O1 pro modeにKYTできるか聞いてみた
IT業界の方々、KYT(危険予知トレーニング)って知ってるかの
製造業界からIT業界に転職して早4ヶ月。色々とカルチャーが違うことに良くも悪くも驚いています。
社内のslackでふとみたやり取りにKYTって何だ!?という投稿があった。自分は事後に見たので即答できなかったのだが、我が社では誰も知らなかったようでGoogleで検索をして事なきを得ていた様子。
私は製造業に約18年も在籍していたので、このKYTは新人の工場実習の頃から、最低は月に一度。多い時は毎週のように実施することが染み付いていた。
ところで、このKYTそもそもなんぞや!?という方にまずは試しにo1に聞いてみた。
まあこれはググるだけでも出来るのでひとまず良いとして、
実際のKYTサンプルを試してみよう!
前職で100回は見たであろうこの画像!!
o1による解答例
以下は、提示された状況に対する「危険予知(KYT)」の例です。
状況
あなたは、オフィスチェアに上がり、上部のキャビネットに書類(図面)を収納しようとしている。
どんな危険が潜んでいるか?
-
転倒・墜落の危険:
- オフィスチェアは回転・昇降機能があるため、足元が不安定になりやすい。
- バランスを崩して後ろや横に落下する可能性がある。
-
落下物による怪我の危険:
- 重い書類や箱などを高い位置に収納しようとして持ち上げる際、手元が滑って物を落としてしまう可能性がある。
- 頭上付近で操作しているため、万一落とした場合、自身や周囲の人に怪我をさせる恐れがある。
-
他者との接触・二次被害の可能性:
- 狭いオフィス内で周囲の人が近くにいると、落下時に巻き込んだり、ぶつかったりする危険がある。
まとめ
不安定なオフィスチェアに上って高所作業を行うことは転倒や落下物による怪我のリスクが高い。安全な踏み台、脚立の利用や周囲への注意喚起、同僚のサポートを受けるなどの対策を講じて危険を未然に防ぐことが重要である。
ネット上の正解例
ちなみにネット上に出ている正解例はこちら、
想定が5つ出ているので数としては満足できる内容だ。しかしこちらの正解例はもっともっと不運が重なり、通常生きている中ではあり得ないくらいのシチュエーションを想像するのがKYTの真髄だ!(本当か)
o1もっとあり得ないシチュエーションの解答例
12秒で以下の回答が出てきた。
以下は提示された状況(あなたがオフィスチェアの上に乗って高所のキャビネットに図面を収納している)におけるKYT(危険予知トレーニング)の例です。今回は通常想定されるリスクに加え、あまり起こり得なさそうなシナリオも盛り込んでいます。
状況
あなたは、背もたれやキャスター付きのオフィスチェアに上がり、背伸びをして高い位置にあるキャビネットへ図面を収納しようとしている。
考えられる危険
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転倒・墜落による怪我
- 椅子が回転したり、キャスターが動いてバランスを崩す。
- 足が椅子から滑り、床に転落する。
- 椅子の高さに合わない姿勢で上半身を伸ばすことで重心が乱れ、落下する。
-
落下物による負傷
- キャビネットから取り出そうとしている箱や図面ケースが手元から滑り落ち、頭部や肩などに当たる。
- 周囲に人がいれば、その人に落下物が当たる可能性。
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椅子や家具の破損による事故
- 椅子そのものが老朽化や不具合で壊れ、突然座面や脚が崩れ落ちる。
- キャビネットが固定されておらず、重量バランスが崩れて倒れ込む。
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不測の環境変化による驚きや動揺(想定しにくいシナリオ)
- 突然の地震や揺れで、バランスを崩して転落する。
- 火災報知器や非常ベルが急に鳴り、驚いて体勢を崩す。
- 強風が室内に吹き込んだり(扉や窓が急に開く)、大きな音がして驚かされる。
-
生物的予期せぬ干渉(普段はないかもしれないが想定)
- オフィス内で飼われている猫や小動物が突然足元を通り抜け、注意が逸れてバランスを失う。
- 昆虫(ハチや大きな蜘蛛など)が視界に飛び込んでパニックを起こし、姿勢を崩す。
-
健康トラブルによる転倒(稀なケース)
- 突発的なめまいや貧血、足の痺れなど、体調不良が発生してバランスを保てなくなる。
-
周囲の人の予期せぬ行動
- 同僚が気付かずに椅子を動かしたり、椅子の後ろを通り抜ける際に軽くぶつかる。
- 清掃員が床を磨いて床面が滑りやすくなり、椅子が急に動いてしまう。
まとめ
通常考えられる転倒・落下のリスクに加え、突発的な環境変化(地震・非常ベル・生物の乱入)、健康上の問題、同僚の予期せぬ動作など、まれなシチュエーションを想定しておくことも重要である。その上で、踏み台や脚立の利用、周囲への配慮、体調確認、オフィス全体の安全対策を徹底することで、さまざまな危険に対処・予防できる。
なかなか良い。4の地震や非常ベルは中々良い観点だ。強風が吹き込むなんて窓の絵もないのに想像するのがKYTの真髄だ!よく想定できている。
5の生物的予期せぬ干渉!?そんな言葉を私は初めて聞いたが、オフィスに猫や小動物、はたまた昆虫なんかがいる職場なんてあるのか!?と思いながらもこれはペットショップ内でのシチュエーションかもしれないと考えれば合点がいく。
正直十分な申し分ないレベルだ。だが、ここからが本番だ。openAI社の叡智を結集したであろうo1 pro modeを試してみたい。答えにどんな違いがあるのか。どんなとんでもないシチュエーションを想定してくるのか。はたまた$200も払う価値も内容な答えが返ってくるのか。(使い方が悪いww)
こんなしょうもないケースに使っていいものなのだろうか?と震える手を押さえながらget proのボタンを押し、同じ質問をしてみた。
o1 proの解答例
以下はこのイラストを用いたKY(危険予知トレーニング)の実施例です。
ステップ1:状況把握
・女性がオフィスチェアの上に乗って、高い棚(キャビネット)へ書類か箱を収納しようとしている。
ステップ2:どんな危険が潜んでいるか?
