新MacでLinux VM版:Kubuntu24.04LTS ③ Ubuntu Server
本連載ではAppleSilicon(M1系)で仮想マシン上にLinuxを入れる方法を、全くの初心者の方でも理解できるように説明しています。
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1.予備知識とインストールの流れ
さて、いよいよインストールです。が、いくつか説明しておくことがあります。
1-2.Kubuntuとは何か
KubuntuというのはUbuntuというメジャーなディストリビューションの派生版で、UbuntuをベースにKDE Plasmaというデスクトップ(GUI環境)を組み合わせて馴染ませたものになります。馴染ませるとは単にKDEを入れただけではなく、Ubuntuのフル機能を利用できるように調整してあるという意味です。
ここでKDEとかPlasmaという名前が今後出てきますので最低限の知識を整理しておきましょう。
- KDEとは、フリーソフトウェアコミュニティの名前
- Plasmaとは、KDEが開発しているデスクトップ環境(GUI)の事
KubuntuとはUbuntuにKDEが開発したPlasmaデスクトップを被せたものと言えます。
1-3.Arm用のKubuntuインストールイメージは存在しない
この連載の中で、MacのM1系はarm(arm64)というアーキテクチャだと説明しました。ではarm用のkubuntuインストールイメージを探そうとすると・・・ありません!最初からkubuntuがセットされているインストール用のイメージ(CD-ROM等のインストールメディアデータ)はIntel系のものしか無いのです。(こちらはintelではなく、amd64と成っているのがややこしいのですが)
1-4.M1系MacでKubuntuはパッケージ配布されている
実はKubuntuは Ubuntu用アプリケーションパッケージとして配布されています。まだ使った事が無い方の為に簡単にいうと、今のLinuxではアプリを入れるときにパッケージマネージャというプログラムを使ってインストールします。これは複数のアプリが競合してシステム全体を壊して仕舞わないよう、依存関係というものを管理してくれる有り難い仕組みです。この仕組みも1種類ではありません。DebianやUbuntuならdeb形式、Fedoraならrpm形式という様に、いくつか種類があります。
Ubuntuの派生であるKubuntuはdeb形式。膨大な数のアプリが配布されており、その中にKubuntuデスクトップもあるという事です。
1-5.Arm用に配布されているUbuntuはServer版
Ubuntu自体はArm用のサーバ版が配布されています。サーバ用のUbuntuはデスクトップが含まれません。不要だからですね。Linuxのカーネル(OSの中心となるLinuxそのもの)に、サーバ管理に必要なプログラムと各種サーバプログラム。それだけです。
1-6.という事は・・?
気づきましたか?つまりKubuntuは
Ubuntu Server + Kubuntu Package = Kubuntu Desktop
で実現できますね。
ということで、次の手順で進めます。
- Ubuntu Server を入れる →今回はここ
- Kubuntu Package を入れる
- 調整する
2.Ubuntu Serverのインストール
では、仮想マシンにインストールイメージがセットされている(CD-ROMとして入っている)状態で起動します。
その後下記の手順に沿って進めて下さい(知識がある方は自分の目的に応じてオプションを選択して下さい。
まず起動するとこの画面が出てきます。エンターを押して進めます。
次に、何語を使うか出てきます。日本語はありませんので英語を選びましょう。カーソル上下で選択してエンターキーが基本操作です。
キーボードレイアウトの選択です。Macの場合、ここはJapaneseを選びます。Variantというのはキーボードの種類ですが、ここはそのままJapaneseでOK。選択肢にはMacintoshなどもありますが、Japaneseを選びましょう。(経験上、下手に選ぶと上手く動きません)
インストールする種類を選びます。Serverのまま次に進みます。以降も同じですが、下のボタン[Done]に飛ぶにはTabキーが便利です。
なお、Minimizedというのは、サーバから更にプログラムを削った最小版で、マニュアル等まで省くものです。
