新MacでLinux VM版:Kubuntu24.04LTS ⑦ Keyboard
本連載ではAppleSilicon(M1系)で仮想マシン上にLinuxを入れる方法を、全くの初心者の方でも理解できるように説明しています。
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1.システムの調整が必要な理由
前回までで基本的にKubuntuが仮想マシン上で動作するようになりました。
しかし、Kubuntuの調整をもう少ししないと、きちんと動作する様になりません。
具体的に何をするかというと、下記の内容です
- Keyboardの設定をしないと、英語キーボードのままになる(事がある)
- 日本語入力の設定が必要
- Kubuntuがネットワークを認識していない
- 起動時にKubuntu本来のグラフィック表示を指せる
- アニメーションのチューニングをしないと少し遅い
今回から、順番に設定していきます。
1-1.始める前にちょっとだけ先取り。
これから何度もターミナルアプリ(konsole)を使うことになりますから、その設定だけ先取りしてやってしまいましょう。
左下のアプリメニューを開き、Konsoleを探します。これがPlasmaのターミナルです。何枚も表示出来ますし、タブにも対応しています。
- 上部のメニューから各種機能を使えます。ショートカットも表示されています。
- 終了するには
exit
コマンド、又はCtrl+d
です(UTMでは効きません)。
そしてそれを、下のアイコンが並んでいる場所にドラッグ。
これでいつでも簡単に呼び出せるようになりました。
2.Keyboardの設定
では。確認してみましょう。
まずターミナルを開いて " を打ってみて下さい。ちゃんと出ましたか?@になりましたか?
前回までをこの記事のとおりに進めてきた場合、おそらくちゃんと出るはず。
ずばり、今@が出た人は、ログインの時にXorg
を選んでいませんか?
思い出して下さい。インストールの最初の方で、Japanese
キーボードを選びましたよね?
でも、Xorg
を選んだ場合にはリセットされて英語キーボードの配列になっているんです。
しかしWayland
を選んだ場合は、最初の設定がそのまま生かされています。
つまり、XorgとWaylandはキーボードの取り扱いが違います。
しかし共通しているのは、Plasmaデスクトップにはキーレイアウトを設定する機能があり、Xorgを選んだ場合でもWaylandでも明確に日本語キーボードを選ぶ事ができます。
2-1.Keyboard Layout
設定アプリを起動して左のリストからInput Devices
を選ぶと下の画面になります。
Keyboardの設定の前に、この画面はキーボードの速度を設定可能です。
リピートまでの時間、リピートの速度を設定すると快適になるでしょう。
上のタブからLayouts
を選びます。
真ん中のConfigure layouts
のチェックを入れると、下半分が使えるようになります。
Add
ボタンを押すと、レイアウト選択が開きます。検索窓にjap
まで入力すると簡単に見つかります。
この時、MacBookのキーボードなら後ろに()が無い一番上の物を選んで下さい。たとえMacでもそれが無難です。
(勿論分かっていて別のレイアウトのキーボードを選ぶ方は自由に選んで下さい)
日本語レイアウトが出てきました。右下のApply
を押して確定ます。
尚、上のタブからAdvanced
を選ぶと、たくさんの細かいアレンジが可能です。例えば、CapslockキーをEscにしたりできます。やたらCapslockキーの項目が多いのが気になりますが・・使わない人が多いのでしょうね。
ちなみに私は、ここでは何も設定せずに使っています。単に良く見てないだけですが。
左のメニューからマウスと選ぶとマウスのスピードなども調整できます。
2-2.日本語入力
続けて日本語も入力出来るようにしましょう!日本語の入力のためには漢字変換のプログラムを入れる必要があります。
これには沢山種類がありますが、一番メジャーなMozcという物を入れていきます。
では・・・とコマンドを書くだけなら他のサイトにも沢山解説が有りますし簡単なのですが、折角ですからもう少し仕組みについて説明しましょう。
前知識
まず、日本語入力の仕組みは大きく2つのパートに分けられます。
- 変換エンジン
- フレームワーク
1の変換エンジンというのは、まさにひらがなを受け取り漢字に変換する仕組みですね。しかし問題は誰がどうやって変換エンジンにデータを渡し、結果を受け取るのかという話です。それを担うのが2のフレームワークです。
変換エンジンとしては、Mozc以外にもSKK, Anthy, Cannaなどがあります。
フレームワークとしては、uim, ibus, fcitxなどがあります。
アプリ(ToolKit) <-> フレームワーク <-> 変換エンジン
この組み合わせが沢山在る為、同じ漢字変換エンジンでもフレームワーク毎にバリエーションがあります。
- fcitx5-Mozc
- ibus-mozc
前知識はこの程度にしておきましょう。では何を入れるのかですが、fxitx5とmozcの組み合わせをお勧めします。Plasmaとの相性も良いですし、きめ細かく設定も可能です。ibusでも動きますが私は設定の柔軟性からfcitx5を好んでいます。
ところで、今までログインすると画面の右下にこんなメッセージが出ていませんでしたか?
