新しいメンバーの受け入れ体制について
なぜこれを書いたか
まず、私自身は歴5年程度のフリーランスエンジニアです。
スタートアップを中心に中小企業にジョインしていますが、チームにおける新メンバーの受け入れ体制について、もどかしさを感じることがあります。ジョインする方が新人に近い経歴の場合は特に、不安を持ったまま中々チームに馴染めていない様子が伺えることもあります。
新メンバーの不安を取り除くために、受け入れ側が何をすべきかということについて雑多に考えをまとめてみます。
おまけ
私自身がそうなのですが、新しい現場にジョインする際は貢献できるだろうかという不安があります。とはいえ、結局環境に慣れてしまえば不安は無くなり、経験上業務で貢献できなかったこともありません。しかし、歴が浅いエンジニアであれば、成果を上げることが出来ずチームからの期待値が下がり、自己肯定感が低くなり仕事が辛い、という悪循環に陥る方もいるんじゃないかなと思います。リモートワークで顔を合わせていないと細かい変化に気づきにくく、心身の健康を損なっていないか心配することもあります。よほど個人的なモチベーションが無い限り、誰からも期待されていないと人は腐ります。
チームに馴染むためにはジョインする側の行動・積極性なども当然重要ですが、やはり個人的には迎える側の受け入れる気持ちが何より大事だと思っています。本記事の内容とブレますが、最悪体制が整っていなくとも、チームメンバー全員が新規参画者をサポートしようという姿勢を持ってさえいればそれでOKです!
本題
具体的に整えるべき体制について記載します。
■ オンボーディング資料の準備
チームの仕事の進め方を理解するために、ドキュメントをまとめておくことは重要です。ドキュメントはレビューもできるため、より正確な内容を、メンバーの能力に依存せず共有可能です。
ドキュメントに含めるべき項目をいくつかあげます。
チーム構成
- メンバー情報
- 参画時期
- 役割
- 得意領域
- ざっくり他チームについてもそれぞれの役割
- よくやり取りするチームについてはメイン担当など深堀り
サービス構成
エンジニア目線ではなく、ユーザー目線で見た会社のサービス構成。図式化されていると良いです。チームで扱っているサービスについてはより具体的に。
システム構成
サービス構成をよりエンジニア目線で深堀りしたもの。図式化されていると良いです。
使用ツール
コアに使用しているツールのリスト化。
ツールを利用し仕事を効率化するには、全メンバーが一定以上のレベルでツールを使いこなせている必要があります。最低限の使い方やルールについては言及しておきましょう。
Slackの場合、例えば以下のような項目について。
- プロフィール名前の設定ルール ※「{ローマ字}_{漢字}」みたいなルールがあると、メンション時の候補検索がスムーズです。
- 参加必須・推奨チャンネル
- 内容によるメンション・相談先
- 連携App
- etc.
環境構築方法
開発業務にスムーズに入るためには、開発環境を構築する必要があります。Dockerfileなどの用意がある場合も、極端な話エンジニアでなくとも手順に従えば環境を構築できるよう、ドキュメント化しておきましょう。
必要に応じて、初期データの用意や登録しておくべきユーザーデータなど、補足しておくと良いでしょう。
タスクの進め方
開発手法についてまとめ、新メンバーがタスクの進め方をあらかじめ想像できるようになっていると良いです。スクラム開発の場合、スプリントの単位やスケジュール、レビュー方法などを可能な限り詳細に。
具体的には以下のような観点でしょうか。
- 役割(レビュアー、最終決済者とか)※Slackで誰に相談したら良いか分からないとかを減らせるように
- プログラムに踏み込んだ話(コーディング規約、テスト、VCSのブランチモデル...)
- リリース・ロールバック方法
- etc.
■ 1on1ミーティング
ほとんどのチームにおいて、チームミーティングはあるかと思います。ただ、大人数のミーティングでは発言しづらいことがあります(特に〜が分からないとか)。もう少し気軽に話せる場としてのミーティングがあると良いでしょう。
1on1の相手はローテーションでも構わないですが、極力会話が弾むよう、ある程度そういった適正(曖昧ですが)がある人をおすすめします。
■ タスク量の調整
新メンバー参画時に、既存メンバーがそれぞれ100%のタスク量を抱えていると、物理的に新メンバーのフォローが出来なくなります。タスク量を見直し、メンバーのフォローを行えるだけの余裕を持ちましょう。
■ 日報(新人の場合は)
経験の浅いエンジニアの場合は、その日の業務内容の把握や、相談事のアウトプットの場として日報を書いてもらうと良いです。少なくとも一日一回アウトプットの機会を設けることで、分からないことを抱えたまま時間だけ過ぎていたということを防げます。
参考
最後に
タイトルに「体制」と入れて色々記載してみましたが、本質的に重要なのはチームが新メンバーを受け入れようという「気持ち」を持っていることだと思います。自分のタスクだけに集中するのではなく、積極的に新メンバーのサポートを行い、チーム全員が気持ちよく働ける環境を作りましょう。自分が新メンバー側の立場になることも当然あるので、その時のためにも是非!
機会があれば、より新人教育に寄った記事を書こうかと思います。
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