“macOS→Omarchy”の移行ガイド
はじめに
私は Mac がまだ “Macintosh” と呼ばれていたころからずっと Mac を使ってきました。ですがこのたび、思い切って Omarchy(Linux ディストリビューション)に移行しました。1 ヶ月ほど使ってみての感想や気づきを、これから移行する方の参考になればと思い、まとめています。
試してみて「ここ違ったよ」「こうするともっと良かった」などあれば、@agata にリプライで教えてもらえると嬉しいです。

私の環境。Asus 32インチ 6Kディスプレイと Omarchy のタイル型ウインドウの相性が良いです。
なぜ Omarchy に移行したのか?
「Macが嫌いになった!」というわけではありません。最初のきっかけは、Omarchy で採用されている Hyprland というタイル型ウインドウマネージャが「面白そうだな」と思ったことでした。
試しに古い MacBook Pro にインストールして、1〜2日ほどいくつかの開発プロジェクトを Omarchy 上で動かしてみたところ……気がついたら「もう全部 Omarchy で開発したい。」と思ってしまったのです。その勢いのまま、1週間後には Beelink SER 8(私が購入したときは新品で7万円でした。安い!)を購入し、開発用マシンもそちらへ完全移行しました。いまは日々の開発や仕事を SER 8 上の Omarchy で行っています。
振り返ってみると、私は Biscuit というアプリ統合ブラウザを開発しています。Biscuit も「Web アプリをネイティブアプリのように扱いたい」「アプリを素早く切り替えたい」「並べて表示したい(分割表示機能)」といった思想で作ってきました。そう考えると、Omarchy の思想と自分の求めるものが重なっていたのも、移行を後押しした大きな理由のひとつだと思います。
移行してみてどうだった?
結論から言うと、かなり最高です。
Omarchy をカスタマイズしたり、日々使いこなしていく過程が純粋に楽しく、心地よい。結果として、この 1 ヶ月の間に「Mac に戻りたい」と思ったことは一度もありませんでした。
もちろん、Mac が嫌いになったわけではありません。むしろ今でも大好きです。これからも 音楽制作(Studio One を使用) や iOS/Mac アプリの検証などでは引き続き Mac を使うつもりです。
ただ、開発環境としてのメインマシンは Omarchy。そう自信を持って言えるくらい満足しています。
Omarchyとは?
Omarchy は、Ruby on Rails の開発者として知られる DHH (David Heinemeier Hansson) が手がけている Linux ディストリビューションです。
2025年6月26日に公開されてからわずか3ヶ月で GitHub スター数は12,000超、コントリビューターは172名 に達し、今もっとも勢いのあるディストリビューションのひとつとなっています。2025年10月6日現在の最新バージョンは Omarchy 3.0.2 です。
海外では「どれだけ古い Mac にインストールできるか?」を報告し合ったり、インストール時間を競う RTA 的なお祭り のような盛り上がりも見られます。単なる OS という枠を超えて、ひとつの カルチャー としてコミュニティが熱気を帯びているのが特徴です。
以下の動画を見ると Omarchy でできることがだいたいわかります。
Omarchyの特徴
色々と特徴があるディストリビューションですが、私が特に感じた特徴は以下の3点です。
特徴1. タイル型レイアウトで、常に見やすく効率的
Omarchy は、タイル型ウインドウマネージャとして Hyprland を採用しています。

タイル型ウインドウマネージャのHyprland
macOS にも Amethyst や yabai といったタイル型をサポートするツールは存在しますが、これらは既存の macOS ウィンドウシステム(Aqua/Quartz Compositor)の上にアドオンとして動作するため、どうしても制約が残ります。
一方、Hyprland は Wayland 上で直接動作する「ネイティブな」コンポジタであり、ウィンドウ管理をOSの基盤レイヤーに近い部分から統合しています。そのため、描画・入力・ウィンドウの配置が一体的に制御され、キーボード操作中心のスムーズなワークフローや高い描画性能(ティアリングやラグの少なさ)が実現されています。
具体的なメリットとしては
- 操作の一貫性:アプリケーションごとの挙動差が少なく、すべてのウィンドウがタイル配置のルールに従う
- 表示の軽快さ:GPU アクセラレーションを前提とした最新 Wayland スタックにより、リサイズやアニメーションも滑らか
- 柔軟なカスタマイズ性:テーマ、アニメーション、レイアウト、ワークスペースを「OSレベル」で自在に制御できる
などがあります。
つまり Omarchy では「後付けでタイルっぽくする」のではなく、OSとウィンドウマネージャが同じレイヤーで動いているがゆえの快適さが得られるわけです。
※タイル型を実際に私がどのように使って仕事をしているか?については後述します。
特徴2. GUIアプリ・Webアプリ・TUIアプリをシームレスに統合起動できる環境

GUIアプリ・Webアプリ・TUIアプリが混じっても違和感のないUI
Omarchy では、GUI・Web・TUI という異なる形式のアプリケーションを、あたかも一つのOSネイティブなアプリのように扱える統合性が大きな特徴です。
例えば、Web アプリは「 Omarchy メニュー → Install → Web App」 から URL とアイコンを登録すると「フレームレスなWeb アプリウィンドウ」として起動できます。これにより、ブラウザを開くというより 「この Web アプリを OS の一機能として使う」感覚になります。
さらに、Omarchy は Chromium をマイクロフォークしており、ライブテーマ切り替えをブラウザにも反映できるよう改変を加えています。つまり、テーマ変更をするとブラウザの配色や UI(チャーム/枠/カラーリング等)が即座に追従するようになります。

