人生初のイベント登壇を経験したエンジニアが語る、「登壇は怖くない!」
はじめに
エンジニアの皆さん、社内外のイベントで登壇したことはありますか?
エンジニア界隈では登壇できるイベントが豊富なので、登壇経験のある方は多いと思います。
一方で、興味はあってもなかなか実際に登壇する勇気が出ない、という方もいるのではないでしょうか。
私もその「勇気が出ない人」の一人だったのですが、先日、AWSのユーザーコミュニティであるJAWSの茨城支部イベント第1弾「JAWS-UG 茨城 #0」が水戸で開催され、ありがたいことに機会をいただき、人生で初めての登壇をしてきました。
- 登壇トピック:エンジニア歴1年未満の初心者が3か月でAWS認定試験を全冠した話
(こちらの記事を元にお話をしました。)
私は昔から人前で話すことが苦手で、"登壇"と聞くとなんとなく「敷居が高く、怖いもの」という印象を持っていました。しかし、実際に扉を開けてみると、イベント会場は想像以上に優しく、オープンな雰囲気が広がっていました。
本記事では、以前の私と同じように「イベント登壇してみたいけど一歩が踏み出せない...」という方に向けて、「登壇は怖くない!」ということを、経験を元にお伝えしていきたいと思います。
話下手なのに登壇をした理由
まず初めに、人前で話すことが苦手な私がなぜ登壇に興味を持ったのか、どのようなきっかけで最初の一歩を踏み出すことができたのか、といった「登壇をした理由」を3点ご紹介します。
1. ブログ執筆を通してアウトプットの楽しさを覚えたから
私は今まで、資格取得に向けた勉強や技術書の通読など、どちらかというとインプット型の学習を好んで実施してきました。
ただ、最近になってインプット型の学習には限界があると感じ、今年2024年の10月からアウトプットとして主にAWS周りの情報発信を目的としたブログ執筆の活動を始めました。
人生初のブログ記事であるエンジニア歴1年未満の初心者が3か月でAWS認定試験を全冠した話が、ありがたいことにかなりポジティブな反響をいただくことができ、そこで「自分の発信に対してリアクションしてくれる」「自分の発信が誰かの役になっている」と強く実感し、その時にアウトプットすることの楽しさを覚えました。
アウトプットには様々な形式がありますが、次第に「実際に自分の声で伝えたい」「反応が直に見える環境でアウトプットしてみたい」と思うようになり、次のステップとして登壇を選択しました。
2. Japan AWS Top Engineersを目指しているから
Japan AWS Top Engineersとは、AWS Partner Networkに参加している会社に所属しているAWSエンジニアを対象にした表彰プログラムです。この賞に選出されることにより、AWSから公式に「AWSビジネス拡大につながる技術力を発揮した活動を行っている、または技術力を発揮したその他の重要な活動や成果がある」と認められることになります。
私は2024 Japan AWS All Certifications Engineers(AWS認定試験全冠者を対象にした表彰プログラム)に選出されたことがきっかけで、次の目標としてこのJapan AWS Top Engineersを目指すようになりました。
Japan AWS Top Engineersには応募するためのクライテリアがあり、その一つとして「パブリックコントリビューション(ブログ / ホワイトペーパー / 書籍 / 外部登壇等)」が存在します。
ブログだけでもクライテリアを満たすことができますが、様々な側面でのコントリビューションがあった方が活動を評価いただけるのではないかと推測し、新たに登壇にチャレンジしようと思いました。
3. 「話で聴者を惹きつける人」への憧れがあるから
人前で話すことに苦手意識があるからこそ、人前で堂々と、聴者の興味関心や熱量を見極め、巻き込むようなお話をされる方がすごくかっこよく感じます。
自分はそんな人になれっこない、と思い過去を過ごしてきましたが、現職で社内トレーニングの講師を担当させていただく機会があり、その際に「話で聴者を惹きつける人」への憧れが再燃しました。
よく、「人前で話すスキルの上達には場数を踏むこと必要」と耳にしますが、現在の私には圧倒的に場数が足りていません。
場数を増やし、話すスキルを上達させ、憧れの人物像に少しでも近づけるために登壇というチャンスを活用していこう、と決意しました。
以上が、私が今回イベント登壇した理由です。
登壇機会のリサーチ
次に、「登壇しよう」と決意した後、実際に登壇できるイベントを探す必要があります。
私のようにAWSに関するトピックで登壇したい場合、JAWSのイベントは基本的にConnpassに登録されるので、こちらでイベント検索から申し込みまで全て完結します。
JAWSは様々な支部で多くのイベントを開催していますが、イベント数に比例して登壇機会を探している方もかなり多くいるため、登壇希望者が多い場合抽選となったり、運営メンバーによる選定が行われる場合があります。
私が登壇したJAWS-UG 茨城 #0は先着順で、タイミングよく申し込むことができたので、登壇したい方はこまめにイベント情報をチェックすることをお勧めします。
なお、登壇内容によって、適したプラットフォーム・探し場所は異なると思うので、そのあたりは事前調査したうえでイベントを探してみてください。
登壇の準備
イベントへの登壇が決定した後、登壇に向けた準備をするフェーズに入ります。ここでは、準備するうえで私が重要と感じたポイントを3つご紹介します。
1. 登壇資料は余裕をもったスケジュールで作成する
スケジュール管理、とても大事です!
