新MacでLinux:Kubuntu24.04 App ① VScode
1.新MacでLinuxシリーズ App編
インストール編を読んでくださった方、有難うございます!
そうでない方、こんにちは。Armlinです。
このシリーズは、MacでLinuxを使いたいけどLinux自体始めてという方向けに、わかり易さ優先で書いています。今回からAppのインストール編を始めますが、そもそも不要じゃない?というご意見も・・・。実際KubuntuならDiscoverでInstallボタン押すだけ・・なのですが、実際にはそれだけでは上手くいかないケースもあります。というわけで、始めましょう。
2.VScodeとは(知っている方は読み飛ばして結構です)
VScodeを知っている方しか読んでいないとは思うのですが・・・念の為。
VScodeはMicrosoftが無料でリリースしている高性能エディタです。正式名称はVisual Studio Code。Windows、Mac、Linuxで動く他、Webブラウザでも動きます。
このシリーズで紹介した様に仮想マシンにLinuxを載せている場合、Macで動かした方が速いです。でもLinuxでプログラムを組むならば覚えて損は無いです。
3.インストール
では早速インストールして行きましょう。
3-1.インストール方法は複数ある
VScodeはDiscover
アプリで検索しても出てきません。バイナリ版はオープンソフトではないからです。ではどうするかというと、方法は大きく分けて2つあります。
-
Microsoftのサイトからパッケージをダウンロードして入れる
MicrosoftのサイトにLinux用のパッケージが置いてあります。これをダウンロードして入れる方法です。 -
aptコマンドの対象にMicrosoftのリポジトリを追加して入れる
これまでインストール編でもapt
コマンドを使いましたが、apt
コマンドでインストール出来る(=Discover
でインストールできる)アプリは限られています。これらのコマンドがどうやって対象のアプリを探すのかというと、先に検索する先(リポジトリ)が登録してあるんです。例えばapt install XXXX
とした時、その登録してある場所を見に行くわけですね。実はVScodeはこの方法に対応しています。Microsoftのリポジトリを検索先に登録してあげると、apt
コマンドの対象になり、インストール出来るようになります。
3-2.インストール パッケージ利用
ではまずパッケージ利用から解説します。まず下記のサイトをブラウザで開きます。
ペンギンがLinuxのマスコットです。その下の大きな、[.deb] [.rpm] というのがパッケージの種類。Ubuntuのaptで扱うのはdebタイプです。この大きなボタンを押してはいけません。 Intel系のamd64アーキテクチャ用パッケージがダウンロードされてしまいます。その下にある、小さい[.deb]
の右側のArm64
を押します。
下記は間違った場合
その後保存フォルダ選択をして、保存です。さて、これをDolphinで開きましょう。
見つかりましたか。まずはこれをダブルクリックしてみます。するとこんなWindowが開きました。
見ると、依存関係を満たしていないからインストール出来ない
と出ています。いま開いたアプリは、Ubuntuのアプリです。パッケージファイルはDiscover
で開くように設定すればよいのですが、まずはこのままインストールします。右クリックして、Open with
からDiscover
を選びます。
するとDiscoverがこのファイルを開きます。
あとは簡単。右上のInstallを押して、入れるだけです。(パスワードを聞かれます)
インストールが終わると、ランチャのDevelopment
の中に入ります。
3-3.aptコマンドを利用
では次に、aptコマンドの対象をに登録して入れる方法です。
- curlコマンドの準備
これまでの連載通り進めた方は最初から入っていますので大丈夫ですが、curl
コマンドが使えるか確認します。
curl --help
ヘルプが出れば入っています。入っていない場合はsudo apt install curl
で入れましょう。
同様に、apt
コマンドがMicrosoftのサイトで使っているhttps
タイプの通信に対応するため、下記コマンドが必要です。
これは最初入っていないので入れましょう
sudo apt install apt-transport-https
- GPG鍵のセット
次に、Microsoftのサイトから、暗号鍵を入手します。ダウンロードするファイルが偽物だといけないので、本物かどうか確かめる仕組みが暗号鍵です。コマンド1行でも済むのですが・・この連載らしく寄り道しましょう(笑)
次のコマンドを実行してみて下さい。
curl https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc
意味不明な文字の塊が出ましたか?これが暗号鍵です。文字の羅列ですね。PGP PUBLIC KEY
と書いてあります。詳細は今回下記ませんが、公開鍵と言われる配布ファイルをチェックする暗号文(鍵)です。
今はテキストファイル(文字として読めるファイル)ですが、これをバイナリファイル(文字として読めないデータ)に変換します。
curl https://packages.microsoft.com/keys/microsoft.asc | gpg --dearmor > microsoft.gpg
今度は後ろにもう一つコマンドを繋げました。gpg
コマンドは暗号鍵を扱うコマンドです。--dearmor
オプションをつけるとテキストファイルをバイナリに変換します。その後出来たファイルを覗いてみましょう。
cat microsoft.gpg
結果は下図ようなイメージです。読める文字で表示できませんね。これがバイナリファイルです。
さて、ここまでで暗号鍵が出来ました。次にファイルの属性を直します。今はあなたのファイルなっていますが、これを管理者のファイルとして、管理者以外は変更不可にします。
sudo chown root:root microsoft.gpg
sudo chmod 644 microsoft.gpg
ls -l microsoft.gpg
結果は次のようになります。この操作の詳細は今回割愛します。次に出来上がったファイルを所定の位置にコピーします。
/
sudo cp microsoft.gpg /etc/apt/trusted.gpg.d/
ls -l /etc/trusted.gpg.d/
/
- リポジトリの登録
ではMicrosoftのリポジトリを登録します。コマンドだけでも可能ですが、今回はエディタを使いましょう。
sudo nano /etc/apt/sources.list.d/vscode.list
nanoが開いたら、次の1行を入れます。
deb [arch=arm64] https://packages.microsoft.com/repos/vscode stable main
/
その後保存してnanoを終了します。これで準備万端です。
- インストール実行
ここまで来たらいつものように・・リストをアップデートするとチェックするサイトにMicrosoftが追加されています!!
sudo apt update
/
では入れましょう。
sudo apt install code
/
入りました!ランチャーのDevelopment
の中にあります。またはターミナルから、code ファイル名
で起動できます。
4.ログイン
もしあなたがVScodeユーザなら、ログインすればすぐに同じ環境で使えます。そうでない場合(あまり無いと思いますが)新規で登録することをお勧めします。GithubユーザならGitHub
IDで登録するのが良いでしょう。(GitHubのIDだけ持っているケースはますます無いと思いますが・・)
ログインすることで、MacOS版のVScodeと設定が同期しますし、とても便利です。
5.終了!
今回はVScodeのインストールを紹介しました。簡単な方法もありますが、2の方法を手動でやった方はより深く理解できたのでは無いでしょうか?
では次の記事でまたお会いしましょう。
お疲れ様でした!!
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