テーマ: Tokyo Night

テーマ: Osaka Jade
TUI アプリ(例:lazygit、lazydocker、btop、Impala 等)も、Omarchy 内部で「アプリランチャー(Super + Space)」や設定メニューから起動できるようビルトインで統合されています。これらもまた、他の GUI アプリと同列に扱われ、テーマ連動や起動ショートカットなどの恩恵を受けます。
特徴3. 開発に必要なものが揃い、すぐに使える環境
Omarchy には、開発者が日常的に使うツールがあらかじめセットアップされています。エディタ(Neovim が標準、VS Code や Zed もメニューから追加可能)、ターミナル、Docker と Compose、lazygit・lazydocker・btop といったTUIツールが最初から整っています。
Mac も git などの開発ツールがプリインストールされていて比較的使いやすい環境ですが、Omarchy は 「おまかせ」という名前の通り、より充実した状態でスタートできる のが特徴です。
特に Docker は Linux ネイティブ環境で動作するため、macOSよりもファイルI/Oが速く、コンテナ開発が快適です。開発でありがちな「ボリュームマウントの遅さ」や「ファイル同期のもたつき」がなく、ストレスのない動作を体感できます。
また GUI メニューから追加パッケージを簡単インストールでき、Mise もセットアップ済みなので、Ruby on Rails や Node.js などのランタイムもすぐに導入可能です。
余計な常駐アプリはなく、必要なものだけを最小構成で備えているため、インストール直後から「すぐコードを書ける」環境が手に入ります。
Omarchy インストール手順
インストール自体は公式サイトのガイドに従えばシンプルですが、ここでは改めて 日本語での最短ルート を説明します。
0. 事前に知っておくこと(超重要)
-
インストール対象ディスクは完全初期化される
インストール時に選んだディスクは全データが消去されます。必要であれば必ずバックアップを取ってください。(古い Mac なら「消してもいいや」と割り切れる人もいるかもしれませんね) -
外付けキーボードが必要になるケースがある
Omarchy は既定でフルディスク暗号化(LUKS)を行うため、起動時のパスワード入力に Bluetooth キーボードは使用不可です。有線キーボードや 2.4GHz ドングル接続タイプを推奨します。
また Intel Mac の T1/T2 チップ搭載モデルでは、インストール時に本体キーボードが使えないため、インストール時は外付けキーボードが必須となります。(インストール後は本体キーボードで利用できます) -
対応ハードウェアは Intel Mac と通常のPC(Apple Silicon は現状非対応)
一般的な PC はもちろん、Intel Mac もサポート対象です。ただし Apple Silicon (Mシリーズ) は現時点では直接のサポート外となっています。M1/M2 に関しては将来的なサポートが計画されています。 -
デュアルブートは非推奨・やや上級者向け
公式に推奨はされていません。既存 OS とのデュアルブートを試すには「パーティション分割やブートローダの調整」が必要で手間がかかります。Linux 経験者なら挑戦できますが、まずは専用マシンや消去しても構わないディスクにクリーンインストールするのが無難です。
1. インストール用 USB メディアを作る
-
Omarchy Online ISO を入手
- 公式の「Getting Started」から ISO をダウンロード。(この記事を執筆時の最新版は3.0.2でした。)
-
balenaEtcher を使って書き込み
- ダウンロードサイトから balenaEtcher をダウンロードしてインストール。
- balenaEtcher を起動 → [Flash from file] からダウンロード済みの Omarchy の ISO を選択 → USB を選択 → Flash。 書き込み完了までに10分程度かかります。
- Omarchy 公式も Mac/Windows では balenaEtcher 推奨 です。

2. Secure Boot をオフにする
■ Intel Mac の場合
- Mac の電源を切る
- 電源オン直後に ⌘R を押し続けて macOS 復元 を起動
- メニューバー [ユーティリティ] → [起動セキュリティユーティリティ]
- Secure Boot:[セキュリティなし]、外部メディアまたはリムーバブルメディアの起動を許可 を選ぶ(設定終了後は通常再起動でOK)

このメニュー見つけるのに苦労しました

■ Windows/一般的なPC(UEFI)での確認・無効化の目安
-
状態確認:
Win + R→msinfo32→ 「セキュア ブートの状態」を確認。 - 無効化:Windows から 設定 → 回復 → 高度なスタートアップ → 再起動 → UEFI ファームウェア設定 → BIOS/UEFI の Security/Boot/Authentication いずれかのタブで Secure Boot: Disabled に。
3. USB で起動してインストール
■ 起動
- Mac:USB を挿す → 再起動直後に Option(⌥) を押し、EFI Boot(オレンジ) を選択。

なぜか EFI Boot が2つ表示されますがどちらを選んでも問題ないようです
- PC:メーカー別の起動メニュー(例:F12/F2/Del 等)から USB を選択。メーカーのキーは機種ごとに異なります(例:Dell/Lenovo/ASUS など)。参考: Omarchy/各社ガイド。
- Omarchy のロゴが表示されたあと1-2分待つとインストーラーが表示されます。

Omarchy のロゴ

インストーラーの起動直後
■ インストーラーの質問に答える
-
ISO 起動後、Omarchy のインストーラーで 設定項目に答える → インストール先のドライブを選ぶ だけ。
- キーボードの選択: 日本語キーボード(Japanese)はカーソルの下を押すと出てきます。
- ユーザー名: Linuxのユーザー名として使用されます。
- パスワード&確認: ユーザーログイン、root、ディスク暗号化のパスワードとして使用されます。
- 名前:Gitユーザー情報として使用されます。省略可。
- メールアドレス: Gitのメールアドレスとして使用されます。省略可。
- ホスト名: マシンのホスト名。省略すると omarchy になります。
- タイムゾーン: Asia/Tokyo を選んでおきましょう。
- 確認画面: Yesを押します。
- インストール先のディスク: 間違わないように選択します。
- ディスクフォーマットの確認: Yesを押します。
- インストールが開始されます。目安として、2〜5分程度 で完了する旨が公式に記載されています(マシン性能による)。

