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Omarchyインストール後に日本語環境を快適にする

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Ruby on Railsを生み出したDHHが2025年一番活動しているプロジェクト。
(公式サイト)

実態はArch Linuxを最高の開発環境にしてくれる便利スクリプト。
DHHが解説している動画を見れば何が凄いかわかる。
基本動作とArch Linuxのインストール方法が収録

https://www.youtube.com/watch?v=I5Mnni7cea8

https://www.youtube.com/watch?v=Cft6mZDzIng

Omarchyの意味ですが、Omakase + Arch linux = OmarchyでおまかせコースでLinuxデスクトップが使えるという造語ですが、非日本語圏のOmakaseの扱いはmizchiさんの言う通り大概だと思う。

https://x.com/mizchi/status/1939214126972350770

OMAKASEのその先へ

1スクリプトで開発環境が整うOmarchyですが、インストール直後では日本語+日本語キーボード環境では使いやすいとは言えない状況になってます。

調べればいくらでもやり方は出てくるのですが、記事がネットに散在していて敷居が高いな、ということでインストール後に迷わず日本語環境を整える方法をまとめました。

ダウンロード時間にもよりますが、15分程度で終わる作業となってます。

ユーザディレクトリ内のディレクトリ名を英語に変更

日本語を選択してインストールを行うとユーザディレクトリの「ドキュメント・ダウンロード」等が日本語になってます。地味にこれが不便なので英語名に変更します。

ターミナルを起動して以下のコマンドを実行して再起動

ターミナルで以下のコマンドを実行します。

LC_ALL=C xdg-user-dirs-update --force

実行前のユーザディレクトリ

実行後のユーザディレクトリ

再起動後に、日本語フォルダを削除する

日本語入力環境

インストール時に日本語を選択しても初期状態では日本語入力できません。キーボードの設定変更とIMEのインストールを行います。

キーボード配列を日本語配列に設定

ターミナルで以下のコマンドを実行してjp106を選択。(英字キーボードの場合はスキップ)

localectl set-keymap jp106

hyprlandのキーコンフィグを修正

SUPER + Alt + SPACEでユーティリティを起動してSETUP → Inputを選択。
kb_layoutの項目をコメントアウトを外し、jpとして保存。(英字キーボードの場合はスキップ)

fcitx5-configtoolとfcitx5-mozc-utインストール

 yay -S --noconfirm --needed fcitx5 fcitx5-configtool fcitx5-gtk fcitx5-qt fcitx5-mozc-ut

ConfigツールからMozcを起動するように設定

ターミナルで以下のコマンドを実行してfcitx5コンフィグツール起動します。

fcitx5-configtool

起動直後はキーボード - 英語(us)のみが選択されています。

キーボード - 英語(us)を削除(英字キーボードの場合はスキップ)
キーボード - 日本語を登録(英字キーボードの場合はスキップ)
Mozcを登録
登録後、適用をクリックしてコンフィグツールを閉じます。

隠れていますが、このアイコンをクリックするとIMEが表示されます。
かなキーを押すとMozcに切り替わります。

visual studio codeインストール

Neovimが入っているが、まだvisual studio codeのほうが使いやすいのでインストール。

 yay -S --noconfirm --needed visual-studio-code-bin

Electron製アプリとvisual studio code、Microsoft Edge向け設定

Electron製アプリ(visual studio code)、Microsoft EdgeはWayland環境では入力時にMozcが起動しません。解決方法は何種類かあるのですが、再インストールでも使い回しができるように、.configディレクトリにflagファイルを置いて起動時に設定を読み込むようにします。

cd ~./config
touch code-flags.conf
touch microsoft-edge-stable-flags.conf

作成したflagファイルに以下の項目を書き込みます。

--password-store=gnome-libsecret
--ozone-platform-hint=wayland
--gtk-version=4
--ignore-gpu-blocklist
--password-store=basic

これでElectron製アプリでもMozcによるIME入力が使えるようになります。

Electron製アプリで同様にIMEが使えない場合は同じ手順でflagファイルを作成します。

Node.jsインストール

Omarchyは標準でライブラリ管理ツールMiseがインストールされているのでそれを使用します。

mise use node@latest

ファイラーでGoogle Drive、One Driveを使えるようにする

Omarchyで使わているファイラーはNautilusなので、Google Drive、One Driveのネットワークストレージにアクセスできるようになります。Omarchyではコントロールセンターとgvfs関連のライブラリがないので、インストールをしてオンライン認証を行います。

Gnomeコントロールセンター、gvfsをインストール

コントロールセンター、gvfsとその関連ライブラリをインストールします。

 yay -S gnome-control-center gvfs gvfs-google gvfs-onedrive

コンソールでコマンドを実行してコントロールセンター起動

env XDG_CURRENT_DESKTOP=GNOME gnome-control-center --verbose

オンラインアカウントでGoogle、Microsoft365を追加

ここではGoogleとMicrosoft365をクリックして登録画面表示
オンラインアカウント項目

Googleアカウント登録ではサインインをクリック。標準ブラウザに移動するので、Googleにログインしてから戻って来る。
Googleアカウント登録

Microsoft365も同様にサインイン。
Microsoft365アカウント登録

登録後は以下のように表示されます。ここで、コントロールセンターを閉じます。
登録後のオンラインアカウント項目

ファイラーでオンライン接続確認

SUPER + Fでファイラー起動します。右側のメニュー項目にGoogle DriveとOne Driveの項目が追加されているので、選択して接続できるかを確認

オンラインアカウントを登録すると、ファイラー初回起動時デフォルトキーリングのパスワード入力が求められます。これの対応方法が見つからないので、わかったら追記します。

Windowsユーザ向け設定

Microsoft Edgeインストール

yay -S microsoft-edge-stable-bin

これでOffice365さえ使えればWindowsから完全脱却できるのですが。ブラウザからの操作だけでは若干不便なので。

まとめ

ここまでのインストールと設定で普段日本語を使う分には問題ないレベルになると思います。
とはいえ、WindowsやMacと比べると面倒くさいのでゆくゆくは標準のコマンド1つでMozcまで設定去るようになってほしいです。

おまけ、DHH本気を出す

DHHが所属している37signalsが今後3年間で使用している端末をMacからOmarchyがインストールされたFrameworkもしくはBeelinkのPCに置き換えていくと表明しており、使用する開発者が増えていくことが予想されます。これを書いた時点ではまだ出ていませんが、OmarchyのインストーラーISOも準備を進めていて、今後LinuxディストーションとしてもOmarchyが人気が出そうです。

https://x.com/dhh/status/1953485836118356187

この記事が皆様のOmarchyライフのきっかけになることを祈っております。

Discussion

うどんなめろううどんなめろう

これでOffice365さえ使えればWindowsから完全脱却できるのですが。ブラウザからの操作だけでは若干不便なので。
Ubuntuの記事になりますが、仮想でwindowsのOS呼び出して、RDP経由でOfficeを呼び出すみたいなことをやると、完全脱却できますよ...!
OrmachyLinux上で Ryzen 7 5700X, memory 32GBやってみましたが、ホストOSをWindowsで動かしているのと遜色ないくらい快適に使えますし、かなり実用的でした。
https://qiita.com/diamondrod/items/fc6d8b2834a40dea2a68

れいな@底なし沼の魔女れいな@底なし沼の魔女

素晴らしい記事ありがとうございます。
この記事のWinappsを使うか、いまOmarchyで推しているWebアプリを登録してアプリのように使うというのでMicrosoft 365のWeb版を使うかのどちらかのなりそうです。
今後、365版を記事として書こうかと思ってます。