アクセンチュアにおける組織的なGoogle Cloud Partner Top Engineerの育成方法 '24
アクセンチュア株式会社テクノロジーコンサルティング本部金融サービスグループ
アソシエイト・ディレクターの青柳雅之です。
AGBG(Accenture Google Business Group) Solution Architectを兼任しています。
今回、アクセンチュアでは青柳雅之、烏山智史、中川伸一、細川敬之、秋元良太、加藤雅己の6名の社員がGoogle Cloud Partner Top Engineer Award '24を受賞することが出来ました。
このブログでは、このAwardを受賞を取得するために組織的に行った活動を振り返りたいと思います。
■組織のGoogle Cloudケイパビリティの底上げへの寄与
Google Cloud Partner Top Engineerの評価項目には、提案支援、デリバリー、資格取得、人材育成などがあり、これらの項目毎に目標を立てて活動をすれば、一定の技術力の水準を満たす社員を育成でき、組織の技術力の底上げにもつながると考えました。
■候補者の選定
アクセンチュアにはAGBG(Accenture Google Business Group) )という部門横断の仮想的な組織があります。この組織ではアクセンチュアがGoogle Cloudのビジネス推進を目的としたさまざまな活動を行っています。今回は主にその組織のメンバーから希望者を募ることに加え、Google Cloudの案件に入っているメンバーをスカウトしました。結果的に6名の受賞者を生み出したわけですが、もし意図的に活動を行わずに応募もしなければ、Google Cloudに関する素晴らしいデリバリーを行っていても、彼らの名前の多くは世の中に出ることはなかったと思います。実は受賞に値するメンバーも社内には多いので来年度はこういったメンバーもサポートして受賞者数を増やしたいところです。
■活動のトラッキング
審査基準、つまり、各評価項目についてどのような活動を行ってきたかの例を記載します。10月からの半年間は月に1回の30分の定例、残りの半年は週に1度の30分の定例を行い各自の活動をトラッキングしました。次のようなシートにGoogle Cloudから公表されている記載項目を書きます。これを人数分用意します。各自が1シートずつ記載し、1つのファイルにまとめます。定例会議ではこのシートを見ながら各自の活動に対して前年度のPartner TopEngineerがアドバイスを行います。また、応募前には同じく前年度のPartner TopEngineerが応募フォームの書き方を指南し、内容が十分かどうかも確認します。その成果もあり、応募したAGBGメンバーは全員が受賞することができました。
それでは次の節から各評価項目について、具体的な記載例を見ていきましょう。
A.Google Cloud に関する非公開の活動
書く活動はその内容のほかに、何人が受講した、資格がいくつ取れた、というように数字で効果を記載する必要があります。我々が利用しているシートでは日付も含め、この辺りを詳細に記録しています。
・我々は毎月1回、各自が順番にCloud Digital Leaderの座学を担当しており、これを約1年間続けた結果、数百人、資格者を増やすことが出来ました。
・社内向けの情報発信も行っています。AGBG Newsletterでは月に1回、AGBGの活動を発信します。
・新しいトレーニング資料の開発や、提案のためのアセットは、ソリューションの開発になります。
・我々は金融業界の担当ですが、AGBGとしてはあらゆる業種の提案を支援しており、これらについてもその活動を記載します。デリバリーをするだけではなく、アーキテクチャーレビュー、案件への関わりです。
・Google Cloudのパートナー企業が持つケイパビリティは、Specializationで評価されます。Specializationとは、Google Cloud ソリューションに関して高いスキルと豊富な経験を有していることの証として、パートナーが獲得できる最高レベルの技術認定です。自社が持っていないSpecializationとExpertieseがある場合は、意識的に狙っていく必要があります。これも営業サイドとコミュニケーションを取りながらどの案件でSpecializationとExpertieseが取れそうかを確認してトラッキングを行います。現時点でアクセンチュアでは、Specializationとして、SAP on Google Cloud認定、インフラストラクチャ認定、アプリケーション開発認定、クラウド移行認定、機械学習認定を受けています。
・多くの候補者はほぼすべての資格を持っており、失効にならないように受験をして再認定を受けます。また、アクセンチュアでは資格取得費用がサポートされています。
B.Google Cloud /Google Workspace に関する対外活動
Google Cloud / Google Workspace に関連する対外活動の実績を記載します。具体的には、次のようについて報告をしています。これらはすべて社外に公開されているものです。
イベント登壇:
活動の多くは、Jaguerの分科会での登壇ですが、私自身はアイティメディアやGoogle Cloud CCoE Summitに基調講演も実施しており、これらも記載しています。
Jagu'e'rの中で最大の所属人数を持つデジタル/クラウド人材育成分科会は、Google Cloud初学者が登壇しやすい機会が多くあります。例えば、このように勉強して資格を取りました、という5-10分程度のLTを行うことができます。
これからGoogle Cloudに関する活動をしたいという社員がいる場合は、まずはJaguerに入会してもらうことにしており、Jagu'e'rでの登壇を勧めています。私がリードをする金融サービスグループのクラウドチームでは、Jagu'e'rへの登壇が育成施策の1つとなっています。
ブログ:
自社のブログで書いた実績は次のように報告をしています。Jagu'e'rの登壇内容をブログ化することで効率的にブログを書くこともできます。
■次年度のAward受賞に向けて
次年度は最低でも、今年度の倍の12名の受賞を目指しています。
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