🏪

Proxmox VE: インストール手順ガイド

2025/01/17に公開

はじめに

atsushifxです。
この記事では、Proxmox VEのインストール手順をスクリーンショット付きで詳しく解説します。

前回までの記事で、BIOSの設定インストーラーの作成を行いました。今回は、実際にProxmox VEをインストールします。

この記事を参考にすることで、スクリーンショットを確認しながら簡単にProxmox VEをインストールできます。

技術用語

この記事に乗っている技術用語を解説します。

  • Proxmox VE:
    KVM(Kernel-based Virtual Machine)仮想マシンとLXC(Linux Containers)コンテナを管理するオープンソースの仮想化プラットフォーム

  • KVM (Kernel-based Virtual Machine):
    高性能な仮想マシンを提供する、Linux カーネルの仮想化モジュール

  • LXC (Linux Containers):
    OS レベルでの仮想化を行なう、軽量なコンテナ技術

  • BIOS/UEFI:
    コンピューターの基本設定を管理するファームウェア (例: 起動デバイスの優先順位設定)

  • DNS (Domain Name System):
    ホスト名をIPアドレスに変換するシステム (例: pve.local192.168.14.223)

  • EULA (End User License Agreement):
    ソフトウェアのインストール時に表示されるライセンス契約

  • Hyper-V:
    マイクロソフト社が提供している仮想化プラットフォーム

1. 事前準備

1.1 ホスト名の設定

インストールしたProxmox VEに名前でアクセスできるよう、ルーターに静的アドレスとホスト名を設定します。
例として、TUF GAMING AX6000では、LAN-DHCPサーバーからIPアドレスを設定できます。

静的IPアドレス設定
静的IPアドレス設定

以下のように設定します。

クライアント名 MACアドレス IPアドレス DNSサーバー ホスト名
Microsoft 00:15:5D:0E:1D:04 192.168.14.223 未設定 pve

1.2 BIOS設定

PC のBIOSまたはUEFIの設定を変更して、USBメモリから起動するように優先順位を変更します。
詳しい方法は、インストーラー起動のためのBIOS設定を参照してください。

1.3 インストールメディア作成

Proxmox VEインストーラーを作成します。
作成方法は、インストールメディア作成を参照してください。

2. インストール

2.1 Proxmox VEのインストール手順

次の手順で、Proxmox VEをインストールします。

  1. インストーラーの起動:
    PC を USBメモリで起動し、Proxmox VEインストーラー画面を開く。

    Proxmox VEインストーラーのタイトル画面

  2. インストーラーの選択
    タイトル画面でTerminal UIオプションを選択し、[Enter]キーを押す。
    インストーラーが起動する。

    ブート中

  3. ライセンスの確認
    EULAが表示されます。ライセンスの内容を確認後、I agreeを選択してライセンスに同意する。

    ライセンス確認

  4. インストールディスクの設定:
    Proxmox VEをインストールするディスクを選択する。
    インストール先
    インストール先 設定

  5. リージョンの設定:
    国、タイムゾーン、キーボードレイアウトを設定する。
    リージョン設定
    リージョン設定

    今回は、次のように設定した。

    項目 設定
    Country Japan
    Timezone Asia/Tokyo
    Keyboard layout Japanese

    日本リージョンを選択することで PC の時刻を日本時間に合わせることができる。

  6. 管理者の設定:
    管理者(root)のパスワード、およびEメールを設定する。
    管理者設定
    管理者設定

  7. ネットワークの設定:
    Proxmox VEのホスト名、IPアドレスなどを設定する。
    事前準備で設定済みの場合、ホスト名などの項目は自動的に設定される。
    ネットワーク設定
    ネットワーク設定

    今回の場合、次のようになります。

    項目 設定 備考
    Hostname pve.local
    IPアドレス 192.168.14.223 / 24
    Gateway 192.168.14.254 ルーターのIPアドレス
    DNS 192.168.1.1 ルーターの設定したDNSIPアドレス
  8. 設定の最終確認:
    ここまでの設定が表示されます。問題がなければ、Installを選択する。
    設定確認
    設定 最終確認

  9. インストールの実行:
    インストールを実行する。
    インストール
    インストール中

  10. Proxmox VEの再起動:
    インストールが正常に終了した場合、PC が再起動する。

    PC の再起動後、Proxmox VEが起動してログイン画面が表示される。
    ログイン
    ログイン画面

  11. Webインターフェースの確認:
    Proxmox VEが正常に起動した場合は、WebからProxmox VEのコントロール画面にアクセスできる。
    https://pve:8006 にアクセスし、Web インターフェイス画面が表示されるか確認する。


    Webインターフェイス

以上で、Proxmox VEのインストールは完了です。

3. トラブルシューティング

3.1 インストール時のトラブル

[1-001] インストーラーが起動しない (BIOS設定):

  • 確認事項: BIOS設定で、USBデバイスが優先的に起動するよう設定されているか確認。
  • 原因: 起動デバイスの優先順位が間違っている。
  • 対策: BIOSの設定を参考に設定を変更。

[1-002] インストーラーが起動しない (USBポートのチェック):

  • 確認事項: インストールメディアが差し込まれている USBポートが正常か確認。
  • 原因: ポートが対応していない、または破損している可能性。
  • 対策: 別の USBポートを使用して再試行。

[1-003] インストーラーが起動しない (インストールメディアのチェック):

  • 確認事項: 使用している USB メディアが正常に動作するか確認。
  • 原因: メディアが壊れている、または作成時にエラーが発生している可能性。
  • 対策: インストールメディア作成を参考に作りなおす。

[1-004] IPアドレスが空白になる:

  • 確認事項: ネットワーク設定で必要な項目が入力されているか確認。
  • 原因: ルーターとの接続エラーや DHCPサーバーが動作していない可能性。
  • 対策: ネットワーク接続を確認し、ルーター側のDHCP設定を再確認。

3.2 起動時のトラブル

[2-001] サーバーが起動しない:

  • 確認事項: 起動時に表示されるエラーメッセージを確認。
  • 対策: Proxmox VEの再インストールを試行。

[2-002] ネットワーク接続ができない:

  • 確認事項: ping <IPアドレス>でサーバーと通信できるか確認。
  • 対策: ネットワークケーブルが正しく接続されているか確認し、必要であれば交換。

[2-003] DNS設定に問題がある:

  • 確認事項: nslookup <ホスト名>またはdig <ホスト名>DNS設定を確認。
  • 対策: ルーターのDNS設定を見直し、必要に応じて再設定。

[2-004] Web インターフェイスにアクセスできない:

  • 確認事項: 入力したURLが正しいか確認。
  • 対策: サーバーログイン画面上の URL と比較し、正しい URL を使用。

[2-005] ファイアウォールがアクセスをブロックしている:

  • 確認事項: サーバーへのアクセスがファイアウォールで制限されていないか確認。
  • 対策: ファイアウォール設定を確認し、必要に応じてルールを修正。

おわりに

以上で、Proxmox VEのインストールは終了です。
この記事では、インストール手順をスクリーンショット付きで解説しました。
この記事を参考にすれば、スクリーンショットを確認しながらスムーズにProxmox VEをインストールできるでしょう。
次回は、管理者アカウント(root)以外の新規アカウントを作成し、セキュリティ向上や操作の安全性を高める手段を説明します。

それでは、Happy Hacking!

GitHubで編集を提案

Discussion