists
- ステップタイプ:Application actions
- タイトル:Check Employee Exists
- コネクタ:Workshop APIs
- アクションタイプ:ListEmployees
- プロンプト:既存従業員の名、姓、メール、従業員ID、役職をテーブル形式でリストしてください。@Emailと@Manager Emailでフィルタリングしてください。テーブルのみを出力してください。
- 出力:@Check Employee Exists
【条件ロジックグループ(ステップ9)】
ステップ9:Employee Creation Flow
- ステップタイプ:Reasoning
- タイトル:Employee Creation Flow
- 実行頻度:Once
- Reasoning指示:@Emailが@Check Employee Existsの結果に見つからない場合に実行してください。
- 含まれるステップ:10-15(このreasoning group内にネスト)
【Reasoning Group内のネストされたステップ(ステップ10-15)】
ステップ10:Create Employee Record
- ステップタイプ:Application actions(reasoning group内)
- タイトル:Create Employee Record
- コネクタ:Workshop APIs
- アクションタイプ:CreateEmployee
- プロンプト:従業員を作成してください:first_name: @First Name, last_name: @Last Name, email: @Email, department: @Department, position: @Position, hire_date: @Hire Date
- 出力:@Create Employee Record
ステップ11:Generate Welcome Email
- ステップタイプ:Quick Suite data(reasoning group内)
- タイトル:Generate Welcome Email
- ソース:Quick Suite data
- Spaces:HR - Company Policies
- プロンプト:@First Name @Last Nameさんが@Departmentで@Positionとして@Hire Dateから勤務開始することについて、500語以内でパーソナライズされたウェルカムメールを作成してください。メールにCCされているマネージャーが初日前に連絡することを記載してください。メール本文のみを出力してください。
- 出力:@Generate Welcome Email
ステップ12:Send Welcome Email
- ステップタイプ:Application actions(reasoning group内)
- タイトル:Send Welcome Email
- コネクタ:Workshop APIs
- アクションタイプ:SendEmail
- プロンプト:[@Email]に送信し、[@Manager Email]をCCに含めてください。件名:'Welcome to AnyCompany - @First Name @Last Name'。本文:@Generate Welcome Email
- 出力:@Send Welcome Email
ステップ13:Generate Badge Request Ticket
- ステップタイプ:Quick Suite data(reasoning group内)
- タイトル:Generate Badge Request Ticket
- ソース:Quick Suite data
- Spaces:HR - Company Policies
- プロンプト:@Departmentの@First Name @Last Nameさんのバッジ作成リクエストチケットを生成してください。@Hire Dateが今日から7日以内の場合は'High'を返してください。それ以外の場合は'Low'を返してください。バッジリクエストのタイトル、優先度、説明のみを出力してください。
- 出力:@Generate Badge Request Ticket
ステップ14:Create Badge Ticket
- ステップタイプ:Application actions(reasoning group内)
- タイトル:Create Badge Ticket
- コネクタ:Workshop APIs
- アクションタイプ:CreateTicket
- プロンプト:@Generate Badge Request Ticketに記載されている詳細からチケットを作成してください。カテゴリは'Technical'としてください。
- 出力:@Create Badge Ticket
ステップ15:Onboarding Summary
- ステップタイプ:General knowledge(reasoning group内)
- タイトル:Onboarding Summary
- ソース:General knowledge
- プロンプト:@First Name @Last Nameさんの包括的なオンボーディングサマリーを生成してください。以下を含めてください:@Create Employee Recordからの従業員作成、@Send Welcome Emailからのウェルカムメール、@Create Badge TicketからのITチケット。
