JQuants API で一年半くらい運用してみた
JQuants API については本家のWebページを参照。
前回の記事のその後の話です。
前回の反省
戦略に内在するリスクの見積もりとそれがトレーダーの心理面に与える影響について、認識が極めて甘かった。今回はその失敗を踏まえ、リスクを抑えた戦略で挑む。復習を兼ねて、前回のハイボラ戦略がその後どうなったのか、観察するとしよう。おそらくろくな結果にはなっていないはずである。
ハイボラ戦略のその後
無事、死亡確認。しかし最近になるまではかなり勝っている印象を受ける。リスク許容度が高ければ使えるかもしれないが、小心者の私にはとても難しい。
新しい戦略のその後
ハイボラに耐えられないので、ドローダウン低めのロングショート戦略で対戦することにした。
こちらがこの戦略のベースライン。なかなか良さそうなものの、2023/01以降パフォーマンスが落ちているようにも見える。こちらは特徴量単体の戦略。
こちらは複数の特徴量とMLを使用した戦略。直近ではボロ負けしていることがよくわかる。これがあるからMLを使うのは怖い。所謂バックテストオーバーフィッティングというやつである。
ちなみにこちらの戦略は2023/10以降危険な兆候を感じたので強烈なドローダウンから無事逃げ切ることができた。
次に、特徴量重要度分析から有用性がわかった二つの特徴量からなる戦略。こちらのパフォーマンスは直近のものしか見られないが、まぁ悪くない戦略であるように見受けられる。前半はドローダウンが小さいものの、後半、大きなイベントで大きめのドローダウンを喰らっている。それでも1〜2ヶ月後には元の水準まで戻せているので、中々の戦略に見える。
最後に、現在採用している戦略である。先述の戦略よりもリターンも大きい。こちらは銘柄選択に拘った。安易にユニバースを決めるとかなりの確率でバックテストオーバーフィティングしてしまうが、こちらは余計なバイアスを入れないよう工夫をしている。しかし、今回の戦略が見つかったのは運の要素も大きいだろう。
新しい戦略導入後の成果
今年だけで諸々合わせて信用取引では+45万円くらいにはなっている。11/5から引けの時間が30分延長するなどのイベントがあるが、年末まではまだまだ伸びるだろう。来年はこの戦略の投資金額をさらに増やす予定だ。
一方、現物では5万円の損失。6〜7割で勝つ週次の戦略を使ってみたが、綺麗に暴落する日を引いた。現物ダメ、絶対。
今後の方向性
・裁量とクオンツの融合
現在利用可能なデータとクオンツ運用だと、自分の能力的に得られるリターンに限界を感じてきている。裁量トレードにクオンツ的な考えを取り入れられないか最近は日夜研究中。
・小型株戦略と執行アルファ
大型銘柄に対するMLの予測は、ナイーヴに行うと難しいことが多い。一方で、小型株だと割と予測ができる傾向にあるように感じている。一方で、小型株は仕込むのが難しい。この辺りを分析などによってうまくトレードできるようにならないか、色々と調べている。執行アルファがうまく取れれば、おそらくそれだけでも戦略が作れそうな気もしている。
最後に
皆様も良きJQuants ライフを!!
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