新MacでLinux VM版:Kubuntu24.04LTS ⑤ VM Setting Parallels
本連載ではAppleSilicon(M1系)で仮想マシン上にLinuxを入れる方法を、全くの初心者の方でも理解できるように説明しています。
この連載の全記事目次はこちら
1.起動前にVMの設定を
ここまででKubuntuが動くようになりました。早速動かしたい!と思うでしょうが、急がば回れ。まずは仮想マシンの設定をしましょう。というのも、設定をしないと仮想マシンでLinuxを動かす本来の力を発揮しないからです。
詳細に入り込み過ぎると良くないので、今回の設定で可能になることを書いておくと、Parallels、UTMとも適切なドライバをインストールすることで下記の内容が可能になります。
- Retina ディスプレイをフルに使用する
- GPUによるアクセラレーション
- MacOSとLinux間でのクリップボードの共有
- 指定したフォルダの共有
- 仮想マシンにわたすショートカットキー設定
どれも欲しい機能ですよね。
ただし、私が試した時点ではUTMの場合制約があります。
- GUIではないコンソールでキーボードの一部が正しく動作しない
- サブモニタで使用すると、動きがおかしくなり仮想マシンがハングする。
- クリップボード共有はApple仮想化を使用した場合のみ可能
(だが、Apple仮想化はタッチパッドの方向が逆になる問題があります) - フォルダ共有をする時は手動設定が必要
- ショートカットキーの設定ができない
上記の問題はParallelsでは全て問題ありません。さすが有料・・・とは言え、UTMも問題を把握しておけば避けて使えますし、後からParallelsに乗り換えても良いでしょう。(やり直しにはなりますけど)
念の為私はParallelsと利害関係は一切ありませんよ!ただ、試すなら14日間の無料トライアルが良いでしょう。
2.Parallelsの設定(起動前)
ではまずPalallelsから説明します。一部は起動前、その後起動させてドライバをインストールします。
VMのメニューで今回インストールしたLinuxの上で右クリックし、構成を選びます
必要な部分だけ説明します。他のオプションもざっと眺めておくと良いでしょう。
オプション
2-1.上のアイコンから以下左のメニュー毎に説明します。
共有
- [OFF] MacのミラーリングとLinuxユーザーフォルダ
MacとLinuxでフォルダを本当に共有する(アクセス出来るだけでなく、同じフォルダを使います)
これはオフがお勧めです。Linuxの設定ファイルとMacOSの設定ファイルが混ざるので・・。 - [ON] Linuxと任意のMacフォルダーを共有する
これはONがお勧めです。指定したMacのフォルダをLinuxから覗けるようになります。
アプリケーション
- [OFF]LinuxアプリケーションをMacと共有する
OFFが良いです。これをONにすると、MacOSのメニューやショートカットに、Linuxのアプリが出てきます。
何が起きるかというと、間違ってショートカットでLinuxのアプリを選ぶと、VMが起動しLinuxアプリを呼び出そうとします。
フルスクリーン
- [OFF]フルスクリーンですべてのディスプレイを使用
もし複数のモニタを持っていて、仮想マシンですべてのモニタを専有する場合にONです。 - [?]ゲーム用のフルスクリーンに最適化
これはゲーム用と書いてありますが、しばらく使って安定したらONでも良いです。
最大化してマウスを画面端に動かした時、MacOSのメニューが出てこなくなります。
そうなると、MacOSを使いたい時どうするかと言うと、仮想画面の切り替えでOKですね。
僕はCtrl+カーソルキー左右で切り替えてます。最大化の解除はCtrl + Command + F
です。
ハードウェア
2-2.上のアイコンからCPUおよびメモリ
VMで使用するCPUコア数とメモリ料を選択。
グラフィック
-
[ON]間隔を広くする
これをONにしてください。Macの最大解像度(Retina)で使えるようになります。
これをONにした上でLinux側の画面設定をHiDPIに設定しないと、カーソルだけ大きくなったりします。
-
[ON]3Dアクセラレーションを有効にする
