自作キーボードで高さの低さを目指した話 2021
これは キーボード #2 アドベントカレンダー2021の12日目の記事です。
昨年、『自作キーボードでキーボードの低さを目指した話』として、記事を書きました。
昨年は以下のような話題を含んだ話を書かせていただきました。
- ボトムプレートをつけない高さ
- 薄型キースイッチ Kailh Choc v1/v2
- キーキャップによる高さの比較
(前の記事の最後似追記していましたが)
2021年も、高さの低さを極めるために、いくつかの施策を行いました。
ボトムプレートの代わりにゴムシートを使う
自作キーボードキットではボトムプレートとゴム足を使って構成することがあります。このとき、ボトムプレートとして、PCBと同じ素材FR4を使って作成されることも多いです(私が最初に手に入れたLily58がそうでした)。
この場合、キースイッチから底までの高さは以下のようになります
- PCB 1.6mm
- キースイッチソケット、スペーサー 2.0mm
- ボトムプレート(FR4) 1.6mm
- ゴム足 2.0mm
- 合計 7.2mm
前の記事では、ボトムプレートの必要性が感じられず、ボトムプレートをなしにして直接ゴム足をつけて高さを低くすることを狙っていました。
しかし、FR4素材の剛性の問題から、安定性にかけていて、打鍵感がこれによって損なわれているのではと思うようになりました。
ここから、ボトムプレートの代わりになる素材を探していました。最終的にたどり着いたのは、キースイッチソケットの層をアクリルプレートで埋め、さらに底を薄いゴムシートを貼り付けることでした。
PCBとボトムプレートの間の空間を、アクリル素材のプレートで埋めることで、PCBと一体になった時の剛性ががるように思います。そしてもともとゴム足を付けていたのは、キーボードが滑らないようにするためでした。そうであれば、同じゴム素材の薄いシートを貼り付けることで、滑らないようにさせることができと考えました。
カットした後のアクリルボトムプレート
この場合、キースイッチから底まで以下のようになりました。
- PCB 1.6mm
- キースイッチソケット、アクリルプレート 2.0mm
- ゴムシート 0.5mm
これにより、一般的なMXスイッチ、Chocスイッチと、DSA、Chocキーキャップまでの高さは以下のようになります。
そしてこの方法は、キーボードの打鍵の衝撃はゴム足ではなく机が支えてくれるようになり、私にとってはとても打鍵感が良くなりました。
PCBに薄型もののを使う
PCBを注文する際には、PCBの厚さを選ぶことができます。一般的なPCBは1.6mm厚であることが多いですが、おおくの秋月電子通商さんのキットでは1.2mm厚を使われたりします。
前述の方法でPCBとアクリルプレートで一体になったため、そうであればPCBを更に薄くすることができるのではと考えました。
最小の高さを求めるためにスイッチの下部の長さを測ってみました。CherryMX互換スイッチであるDurock T1スイッチの場合、ステムが沈むスペースの凸の長さは3.0mm、端子の長さは 3.2mm になっていました。端子は切断しても通電してれば構わない、ゴムシートがその長さは吸収してくれるので、1.0mmのPCBと2.0mmのアクリルで3.0mmとすることができそうです。
私が最近利用しているALL PCBさんでは、0.4mmから注文可能です(ただしWebの注文画面からは0.8mmからしか注文できません)。試しに厚さ1.0mmで注文してみました。やはり薄いため単体ではとても曲がりやすくなります。しかし、アクリルプレートと一体化させれば問題はなさそうです。
まだ、Sparrow62キーボード自体では1.0mm厚を試していませんが、次の作るキーボードでは1.0mm厚でやってみようと思います。
最適なキーボードの姿勢を求めて、机と椅子の高さを調整する
キーボードを低くしたかった理由の一つに、机の高さが制御不能であったため、というのがあります。昇降式テーブルのEF1を使っていましたが、最も低くなる高さが71cm+天板2.5cmという最大の制約があり、それを椅子の高さを上げたり、肘置きを高くしたりして、調整していました。しかし、最適な姿勢になるようにキーボードを含めて追求しようとおもうと、もっと低い机が必要になります。
そこで机を買い替えて、最小58cm+天板2.5cmに調整可能なE7に買い替えました。
すると、机の高さを自在に調整でき、手首や指、肩への負担を最小限にして、キーボードに向きあることができました。
なお、この机を手に入れたことで、今までキーボードの低さを求めた戦いは、あまり意味のないものになってしまいました(キーボードの方を調整しなくても机を調整できるから)
さいごに
私にとっての、キーボードの低さを求めた戦いは、昇降式テーブルE7の登場により、最適解を得ることができました。今回紹介した手法をもし気に入りましたら、ぜひ自作キーボードライフに取り入れていただければと思います。
現在、私は新しいキーボードを設計を進めていますが、本業&副業がしばらく忙しくなりそうなこともあり、まだ完成は先になりそうです。次のキーボードは、ProMicroではなくRaspberryPi PICOを採用する予定であり、カスタマイズ性がQMK Firmwareほどよくならなそうなこともあり、販売は相当先になり、まだまだ現在のSparrow62キーボードがメインになりそうです。ぜひ、よろしければSparrow62キーボードを手にとって見て下さい。
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