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A4からM5リフィルを10枚作る(方眼)

2023/10/03に公開

前回無地のリフィルを作ったので, それを発展させ, 方眼リフィルを作る話

この記事で作成した pdf

前回の話

A4からM5リフィルを10枚作る

ポイント

  • バレットジャーナルで使うことを想定し, 見開きで月次バーティカルに使えるように, 縦のマス目は1ページあたり32とする(2行を1日分として見開きで32日分)
  • 横方向はマス目の幅で割り切れないので, マス目を外側から配置し, 中途半端なマス目はリング側にくるようにする
  • 印刷時にA4の端までは印刷できない(印刷可能領域の存在)ので, M5にしたときに余白がリング側, もしくは下側にくるように向きを調整する
  • A4両面印刷長辺綴じを想定するので, 表面と裏面はポートレートで左右に並べたときに鏡像になるように中身(M5リフィル10枚分)を配置する
  • MetaPost の SVG 出力(表面, 裏面)をいったん2ページのPDFに変換してから両面印刷する(PDFに変換すると前回問題になった中心のずれはほぼなくなった)

作業手順

作業手順と使用するツールは以下のとおり.

  1. M5リフィル1枚分を作成(MetaPost)
  2. A4表裏に配置(MetaPost)
  3. PDF化(Chrome, pdf_as)
  4. 印刷(Chrome)
  5. 切り離し
  6. 穴あけ

M5リフィルの作成

  • A4に10枚入る大きさは, h105mm, w59.4mm
  • 縦を32マスにするので, マスの幅は 3.28125mm(=105/32)
  • 横方向は18マスと少し(=59.4/3.28125=18.1...)
  • 横方向が少し余るので, マス目はリングと反対側から配置し, 余る部分がリング側にくるようにする

上記から M5 のデザインのイメージは以下のようになる.

Fig.1 M5 リフィルのイメージ

MetaPost のプログラム(抜粋)は以下のとおり.

u:=1mm;

% a4 paper size
a4w:=210u;
a4h:=297u;
% m5 paper size
m5w:=59.4u;
m5h:=105u;
% hole parameters
dm:=2.75u;
dxhole:=4u;
dyhole0:=14.5u;
dyhole1:=19u;
% grid parameters
ngrid:=32; % = nygrid
dygrid:=m5h/ngrid; % 3.28125u
dxgrid:=dygrid;
nxgrid:=m5w/dxgrid; % about 18.1u
nygrid:=m5h/dygrid; % = ngrid

picture picgrid,picholes;

%
% grid
%
picgrid:=image(
  linecap:=butt;
  % vertical lines
  for i=1 upto (nxgrid-1):
    draw (m5w-i*dxgrid,m5h)--(m5w-i*dxgrid,0) dashed evenly withcolor 0.7white;
  endfor;
  % horizontal lines
  for i=1 upto (nygrid-1):
    draw (m5w,m5h-i*dygrid)--(0,m5h-i*dygrid) dashed evenly withcolor 0.7white;
  endfor;
  linecap:=rounded;
);

%
% holes
%
picholes:=image(
  linecap:=rounded;
  for i=0 upto 4:
    draw (dxhole,dyhole0)+(0,i*dyhole1) withpen pencircle scaled dm;
  endfor;
  linecap:=rounded;
);

image 文により, グリッドとパンチ穴をそれぞれ picture 型の変数, picgrid, picholes としてまとめてある. これらを affine 変換により変換し, A4 用紙へ配置してゆく.

A4へM5を配置

  • 印刷可能領域を加味して, 下4段はリング側が下に, 最上段はリング側が上になるように配置
  • リング側が下になるためには上で作成したM5リフィルを原点に対して+90度(反時計回り)回転して平行移動
  • リング側が上になるためには上で作成したM5リフィルを原点に対して-90度(時計回り)回転して平行移動
  • A4縦長辺綴じ両面印刷にするので, 裏面は表面と長辺に対して線対称になるように配置する.

わかりやすくパンチ穴をすべて配置したイメージは以下のとおり.


Fig.2 A4 への配置イメージ

実際の印刷時にはすべてのパンチ穴を印刷するのは無駄なので, 以下のようなイメージになる.


Fig.3 実際の表面(左)と裏面(右)の印刷イメージ

穴の印刷は表面の3段目左側(裏面は3段目右側)のみ印刷する. 最低限としては裏面だけ印刷(リングの下側が印刷不能領域になるようにするため)すればよいが, 表面も印刷するのは表と裏でどの程度印刷のずれが生ずるかを確認するため. 実際には問題になるほどのずれは生じなかった.

PDF化, 印刷, 切り離し, 穴あけ

  • SVG を印刷し, PDF を作成(表面, 裏面)
  • 表面と裏面の PDF を結合
  • 紙に印刷
  • カッターで切り離し
  • リング側に印刷不能領域がくるようにそろえて穴あけ

穴あけに際しては印刷不能領域がリング側, 下側になるようにそろえてから穴をあけるのがポイント(← ここが非常に重要!!!).

(参考)バレットジャーナルでの使用例

参考までに作成したリフィルでバレットジャーナルでの使用イメージをあげておく.

バレットジャーナルについては適当に検索してもらうとして, 基本的な構成要素は以下の通り.

  1. Index
  2. Key
  3. Future Log
  4. Monthly Log
  5. Daily Log
  6. Collection page

これらのうち, 1., 2., 6. は適当に書けばよく, 5. についても私の場合は日付を入れて書き始めるだけで特にフォーマットのようなものは使っていない.

ここでは, 3. と 4. の例を示す.

Future Log は1ページに3か月, 見開きで6か月収まるようにしている. ちょっと小さい気もするが, 足りなかったら1ページ2か月にしてみる予定.


Fig. Future Log での使用イメージ

Monthly Log は見開きで31日分入るようにグリッドの大きさを決めてあるので, 以下のような感じできれいに収まる.


Fig. Monthly Log での使用イメージ

日付は手書きで記入しており, ウィークデイが黒, 土曜日が青, 日曜日が赤, 祝日が赤〇にしている. これだけ色付けしてあれば, どの日も何曜日かすぐにわかるので, あえて曜日は入れてない.

最後に

上でも使っているが, MetaPost では image という関数があり, 以下のようなワークフローで作業ができた.

  1. 1ページ分(M5 のグリッド線, パンチ穴)を試行錯誤的に作成
  2. 作成したイメージを image 関数で picture 変数にまとめる
  3. picture 変数をパーツとして再利用し, より大きなイメージ(A4)を構成していく

個人的にはかなり思い通りのものが作成できてよかった.

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