なんとなく【iptables】を理解したい
iptablesとは
Linux系を触ったことがある人なら概念は分かるかと思います。全く何もわからない人に向けて説明すると「サーバへのアクセス制御を細かくできるツール」の一種だと考えてください。
要は、ネットワーク通信の「入口」「処理中」「出口」を決まった様式で制御するためのツールです。
今回は、iptablesの動きをなんとなく理解していきます。
iptables全体図
こちらのSVGファイルを元に1つずつ見ていきます。
XDP / eBPF
XDP
eBPF
用語がわかんないよって人向けの説明
1. Linuxカーネルとは?
Linuxカーネルは、コンピュータの「頭脳」みたいなもので、ハードウェア(コンピュータの物理的な部分)とソフトウェア(アプリなど)をつなげる仕事をしています。
たとえば、インターネットを使って何かをするとき、パソコンにデータ(「パケット」という)が送られてきます。そのパケットをカーネルが処理して、アプリに渡したり、次にどこに送るかを決めたりします。でも、この処理が遅いと、ネットが遅く感じることがあります。
2. XDPって何?
XDPは、簡単に言うと、Linuxカーネルがパケットを受け取ってから処理するまでの時間を短くして、データをめちゃくちゃ速く処理できる仕組みです。
普通は、カーネルがパケットをじっくり見て「これはどうするべきか?」って考えますが、XDPは「そんなの後でいいから、とりあえずめっちゃ早く処理しちゃおう!」という感じで働きます。たとえば、必要のないデータはすぐに捨ててしまったり、別の場所に速攻で送ったりできます。
3. eBPFって何?
eBPFは「プログラムを使って、Linuxカーネルにやってほしいことを追加できる便利なツール」です。
普通、Linuxカーネルはそのままでは決まったことしかできません。でも、eBPFを使えば、カーネルに「こんなふうに動いてほしい!」という細かい指示ができます。しかも、そのプログラムは安全に動くようにしっかりチェックされるので、カーネルが壊れたりする心配が少ないです。
4. XDPとeBPFの関係
XDPは、パケットをすごく速く処理する仕組みです。でも、何をどう処理するかを決めるにはプログラムが必要です。そこで、eBPFを使って「このパケットは捨てる」「このパケットは次にここに送る」といった具体的な指示を書きます。
つまり、XDPが「めっちゃ速く処理する装置」なら、eBPFは「その装置にどう動けって指示するプログラム」みたいなものです。
5. なぜeBPFを使う必要があるのか?
eBPFを使うと、Linuxカーネルにカスタマイズした動き方をさせることができます。以下のようなメリットがあるんです:
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高速化:たとえば、ネットがすごく混んでいるときに、いらないパケットを早めに捨ててしまえば、重要なデータがスムーズに処理されてネットが速くなります。
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柔軟性:自分のシステムに合わせた特別な処理ができる。たとえば、特定の種類のデータだけを効率よく扱ったり、セキュリティ対策(悪いデータを弾く)を入れたりできるんです。
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安全性:eBPFのプログラムはカーネルの中で動くけど、カーネルがクラッシュしないように安全にチェックされて動きます。
まとめ
- Linuxカーネルは、コンピュータ全体を管理している。
- XDPは、ネットワークデータをめちゃくちゃ速く処理する仕組み。
- eBPFは、そのXDPに「どう処理するか」を教えるためのプログラムツール。
- eBPFを使うと、自分がやりたい特別な処理を、速くて安全にLinuxの中で実行できる。
これで、ネットワークが混んでいても、必要なデータだけを効率よく処理できるようになります。