私の場合、
- 資料作成:2週間
- 話す練習:1週間
というスケジュール感で準備を進めていましたが、資料作成をもう少し前倒しで行い、話す練習の時間をもっと確保した方が良かったと反省しています。
というのも、登壇する際はあらかじめ持ち時間が決まっていて、その枠の中で話きることが求められますが、資料作成の段階でボリュームを枠丁度に収めることはとても難しいためです。大体は、実際に話す練習をしてみて枠からはみ出た分、足りなかった分を資料やトークで調整する作業が発生します。
(私は20分枠を頂いていたのですが、資料作成が一段落して実際に話してみたら約2倍の38分かかりました。笑)
そのため、話す練習の中で資料のボリューム調整作業が発生することを見込み、資料作成は早めに着手して、話す練習と資料調整に時間を多く使えるようにすると、余裕をもって準備に取り組むことができます。
2. 話す準備は徹底する
人前で話すことが苦手だからこそ、トークスクリプトを覚えるほど反復し、話す練習を行いました。
話す練習で一番意識したことは、「できる限り当日と同じ条件下で練習する」ということです。
声のボリュームを例に挙げると、練習だからといってぼそぼそ小さな声で話すのではなく、本番と同じ声のボリュームで練習することが大事です。
その1番の理由は、声のボリュームと話すスピードは関連するためです。声を大きくすると、小さな声の時と比較して吸う息の量が多くなり、その分話すスピードが若干落ちます。すると、結果的に時間配分が狂い、当日焦ってしまう原因の一つになります。
また、人は初体験のものに対して誰しも少なからず緊張するものです。登壇当日に「初めて」となる条件が発生しないよう、本番と同じ条件下で練習することで、当日の緊張を和らげる効果を狙いました。
例として挙げた声のボリューム以外にも、姿勢(立って話すのか、座って話すのか)や目線の配り方、身振り手振り、使うPC等、想像できる範囲で、できる限り当日と同じ条件下で練習することを心がけました。
3. 当日の発声練習はカラオケで!