- 出力:@Onboarding Summary
【Flowロジックサマリー】
- データ収集:7つのテキスト入力ステップを通じて従業員情報を収集
- 検証:Workshop APIsを使用して従業員が既に存在するかチェック
- 条件処理:reasoning groupを使用して冪等性を確保 - 従業員が存在しない場合のみ作成
- 従業員作成:システムに従業員レコードを作成
- コミュニケーション:マネージャーをCCに含むパーソナライズされたウェルカムメールを生成・送信
- ITセットアップ:入社日の近接度に基づいて優先度付けされたバッジリクエストチケットを作成
- サマリー:包括的なオンボーディング完了サマリーを生成
【主要機能】
- 冪等性:重複した従業員作成を防止
- 動的優先度:入社日に基づいてバッジチケットの優先度を設定
- パーソナライゼーション:従業員の詳細に基づいてウェルカムメールをカスタマイズ
- 統合:従業員管理とメール送信にWorkshop APIsを使用
- ナレッジ統合:コンテンツ生成にHR Company Policiesスペースを活用
このように、詳細な自然言語プロンプトを使用することで、テンプレート化されたFlowを他のメンバーと共有でき、組織全体で一貫したワークフローを展開できます。
従来であれば、ソフトウェアエンジニアが数週間から数ヶ月かけて開発する機能を、短時間で構築できました。
6. カスタムチャットエージェント:専門特化型AIアシスタント
Custom Chat Agentは、特定のビジネスコンテキストと専門知識を持つAIアシスタントです。パウロ氏は、「HR Policy Assistant」を作成し、以下の設定を行いました:
- エージェントアイデンティティ:HR関連の質問に正確な情報を提供する専門エージェント
- ナレッジソース:HR - Company Policiesスペースをリンク
- アクション:Workshop APIsを接続
- コミュニケーションスタイル:プロフェッショナルかつ親しみやすいトーン

このエージェントは、従業員からのHR関連の質問に一貫した回答を提供し、複雑な問い合わせについては適切な人事担当者への誘導を行います。
7. Amazon Quick Sight:離職リスク分析の実践
Amazon Quick Sightは、データを可視化し、インタラクティブなダッシュボードを作成するBIサービスです。パウロ氏は、従業員の離職リスクを分析するため、Quick Sightを活用しました。
データセットとトピックの作成
まず、employee_data.csvから「Employee-DataSet」を作成しました。次に、このデータセットに基づいて「Employee-Data-Topic」を作成しました。
トピックとは、1つ以上のデータセットを集約し、ビジネスユーザーが自然言語で質問できるようにする仕組みです。
トピックを作成する際、Quick SightのML機能が自動的にフィールドの選択、わかりやすい名前付け、シノニムの識別を支援します。
さらに、メタデータを手動設定(フィールドの選択、シノニムの追加など)することで、自然言語での質問精度が向上します。
これにより、技術的なSQLクエリを知らなくても、ビジネスユーザーが自分でデータ分析を行えるようになります。

Workforce Analytics Assistantの作成
次に、HR - OperationsスペースにEmployee-Data-Topicを追加し、専門的なAIアシスタント「Workforce Analytics Assistant」を作成しました。
作成プロセス:
- Chat Agentsから新規作成:「Create chat agent」を選択
- 自然言語でエージェントの目的を記述:以下のプロンプトを入力
「ワークフォースアナリティクスアシスタント」という名前のHR分析チャットエージェントを作成してください。
このエージェントは、「HR - オペレーション」領域の情報を使用して、従業員データ分析、離職防止戦略、およびパフォーマンスに関するインサイトに特化し、「Workshop API」を通じてアクションを実行できます。
このエージェントは、従業員の定着率向上に向けたデータに基づいた推奨事項を提供し、離職リスクの高い従業員を特定し、研修・能力開発の機会を提案し、機密性の高い従業員情報の秘密保持を維持しながら、人員計画に関する意思決定を支援する必要があります。
- 自動生成:Quick Suiteがプロンプトを解析し、エージェントを自動生成
- リソースの確認:HR - OperationsスペースとWorkshop APIsが自動的にリンクされていることを確認
Workforce Analytics Assistantによる離職リスク分析
このエージェントを使用して、パウロ氏は以下の離職リスク分析を実施しました。
1. 高リスク従業員の特定
「Which five employees are most at risk of attrition based on the data?(データに基づいて、離職リスクが最も高い5人の従業員は誰ですか?)」

※ここでは日本語で質問してもきちんと回答してくれなかったため、ワークショップ通りの英語で質問をしています。
📊 Workforce Analytics Assistantの実際の回答(日本語翻訳) - クリックして展開
従業員データの分析に基づいて、離職リスクが最も高い5人の従業員を特定しました。主な調査結果は以下の通りです:
最高離職リスクの上位5名の従業員