インストール中

インストール完了。インストールにかかった時間が表示されています。
- Reboot Now を実行して再起動します。再起動後にパスワードを入力します。

- デスクトップが表示されます。インストール成功です🎉

インストール直後のデスクトップの表示
よくあるハマりどころ
-
Macbook(T1, T2チップ付き)のキーボードや Bluetooth キーボードで起動パスワードが入らない
→ 有線 or 2.4GHz ドングルに切り替えてください。 -
USB が起動メニューに出ない
→ Secure Boot が無効になっていない/別ポートを試す/USB を作り直す(Etcher)。USBの相性でうまくいかないパターンもあるようです。 -
Mac に戻したくなった
→ インターネットリカバリで macOS を再インストール可能です。
最低限覚えたい基本操作
Omarchy はキーボードでの操作が中心になります。まずは最低限知っておいたほうがよい基本操作を覚えましょう。
基本のショートカット
以下 SUPERは Mac ではコマンドキー、Windows では Windows キーのことを指します。
-
SUPER+K: ショートカットを表示する -
SUPER+W: アクティブなウインドウを閉じる -
SUPER+Space: アプリ起動ランチャーの表示 -
SUPER+Option(Alt)+Space: Oamrchy メニューの表示。アプリのインストールやテーマの変更、OS の再起動や終了メニューなどがあります。
Wi-Fi の設定
Omarchy をインストールした直後は、まだネットワークに接続されていません。インターネットに接続するため、まず Wi-Fi を設定 しましょう。(有線LANで接続している場合は、この手順は不要です。)
1. 設定画面を開く
Omarchy メニューから次のように進みます。
Setup → Wifi
2. 接続ポイントを選ぶ
Wi-Fi一覧が表示されたら、Tabキー でセクションを移動し、Spaceキー で接続したいアクセスポイントを選択します。

3. パスワードを入力して接続
選択後にパスワード入力画面が表示されるので、Wi-Fiのパスワードを入力して接続します。接続が完了すると、右上のネットワークアイコンが有効になり、インターネットが利用できるようになります。
Omarchyのアップデート
ネットワークに接続できたら、まず Omarchy 全体をアップデート しておきましょう。アップデートは簡単です。Omarchy メニューから次のように進みます。
Update → Omarchy
パスワードを入力するとアップデートが始まります。カーネルの更新が含まれている場合は、完了後に再起動を求められるので、案内に従って再起動してください。
基本的なアプリのショートカット操作
アプリもショートカットで起動できます。
-
SUPER+Enter: ターミナル(Alacritty)を起動 -
SUPER+B: ブラウザ(Chromium)を起動 -
SUPER+A: AI(ChatGPT)を起動 -
SUPER+M: 音楽プレイヤー(Spotify)を起動 -
SUPER+F: ファイルブラウザ(Nautilus)を起動 -
SUPER+X: X(Twitter)を起動 -
SUPER+Shift+X: X(Twitter)のポスト画面を起動
上記は標準で設定されているアプリの一部でアプリのショートカットの設定は ~/.config/hypr/bindings.conf で確認できます。
ワークスペースの操作
Omarchy ではワークスペースという作業領域それぞれに自由にウインドウを配置できます。ワークスペースの切り替えは SUPER + 数字キーで切り替えます。ワークスペース1〜5までは上部のバーの領域の選択中のワークスペースの表示で現在どこのウインドウを開いているかがわかるようになっています。
-
SUPER+数字キー: ワークスペースの切り替え
練習:アプリの起動とワークスペースの切り替え
以下でアプリの起動とワークスペースの切り替えを練習してみましょう。
-
SUPER+1でワークスペース1を表示 - ワークスペース1にブラウザ(
SUPER+B)とターミナル(SUPER+Enter)を開く -
SUPER+2でワークスペース2を表示 - ワークスペース2でAI(
SUPER+A)とX(SUPER+X)を起動 -
SUPER+1でワークスペース1を表示 - すべてのウインドウを
SUPER+Wで閉じてみましょう

