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GoogleCloud認定試験の更新ラッシュを乗り越え全冠を維持した話

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はじめに

2023年に当時有効だったGoogleCloud認定試験11種を取得し、全冠を達成してから2年が経ちました。
クラウドベンダーの資格は有効期限が設けられているものがほとんどであり、GoogleCloud認定試験の有効期限はレベルによって異なります。

レベル 有効期限
Professional試験 2年
Associate試験 3年
Fundamental試験 3年

・・・はい、その通り、今年はProfessional試験の更新ラッシュの年となります。
また、以前GoogleCloud認定試験を全冠した時以降に新しくリリースされた試験も2つあります。

  • Google Cloud Certified - Associate Data Practitioner
  • Google Cloud Certified - Associate Google Workspace Administrator

2025年1月下旬から現時点(4月下旬)の3か月で、今年更新対象のProfessional試験8つのうち、Professional Cloud Network Engineerを除いた7つと、新規資格試験2つの計9つの資格に合格しました。

※Associate Data PractitionerとProfessional Cloud DevOps Engineerは1回ずつ落ちてもいます...

今回は、GoogleCloud認定試験全冠の維持を実現した方法と、失敗含めた経験談をご紹介します。

本記事でご紹介する勉強方法は、「短期間でGoogleCloud認定試験に合格すること」にフォーカスしています。そのため、ハンズオン等、実際にGoogleCloudに触れながらの学習方法はスコープ外としています。
また、認定試験自体の概要や、各試験の出題範囲等の基本的な情報も本記事には記載していません。詳細や最新情報を知りたい方は公式サイトをご確認ください。
https://cloud.google.com/learn/certification?hl=ja

スキルセット

  • エンジニア歴は約2年
  • 普段の業務ではAWSを触っており、GoogleCloudは完全自学
  • エンジニアなりたての時期(2023年)に、AWSとGoogleCloudの認定試験を全冠
  • GoogleCloud更新ラッシュ開始時点(2025年1月下旬)で、AWS認定試験は新規資格含め全冠維持
  • AWS認定試験全冠のお話はこちらを参照
    → エンジニア歴1年未満の初心者が3か月でAWS認定試験を全冠した話

以上のようなスキルセットのうえ、GoogleCloud認定試験の再認定と新試験の受験に挑みました。

全冠維持を目指した理由

1度全冠を達成したものの、今回GoogleCloud認定試験の再認定を受け、全冠維持を目指した理由を3つご紹介します。

1. 知識をアップデートしたかったから

周知のとおり、クラウドの世界は技術の発展スピードが速く、日々新しいサービスがリリースされています。
そのような状況下で2年も経てば、そのクラウドサービスにおけるベストプラクティスも変わっている可能性があり、以前資格試験に向けた学習で身につけた知識が時代遅れになっているケースも大いにあるのではないかと考えました。
スキルセットに記載したように、日々の業務では主にAWSを扱っており、GoogleCloudの最新アップデートをリアルタイムに追うことができていません。
そのため、資格試験更新を好機として、知識のアップデートをしたいと感じたことが、全冠維持を目指した理由のひとつ目になります。

2. Google Cloud Partner All Certification Holdersを目指したかったから

先日、Google Cloudのパートナー企業に所属のエンジニアを対象とした新しい認定資格のプログラムとして、「Google Cloud Partner All Certification Holders」を開始すると公式アナウンスがありました。

本プログラムは、Google Cloudの認定資格を全て保持している方を表彰するものであり、簡単に言うと、Japan All AWS Certifications EngineersのGoogleCloud版です。
2025年の応募開始時期、応募方法はまだ公開されていませんが、選出者にはPartner All Certification Holdersのバッジが付与されるようです。
Google Cloud Partner All Certification Holdersを目指したい、という思いが全冠維持を目指した理由のふたつ目になります。

3. オリジナル グッズが欲しかったから

GoogleCloud認定試験のProfessional試験に合格すると、BenefitsとしてGoogle Cloudオリジナル グッズや、次回の試験の割引コードを入手することができます。

オリジナル グッズはタンブラーやバックパック、Tシャツ、パーカーなど、バラエティ豊かな選択肢の中から自分が欲しいものを選択することができ、それが個人的にとてもうれしいポイントでした。
初回認定時だけでなく、再認定時もグッズをもらえるので、それが全冠維持を目指した理由のみっつ目になります。

以上が、私がGoogleCloud認定試験の全冠維持を目指した理由です。

個人的主観の難易度とおすすめの取得順

ここでは、私が受験して感じた中で感じた個人的難易度と、おすすめの取得順を紹介します。
難易度は、難易度低(★☆☆☆☆)から難易度高(★★★★★)の5段階で表記しています。

