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A4からM5リフィルを10枚作る

2023/09/19に公開

A4 コピー用紙に切り取り線とパンチ穴を印刷して M5 システム手帳用のリフィルを10枚作る話

ポイント

  1. A4 と M5 の大きさ \Longrightarrow リフィルを少し小さくして A4 を M5 リフィル10枚にする
  2. 用紙上に線と点を正確に配置する \Longrightarrow MetaPost で描画し, SVG で出力
  3. 正確に印刷する \Longrightarrow 印刷時のずれを SVG の段階で調整 (SVG を Chrome で印刷)
  4. 正確に切り離す \Longrightarrow 大体でOKということにした(定規とカッターで切り離し)
  5. 正確に穴をあける \Longrightarrow パンチ用の目印を工夫 (CARL1穴パンチ(3mm径)を使用)

リフィルの大きさは多少違ってもあまり影響ないものの, 穴の位置・大きさは手帳の快適さに直結するので要注意.

動機

普段 Plotter の M5 バインダーを手帳として使っている. 手のひらサイズで非常に気に入っているが, M5はリフィルがやたら高くて種類も少ない. しっかりした内容を書くならともかく, 大したことを書かない(書けない)自分としては実はリフィルは裏紙などで十分. そこで, そこらへんに大量にあるA4用紙からM5のリフィルを自作できないかと考えた. とりあえず, 無地のリフィルをそれなりに満足のいく精度で作れたので, 以下に記載する. (そのうち, もっと凝ったリフィルも作ってみたいが, 印刷が少しずれるせいで両面印刷が大変そう.)

詳細

大きさの確認

A4は W210mm x H297mm, M5リフィルは W62mm x H105mm. したがって, M5 を横にするとA4に2列で収まる. 一方, 297/5=59.4<62 なので, 縦に5枚並べると M5 の幅(62mm)にちょっと足りない. でもちょっと(2.6mm)なので, 気にしないことにする.


fig.1 A4とM5の関係と完成図

M5リフィルの穴の位置は手元にあった市販のリフィル(アシュフォード)を参考にした.


fig.2 M5リフィルの穴の位置と大きさ

A4とM5の大きさを比較するとA4からほぼ10枚切り出せることがわかるが, その際, A4縦を5等分しないといけないので, 切り取り線を印刷することにした. また, 穴あけは1穴パンチを使用するため, 10枚中1枚には穴あけの目印を印刷することにした. 手元の1穴パンチの穴径が3mmだが, これはリングの金具の太さを考えると結構ギリギリの大きさなので, 正確に穴を開けないとリフィルを快適にめくることができない.

MetaPost による描画

beginfig(1);

u:=1mm;
numeric w,h,d;

% printer adjustment
dx:=-1.25u;

%
% lines
%
w:=59.4u; % m5 width
h:=105u;  % m5 height

linecap:=butt;

% center line
draw (h+dx,0)--(h+dx,5w) dashed evenly withcolor 0.7white;

% horizontal lines
for i=1 upto 4:
  draw (0,i*w)--(2h,i*w) dashed evenly withcolor 0.7white;
endfor;

%
% holes
%
z=(h+dx-14.5u,2w+4u); # base point
dz:=-19u;  # hole pitch
dm:=2.75u; # diameter

linecap:=rounded;
for i=0 upto 4:
  draw z+(i*dz,0) withpen pencircle scaled dm;
endfor;

currentpicture := currentpicture scaled (96/72); % for windows
endfig;

(完成イメージは上の fig.1 の一番右を参照. ただし, パンチ穴は10枚中1枚だけに印刷)

工夫しているポイントは以下のとおり.

  • linecap:=butt は線の端が用紙からはみ出ないようにするため(はみ出るとその分 A4 から縮小されて印刷されてしまう)
  • 中心線はプリンターの癖なのか, 水平方向に 1mm 強ずれるため, その分を考慮し, 1.25mm逆側にずらしている(中心線と穴の位置を調整) おそらくプリンターごとに癖が異なるので, ある程度の試行錯誤が必要と思われる
  • M5 リフィルの端から穴の中心までの長さを 4.75mm ではなく 4mm にしているのは, リフィルの幅が少し小さいので, 書ける面積をより多く確保するために, 穴をリフィルの端にできるだけ近づけるため(近ずけすぎると穴の強度が弱くなるのでこれも試行錯誤が必要)
  • パンチの穴の印刷の直径を 2.75mm にしているのは, パンチの穴の直径が 3mm なので, 穴よりも少しだけ小さな直径にし, 正確に穴を開けられるようにするため(下の穴あけの部分参照)
  • 最後に 96/72 倍しているのは, MetaPost の出力は 72dpi 前提であるが, windows は 96dpi なので, 縮尺を合わせるための処理

仕上げ(印刷, カット, 穴あけ)

  • 印刷は出力された SVG ファイルを Chrome の印刷機能で印刷した.
  • カットは印刷された線に沿ってカッターで切り離し.
  • 穴あけはパンチ裏のゴミ受けのふたを外し, 穴から目印のマル印がきっちり重なっているのを確認しつつ慎重に実施.

最後に

Web を検索すると, 多くの人が自作リフィルのレシピを公開してますが, A4 から M5 を10枚作っているものは見当たらなかったので誰かの参考になれば幸いです.

個人的に, MetaPost (もしくはそれに類似するソフト)を使った方が Word や Excel よりも直接的に長さや位置を指定できるので, 簡単に思えるのですがいかがでしょうか.

続編をアップしました.
A4からM5リフィルを10枚作る(方眼)

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