これには、「十分に声が出せる環境下で発声練習をする」という目的もあるのですが、他にも目的があります。
2. 話す準備は徹底するでもお話しした通り、「できる限り当日と同じ条件下で練習する」ということを徹底して本番前日まで練習していたのですが、その時点で練習できていない条件が1つありました。
それは、「マイクを持って話す」ということです。
普段の生活ではなかなかマイクを持って話す経験はしないため、慣れるためにもカラオケのマイクを使って、イベント開場直前まで練習を行っていました。
(ただ、イベントに行ってみると今回はマイク無しのパターンだったので、こちらは杞憂に終わりました)
以上が、私が登壇の準備をするうえで重要と感じたポイントです。
イベント当日の様子
イベント会場は水戸駅から徒歩1分と近く、迷いようがありません。
...と思っていたのですが、会場となる会議室が入っているビルの中で迷子になりました。
(彷徨っているところお声がけくださった運営の方ありがとうございました。)
イベント開始15分前くらいに会場に到着しましたが、その時点で8割ほどの席が埋まっており、おおよそ30-40名程度の規模だったと思います。
冒頭は運営メンバーによるオープニング、次にAWS社でコミュニティマネージャーをご担当されている方のセッションがあり、その次が私のセッションでした。
まさかAWS社の方の直後に話すことになるなんて思ってもよらず、ものすごく緊張しましたが、登壇自体は練習通り終えることができたと思っています。
登壇中、他の参加者の皆さんが、私の話に対してリアクションしながら真剣にお話を聞いてくださっており、「私の声が届いている」という実感につながり、とても楽しくお話をすることが出来ました。
登壇後は、質問をしてくださったり、休憩中にお声がけいただき感想を共有してくださったりと、登壇初心者でも歓迎してくれるような空気感がとてもありがたかったです。
また、Xのハッシュタグ「#jawsugibaraki」で検索すると、私の話を通じて感じたことや学んだことなどをポストしてくださっている方も多く、登壇を終えた後は何とも言えない満足感を得ることが出来ました。
イベント後は任意参加の懇親会があったようです。私は埼玉から茨城へ遠征をしていたので参加が出来なかったのですが、次機会があればぜひ参加したいと思います。
登壇してよかったこと
今回、登壇を経験してよかったと思うことがたくさんありました。ここでは、登壇してよかったと感じたことをピックアップしてご紹介します。
1. 共通の興味関心を持つ方とのつながりができたこと
やはり、これが一番かなと思います。
今回、私はAWSのコミュニティイベントに参加しましたが、もちろん参加者の皆さんはAWSが好きで、学びたい、情報共有したい、という意志がある方々ばかりでした。
そのような方々と同じコミュニティに属し、コミュニケーションをとることができたことで、「私も周りに負けないようにAWSの勉強頑張ろう!」と学習のモチベーションがぐっとあがりました。
まだまだ初心者な私ですが、いずれは「あの時イベントで話していた人だ」と認知されるように、また、他者のモチベーションをあげられるような人間になれるように、少しずつこの繋がりを広く、深いものに育てていきたいと思います。
2. 人前で話すことへの抵抗感が減ったこと
人生で初めての登壇をあたたかく迎え入れていただけたおかげで、人前で話すことへの抵抗感が減ったように思います。
冒頭にも記載したように、以前は"登壇"と聞くとなんとなく「敷居が高く、怖いもの」という印象を抱いていました。
それは、そもそも人前で話すことへの苦手意識に加えて、登壇経験が無いからこそ見える側面が少なく、「得体の知れないものへの恐怖心」を感じていたからです。
しかし、実際に勇気を出して挑戦してみると、そこには大きな学びと価値があり、恐怖する要素は何もありませんでした。
このように、初めての登壇をポジティブな感情で終えることができたことが自分の成功体験となって、「私ってそこまで人前で話すことは苦手ではないのでは?」とも感じることが出来ました。
未経験のことに対する恐怖も、自分の苦手意識も、自身の行動一つで変えることができるということを実感できたことは、大きな収穫でした。
3. 「話で聴者を惹きつける人」の登壇を間近で見れたこと
このイベントでは、自分を除いた計8名のセッション・及びLTを聞かせていただきました。
登壇された方皆さんそれぞれが、テーマ選びやストーリー立て、話し方がとても上手く、まさに私が皆さんのお話に惹きつけられたように思います。
そのように上手く話すスキルを一朝一夕で身に付けることはできませんが、今回皆さんの発表を近くで聞き、伝えたいことを伝えるためのアプローチの方法を間近で見て学ぶことができたことは、今後の私の糧になると感じます。
いつか、私の憧れである「話で聴者を惹きつける人」に近づけるよう、今後も多くのLT会に参加して、良い発表を聴く機会を増やしていこうと感じました。
(おまけ) JAWS-UGのステッカーをGETできたこと
かわいいステッカーを3種類ゲットしました。ビールがお気に入りです。
以上が、私が実際に登壇を経験したうえで「登壇してよかった」と感じたことです。
さいごに
本記事では、私の人生初の登壇経験をお話ししたうえで、「イベント登壇は怖くない!」ということをお伝えしました。
なかなか登壇する勇気を持てずにいる方にとって、最初の一歩を踏み出すきっかけとなれば幸いです。
本記事をお読みいただいた皆さんと、イベントでご一緒できることを心より楽しみにいています!
P.S. 「JAWS-UG 茨城 #0」を運営してくださった方々、イベント当日にセッションを聞いてくださった方々、及び会話してくださった皆様、ありがとうございました。
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