ウインドウの操作
Omarchy はタイル型ウインドウを採用しています。ウインドウの操作も大半はキーボードで行います。
-
SUPER+カーソルキー: 隣のウインドウと位置を入れ替える -
SUPER+Shift+カーソルキー: 隣のウインドウと位置を入れ替える -
SUPER+Shift+数字キー: ウインドウを指定ワークスペースに移動 -
SUPER+マウスでウインドウをドラッグ: ウインドウの移動 - ウインドウ境界で
SUPER+マウスの右クリック+ドラッグ: ウインドウサイズの変更 -
F11:アプリが対応していれば、ウィンドウを最大化または全画面表示にする(アプリ側の機能) -
Shift+F11:アプリが対応していない場合でも、Hyprland 側でウィンドウを強制的に全画面表示/解除する -
SUPER+J: ウインドウの分割方向を縦/横で入れ替え -
SUPER+V: ウインドウのタイルモードとフローティングモードを切り替え
日本語化
次に Omarchy を日本語に対応させましょう。
OS の言語を日本語に設定する
Omarchy をインストールした直後は、システム言語が英語になっています。メニューや日付表示などを日本語化したい場合は、ロケール設定を変更して OS の言語を日本語にしましょう。
1. nano のインストール
設定ファイルを編集するために、ターミナル用のテキストエディタ nano をインストールします。(Neovim など他のエディタの操作に慣れている方はそれらを使ってもかまいません)
Omarchy メニューから次のように進みます。
Install → Package
検索欄に nano と入力してインストールしてください。
nano の基本操作(最低限これだけ覚えればOK)
-
Ctrl+S:保存 -
Ctrl+X:終了
たとえば設定ファイルを開いて編集したあと、Ctrl + S で上書き保存し、Ctrl + X で閉じます。
2. ロケールの有効化
まず、ja_JP.UTF-8 のロケール(日本語環境)を有効にします。
SUPER + Enter でターミナルを開き、次のコマンドを実行します。
sudo nano /etc/locale.gen
ファイル内で以下の行を探してコメントアウト(先頭の # を削除)します。
ja_JP.UTF-8 UTF-8
保存してエディタを閉じたら、ロケールを生成します。
sudo locale-gen
3. システム全体の言語設定を変更
続いて、システム全体の言語を日本語に設定します。
環境変数 LANG に ja_JP.UTF-8 を指定します。
sudo localectl set-locale LANG=ja_JP.UTF-8
設定内容を確認するには:
localectl status
LANG=ja_JP.UTF-8 と表示されていれば OK です。
4. 再ログインまたは再起動
設定を反映させるために、一度ログアウトまたは再起動します。
次回ログイン時から、システムメニューや日付表示などが日本語化されます。
IMEの導入
標準状態のOmarchy(Arch Linuxベース)には日本語入力用のIMEが入っていないため、自分でインストールする必要があります。ここでは fcitx5 + mozc の構成を導入します。
1. yayとは?
yay は Arch Linux のパッケージ管理ツール(AURヘルパー) です。
通常の pacman コマンドでは公式リポジトリのパッケージしか扱えませんが、yay を使うと AUR(Arch User Repository) にあるユーザー提供パッケージも自動でビルド・インストールできます。
つまり、
yay= 「公式パッケージもAURもまとめて扱える便利なパッケージマネージャ」
です。
Omarchy には標準で yay がインストールされているため、そのまますぐに利用できます。
nano を入れたときのように、Omarchy のメニューから個別に AUR パッケージを追加することも可能ですが、複数のパッケージを一度に入れる場合は ターミナルでコマンドを使う方が簡単で効率的 です。
2. IME 関連パッケージをインストール
SUPER + Enter でターミナルを開き、次のコマンドで日本語入力に必要なパッケージをまとめてインストールします。
--needed はすでに入っているパッケージをスキップし、--noconfirm はインストール時の確認を省略します。
yay -S --noconfirm --needed fcitx5-im fcitx5-mozc
- fcitx5-im:Fcitx5 本体と設定ツール、GTK・Qt 向けモジュールをまとめて導入するメタパッケージです。これを入れておけば、主要な入力方式フレームワークが一式そろいます。
- fcitx5-mozc:Google 日本語入力をベースにした日本語変換エンジン「Mozc」の標準版です。
3. 環境設定を変更
以下の設定を Hyprland の設定ファイルに追記します。これらは IME(日本語入力)を全てのアプリケーションに認識させるための環境変数 です。
~/.config/hypr/hyprland.conf
# 日本語入力(fcitx5)を有効にするための環境設定
## XWayland アプリ(X11ベースのアプリ)用
env = XMODIFIERS,@im=fcitx
## Qt アプリ(例:KDE系、Qtベースのツール)用
env = QT_IM_MODULE,fcitx
## GTK アプリ(例:GNOME系、FootやGeditなど)用
## Wayland環境では通常不要ですが、ターミナルなどでIMEが効かない場合に有効
env = GTK_IM_MODULE,fcitx
4. Mozc を追加
以下のコマンドで Fcitx5 の設定ツールを起動します。
fcitx5-configtool
ツールの Input Method(入力メソッド) タブから「+」を押し、一覧から ** Mozc** を追加します。

Mozcを追加する
追加後は かな / 英数キー / 半角/全角キー で日本語と英語入力を切り替えられるようになります。変換方式やキー割り当てなどの詳細設定は、同じ設定ツールから変更できます。
5. 「かな」「英数」キーの割当を変更する(任意)
デフォルト設定のままだと、「英数」キーを押した際に IME の入力モードが「直接入力」に切り替わり、つぎに「かな」を押しても日本語が入力できません。
以下の設定を行うことで、Mac と同じように「英数」「かな」キーでシンプルに日本語/英語入力を切り替えられるようになります。特に Mac のキーボードを使用している場合は、この設定を推奨します。
- 英数: IMEをオフにする(IMEの入力モードの変更なし)
- かな: IMEをオンにする(IMEの入力モードの変更なし)

