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#02 VSCodeでメインフレームに接続する - IBM Z Xploreで学ぶメインフレーム

2023/11/26に公開

IBM Z Xploreの最初の学習をはじめよう

メインフレームへのアクセスといえば、3270エミュレーターと呼ばれるCUIを思い浮かべる人が多いでしょう。メインフレームが登場したころ、端末として3270という装置が存在しました。その後、端末がPCに変わった後も3270をエミュレーションするソフトウェア(IBM Personal Communicationsやx3270)を使用しています。PCやMacからこれらのソフトを使ってメインフレームに接続し、Time Sharing Option(TSO)にログインし、Interactive System Productivity Facility(対話式システム生産性向上機能: ISPF)を使って対話式に操作をするというのが一般的なメインフレーム開発のスタイルです。

しかし、今ではVisual Studio Code(VSCode)を使用してメインフレームに接続してコード書いたり、ジョブを実行して結果を確認できます。

まだIBM Z Xploreにサインアップしていない場合は以下の記事を参考にしてサインアップしてください。
https://zenn.dev/ackylarkham/articles/19ac7984925bb1

課題 VSC1をやってみよう

IBM Z Xploreを使った学習のはじめは、VSCodeを使ってIBM Zに接続するためのセットアップです。IBM Z Xploreにログインし、「あなたにおすすめ」の下にある「Fundamentals and Concept」のアイコンをクリックしてください。

home screen the IBM Z Xplore
IBM Z Xploreホーム画面

次の画面では、学習コースFundamentalsとConceptsの学習課題が表示されます。最初の課題であるVSC1をクリックしましょう。


最初の学習課題 VSC1

次の画面でVSC1の目的などが説明されています。IBM Zのz15と呼ばれる機種の論理区画に接続できる!って書いてあります。本物のIBM Zを使って学習できる環境がタダで提供されています。またこの画面でIBM Zに接続するためのユーザーID(IBM ZID)とパスワード(IBM ZPassword)が表示されています。IDとパスワードをメモしておきましょう。


VSC1の目的

VSCodeをインストールしてIBM Zに接続するための手順の詳細はリンク先のPDFに書かれています。画面下部の"Take me to the VSC1 Challenge PDF"をクリックしてPDFを開きましょう。


VSC1 PDFの入手

ボタンをクリックするとWebブラウザー上でPDFが開かれます。字が小さくて見にくいときは、画面右上のダウンロードボタンをクリックしてPDFをダウンロードしてAdobe reader等でPDFを参照するとよいでしょう。


PDFの表示

VSC1は、以下の12個のステップで構成されています。所要時間は45分とのことです。

  1. LOAD UP ON DOWNLOADS
  2. INSTALL NODE.JS
  3. INSTALL AND RUN VSCode
  4. INSTALL Z OPEN EDITOR
  5. CHECK OUT ZOWE
  6. CREATE YOUR PROFILE
  7. LOGINNG IN!
  8. SETTING YOUR FILTER
  9. FIXING CONNECTION ISSUES
  10. STYLING AND PROFILING
  11. NAVIGATE TO VSCJCL
  12. SUBMIT VALIDATION JOB

以下に各ステップの概要を記載します。詳しくはPDFを参照してください。

1. LOAD UP ON DOWNLOADS

PCやMacに必要なソフトウェアをダウンロードします。必要なソフトウェアは以下のとおりです。

  1. Node.js
    • Node.jsにアクセスして利用可能な最新のLong Term Support(LTS)を選択
      • 当然ながら時間の経過とともに新しいバージョンに変わっている
      • PDFに記載のバージョンは既に古くなっている
  2. Java
    • Java JDK or JRE version 11 or later - 64 bitが必要
    • 詳細はInstalling the IBM Z Open Editor VSCode extensionを参照
    • PDFにはJavaのインストールについての記載はこれしかなく、リンク先を読んでインストールが必要
    • "4. INSTALL Z OPEN EDITOR"にAppleシリコンのMacにJREをインストールする例を記載している
  3. VSCode
    • ダウンロードサイトから自分の環境に応じたソフトウェアをダウンロード