| 従業員ID | 部門 | 役職 | パフォーマンス評価 | エンゲージメントスコア | 満足度スコア | 欠勤日数 | 主要リスク要因 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| EMP011DC7 | 未指定 | 未指定 | 1.6 | 88.0 | 4.9 | 12 | 最低パフォーマンス評価、高い欠勤日数 |
| EMP016BAD | 未指定 | 未指定 | 1.4 | 65.0 | 6.1 | 7 | 2番目に低いパフォーマンス評価 |
| EMP00E52D | 未指定 | 未指定 | 2.2 | 100.0 | 5.7 | 1 | 高いエンゲージメントにもかかわらず低いパフォーマンス |
| EMP011734 | 未指定 | 未指定 | 2.4 | 86.0 | 6.3 | 18 | 最高欠勤日数(18日)、低いパフォーマンス |
| EMP0141A7 | 未指定 | 未指定 | 2.2 | 86.0 | 9.3 | 3 | 高い満足度にもかかわらず低いパフォーマンス評価 |
特定された主要な離職リスク要因
パフォーマンス関連リスク:
- 低いパフォーマンス評価(5点満点中1.4~2.4)
- 一貫性のないパフォーマンスパターン
- 期限管理とコミュニケーションの課題
エンゲージメントと満足度の問題:
- 低い満足度スコア(特に6.0以下)
- 時間経過に伴うエンゲージメントレベルの低下
- 高いエンゲージメントと低い満足度の不一致
行動指標:
- 高い欠勤日数(最高リスク従業員で12~18日)
- 最近のパフォーマンス低下
- 最近のレビューでの低いフィードバック評価
推奨される定着戦略
即座のアクション:
- パフォーマンス改善計画 - 評価が3.0未満の従業員向けに構造化された能力開発プログラムを実施
- 1対1コーチング - 期限管理とコミュニケーションスキルのための的を絞ったサポートを提供
- 業務負荷評価 - 欠勤率が高い従業員の責任をレビューし、再配分を検討
中期的施策:
- キャリア開発計画 - エンゲージメントを高めるための明確な昇進パスを作成
- スキルトレーニングプログラム - パフォーマンスレビューで特定された具体的な能力ギャップに対処
- ワークライフバランスプログラム - 欠勤率を削減するための柔軟な勤務形態を導入
継続的モニタリング:
- 月次チェックイン - エンゲージメントと満足度のトレンドを追跡するための定期的なパルスサーベイ
- 早期警告システム - 予測的インサイトのための主要指標(パフォーマンス、出勤、エンゲージメント)を監視
- 退職面談分析 - 退職フィードバックに基づいて定着戦略を継続的に改善
データは、パフォーマンス評価が2.5未満で、高い欠勤率または満足度スコアの低下を伴う従業員が最高の離職リスクを示しており、即座の介入を優先すべきであることを示しています。
2. 即座のアクション提案
「What immediate actions should we take for high-risk employees?(高リスク従業員に対して、どのような即座のアクションを取るべきですか?)」

※ここでは日本語で質問してもきちんと回答してくれなかったため、ワークショップ通りの英語で質問をしています。
🎯 Workforce Analytics Assistantの実際の回答(日本語翻訳) - クリックして展開
最高リスクの5名の従業員の分析に基づいて、取るべき即座のアクションは以下の通りです:
即時介入計画(今後7~14日以内)
1. 緊急マネージャーミーティング
48時間以内に各高リスク従業員の直属マネージャーとの1対1ミーティングをスケジュールし、以下を実施:
- 現在のパフォーマンス上の懸念と課題をレビュー
- 即座のサポートニーズを特定
- 業務負荷とストレス要因を評価
- パフォーマンスに影響を与えている具体的な問題を文書化
2. パフォーマンスサポート介入
EMP011DC7とEMP016BAD(最低パフォーマンス評価)向け:
- 即座のパフォーマンス改善計画を実施(30日間の初期レビュー)
- 日々のガイダンスのための専任メンターまたはシニアチームメンバーを割り当て
- 複雑なプロジェクト割り当てを一時的に削減
- コアコンピテンシーのための追加トレーニングリソースを提供
EMP011734(最高欠勤率 - 18日)向け:
- ウェルネスチェックを実施し、個人的/健康上の問題の可能性を評価
- 業務負荷の配分をレビューし、一時的な調整を検討
- 適切な場合は柔軟な勤務形態を検討
- 利用可能な場合は従業員支援プログラムと連携
3. エンゲージメントとコミュニケーションアクション
週次チェックイン:
- 直属上司との15分間の簡潔な週次ミーティングをスケジュール
- 障害の除去とサポートニーズに焦点を当てる
- 特定のパフォーマンス指標の進捗を追跡
明確な期待値の設定:
- 今後30日間の具体的で測定可能なパフォーマンス目標を文書化
- 現在のパフォーマンスギャップに関する書面フィードバックを提供
- 明確な結果と改善タイムラインを確立
4. リソース配分
トレーニングと能力開発:
- 2週間以内に関連するスキル構築コースに登録
- ピアメンタリングのために高パフォーマンスの同僚とペアリング
- 自己ペース学習のためのオンライン学習プラットフォームへのアクセスを提供
業務負荷管理:
- 高優先度プロジェクトを一時的に再配分
- コア業務に集中するためにミーティングのコミットメントを削減
- 必要に応じて管理サポートを割り当て