Omarchy をカスタマイズしよう
Omarchy は、見た目や操作性を自分好みに変えられるのが魅力です。しかも、標準機能だけで簡単にカスタマイズできます。ここでは代表的な設定を紹介します。
テーマを変更する
Omarchy にはあらかじめ複数のテーマが用意されています。色合いやウインドウ装飾を切り替えるだけでも印象が大きく変わります。
さらにすごいのは、テーマ変更がOS全体だけでなく、ブラウザやターミナルなど対応しているアプリにも反映されることです。つまり、1回の切り替えでデスクトップとアプリの配色が統一され、まるで別の環境に入れ替わったように雰囲気が変わります。
- Omarchy メニューから次のように進みます:
Style → Theme
- 一覧から好みのテーマを選択すると即時に反映されます。
何よりすごいのは、テーマ変更が OS 全体だけでなく、ブラウザやターミナルなど対応アプリにも連動して反映されることです。1回の切り替えでデスクトップとアプリの配色が統一され、まるで別の環境に生まれ変わったような一体感が得られます。
気分や作業環境にあわせて、テーマを気軽に切り替えてみましょう。
ショートカットの変更
Omarchy では、Hyprland のショートカット設定を自由にカスタマイズできます。設定は ~/.config/hypr/bindings.conf にまとまっており、ここを編集するのが基本です。
このファイルは ユーザーが自由に変更してよい正式なカスタマイズ領域です。システム側のデフォルト設定(~/.local/share/omarchy/default/hypr/bindings/*)を上書きする形で反映されます。
1. 設定ファイルを開く
ターミナルで次のコマンドを実行します:
nano ~/.config/hypr/bindings.conf
2. 不要なショートカットを削除またはコメントアウト
既定では、Hey や Signal など日本ではあまり使われないショートカットも含まれています。
不要であれば、行頭に # を付けてコメントアウトします。
以下で Hey や Signal のショートカットをコメントアウトしてオフにします。この2つのショートカットは後で別の機能を割り当てます。
# bindd = SUPER, G, Signal, exec, omarchy-launch-or-focus signal "uwsm app -- signal-desktop"
...
# bindd = SUPER, C, Calendar, exec, omarchy-launch-webapp "https://app.hey.com/calendar/weeks/"
これで SUPER + G と SUPER + C のショートカットは無効になります。設定はすぐに反映されます。
3. 新しいショートカットを追加する
ショートカットの定義は bind(または拡張版の bindd)で行います。bindd は「説明(ディスクリプション)」を付けられる拡張構文で、SUPER + K でショートカット一覧を開いたときにも説明が表示されます。
基本の書式
bindd = 修飾キー, キー, 説明, 実行動作, コマンド
例:電卓の表示
シンプルなショートカットの例です。ここでは SUPER + C を標準でインストールされている電卓(gnome-calculator)の起動に割り当てます
# 電卓を起動
bindd = SUPER, C, 電卓を開く, exec, gnome-calculator
SUPER + C で 電卓を起動してショートカットが反映されるか試してみましょう。
現状だと電卓はタイルモードでウインドウが表示されます。フローティングモードで起動したいときは以下のように設定します。
# 電卓を起動
bindd = SUPER, C, 電卓を開く, exec, hyprctl dispatch exec "[float]" gnome-calculator
グルーピング(タブ化)を設定する
Hyprland では、複数のウインドウを**タブのようにまとめる(グルーピング)**ことができます。

VS Codeをグルーピングして切り替えられるようにした例
デフォルトではショートカットが設定されていないので、以下を /.config/hypr/hyprland.conf に追加します。
~/.config/hypr/hyprland.conf
# ウインドウのタブ化
bindd = SUPER, G, グループ化,togglegroup
bindd = SUPER, U, グループ化解除,moveoutofgroup
bindd = SUPER CTRL, right, 右のグループタブに切り替え, changegroupactive, f
bindd = SUPER CTRL, left, 左のグループタブに切り替え, changegroupactive, b
操作方法
-
SUPER+G: 現在のウインドウをグループ化/グループ化解除する -
SUPER+U: タブをグループから外す -
SUPER+Ctrl+→/←: タブを切り替え
タブ化したウインドウがアクティブな状態でアプリを起動すると新しいタブとしてアプリが開きます。同一のウインドウ内でアプリをタブ化して切り替えたいときに便利です。
また、SUPERを押しながらマウスでウインドウをドラッグ&ドロップしてタブに追加することもできます。
タブの利用シーン
- VS Code で関連するプロジェクトのウインドウをタブ化して時々参照する
- ブラウザとAIをタブ化して切り替えながら使用する
ウインドウサイズをショートカットで変更
通常はマウスの右クリック+ドラッグでサイズ変更できますが、ショートカットを設定すればキーボードだけで調整可能です。
# ウインドウサイズをキーボードで変更
bindd = SUPER ALT, left, ウインドウの幅を右方向に変更, resizeactive, -100 0
bindd = SUPER ALT, right, ウインドウの幅を左方向に変更, resizeactive, 100 0
bindd = SUPER ALT, up, ウインドウの高さを上方向に変更, resizeactive, 0 -100
bindd = SUPER ALT, down, ウインドウの高さを下方向に変更, resizeactive, 0 100
たとえば SUPER + Option(Alt) + ← で左に縮める、SUPER + Option(Alt) + → で右に広げる、といった操作が可能になります。

ウインドウ同士の境界をキーボードショートカットで素早く変更
Waybar の見た目を変える
画面上部のバー「Waybar」も簡単にカスタマイズできます。
- 設定ファイルは次の場所にあります:
~/.config/waybar/config.jsonc
~/.config/waybar/style.css
- モジュール(時計・バッテリー・音量など)の表示順やフォーマットを変更できます。
例えば、シンプルな見た目にしたい場合は一部モジュールを削除するだけでOKです。
時計のフォーマットを変更する
デフォルトでは時刻だけ表示され、クリックで日付に切り替わります。
最初から「日付+時間」を表示したい場合は以下のように設定を変更します。
デフォルト
デフォルトでは以下の表示になっています。

~/.config/waybar/config.jsonc
"clock": {
"format": "{:L%A %H:%M}",
"format-alt": "{:L%d %B W%V %Y}",
"tooltip": false,
"on-click-right": "omarchy-cmd-tzupdate"
},
日付も同時に表示
以下の修正を加えると日付を表示+曜日の短縮形式が追加されます。

~/.config/waybar/config.jsonc
"clock": {
"format": "{:L%m/%d(%a) %H:%M}", // この行を変更
"format-alt": "{:L%d %B W%V %Y}",
"tooltip": false,
"on-click-right": "omarchy-cmd-tzupdate"
},
反映するには次のコマンドを実行します:
pkill -SIGUSR2 waybar
フォーマット文字列の主な意味
| 記号 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
%Y |
年 | 2025 |
%m |
月(2桁) | 10 |
%d |
日(2桁) | 05 |
%a |
曜日(ロケール依存) | 日 / Mon |
%H |
時(24時間) | 14 |
%M |
分 | 09 |
%S |
秒 | 47 |
%b |
月名(ロケール依存) | 10月 / Oct |
{:L...} の :L はロケール指定を有効にする印です。これを付けることで、システムのロケール(例: ja_JP.UTF-8)に従い「Sun」ではなく「日」のように日本語表記になります。
このように、Omarchy は見た目も操作も思いのままにカスタマイズできます。最初はテーマや時計など、わかりやすい部分から試してみるのがおすすめです。
ワークスペースの実践的な使い分け
例(ディスプレイが大きい場合)
ディスプレイに十分な作業領域がある場合は、ワークスペースごとに1つのプロジェクトを割り当てる運用がおすすめです。各プロジェクトに必要なアプリのセットを、ワークスペース単位でまとめておくイメージです。
- ワークスペース 1:プロジェクトA用。エディタ、ブラウザ(GitHub・ドキュメント・開発中のWebアプリの画面など)、AIツールなどを配置
- ワークスペース 2:プロジェクトB用。
- …