IBusはWaylandではデスクトップセッションから呼び出されるべきで・・・・と書いてありますが、これについても今回設定することで出なくなります。
入れていきましょう。
Fcitx5-mozcのインストール
まず次のコマンドをターミナルで実行します。
apt search fcitx5
するとずらずらと出てきますね。どれを入れれば良いのか分からないと思います。下記が答えです。
sudo apt install fcitx5-mozc kde-config-fcitx5
kde-config-fcitx5 は Plasma の設定アプリにfcitx5の設定画面を追加するものです。
おっと、まだ再起動してはいけません。
Waylandでの設定
次に、設定画面を開きます。InputDevices
を選び、一番下のVirtual Keyboard
を選びます。
するとFcitx5
が追加されているので、Fcitx5
を選択して、右下のApply
を押します。
これはWaylandにしか有りません。 少し後で説明します。
右下のメッセージが変わりました。今度はWayland診断とか何とか出ています。ひとまず無視して下さい。
ここでは次に、アプリメニューからSettings、InputMethodを起動します。
するとWindowが出てきて、現在の設定は〜と書いてありますが、OK
で次へ
また警告が出てきて設定を自分で選びますか?と聞いてきます。Yes
で次へ
選択肢が出てきます。現在は一番上になっています。automode(自動選択)ですね。
スクロールして下に行くと
Do not activate any IM from im-config and use desktop default
(im-configからどのIMも起動せず、デスクトップのデフォルト設定を使用する)
という行がありますのでこれを選びます。その後OK
です。
設定した結果が出ています。OK
を押して下さい。
その後、再起動
してください。
Xorgでの設定
詳細については省きますが、もしXorgを使うならば、
- 仮想キーボードは有りませんから設定しません
- InputMethodアプリ(im-config)でfcitx5を使用するを選択します。
以上で再起動すれば動くでしょう。
再起動後
さて。気を取り直して、再起動したら、設定のRegional Settings
を開きます。
すると左の一番下にInput Method
が追加されています。これが先程のkde-config-fcitx5
が追加したページです。
見ると、英語キーボードに成っていますね。今からこれを設定していきますが、似たような画面がたくさんあって混乱した経験があるので一つだけ説明します。
Fcitx5は、入力の設定を独自の方法で行い、システムの設定を上書きする動作をします。今から設定するのはそのfcitx5の設定です。先ほどやったのは、システムの(fcitx5なしでも有効な)設定です。
まず左下のSelect system layout
を押します。するとシステムのキーボード設定が出てきます。
これをJapaneseに変更してOK
します。クドいですが、これはfcitx5の設定ですよ👀 ただしここで設定したsystem layout
というのは、前半で設定したJapaneseキーボードを選んだ設定と連動しています。
すると画面の上の色が変わって居ますが、無視して下さい。「今キーボードを日本語に変えたのに、ここで設定してある言語(今表示されている英語)と違うよ、直そうか?」と言っていますが、今回は理解のため自分でやりましょう。
右下のAdd Input Method
を押します。
沢山の候補が出てきますので、japa
と入れると絞り込み出来ます。この中で
一番上の Keyboard - Japanese
一番下の Mozc
を入れます。一つずつ選び、右下のAdd
を押します。2回繰り返して両方選びます。
するとこうなりますね。まだ英語が残っています。コレを右のマイナスボタン
で消します。
最後に右下のApplyを押すのを忘れないで下さい。
すると、画面上の警告が消えましたね?
次に画面下のConfigure global options
を押します。これはfcitx5のホットキー設定です。
以下お勧めの設定です。迷ったらまず同じ様に設定して見る事をお勧めします。
- インプットメソッドのON/OFFから、
Control+Space
とHangul
をゴミ箱ボタンで削除。 -
Zenkaku Hankaku
をクリックすると入力待ちになるので、かな
キーを押す(IMの切り替え) -
Activate Input Method
を同様にHangul Hanja
からかな
キーに変更(IMオン) -
Deactivate Input Method
を同様にHangul Romaja
から英数
キーに変更(IMオフ)
右下のApplyを忘れずに!(しつこい様ですが、いつか押し忘れますよ。笑)
以上で完了です。ターミナルを開いて、かな
キーを押すと日本語入力が起動します。
3.完了
以上でキーボード周りの設定は終了です。出来ましたか??
ではお疲れ様でした!
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