形成期のチームビルディングアプローチ
これはなに?
形成期の組織におけるチームビルディング活動をしてみたので、実践した内容と感じたことを書きます。
背景・課題
自分のいる組織では、直近メンバーの入れ替えや組織構造の変化が重なったことから、以下の課題が発生していると考えていた。
- メンバー理解の不足:メンバー同士が互いの強みや価値観を十分に理解できていないため、日常のレビューや協働において信頼が築けていない。
- 役割認識のギャップ:組織の目的や役割に対する共通認識が不足しており、特に新メンバーと古参メンバーとの間で捉え方に違いがありました。
このままでは、チームとしての一体感が生まれず、効率的な業務遂行が困難になる可能性がありました。
やったこと
今回のチームビルディングでは、メンバー間の価値観共有と組織の「WHY」を明確にするため、2つのアクティビティを行いました。
バリューズカード
バリューズカードは、メンバーがお互いの価値観を共有し合うためのカードゲーム形式のアクティビティです。このアクティビティは、互いが何を大切にしているかを短時間で共有でき、リラックスした雰囲気でコミュニケーションが図れるため、関係の浅いメンバー同士でも非常に有効でした。
実施の際、メンバーはそれぞれカードを選び、そのカードに基づいて自分の価値観について話し合いました。これにより、メンバー間の距離が縮まり、チーム内での信頼関係が強化されました。
インセプションデッキ
インセプションデッキは、アジャイルプロジェクトのチームビルディングに使用されるフレームワークです。今回は、チームとしての「WHY」を明確にすることを目的に、インセプションデッキをカスタマイズして実施しました。
特に注目したトピックは以下の4つです:
- 我々はなぜここにいるのか - 組織としての存在意義を再確認。
- エレベーターピッチ - チームのビジョンを簡潔にまとめ、外部に説明できるようにする。
- やらないことリスト - チームとして取り組むべきでないことを明確化。
- 夜も眠れない問題 - チームが直面するリスクや課題を整理。
これらの議論を通して、チーム全員が同じ方向を向き、組織の目的や優先事項について共通の認識を持つことができました。
なぜこれを選んだ?
バリューズカードを選んだ理由
- 短時間でメンバー間の価値観を共有でき、関係がまだ浅いメンバー同士でも取り組みやすい。
- ディープな自己開示が求められないため、気軽に実施でき、短時間でチームの結束を強化できる。
- 事前準備いらない。カードゲーム感覚で楽しめて面白い
インセプションデッキを選んだ理由
- チームが形成期にあり、まだ「WHY」が固まっていないため、組織としての目標や価値観を整理するのに最適なフレームワーク。
- 「やらないことリスト」など、優先順位を明確にすることで、今後の業務の進め方に一貫性を持たせられる。
- 事前準備いらない。
※時間のかかる事前準備があるものを選ぶと実施のハードルが上がってしまうことを懸念し、初回なのでまずは当日手ぶらで楽しめるものにしました。
当日の進め方
会場
今回は新規に移転したオフィスでいい感じのスペースがあったので、オフラインで実施しました。基本リモートのメンバーが多いのですが、やはりチームビルディングに関しては集まって対面でやった方が活気が出ていいなと思いました。
次回はオフサイトミーティングの形で、外部のスペースを借りても良さそうです。
午前:バリューズカード(40分)
午前中はまず、バリューズカードを使ってメンバーの価値観を共有しました。各メンバーが選んだカードに基づき、なぜその価値観を重要だと考えるかを説明し合いました。これにより、アイスブレイクができ、メンバー間の関係性が深まりました。
バリューズカードには色々な楽しみ方があるようなのですが、今回は一番ベーシックなルールでやってみました。次の機会があれば違う方法を試してみたいです。
↑最終的に残った自分の価値観はこんな感じになった
午後:インセプションデッキ(2時間半)
午後は、インセプションデッキを中心にチームの「WHY」について議論を行いました。ホワイトボードを使いながら、チーム全体が共通の認識を持てるように各トピックについて深掘りし、ディスカッションを進めました。特に、チームとしての方向性や優先すべき事項が明確になり、今後の業務進行に大きな助けとなりました。
結果とまとめ
今回のチームビルディングを通して、以下の成果が得られました。
- メンバー間の信頼関係の向上:価値観の共有を通じて、互いをより深く理解し、協力しやすい環境が整いました。
- 組織としての共通認識の形成:インセプションデッキを活用したことで、組織としての役割や目標に対する共通の理解が深まり、業務における優先順位も明確になりました。
今後は、さらにメンバー同士の理解を深めるために、定期的な振り返りや追加のアクティビティを計画し、チームの結束を強化していく予定です。
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