1プロジェクト=1ワークスペースでの運用
このように整理しておくと、「いま何の作業をしているか」がワークスペース単位で明確になり、複数のプロジェクトを並行して進める場合でもスムーズに切り替えられます。
例(ディスプレイが小さい場合)
ノートパソコンなど、ディスプレイサイズが小さい環境では、大きなウィンドウを使うアプリを1つのワークスペースにまとめるのが効率的です。たとえば以下のように分けると作業がしやすくなります。
- ワークスペース 1:プロジェクトAのエディタ
- ワークスペース 2:プロジェクトAのブラウザ(GitHub・ドキュメント・Webアプリのプレビューなど)、AIツールなどを配置

1プロジェクト=複数ワークスペースでの運用
また前述のグループ化によるタブを活用してアプリをタブにまとめてから切り替える方法も有効だと思います。
💡 私自身は普段、外部ディスプレイを接続して作業しているため、
小さいディスプレイでの運用は実際にはあまり試していません。
ただし、コンパクトな環境ではこのようなワークスペース分けが効果的だと思います。
スクラッチパッド
スクラッチパッドは、通常のワークスペースとは別に用意できる「ドロワーのような作業スペース」です。今開いているワークスペースの上にオーバーレイで表示し、用が済んだら非表示にできます。

スクラッチパッドのイメージ
たとえば「音楽プレイヤーをサッと出して閉じる」や「メモを開いてすぐ戻る」といった操作に最適です。複数のスクラッチパッドを設定できますが、ショートカットで直感的に呼び出すことを考えると 2〜3個程度 にまとめるのが現実的です。
実際の使い方の例
1. ダッシュボード(SUPER + D)
作業中にいつでも開ける“自分専用パネル”として使えます。起動時に自動で必要なアプリを配置しておくと便利です。
- カレンダー
- Spotify
- YouTube(音楽再生用)
- TODOリスト
- メモアプリ
- 1Password
これはかつての macOS にあった「Dashboard」機能のような使い方ができます。

ダッシュボードに配置したアプリの例
2. 一時的な作業スペース(SUPER + S)
ブラウザでの調べものや AI ツールを一時的に開くなど、「一時的におこないたい作業」に向いたスペースに向いています。また、現在のワークスペースで不要になったウインドウをここに送っておいて、必要になったらそのウインドウだけあとで戻す、といったウインドウの仮置場としても利用できます。
Slack を左に常駐させておいて、右側は自由領域として一時的に使うブラウザ(Slackのリンクをクリックして一時的に開くタブも含む)やその他ツールを開くといった運用も可能です。
スクラッチパッドの設定方法
実際にダッシュボード用と一時的な作業スペースの2つのスクラッチパッド用のワークスペースを追加設定してみましょう。
~/.config/hypr/bindings.conf
# Special Workspace (スクラッチパッドの設定)
## Special workspace: scratchpad
bind = SUPER SHIFT, S, movetoworkspacesilent, special:scratchpad
bind = SUPER, S, togglespecialworkspace, scratchpad
## Special workspace: dashboard
bind = SUPER SHIFT, D, movetoworkspacesilent, special:dashboard
bind = SUPER, D, togglespecialworkspace, dashboard
操作方法
-
SUPER + Shift + S:現在のウインドウを「scratchpad」に送る -
SUPER + S:scratchpad を表示/非表示 -
SUPER + Shift + D:現在のウインドウを「dashboard」に送る -
SUPER + D:dashboard を表示/非表示
設定の意味
-
movetoworkspacesilent:アクティブなウインドウを指定のスクラッチパッドに移動 -
togglespecialworkspace:スクラッチパッドを表示/非表示に切り替え -
special:〇〇:スクラッチパッドとして扱う専用ワークスペース名(任意)
自動起動の設定
起動時にアプリを自動でスクラッチパッドへ送ることもできます。これにより、ログイン直後からダッシュボードが完成します。
~/.config/hypr/autostart.conf
# ターミナル経由やブラウザ経由で開きやすくするコマンド定義
$terminal = uwsm app -- $TERMINAL
$browser = omarchy-launch-browser
# 起動時にスクラッチパッドに自動で送るアプリ
## Spotify
exec-once = [workspace special:dashboard;] spotify
## Youtube
exec-once = [workspace special:dashboard;] $browser "https://youtube.com/" # YouTube
## Btop(リソースモニター)
exec-once = [workspace special:dashboard;] $terminal -e btop
これで再起動すると SUPER + D で、Spotify・YouTube・Btopなどがまとまった「ダッシュボード」エリアを開けます。
スクラッチパッド内のウインドウ縮尺を調整する
スクラッチパッドの表示を通常より少し縮小表示することでドロワーのように重なっていることがわかりやすくなります。以下の設定で98%で表示することが可能です。
~/.config/hypr/hyprland.conf
dwindle {
special_scale_factor = 0.98
}
アプリ
Omarchy には、日常的に使うツールが最初から多く含まれていて、スクリーンショットやファイル転送などは追加なしですぐ使えます。
ただし、用途に応じて少しずつアプリを追加していくと、より実用的で自分のワークスタイルに合った環境になります。
ここでは、自分の環境でよく使っている標準機能や追加アプリを紹介します。
VS Codeなどのエディタ
Omarchyメニューから Install → Editor から VSCode や Cursor などのエディタを追加できます。
画面スクショ
標準機能でスクリーンショットが備わっています。
-
Print Screen: 範囲指定してスクショを撮影 -
Shift+Print Screen
画像を撮影すると Satty という画像に書き込みや編集ができるツールが自動的に立ち上がります。Satty でクリップボードボタンを押すことでそのままクリップボードに画像をコピーできて便利です。保存をおこなうと ~/Pictures/ に保存されます。
MacBook など Print Screen キーがないキーボード では、Fn + Shift + F11 などに割り当てるか、Omarchy メニューの Trigger → Capture → Screenshot から撮影するのが便利です。
画面録画
画面録画も標準機能で利用できます。
-
Option(Alt)+Print Screen: 範囲指定して画面録画 -
Option(Alt)+Shift+Print Screen: 範囲指定して画面録画(オーディオあり) -
Option(Alt)+Ctrl+Print Screen: 画面全体で画面録画 -
Option(Alt)+Ctrl+Shift+Print Screen: 画面全体で画面録画(オーディオあり)
Omarchy メニューからも起動できます。
Trigger → Capture → Screenrecord
録画する範囲を指定すると録画が開始され、録画中は Waybar の時計横に赤い録画マークが表示されます。クリックすると録画が停止し、動画は ~/Videos/ に保存されます。