2. INSTALL NODE.JS

ダウンロードしたNode.jsのインストーラーを起動し、インストーラーの指示にしたがってインストールしてください。

3. INSTALL AND RUN VS CODE

既にVSCodeをインストール済みでしたらこのステップはスキップしてください。

ダウンロードしたVSCodeのインストーラーを起動してインストールしてください。インストールが完了したらVSCodeを起動してください。

4. INSTALL Z OPEN EDITOR

VSCodeに拡張機能「IBM Z Open Editor」をインストールします。VSCodeの左側にある4つの箱が並んだアイコンをクリックします。次にIBM Z Open Editorを検索し、インストールしてください。インストールに成功すると左側にZの文字があるアイコンが追加されます。

install the IBM Z Open Editor
IBM Z Open Editorのインストール

IBM Z Open Editorをインストール後、Javaが見つからないときは、VSCodeの画面右下に以下のメッセージが表示されます。既にJava 11以降のSDKまたはJREがインストール済みの場合は、VSCodeのIBM Z Open EditorのJAVA_HOMEにパスを設定してください。

IBM Javaをインストールする場合は、以下のメッセージ内の"Download IBM Semeru Java"をクリックします。
download the IBM Semeru Java
IBM Semeru Javaのダウンロード

以下の警告には「開く」をクリックしてください。

move to the download site
ダウンロードサイトへ移動

IBM Z Open Editorの稼働プラットフォームに応じたJDKまたはJREをダウンロードしましょう。下図はAppleシリコンのMacの例です。
download the Java JDK/JRE for Mac
Java JDKまたはJREのダウンロード

ダウンロードしたパッケージをダブルクリックすることでインストールできます。下図はMacにJava SREをインストールする例です。インストラーの指示にしたがってインストールを完了させます。

install Java SRE
Java SREのインストール

ターミナルから、java -versionを入力し、バージョンの応答があることを確認しましょう。下図は、AppleシリコンのMacの応答例です。

% java -version
openjdk version "17.0.8.1" 2023-08-24
IBM Semeru Runtime Open Edition 17.0.8.1 (build 17.0.8.1+1)
Eclipse OpenJ9 VM 17.0.8.1 (build openj9-0.40.0, JRE 17 Mac OS X aarch64-64-Bit 20230824_392 (JIT enabled, AOT enabled)
OpenJ9   - d12d10c9e
OMR      - e80bff83b
JCL      - 8ecf238a124 based on jdk-17.0.8.1+1)

Java JDKまたはJREのインストールが完了後、VSCodeのIBM Z Open EditorのJAVA_HOMEを設定します。設定するJavaのパスは、java_home -Vコマンドで確認します。

% /usr/libexec/java_home -V
Matching Java Virtual Machines (1):
    17.0.8.1 (arm64) "IBM Corporation" - "IBM Semeru Runtime Open Edition (JRE) 17" /Library/Java/JavaVirtualMachines/ibm-semeru-open-17.jre/Contents/Home
/Library/Java/JavaVirtualMachines/ibm-semeru-open-17.jre/Contents/Home

java_home -Vコマンドで確認したjavaのパス(上記の例では/Library/Java/JavaVirtualMachines/ibm-semeru-open-17.jre/Contents/Home)を設定します。
VSCodeの画面左下の歯車のアイコンをクリックして設定を開き、設定画面内のIBM Z OPen Editorをクリックします。次に下図のように"Zopeneditor:JAVA_HOME"のフィールドにjava_hone -Vコマンで確認したパスを入力しましょう。入力後、設定を閉じて、VSCodeを再起動してください。
set the JAVA_HOME
IBM Z Open Editor JAVA_HOMEの設定

VSCodeを再起動後、Welcome to Z Open EditorのPrerequisitesの"64-Bit Java version 11 or higher is found"に緑色のチェックマークがついていれば設定は成功です。

Complete setting
IBM Z Open Editor JAVA_HOME設定完了

5. CHECK OUT ZOWE

VSCodeの左側のサイドバーにZの文字が書かれたアイコンが追加されていることことを確認してください。

icon Zowe explore
Zoweエクスプローラーのアイコン

6. CREATE YOUR PROFILE

Zowe explore(左側のサイドバーにあるZの文字が書かれたアイコン)をクリックしてください。次に"DATA SETS"の右側にある「+」をクリックしてください。

create profile
Zowe explore

7. LOGINNG IN!

ついにIBM Zにログインします!