ネットワーク設定です。仮想マシンの場合、ネットはMacOSから共有されて「有線ネットワーク」として見えています。そのままで大丈夫です。
ProxyもそのままでOK。(必要な人はどうぞ)
この画面は、これからパッケージをダウンロードするアドレスを自動的に設定するものです。動きが止まったら、下の[Done]に移動して進んで下さい。
インストール先のレイアウトを選択する画面です。仮想マシンで動かしている事を忘れないで下さい。いま、このインストーラは自分が独立したマシンの上で動いていると思っていますが、インストーラから見えているSSDは仮想マシン上のものです。ですから、Use an entire disk(ディスク全体を使用)でOK。
Set up this disk as an LVM froup → このディスクをLVMとして設定。わからなければチェックを入れてください。
Encrypt the LVM group... は暗号化するかどうかですが、仮想マシンですし基本的にチェック不要です。
インストールする際のレイアウトを聞いています。LinuxがどうSSDやHDDを扱うか書くとキリがないのですが、何をしているのか理解できないと不安でしょうから全く初めての方でも分かるようにザックリ説明します。
-
FILE SYSTEM SUMMARY:
SSD全体のまとめ。/ というのはLinuxのディレクトリ(フォルダ)構造の一番根っこ、親、rootと呼ばれる場所。それに多くを割いていますね。この下に沢山のファイルやフォルダが作られます。
/bootは起動するためのファイルが収められる場所。/boot/efiはその中で特に最初に呼び出されるファイルが入る場所。起動のためにはこの場所がPC側の起動プログラムから"見えている"必要があるため、独立した場所に、昔からあるシンプルな形式で(ext32)、切り分けます。が小さくて構わないので少しだけという訳です。 -
AVAILABLE DEVICES:
SSDの全体容量と、空きスペース。仮想マシンでは60G準備したのに、インストーラは半分しか使っていないことが分かります。 -
USED DEVICES:
全体を使いたい場合はここで修正する事が出来ますが、インストール後でも簡単に変えられるのでそのままでも良いでしょう。
使用サイズの変え方はこちら
ここまで来るとメッセージが表示され、この先戻せないよと警告されますが、Continueで進めます。
ここで管理者の名前とID、パスワードをいれます。
Your nameは大文字小文字混ざりでもOK。Servers nameはサーバにつける名前(ネットワーク上から見える名前)ですが、短い名前をお勧めします。Pick a username が管理者のID。そして下がパスワードです。
Ubuntu Proを有効にするか聞いてきますが、後で考えても良いのでskipでそのまま進めて大丈夫です。
OpenSSHを入れるか聞いてきます。必要ならばどうぞ。わからない場合入れないで良いです。
すると最初の方で「サードパーティのドライバを検索する」を選択した場合は検索が行われます。結果はなしでした。
サーバ用プログラムを入れるか聞いてきます。必要なものは入れても構いませんが、後からでも入れられますのでそのまま進めて大丈夫です。
するといよいよインストールが始まり、画面にログが出力されます。
しばらく待ちます。
終わると下のボタンが、Reboot Nowに変わります。押します。
おっと、Reboot Nowを押す前にCD-ROM(インストールメディア)を抜かなかったのでエラーが出ました。(Parallelsの場合)
もしくは真っ黒な画面で止まります(UTMの場合)
Parallelsの場合、もう一度エンターを押すとリブートされます。
UTMは画面右上のCD-ROMアイコンからインストールメディアを取り出し、左上の再起動ボタンを押します。
すると、Linuxが起動して・・・ログインプロンプトが出ます。
設定した管理やIDとパスワードでログインして下さい。
3.完了!!
お疲れ様でした!!
無事にサーバのインストールが出来ましたか?まずはMacに本物のLinuxがインストールできました。
実際にはこのままでも使えます。(そういう方はこの記事読んでいないと思いますが)
次回はKubuntuデスクトップのインストールです。
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