おすすめの
取得順
認定名 難易度
1 Professional Cloud Architect(日) ★★☆☆☆
2 Professional Cloud Developer(日) ★★☆☆☆
3 Professional Cloud DevOps Engineer(日) ★★★★☆
4 Professional Cloud Security Engineer(日) ★★★☆☆
5 Associate Data Practitioner(英) ★★★☆☆
6 Professional Data Engineer(日) ★★★☆☆
7 Professional Machine Learning Engineer(英) ★★★★★
8 Professional Cloud Database Engineer(英) ★★★☆☆
9 Associate Google Workspace Administrator(英) ★★★★☆

ポイントとしては以下の3点です。

1. Associateだからといって油断しない

基本的には Fundamental試験 < Associate試験 < Professional試験 の順で難易度が高くなりますが、最難関のProfessional試験じゃないからといって油断してはいけません。
最近新規追加された2つのAssociate試験(Associate Data Practitioner、Associate Google Workspace Administrator)は、その分野のベースを理解したうえで、応用問題に対応できる知識がないと普通に落ちます。
(私は油断してAssociate Data Practitionerは1度落ちました)

また、新しい試験ほど対策リソースが少ないので、公式ドキュメントをきちんと読み、求められるレベル感を把握し、周辺知識を理解する必要があります。「この問題集を丸暗記すればOK」というような裏技が使えないので、その点でも合格難易度は上がっていると感じています。

2. 領域が被る試験は連続で受ける

資格試験は領域ごとに用意されていますが、範囲が被っている資格試験も存在します。
例えば、Professional Cloud DeveloperとProfessional Cloud DevOps EngineerはGoogleCloudを用いた継続可能な開発手法を問われる、という側面で重複しています。
また、Associate Data PractitionerとProfessional Data Engineerはその名の通りデータ周りのサービスを問われる点で類似しています。加えて、Professional Machine Learning EngineerもMachine Learningの根本的な部分はデータに集約されているので、データ関連試験の一環として勉強すると理解の促進につながります。
このように、ただ漠然となんとなく試験順を決めるのではなく、効率よく学習できるよう戦略的に試験順を検討することで試験勉強の負担を少し軽減することができると思っています。

3. 日本語対応されていない試験は個人の英語能力にも依存する

GoogleCloudには、まだ日本語対応がされていない試験があります。

  • Associate Data Practitioner
  • Associate Google Workspace Administrator
  • Professional Machine Learning Engineer
  • Professional Cloud Database Engineer

これらの試験は、試験問題自体の難易度に加えて、英語読解の問題も出てきます。
AWS認定試験と比較すると問題文自体は短くシンプルなものが多いですが、Professional Machine Learning Engineerなんかはかなりの専門用語が出てくるので読解難易度も上がります。
エンジニアたるもの、英語のドキュメントを読む機会がそれなりにあったりするので余裕な方は問題ないのですが、英語に不安がある方は「英語で問題を解く練習」も必要です。

全体を通した対策方針

次に、今回GoogleCloud認定試験全冠を維持するために講じた、試験対策の基本方針を紹介します。

学習リソースはCloudLicenseとUdemy

対策方法としては、とにかくCloudLicenseUdemyの問題集を繰り返し解き、不正解の選択肢の何が誤っているのか、という点まで答えられるようにすることが大事です。そうすることで、応用が効く知識の習得ができます。
Udemyにはハンズオンや講義を通じて理解を深めるものも数多くあります。必要に応じてそれらを併用することは大いに効果的だと思いますが、「とにかく試験に合格したい」という場合は、やはり質の良い問題を数多く解くことが一番の近道だと思います。

英語教材をGoogleで日本語訳して本番に似た問題文で練習する

GoogleCloudの認定試験は、英語版リリース → 他言語版リリース、という流れで展開されます。大元が英語で、それを日本語訳しているため、日本語受験した際に時折不自然な日本語や分かりにくい表現があったりします。
その独特な文章に慣れるのも試験準備の一環です。
私の場合、英語教材をGoogle翻訳にかけて読み、わかりづらい部分があったら英語に戻して確認する、という方法で、それらの文章に慣れていきました。
そもそも、英語に自信がある方は英語受験したほうが確実かもしれません。自身のスキル感に合わせて適切に選択をしてください。

各資格の具体的な対策方法

ここからは、各認定試験について、具体的にどの学習リソースで対策していったか、学習時間と合わせてご紹介します。

1. Professional Cloud Architect

学習時間:約8時間
受験言語:日本語

2. Professional Cloud Developer

学習時間:約8時間
受験言語:日本語

3. Professional Cloud DevOps Engineer

学習時間:約15時間
受験言語:日本語

4. Professional Cloud Security Engineer

学習時間:約8時間
受験言語:日本語

5. Associate Data Practitioner

学習時間:約10時間
受験言語:英語

6. Professional Data Engineer

学習時間:約8時間
受験言語:日本語

7. Professional Machine Learning Engineer

学習時間:約13時間
受験言語:英語

8. Professional Cloud Database Engineer

学習時間:約8時間
受験言語:英語

9. Associate Google Workspace Administrator

学習時間:約10時間
受験言語:英語

全冠維持して良かったこと

次に、実際にGoogleCloud認定試験の全冠を維持して、良かったことをご紹介します。

1. 「全冠維持を目指した理由」を達成できたこと

全冠維持を目指した理由に記載した以下3点については、無事達成できたので当初の目的を満たすことができ、良かったと思います。

  • 知識をアップデートする
  • Google Cloud Partner All Certification Holdersの応募権を得る
  • GoogleCloudオリジナル グッズをGETする