録画中のWaybarの表示
カラーピッカー
画面上の色を調べたいときは以下のショートカットからカラーピッカーを起動できます。
-
SUPER+Print Screen: カラーピッカー

カラーピッカー
Omarchy メニューからも呼び出せます。
Trigger → Capture → Color
マウスでホバーした部分の色コード(HEX/RGB)が表示され、クリックでHEX値をクリップボードにコピーできます。デザイン作業などで便利です。
ファイルの送受信
LocalSend が標準でインストールされています。同一ネットワーク内の端末とファイルを直接やりとりでき、Mac・Windows・スマートフォンともシームレスに転送できます。
アプリを開くだけで自動的に同じネットワーク内のデバイスを検出します。転送先で「承認」するだけで送信完了です。

LINE
メッセージの送受信には Chrome拡張のLINE を使っています。ブラウザからログインしておけば、日常的なやりとりや通知確認は問題なく行えます。
Windows版のネイティブアプリを Linux 上で動かす方法もありますが、私の環境では安定しなかったため、Chrome拡張が楽でした。
以下からインストールできます。
Omarchy メニューから Install → Web App で以下のURLを登録するとアプリランチャーから直接起動できます。
chrome-extension://ophjlpahpchlmihnnnihgmmeilfjmjjc/index.html#/friends
画像ビューアー/編集
軽量で使いやすい gThumb が便利です。フォルダ内の画像閲覧やトリミング、リサイズなどの簡単な編集もできます。
インストールしていない場合は次のコマンドまたは Omarchy メニューのInstall → Package から gthumb を検索して追加します。
アプリランチャーに gThumbが追加されているのでそちらから起動します。

SpotifyをWaybarに表示
以下の設定を追加することで Waybar 上に Spotify で再生中の曲名を常時表示しつつ、PAUSE キー再生/停止をおこなうことができます。
\
~/.config/waybar/config.jsonc
"modules-right": [
"mpris", // この行を追加
"group/tray-expander",
"bluetooth",
"network",
"pulseaudio",
"cpu",
"battery"
],
// 以下を追加
**"mpris": {
// Spotify だけを追従したい場合
"player": "spotify",
// 表示形式(曲名 - アーティスト)
"format": "{status_icon} {title} - {artist} ",
"format-paused": "{status_icon} {title} - {artist} ",
// 文字数の上限(長い曲名対策)
"title-len": 40,
"artist-len": 24,
"ellipsis": "…",
// 任意:アイコン(フォントにより表示可否あり)
"player-icons": { "spotify": "🎵", "default": "▶" },
"status-icons": { "playing": "▶", "paused": "⏸" }
},
...
~/.config/hypr/bindings.conf
# Spotify再生/停止
bind = , Pause, exec, playerctl -p spotify play-pause
音声編集
音声ファイルの編集には Audacity を使っています。録音・カット・ノイズ除去・書き出しなど、一般的な作業はすべてGUIで完結します。
未インストールの場合は以下で追加できます:
yay -S audacity
音声文字入力(HootVoice)

