Omarchyインストール後に日本語環境を快適にする
Ruby on Railsを生み出したDHHが2025年一番活動しているプロジェクト。
(公式サイト)
実態はArch Linuxを最高の開発環境にしてくれる便利スクリプト。
DHHが解説している動画を見れば何が凄いかわかる。
基本動作とArch Linuxのインストール方法が収録。
Omarchyの意味ですが、Omakase + Arch linux = OmarchyでおまかせコースでLinuxデスクトップが使えるという造語ですが、非日本語圏のOmakaseの扱いはmizchiさんの言う通り大概だと思う。
OMAKASEのその先へ
1スクリプトで開発環境が整うOmarchyですが、インストール直後では日本語+日本語キーボード環境では使いやすいとは言えない状況になってます。
調べればいくらでもやり方は出てくるのですが、記事がネットに散在していて敷居が高いな、ということでインストール後に迷わず日本語環境を整える方法をまとめました。
ダウンロード時間にもよりますが、15分程度で終わる作業となってます。
ユーザディレクトリ内のディレクトリ名を英語に変更
日本語を選択してインストールを行うとユーザディレクトリの「ドキュメント・ダウンロード」等が日本語になってます。地味にこれが不便なので英語名に変更します。
ターミナルを起動して以下のコマンドを実行して再起動
ターミナルで以下のコマンドを実行します。
LC_ALL=C xdg-user-dirs-update --force
実行前のユーザディレクトリ
実行後のユーザディレクトリ
再起動後に、日本語フォルダを削除する
日本語入力環境
インストール時に日本語を選択しても初期状態では日本語入力できません。キーボードの設定変更とIMEのインストールを行います。
キーボード配列を日本語配列に設定
ターミナルで以下のコマンドを実行してjp106を選択。(英字キーボードの場合はスキップ)
localectl set-keymap jp106
hyprlandのキーコンフィグを修正
SUPER + Alt + SPACEでユーティリティを起動してSETUP → Inputを選択。
kb_layoutの項目をコメントアウトを外し、jpとして保存。(英字キーボードの場合はスキップ)
fcitx5-configtoolとfcitx5-mozc-utインストール
yay -S --noconfirm --needed fcitx5 fcitx5-configtool fcitx5-gtk fcitx5-qt fcitx5-mozc-ut
ConfigツールからMozcを起動するように設定
ターミナルで以下のコマンドを実行してfcitx5コンフィグツール起動します。
fcitx5-configtool
起動直後はキーボード - 英語(us)のみが選択されています。
キーボード - 英語(us)を削除(英字キーボードの場合はスキップ)
キーボード - 日本語を登録(英字キーボードの場合はスキップ)
Mozcを登録
登録後、適用をクリックしてコンフィグツールを閉じます。
隠れていますが、このアイコンをクリックするとIMEが表示されます。
かなキーを押すとMozcに切り替わります。
visual studio codeインストール
Neovimが入っているが、まだvisual studio codeのほうが使いやすいのでインストール。
yay -S --noconfirm --needed visual-studio-code-bin
Electron製アプリとvisual studio code、Microsoft Edge向け設定
Electron製アプリ(visual studio code)、Microsoft EdgeはWayland環境では入力時にMozcが起動しません。解決方法は何種類かあるのですが、再インストールでも使い回しができるように、.configディレクトリにflagファイルを置いて起動時に設定を読み込むようにします。
cd ~./config
touch code-flags.conf
touch microsoft-edge-stable-flags.conf
作成したflagファイルに以下の項目を書き込みます。
--password-store=gnome-libsecret
--ozone-platform-hint=wayland
--gtk-version=4
--ignore-gpu-blocklist
--password-store=basic
これでElectron製アプリでもMozcによるIME入力が使えるようになります。
Electron製アプリで同様にIMEが使えない場合は同じ手順でflagファイルを作成します。
Node.jsインストール
Omarchyは標準でライブラリ管理ツールMiseがインストールされているのでそれを使用します。
mise use node@latest
ファイラーでGoogle Drive、One Driveを使えるようにする
Omarchyで使わているファイラーはNautilusなので、Google Drive、One Driveのネットワークストレージにアクセスできるようになります。Omarchyではコントロールセンターとgvfs関連のライブラリがないので、インストールをしてオンライン認証を行います。
Gnomeコントロールセンター、gvfsをインストール
コントロールセンター、gvfsとその関連ライブラリをインストールします。
yay -S gnome-control-center gvfs gvfs-google gvfs-onedrive
コンソールでコマンドを実行してコントロールセンター起動
env XDG_CURRENT_DESKTOP=GNOME gnome-control-center --verbose
オンラインアカウントでGoogle、Microsoft365を追加
ここではGoogleとMicrosoft365をクリックして登録画面表示
Googleアカウント登録ではサインインをクリック。標準ブラウザに移動するので、Googleにログインしてから戻って来る。
Microsoft365も同様にサインイン。
登録後は以下のように表示されます。ここで、コントロールセンターを閉じます。
ファイラーでオンライン接続確認
SUPER + Fでファイラー起動します。右側のメニュー項目にGoogle DriveとOne Driveの項目が追加されているので、選択して接続できるかを確認
オンラインアカウントを登録すると、ファイラー初回起動時デフォルトキーリングのパスワード入力が求められます。これの対応方法が見つからないので、わかったら追記します。
Windowsユーザ向け設定
Microsoft Edgeインストール
yay -S microsoft-edge-stable-bin
これでOffice365さえ使えればWindowsから完全脱却できるのですが。ブラウザからの操作だけでは若干不便なので。
まとめ
ここまでのインストールと設定で普段日本語を使う分には問題ないレベルになると思います。
とはいえ、WindowsやMacと比べると面倒くさいのでゆくゆくは標準のコマンド1つでMozcまで設定去るようになってほしいです。
おまけ、DHH本気を出す
DHHが所属している37signalsが今後3年間で使用している端末をMacからOmarchyがインストールされたFrameworkもしくはBeelinkのPCに置き換えていくと表明しており、使用する開発者が増えていくことが予想されます。これを書いた時点ではまだ出ていませんが、OmarchyのインストーラーISOも準備を進めていて、今後LinuxディストーションとしてもOmarchyが人気が出そうです。
この記事が皆様のOmarchyライフのきっかけになることを祈っております。
Discussion
素晴らしい記事ありがとうございます。
この記事のWinappsを使うか、いまOmarchyで推しているWebアプリを登録してアプリのように使うというのでMicrosoft 365のWeb版を使うかのどちらかのなりそうです。
今後、365版を記事として書こうかと思ってます。