Claude × MCP:AIとローカル作業スペースで共同開発
Claude × filesystem MCP連携 セットアップガイド(ローカル編)
このガイドでは、MCP(Model Context Protocol)を活用して、Claudeとユーザーが常に同じローカルディレクトリを参照し、そこでソースコードを直接修正・加筆・デバッグできる環境を構築します。
前回はGitHub連携を解説しましたが、今回はローカル中心のワークフローに焦点を当て、ファイル操作サーバー(server-filesystem
)を用いて、Claudeとユーザーが同一のローカル環境を参照できる設定を行います。
1. 前提条件
- Claude デスクトップアプリがインストール済みで前回ガイドに準拠した基本環境が整っていること
- Node.jsがインストールされ、
npm
が使用可能であること -
C:\git\claude-filesystem
ディレクトリをローカル共通作業スペースとして使用予定
注:前回のGitHub連携は必須ではありませんが、組み合わせることでローカル→リモートへの反映がスムーズになります。
2. MCPファイルシステムサーバーのインストールと設定
2-1. MCPファイルシステムサーバーのインストール
以下のコマンドで、server-filesystem
パッケージをグローバルインストールします。
npm install -g @modelcontextprotocol/server-filesystem
インストール後、以下のコマンドで実行ファイルの存在を確認します。(Windowsの例)
ls C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\npm\node_modules\@modelcontextprotocol\server-filesystem\dist\index.js
ここで <ユーザー名>
を実際のOSユーザー名に置き換えてください。
index.js
が存在すればインストール成功です。
2-2. Claudeデスクトップ設定ファイルの修正
claude_desktop_config.json
を修正・更新して、MCPファイルシステムサーバーをClaudeが認識するようにします。
下記は例です。<ユーザー名>
部分をあなたの環境に合わせて書き換えてください。
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "node",
"args": [
"C:\\Users\\<ユーザー名>\\AppData\\Roaming\\npm\\node_modules\\@modelcontextprotocol\\server-filesystem\\dist\\index.js",
"C:\\git\\claude-filesystem"
]
}
}
}
ポイント:
-
filesystem
サーバーがC:\git\claude-filesystem
ディレクトリを参照するよう設定。 - 今回はローカルディレクトリ(
C:\git\claude-filesystem
)を共通作業基盤としています。
2-3. Claudeアプリの再起動
claude_desktop_config.json
を編集後、Claudeデスクトップアプリを一旦終了し、再起動します。再起動後、MCP filesystemサーバーが有効になり、C:\git\claude-filesystem
配下のファイルを操作できる状態になります。
3. 基本的なローカル操作例
この設定により、Claudeとユーザーは同一のローカル環境を参照できます。
- ファイル読込:
read_file
- ファイル書込:
write_file
- ディレクトリ操作:
list_directory
,create_directory
,move_file
など
3-1. ファイル参照例
read_file(
path="C:\\git\\claude-filesystem\\my_project\\src\\main.py"
)
AIがmain.py
の内容を取得し、表示します。その上で「この関数を改善して」といった指示が可能です。
3-2. ファイル修正例
AIが改善後のコードを提示したら、それをwrite_file
で適用します。
write_file(
path="C:\\git\\claude-filesystem\\my_project\\src\\main.py",
content="<AI提案の修正後コード>"
)
これで即座にローカルファイルが更新され、エディタやターミナルから変更を確認できます。
3-3. デバッグ作業の短縮
問題発生時、read_file
で該当箇所を読み込み、AIに原因特定を依頼、その場でwrite_file
で修正、再テストというループを簡単に回せます。
4. リモート(GitHub)との組み合わせ
このローカル環境で安定的な開発とデバッグを行った後、push_files
を用いてGitHubリポジトリへ反映することも可能(事前にGitHubサーバー設定済みの場合)です。
こうした二段階フロー(ローカルで検証→リモートへ反映)は、安定した開発プロセスをサポートします。
5. 運用上の留意点
-
アクセス範囲:
今回はC:\git\claude-filesystem
配下を自由に操作可能な設定としました。必要に応じてディレクトリ構成や権限を限定しましょう。 -
バックアップ・バージョン管理:
ローカルでの上書き操作が容易なため、Gitでのバージョン管理を併用して変更履歴を追跡することをおすすめします。
6. まとめ
本ガイドでは、server-filesystem
を用いて、Claudeとユーザーが同じローカルディレクトリ上でコード編集・デバッグを行える環境の構築手順を示しました。
これにより:
- 同一ローカル環境での円滑な開発サイクル
- リアルタイムなファイル参照・修正によるスピードアップ
- ローカルで安全に試行後、必要に応じてリモート(GitHub)へ反映
といった流れが実現できます。
今後はより複雑なプロジェクトへの拡大や、CI/CDとの連携を検討してさらなる効率化を目指せます。
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