そのうえで、詳細ボタンを押すと、3Dアクセラレーションのスイッチがあります。通常ONです。
マウスとキーボード
これは過去色々と弄ったのですが、基本仮想マシンでゲームはしないため、OFFにしました。
マウス、キーボード共に、「ゲームに最適化しない」を選びます。
2-3.Parallels全体の設定
ここからはParallels全体の共通設定ですまず上のメニューから設定
マウスショートカット
ここで設定すると、キーボードの特定のキーを押しながらクリックすると、右クリックや中央クリックとして扱われます。中央クリック?と思う人もいるでしょう。昔のUNIXワークステーションのマウスはボタンが3つあったんです。
仮想マシン
下にスクロールすると、作成した仮想マシンごとのキー送信設定があります。ここで設定すると、例えばMacOSのCommand+V
を押したらLinux側にはCtrl + V
で伝えるという設定が出来ます。私は混乱するので全てOFFににしています。
3.Parallelsの設定(起動後)
では起動しましょう。
3-1.起動時のオプション
ログイン画面まできたら、画面が細かくて見えづらいと思いますが、左下のメニューからWayland
を選びます。
そしてパスワードを入れてログインです。
さて、ログインすると、今の時点ではまだメニューが英語表示ですね?私は英語で使用していますが、あとで日本語環境にしますのでお待ちを。
さて先ほど設定で"間隔を広くする"オプションをONにしたので、画面が凄く細かくて見づらいと思います。画面の解像度を変えましょう。デスクトップで右クリック(タッチパッドなら日本指でタップ)し、上から二番目の Configure Display Settings...
を選択します。
すると画面設定が開くので、選択します。
MacOSの設定アプリで、一般→情報を開き、画面の大きさを確認しておくと良いでしょう。
画面は詳細にしておいて、表示する倍率を大きくするのがお勧めです。MacOSと同様になります。
私のMacはMacBook Air13インチですが下記のように設定しました。
Resolution 2560x1600
Scale 175%
選択後右下のapply
を押すと、
この変更状態をキープするか聞かれます。問題なければ10秒以内にKeep
ボタン。
さて、詳細で見やすいデスクトップになりましたか?
3-2.Parallels Toolsのインストール
Parallelsは独自に開発しているParallels Toolsというツールプログラムを配布しています。これをインストールすれば、GPUが有効になり、共有フォルダも見えるようになります。
なお、ParallelsやLinuxのカーネルがバージョンアップした時には、再インストールする必要があります。自動的に画面に再インストールを促すWindowが表示されますが、出ない場合などは自分で再度下記の手順を踏んで下さい。
まず、画面上部のメニューから、処理→Parallels Toolsのインストール
を選びます。
すると確認が出るので、続行
します
ParallelsToolsが入っているCD-ROMが仮想マシンに挿入されました。それに反応してKubuntuがどうするか聞いてきます。Mount and Open
を押します。
CD-ROMの中身がKubuntuのアプリで表示されます。install-gui
をダブルクリックします。
どうしたいか聞いてくるので、Execute
(実行)を押します。
しばらく待つと、左上にBoxが出てきます。時間がかかるのは必要なツールを準備しているからです。
ここにLinux管理者であるあなたのパスワードを入れます。下のUsing:
の選択はsudo
のままでOKです。
するとインストールが始まります。少し時間がかかります。これはParallelsToolsをコンパイルつまり作っているからです。
終わると色が緑になりますので、rebootボタンを押します。
再起動すると左上に共有フォルダが出来ています。
開くと設定で指定したMacOSのフォルダがあります。
4.Parallels仮想マシン設定終了
以上でParallelsの仮想マシン設定は終わりです。簡単ですね。
でもまだです。Kubuntuで起きる不具合の調整があります。
しかしその前に、次回は今回紹介した内容のUTM版です。
お疲れ様でした!!
Discussion