ローカルで完結する文字起こしアプリ
Mac を使っていたときは AquaVoice などの音声文字入力ソフトを使って 主にAIへの指示などを行っていました。Linux では自分好みの音声入力アプリを見つけられなかったので、HootVoice という 音声文字入力アプリ開発して使っています。
ローカルで Whisper を使って動作するため、インターネット接続なしで安全に、無料で音声文字入力ができます。辞書機能が充実しているのも特徴です。また、Linux 以外にも Mac や Windows でも利用できます。
Linux 環境で使用する場合は以下を導入することで GPU で文字起こしの処理が高速に実行されるのでお試しください。
yay -S openblas vulkan-headers vulkan-icd-loader vulkan-radeon vulkan-tools wtype
録音開始/停止ショートカットはアプリではなく以下の Hyprland のショートカットで設定します。
~/.config/hypr/bindings.conf
# HootVoiceの録音開始/停止
bindd = SUPER, Z, HootVoice ,exec, kill -USR1 "$(pidof hootvoice)"
Intel CPU(Intel Macをも含む) の場合は以下も以下も追加でインストールが必要です。
yay -S mesa vulkan-intel lib32-mesa lib32-vulkan-intel
ちなみにMacbook Pro 2019の場合は音声モデルは small でなんとか使えるレベルでした。Beelink SER 8(AMD Radeon 780M GPUが内蔵) であれば 推奨モデルの large でもサクサク動作します。
その他(随時更新)
ナチュラルスクロールにしたい
スクロールの方向を Mac と同じナチュラルスクロールにしたい場合は以下を設定します。
~/.config/hypr/hyprland.conf
input {
natural_scroll = true
touchpad {
natural_scroll = true
}
}
キーマップの変更方法(keyd)
keyd を使うと、システム全体でキーボードのキー割り当てを簡単に変更できます。私は Realforce を使っていますが、Caps Lock と左Ctrl、左Alt と左SUPER(Windowsキー / Commandキー)を入れ替えて利用しています。
1. インストールと起動
yay -S keyd
sudo mkdir -p /etc/keyd
sudo systemctl enable --now keyd
2. キーボードのIDを調べる
以下のコマンドで接続中のキーボードを確認します。
キーを押すと、どのデバイスから入力が来ているかとキー名が表示されます。
sudo keyd monitor
出力例:
device added: 0fac:1ade:d2b36ae6 keyd virtual pointer (/dev/input/event19)
device added: 0853:0200:4c2f0d56 Topre Corporation RealForce Compact (/dev/input/event1)
device added: 0000:0006:bdb72f48 Video Bus (/dev/input/event0)
keyd virtual keyboard 0fac:0ade:efba1ddf leftcontrol down
keyd virtual keyboard 0fac:0ade:efba1ddf leftcontrol up
この例では、RealForce のキーボードIDは 0853:0200 です。変更したいキーの名称(例:capslock, leftcontrol)もここで確認できます。
3. 設定ファイルを作成する
設定ファイルは /etc/keyd 配下に作成します。ファイル名は任意(例:realforce.conf)で構いません。
/etc/keyd/realforce.conf
[ids]
# 対象のキーボードID(VendorID:ProductID)
0853:0200
[main]
# Caps Lock と左Ctrlを入れ替え
capslock = leftcontrol
leftcontrol = capslock
# 左Alt と左SUPER(Windowsキー / Commandキー)を入れ替え
leftalt = leftmeta
leftmeta = leftalt
4. 設定を反映する
設定を保存したら、keyd デーモンを再起動します。
sudo systemctl restart keyd
動作確認
再度 sudo keyd monitor を実行し、キーを押したときに入れ替わっているか確認します。
補足
- 設定ファイルは複数作成できます。
複数のキーボードを使う場合は、それぞれに[ids]を指定します。 - 設定変更後は 再起動 または
systemctl restart keydが必要です。 - Caps Lock の綴りは
capslock(※caapsではありません)。
AWS CLIのインストール
Omarchy には AWS CLI はデフォルトではインストールされません。AWS CLIが必要であれば以下のコマンドでインストールできます。
# パッケージ情報を更新
sudo pacman -Syu
# AWS CLI v2 をインストール
pacman -S aws-cli-v2
# バージョンを確認
aws --version
セッションマネージャのプラグインが必要な場合は以下でインストールします。
pacman -S session-manager-plugin
外付けSSDのマウント
SSDが自動でマウントされない場合は以下の手順でマウントできます。
lsblk -o NAME,SIZE,FSTYPE,LABEL,MOUNTPOINT
以下のように接続されたSSDなどが表示されます。
NAME SIZE FSTYPE LABEL MOUNTPOINT
zram0 4G swap zram0 [SWAP]
nvme0n1 1.8T
├─nvme0n1p1 2G vfat /boot
└─nvme0n1p2 1.8T crypto_LUKS
└─root 1.8T btrfs /home
nvme1n3 1.8T
├─nvme1n3p1 200M vfat EFI
├─nvme1n3p2 1.4T apfs
└─nvme1n3p3 465.7G ext4 backup # 外部SSD(これをマウントしたい)
sudo mkdir -p /mnt/backup
sudo mount -t ext4 /nvme1n3p3 /mnt/backup
これで外付けSSDが /mnt/backup にマウントされました。
遭遇したトラブル
Omarchy を使っていて以下のようなトラブルに遭遇しました。GitHub の Issue などでも報告されているものもありそのうち改善されていくのかなとは楽観視しています。
Spotify で再生中に音がならなくなる: 音声メニューを開くと再生される。
#1963 に近い現象。
上記で紹介したダッシュボード用のスクラッチパッドに音声メニュー(wiremix)を常時配置することで一応解消はできます。本家で解消されるまではこれで回避するのが良さそうです。
~/.config/hypr/autostart.conf
# ターミナル経由やブラウザ経由で開きやすくする
$terminal = uwsm app -- $TERMINAL
...
exec-once = [workspace special:dashboard;] $terminal -e wiremix
Macbook Proでスリープがうまく機能していない
スリープしても復帰?して放置しているとスリープするようです。#1840でIssueが上がっています。(
2025/10/11追記: Omarchy導入TIPSでMacBook AirでArch Linuxのサスペンド復帰失敗を解決する方法が紹介されています。
Omarchyの暗号化解除画面でキーボードが反応しない問題を解決(LIFEBOOK WU2/B1)
もサスペンド復帰の問題に関する情報です。
##日本語入力がおかしくなるときがある
他のアプリのテキストエリアにフォーカス当てると復活します。
外部機器との接続がいまいちな場合がある
Bluetooth のヘッドフォンとの相性が悪かったです。 Linuxなので外部機器との接続トラブルは覚悟していましたが、想像していたより使える機器は多い印象です。カメラやオーディオ機器とのUSB接続は問題ありませんでした。
上記トラブルの解決策をご存知の方は教えてください m__m
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