5. 文書化とモニタリング
アクションプランの作成:
- すべての介入と期待される結果を文書化
- 30日、60日、90日のレビューマイルストーンを設定
- 改善を測定するための明確な指標を確立
早期警告システム:
- 週次パフォーマンスパルスチェックを実施
- 出勤パターンを綿密に監視
- 簡潔なサーベイを通じてエンゲージメントを追跡
6. 定着率向上のための対話
1週間以内:
- キャリア目標と満足度について率直な対話を実施
- 役割適合性が問題の場合は社内異動の機会を検討
- 報酬、福利厚生、または認識に関する懸念を議論
- 彼らが留まりたいと思う理由を特定
追跡すべき成功指標
- パフォーマンス評価 - 60日以内に3.0以上への改善を目標
- 出勤率 - 30日以内に欠勤日数を50%削減
- エンゲージメントスコア - 現在のレベルを維持または改善
- 満足度スコア - 90日以内に7.0以上への改善を目標
エスカレーショントリガー
30日以内に以下のいずれかを示した場合、シニアリーダーシップにエスカレーション:
- パフォーマンス評価のさらなる低下
- 欠勤パターンの増加
- 転職活動の口頭での示唆
- 改善努力への抵抗
重要なのは、これらの従業員がまだパフォーマンスを好転させる可能性があるほど十分にエンゲージしている間に、迅速に行動することです。対応の遅れは、定着成功の可能性を大幅に低下させます。
このように、Workforce Analytics Assistantは、単なるデータ検索ツールではなく、データを分析し、洞察を提供し、具体的なアクションを提案するAIパートナーとして機能します。パウロ氏は、技術的な専門知識なしに、データドリブンな人材戦略を立案できるようになりました。
8. ナレッジベース:エンタープライズ規模の知識管理
Knowledge Basesは、複数のデータソースからの文書を統一的に検索可能にする機能です。パウロ氏は、Amazon S3をデータソースとするKnowledge Baseを構築しました。
S3 Knowledge Baseの構築
以下のHR文書をS3バケット(anycompany-hr-documents-{account-id}-us-east-1)にアップロードし、Knowledge Baseとして統合しました:
- leave_policy.pdf
- employee_handbook.pdf
- onboarding_checklist.pdf
- performance_review_guidelines.pdf
- public_holidays.csv
統合と検索
Quick Suiteのインテグレーションメニューから「S3 HR Documents Integration」を作成し、「HR knowledge base」として設定しました。これにより、セマンティック検索により、以下のような質問に対して適切な文書から関連情報を抽出し、引用元を明示して回答します:
- 「新入社員オンボーディングチェックリストにはどのようなステップが含まれていますか?」

これまでの他の機能でも似たようなことができましたが、例えばスペースと比較した場合のナレッジベースの特徴は以下が挙げられます。
| 特徴 | Spaces | Knowledge Bases |
|---|---|---|
| データの場所 | Quick Suite内に直接アップロード | 外部データソース(S3, SharePoint等) |
| 更新方法 | 手動で再アップロード | 手動、自動同期スケジュール 選択可能 |
| 使用範囲 | アップロードしたSpaceのみ | 複数のSpacesで再利用可能 |
| 適用規模 | 小~中規模 | 大規模 |
まとめ:ワークショップで体験したAmazon Quick Suite
ワークショップで習得できる8つの主要機能
- Unified Chat:自然言語でAIアシスタントと対話し、Web検索や組織データにアクセス
- Spaces:ドキュメントを検索可能なスペースに整理し、チームで共有
- Amazon Quick Research:組織データとWeb検索を組み合わせた包括的なリサーチ
- Actions:OpenAPI統合とMCP統合により外部システムと連携
- Amazon Quick Flows:プログラミング知識不要で、自然言語またはGUIでワークフローを自動化
- Custom Chat Agent:特定のビジネスニーズに合わせた専門AIアシスタントを作成
- Amazon Quick Sight:生データをインタラクティブな可視化に変換し、自然言語でクエリ
- Knowledge Bases:エンタープライズ規模のドキュメント管理とセマンティック検索
人事部長パウロ氏が実現したこと
ワークショップを通じて、パウロ氏は以下を実現しました:
- HR知識の統一的なアクセス:複数システムに分散していた情報を一元化
- 自然言語でのデータ分析:技術的な専門知識なしでインサイトを取得
- 従業員オンボーディングの完全自動化:従来数週間かかる機能開発を短時間で構築
- 離職リスクの可視化と分析:データドリブンな人材戦略の立案
Amazon Quick Suiteは、単なるBIツールではなく、AI駆動の統合ワークスペースとして、組織の生産性と意思決定の質を根本的に変革する可能性を秘めています。人事部門だけでなく、営業、マーケティング、財務、ITなど、あらゆる部門での活用が期待されます。
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