"Create a New Connection to z/OS"をクリックしましょう。

接続の名前を入力します。(例えばzxplore)

profile typeは"zosmf"をクリックします。

接続先のz/OSのURLとしてPDFに記載のURL(https://zxp.ibmz.ibm.com:10443
または https://204.90.115.200:10443)を入力してください。

"VSC1"に書かれていたz/OSのユーザーID(IBM ZID)を入力します。

"VSC1"に書かれていたIBM ZPasswordを入力します。

"False - Accept connections with self-signed certificates"をクリック

以下は何も入力せずEnter

以下は何も入力せずEnter

以下は何も入力せずEnter

protocolはhttps (既に入力されているのでそのままEnter)

以下は何も入力せずEnter

以下は何も入力せずEnter

DATA SETSの下の方に指定したプロファイル名が表示されたら完了です。

8. SETTING YOUR FILTER

上記で作成した接続プロファイルを使って利用するデータセットのフィルターを作ります。接続プロファイルの右側の虫眼鏡のアイコンをクリックしてください。

"Create a new filter. For example: HLQ.*, HLQ.aaa.bbb, HLQ.ccc.ddd(member)"をクリックしてください。

次に自分のユーザーID(IBM ZID)を入力してください。

以下のように自分のZIDが表示されます

VSCodeの画面右下に、以下のようなエラーが表示された場合は次の"9. FIXING CONNECTION ISSUE"を参考にプロファイルを再設定してください。

connection error message
接続エラーメッセージ

9. FIXING CONNECTION ISSUES

接続プロファイルを右クリックして"Manage Profile"をクリックします。

manage profile
プロファイルの管理

"Edit Profile"をクリックします。
edit profile
プロファイルの編集

PDFに書かれていた接続先と相違がないか確認し、誤っていた場合は訂正します。

ZIDに間違いがないかを確認し、誤っていたときは修正します。

パスワードを間違わないように再入力します。

"False - Accept connections with self-signed certificates"をクリックします。

何も入力せずEnter

何も入力せずEnter

何も入力せずEnter

何も入力せずEnter

何も入力せずEnter

何も入力せずEnter

上記のように再設定後、接続プロファイルの右側の虫眼鏡アイコンをクリックし、次にポップアップに自分のZIDを入力してください。8. SETTING YOUR FILTERで説明したように接続プロファイlるの下に自分のZIDが表示されれば完了です。

10. STYLING AND PROFILING

"UNIX SYSTEM SERVICES"も"8. SETTING YOUR FILTER"で行ったのと同様に接続プロファイルの右側の虫眼鏡アイコンをクリックして、自分のZIDを入力しましょう。

"Create a new filter"をクリックします

自分のZIDを入力し、Enterキーを押します。

次に、"JOBS"についても同じようにZIDを入力してください。

"Create job search filter"をクリックします。

Job Owner Zxxxxxx(自分のZID)をクリックします。

11. NAVIGATE TO VSCJCL

JCLライブラリーを開いてジョブをサブミットする準備をします。JCLライブラリーを検索するためのフィルターを設定します。"DATA SETS"セクションで虫眼鏡アイコンをクリックし、"Create a new filter"をクリックした後で、JCLライブラリーのHLQと自分のZIDをフィルターに設定します。

HLQがZXPであるデータセットがリストされます。この中に"ZXP.PUBLIC.JCL"があることを確認してください。

次に"ZXP.PUBLIC.JCL"をクリックし、メンバー"VSJCL"があることを確認してください。

12. SUBMIT VALIDATION JOB

"11. NAVIGATE TO VSCJCL"で見つけたVSJCLを実行します。"DATA SETS"のメンバー名"VSJCL"を右クリックし、"Submit Job"をクリックしましょう。

以下のメッセージが出力されたら、"Submit"をクリックします。

完了後の確認

以上で、「課題 VSC1」は完了です。完了後は、IBM Z Xploreのサイトにログインして、VSC1を開き、最下部にある"Challenge Complete, check my JCL submission"をクリックしてください。VSC1の完了が登録されます。

IBM Z Xploreのこの後の進め方

課題VSC1が完了すると、後続の課題である、"Files", "Security and Privacy", "Systems"のロックが解除され受講可能になります。それぞれ、VSC1と同様に受講の進め方のPDFを参照し順次受講しましょう。

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