特にGoogle Cloud Partner All Certification Holdersについては、今年度から新たに始まった制度なので、どのような特典を得られるのか、今から楽しみです。

2. GoogleCloud界隈での知名度を(少し)上げることができたこと

私は今までブログ記事やSNSでAWSを中心に情報発信をしてきました。
そのため、AWS界隈の方々とはつながる機会が多く、知り合いも増えていたのですが、今回GoogleCloudの資格合格をSNSで報告していくと、GoogleCloud中心に活動している方々にフォローいただき、新たなつながりが生まれました。
このような情報発信は、自分の備忘録として記録しておくこと、ナレッジを共有する事ももちろん大事ですが、情報発信を通じて同じ志を持つ方々とつながることができる点も醍醐味だと思っています。
そのため、今回この資格更新の活動を通じて、AWSだけでなくGoogleCloudの世界にも足を踏み入れ、今後ブログでも積極的に情報発信していくモチベーションになった点はとても良かったと思います。

再認定を受けるときに気を付けるべきこと

次に、私が今回一連の受験を経験して「失敗したな」と感じた部分をもとに、皆様が同じ失敗をしないよう気を付けるべき点を共有します。

1. 2年前と大きく内容が変わっている試験が多い

前述のとおり、クラウドの世界は技術の発展スピードが速く、日々新しいサービスがリリースされています。
そのため、資格試験の正解となるベストプラクティスも変化しており、2年前の合格に貢献した学習リソース・教材が、今回も役に立つとは限りません。
私の経験上、むしろ役立たないほうが多いです。
そのため、学習に向けて教材を選定するフェーズでは、「最新の試験に対応しているか」「頻繁にアップデートされているか」を注目して見てみてください。
更新が年単位でなされていない教材は内容が古くなっている場合があるので要注意です。

2. Udemyの教材は質に大きなばらつきがある

全体を通した対策方針では有効な学習リソースとしてUdemyを紹介しましたが、Udemyには数多くの資格対策コースがあり、その品質も大きなばらつきがあります。
実際、Professional Cloud DevOps Engineerは最初のコース選定を誤り、試験問題に対応しきれず1度不合格になりました。
私が利用し、有効であると感じたコースは資格の具体的な対策方法で列挙しましたが、別途コースを購入する際は、レビューをきちんと読むことが重要です。
Udemyは一つ一つのコースを買切る形なので、無駄な出費を防ぐために他者の評判をよく吟味して選定してください。

3. オンライン監督受験時は環境整備に十分注意を

GoogleCloud認定試験は受験形式として2つの選択肢があります。

  • オンサイト受験
    テストセンターでの受験
  • オンライン監督受験
    自室で試験官と接続しながら受験

ただ、オンサイト受験ができるテストセンターがとても限られており、自分の都合の良いタイミングで受験したいと考えるとほぼオンライン監督受験一択になると思います。

オンライン監督受験するためには、自宅ネットワークやPCのセキュリティ設定を試験の基準に沿って調整する必要があります。
(基準に沿っていないと、こちらの映像が試験官に送られなかったり、接続が絶たれたりと、様々なトラブルを引き起こします)
また、受験する環境(部屋のレイアウト、近くにあるもの、環境音など)も、試験官によって求められる基準がまちまちである印象を受けました。

必要最低限の身分確認で試験を開始してくれる試験官もいますし、周辺環境をPCのカメラに映して、と指示する試験官もいます。
(私はペットのデグーと同じ部屋で生活しているのですが、この前初めて「回し車で走る音がうるさいのどうにかして」と試験官に指摘され戸惑いました...。)

そのような試験官に当たるかはコントロールできないので、私のようにその場で焦ることがないよう、静かで物が少ない場所の確保をお勧めします。

4. 合格時のSWAG提供がなくなった?

前述のとおり、以前はGoogleCloud認定試験のProfessional試験に合格すると、BenefitsとしてGoogle Cloudオリジナル グッズを入手することができました。

(2025年2月に合格した際の通知メール)

しかし、2025年4月に合格した際の通知メールにはGoogle Cloudオリジナル グッズについての言及がなくなっています。

これが永久的な方針転換なのか、何か臨時的な対応なのかは不明ですが、直近で受験を予定している方はこの方針変更について把握いただければと思います。

上記4点を念頭に置き、後悔の無いよう資格受験にチャレンジしてください。

さいごに

今回は、GoogleCloud認定試験全冠の維持を実現した方法と経験談をご紹介しました。
本記事が、誰かのお役に立つことを心より願っております。


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