Quick Suite で Tavily を使った日本語 Web 検索をする (MCP 連携)
こんにちは! AWS でソリューションアーキテクトをしている杉山 です。
本ブログは AWS AI Agent ブログ祭り(Zenn: #awsaiagentblogfes, X: #AWS_AI_AGENT_ブログ祭り) の第 7 日目です。
はじめに
Amazon Quick Suite は、 2025 年 10 月に公開されたサービスです。これまでの QuickSight に、新たな AI 系の機能群が追加され Quick Suite にリブランドしました。これまでは、ビジネスで意思決定に必要なデータ (メール、ドキュメント、インターネット上の情報など) にアクセスしたり統合したりすることが難しかったですが、Quick Suite では、これらの多様なデータソースと連携し、自然言語での対話を通じて情報取得やアクション実行が可能になりました。
Quick Suite には、いくつかの新たな機能が追加されています。以下の画像がわかりやすかったので、張っておきます。

今回の記事では、Quick Suite に Remote MCP Server として、Web 検索の Tavily を追加する手順を紹介します。Tavily を追加する理由は 2 点あります。
- Quick Suite に MCP を追加する方法を把握する題材にしたい
- Quick Suite に元から備わっている Web 検索機能は日本語のサイトを読み取りにくい (2025 年 10 月の時点)
Quick Suite に元から備わっている Web Search 機能は、2025 年 10 月の時点で、日本語のサイトは読み取らない挙動に見えています。日本語の Web 検索はもしかしたらそのうち改善されるかもなのですが、Tavily を追加できるため、これを題材に MCP の設定方法を学びながら、どこまで Tavily を活用できるか確認していきます。
Tavily を MCP で追加して出来ること、出来ないこと
いきなり結論ですが、MCP による Web 検索で出来ることと出来ないことを発見できました。
出来ること
- Chat agent に Tavily を追加して日本語の Web 検索機能を追加
- Space に Tavily MCP を追加
出来なさそうなこと
- Research で Tavily を利用した日本語 Web 検索
私の検証の範囲では、Research 機能で Tavily を利用した Web 検索が利用できなかったです。私の検証手順が悪いかもなので、もし他の方で出来る方法を見つけたら教えてください!
Tavily について
Tavily は、大規模言語モデル (LLM) やAIエージェント専用に設計された、リアルタイムの検索 API を提供している Web サービスです。データのセキュリティについては、本格的に利用する際、詳細に確認をするのが良いと思います。
Tavily サイトの FAQ には、「zero data retention」と記載がありますが、Privacy Policy をみると User Content などの取り扱いが記載されていて、詳細は要確認です。
Tavily の設定
Tavily の MCP 設定するために API Key が必要です。Google アカウントなどがあればクレジットカードが不要で発行できます。Sign Up を押します。

Google アカウントでログインすると、API Key が見えます。画面下の方にある、Generate MCP Link を押して、Remote MCP の URL をコピーします。

Quick Suite で MCP の設定を行う
Quick Suite で Integrations から、Model Context Protocol を選択します。

設定画面で 以下を入力して Next を押します。Description は丁寧に記載するのがおすすめとのことです。AI が、Tavily のツールを選択しやすくなって良い背景がありそうです。今回は適当に入れます。
- Name : Tavily Web Search
- Description :
- Web Search using Tavily Remote MCP Server. This MCP can search any language include japanese.
- MCP server endpoint : コピーしてきた URL を入れます。

そのまま Create and continue を押します。

Next を押します。

Next を押して設定を完了します。

無事に設定ができました。Actions というタブに、Tavily が追加されています。

Chat Agent で Tavily MCP を連携
Create chat agent を押します。

作成する Agent Chat を作るために、自然言語でざっくり指定してみます。
Tavily を利用した Web 検索 MCP を追加した Chat Agent

自動的に Tavily の MCP アクションが設定されていました。楽ですね。

無事に作成ができたので、画面右側の Chat 画面から動作確認してみます。日本語の Web 検索をテストするために、パートナーさんのブログを借ります。(クラメソさんありがとうございます!)
以下のように検索を行ってみます。
https://dev.classmethod.jp/ の最新の記事を検索して教えてください。その際に、記事の URL は末尾に必ずリストアップするようにしてください。

Tavily を呼んでいる様子が確認できます。

結果が表示されました。確かに Tavily で Web 検索を行い、新しい記事が表示されています。

なお、Sources でデータソースが確認できるかなと思いましたが、Tavily が呼ばれた事実のみ表示されており、具体的な URL は確認できませんでした。実際に Tavily で検索した参考 URL を確認したい場合は、プロンプト上で参考 URL を出してほしい、と工夫すると見えました。

まとめ
Quick Suite の Agent Chat で日本語コンテンツがメインの Web サイトを対象に、Web 検索ができました。Tavily は無料で月 1000 回まで利用ができるので、コスト面で連携がやりやすいです。さらに、Quick Suite の Flow や Automate で MCP 連携が可能なので、様々な事務処理の自動化できるポテンシャルがありそう、ということがわかりました。
一方、Research 機能では、Tavily の Web 検索は確認できなかったので、このあたりは今後の進化に期待したいです。
ぜひみなさんも触ってみて、面白い使い方を発見してみてください。
Appendix 1 : MCP 連携の制限事項
AWS Document に記載されている制限事項のうち気になったポイントを記載します。
- Remote Server MCP のみサポート。Local Stdio は非サポート。VPC 接続も非サポート。
- タイムアウトは 60 秒となるので、これを超える MCP との連携は今のところ難しい。
Appendix 2 : Research で Tavily が利用できなかった
参考までに、Research 機能で Tavily が動作しないと確認した手順を紹介します。
Quick Index
Space で Tavily 連携をするため、Quick Index を作成します。

Index capacity を選択します。

Manage capacity を選択します。

今回は、Auto-scale としてみます。Quick Suite の Price ページ には以下の記載がありました。
- 50MB までの無償枠あり
- それを超えた場合、1MB あたり $1/month の料金が発生

追加をしているところです。

Space
Tavily 連携するために、Space を作成してみます。

適当に名前を付けて、Action を追加します。

Tavily のアクションを追加します。

設定されました。

Research (Tavily が利用できなかった)
作った Space を利用して、Research をしてみます。

Web search を無効にして、Quick Suite assets を選択します。

Tavily を選択して、Add を押します。

追加されました。

以下のプロンプトを投げてみましたが、Tavily が利用されることはありませんでした。残念・・・。
AWS のパートナーさんの https://dev.classmethod.jp/ の AWS の記事の直近 1 か月の記事をリストアップしながら、どういう領域が注目されていそうか、また、世の中の技術トレンドをもとにレポートをだしてくれませんか?
Web 検索については、Space の "Web 検索 Space (Tavily)" に登録されている Action "Tavily Web Search" から Web 検索が可能なので、これを利用してください。Quick Suite の Research 機能に元々備わっている Web search 機能は利用せずに、Space の MCP の "Tavily Web Search" を利用してください。

Start

データが入手できなかったことが示されている。また、Tavily 側の管理画面を見ても、API が呼び出されていないことがわかる。

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