- 転倒・落下の危険:オフィスチェアはキャスター付きで不安定なため、足を滑らせたり、椅子が動いてバランスを崩せば落下する可能性がある。
- 頭部・身体の負傷:落下時に頭を打ったり、棚やその周辺の硬い部分に体をぶつけてケガをするリスク。
- 荷物の落下:収納しようとしている荷物や書類が落下し、下にいる人に当たる可能性もある。
ステップ5:まとめ(改善策と行動への呼びかけ)
高所作業は危険度が増す場面です。この例では、キャスター付きのオフィスチェアを踏み台として使うのは非常にリスクが高い行為です。今すぐ行動として、脚立など適切な器具を用いて荷物を収納するよう習慣を変えていきましょう。日頃から「安全第一」の意識を持ち、小さな手間を惜しまず、正しい手順と用具で作業することで、事故を未然に防げます。これらの対策は面倒なようで、結果的に自分や仲間を守ることにつながります。今こそ、仕事環境を見直し、一歩踏み出して安全な行動を実践していきましょう!
すごい。まず、すごい推論に時間がかかる。
どんな危険が潜んでいるかについての回答はシンプルだ。むしろ3つしか出てきていない。
o1 proもっとあり得ないシチュエーションの回答例
以下は、同じイラスト(オフィスチェアに乗ってキャビネットに収納しようとしている状況)をもとに、通常ではあまり起こり得ないような非日常的・想定外のシチュエーションを踏まえたKY(危険予知)トレーニングの例です。
ステップ1:状況把握(非日常的想定)
- 作業者は、オフィスチェアの上に乗りキャビネット上段に荷物を収納しようとしている。
- しかしこのオフィス空間は一時的なセットアップ中で、以下のような非日常的環境がある:
- 床にはワックス塗布直後で非常に滑りやすい面が残っている。
- 周囲でメンテナンス作業が行われており、突然の振動や騒音が発生する恐れがある。
- キャビネット上部には試験的に設置された自動認識型ドローンが飛行中で、センサー異常などで作業者付近に近づく可能性がある。
- 作業者は新型ARヘッドセット(拡張現実ゴーグル)を装着しており、実際の足元状況や周囲環境を正確に把握しづらい。
ステップ2:どんな危険が潜んでいるか?
-
足元の極度不安定化(転倒・落下):
- チェア自体がキャスター付きで不安定なうえ、床がワックスで滑りやすく、ちょっとした体重移動で椅子が動き、バランスを崩して落下する危険性が大。
-
ドローンとの接触・物理的衝突:
- ARヘッドセットによって実際の距離感が把握しづらく、天井付近を飛ぶドローンに気づかず、頭や手をぶつける可能性がある。ドローンの故障時に落下物として頭上に降ってくるリスクもある。
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外的要因による突然の動揺:
- 隣室でのメンテナンス作業の振動や、突発的な警報音による作業者の驚き、あるいは非常用電源切替による一時的な停電など、非日常的なイベントで体のバランスを失う可能性。
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誤認識による危険行為継続:
- ARヘッドセットの表示不具合で、足元が安定しているかのような誤情報を受け、危険な状態で作業を続行してしまう。
ステップ3:原因を分析する
- 適切な作業環境整備をせず、滑りやすい床+キャスター付き椅子という組み合わせで高所作業を行っている。
- 拡張現実デバイス使用による視覚情報の混乱で、現実状況が正しく認識できていない。
- 周囲のメンテナンスやドローン運用など、本来同時に行うべきでない作業が重なり、リスクが増幅している。
ステップ5:まとめ(改善策と行動への呼びかけ)
この非日常的な状況では、多重リスクが絡み合い、転倒・衝突といった危険がさらに顕著になる。今すぐできることは、作業環境を整え、必要ならヘッドセットやドローン試験は別の機会に行うなど、状況を分離することだ。また、通常の現場管理だけでなく、新技術導入や実験を行う際に安全対策の手順を明確化・厳守する。
少し面倒でも、今この瞬間に安全措置をとることが、あなた自身や周囲の仲間を守ることになる。
未知のテクノロジーや非日常シチュエーションが重なる時こそ、基本に立ち返り、確実な安全確保を実践しよう。そうすれば、今後より安心してイノベーションや新技術にチャレンジできる下地が築けるはずだ。今、短い行動を積み重ねることが、長期的な安全文化の醸成につながる。ぜひ、一歩踏み出してみよう!
ドローンが急に出てきた。これは全く自分では想定しなかった内容だ。しかも最後のまとめは何か哲学めいたアーティスティックな言いっぷりである。
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