💻

新MacでLinux VM版:Kubuntu24.04LTS ② Virtual Machine

2024/05/17に公開

本連載ではAppleSilicon(M1系)で仮想マシン上にLinuxを入れる方法を、全くの初心者の方でも理解できるように説明しています。
この連載の全記事目次はこちら

1.下準備

1-1.仮想マシンの作り方

M1系のMacで仮想マシンを作るには、専用のアプリを使います。そもそも仮想マシンとは何か簡単に説明しておきます。

▷仮想マシンはソフトウェアで実現する、本物そっくりのPC

パソコンは多くの部品が集まって出来ています。そしてその上でOS(MacOSなど)が動いています。しかしOSは単なるプログラムですから、本当にそこに物理的にパソコンが存在するかをOS自身が確認するわけではありませんし、出来ません。
 プログラムが動くかどうかは約束事で成り立っています。例えばグラフィックを表示する命令を出したらこう反応する、エラーのときはここから返事が返ってくるなど、OSの場合ハードウェアへの指示の出し方と、その反応が想定通りであれば良いだけです。つまり相手が本物のハードウェアでなくとも構わない事になります。
 そこでハードウェアの"フリ"をするアプリを作って、その上で動かしてしまおうというのが仮想マシンです。今では技術が進み様々な仮想マシンが動く時代になりました。その手法や何処まで仮想化するのかなど、様々な種類があります。

▷Macで動く仮想マシンアプリ

ではMacで動く仮想マシンアプリのうち、有名な2つを紹介します。

  • Parallels Desktop
    Parallelsは古くからあるMac用の仮想マシンアプリです。有料ですが安定しておりサポートもあります。私が普段使っているのはこちら。Windowsの公式環境としてマイクロソフトから公認されており、Windows11もしっかり動作します。
    https://www.parallels.com/jp/products/desktop/

  • UTM
    UTM は無料で使えるフリーの仮想マシンアプリです。開発チームの努力により実に多くの機能を持ちます。ただ、試したところParallelsほどは安定していません。それでも無料で使え、開発が日々進んでいますから最初にお金をかけず試すなら良いかも知れません。
    https://mac.getutm.app/

この連載では基本Parallelsを使用して行きますが、今回の記事ではUTMでの環境の作り方も説明します。インストールは簡単です。手順にそってインストールしてください。

1-2.インストールイメージのダウンロード

何はともあれ、インストールするLinuxのインストールファイルを手に入れないといけません。
次回にもう少し詳しく書きますが、今回はUbuntuというディストリビューション(Linux配布セット)のサーバ版を入れます。M1はaarm64という別名を持ちます。Armというアーキテクチャ(CPUの仕組み)を採用しているからで、M1用というものは存在しません。

じゃあネットを検索すればArm版があるのか、と思いきや、普通に検索するとIntel用しか無いページに辿り着くと思います。公式のリリースページから探すのも一苦労。

ここにあります。
https://ubuntu.com/download/server/arm


ここで、「Download 24.04 LTS」を押してください。

2.仮想マシンを作る

2-1.Parallels Desktop

ではまずParallelsからです。

Parallelsを起動してメニューから、ファイル→新規。

すると新規作成Windowが開くので、右側の「〜イメージファイルからインストール」を選択し、続行。気づいたかも知れませんが、ParallelsはここでOSを選ぶことが出来、ダウンロードしなくてもこれらのインストールが可能です。しかし、バージョンが最新ではないので使用しません。

ダウンロードしたインストールイメージを選択して続行

仮想マシンに名前をつけて作成。ここで「インストール前に構成をカスタマイズする」を選ぶと、下記の設定をしてからインストールをスタート出来るので便利です。

新しい仮想マシンが作成され、自動的に起動します。
インストールに進む前にオプションを設定すると速くなります。(購入したバージョンによって使えるリソースは異なります)
目安として少し多めに

  • CPU割当を4
  • メモリを4GB
    にすると快適でしょう。インストール後に減らすことも出来ます。

2-2.UTM

次にUTMです。

起動すると出てくるメニューから、「新規仮想マシンを作成」

仮想化を選択

Linuxを選択

ここからです。試したところApple仮想化を使用を選んでも動きますが、一度作ると変更できません(複数のマシンを作ることは出来ます)。ただし、Apple仮想化を使用した場合トラックパッドのスクロール方向はMacと逆になり変更できないようです(2024年4月末現在)。Apple仮想化を使わない場合QEMという仮想マシンを作成しますが(こちらがデフォルトです)、その場合はスクロール方向も変更出来ます。
現時点では実験的という注意書きもあるので、Apple仮想化を使用は外して良いでしょう。
その後起動ISOイメージの選択ボタンを押して、ダウンロードしたファイルを選択。続けるを押します。

スクロール方法の変更

上記のスクロール方向の変更はここから行います

ハードウェアの設定はメモリを4096、CPUコア数を4に。
こちらはマシンが停止中に変えられます。その後ストレージの容量を聞かれますが、64Gあると余裕です。
また今回は"OpenGLアクセラレーションを有効にする"を選びました。

Macから仮想マシンに共有するフォルダを選びます。後からでも設定可能です。

仮想マシンに名前をつけて保存を押します。この時仮想マシン設定を開くにチェックをいれると、次の画面で設定が開きます。特に変更点はないかと思いますが一度確認したい時は便利です。

これで完成です。

3.まとめ

ここまでで仮想マシンが完成し、起動する準備が出来ました。次回は仮想マシンを起動して、インストールに進みます。基本はどちらを使用しても同じ流れになります。

お疲れ様でした!

この連載の全記事目次にもどる

Discussion