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散らかっているから集中できていないのか、集中できていないから散らかっているのか

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  • Redmine、JIRA、Backlog、Zenhubと、システム開発の現場で使われるチケット管理システムは枚挙にいとまがない。
  • しかしそれらのシステムが正しく運用され、チケットには必要な情報が過不足なく記載され、ダッシュボードにはチームの仕事が優先順位に沿って一列に並び、誰でも──他部署の人でも、今日入社した人でも──瞬時に状況を把握できる。今なにをしているか、次に何をやるか、誰でも理解できる。という状態を、見た覚えがない。
  • デイリースクラム、朝会、名前はなんでもいい。とにかくチームのメンバーが一堂に会する会議では「あの件ってどうなってる?」「これ、着手したのだいぶ前だから思い出すところからだね」「あれ、あのチケットはどこ行った?」「これってどこに置けばいいんだっけ?」なんて会話が繰り広げられ、進捗報告の名の下に1時間も話し続けたりしている。要は仕事が "散らかっている" のである。読み解くのに労力と能力が必要なダッシュボードに、果たしてどんな価値があるのだろうか。
  • こういう現場では往々にして個人にタスクが振られており、構成員は各々のゴールに向かって突き進むだけなので、電車に乗りあわせた人同士と同じような関係性だ。荷物を落としたら拾って渡すくらいの手助けはするが、おおもとの目的は違うのでより深い協力関係は生まれない。要は "集中できていない" のである。同じ目的を持たない集団が、果たしてどんな価値を生み出せるのだろうか。
  • 散らかっていると集中できない。"今やる"仕事がどれかわからないからだ。集中できていないと散らかる。"片づいていない"仕事が溜まる一方だからだ。この悪循環は、どちらが原因でどちらが結果なのだろうか? 抜け出す方法はあるのだろうか?
  • 私の提案する解決策は『一個流しの徹底』である。はじめに完了させるチケットを決めてしまって、関係のないものはすべて捨てる。決めたチケットを完了させるまでは次のチケットを作ってはならないという一個流し原理主義である。一個流しこそが最強なのである。トヨタ本を未読でこう言うのもよくないかもしれないが。
  • 極端な発想だが、何割かは本気だ。"いつかやる"はどうせやらない。仮に起票したところで、完了しなければ何の意味もないのだ。今じゃなくても、必要になった時に改めて起票すればいい。"いつかやる"でみだりにチケットを切って放置するのは、『いつか使うから』でゴミ屋敷を作る人と同じ思考様式ではないだろうか。胸に手を当てて考えてみてほしい。
  • 知見や意見のある方は、ぜひコメントを残していってほしい。

Discussion

Go!Go!GomaznGo!Go!Gomazn

たとえばスクラムではバックログリファインメントというバックログを整理するアクティビティがあったり、あるいは集中という意味ではWIP1というのがありますね。
意図的にバックログを捨てるというプラクティスもありますが、「今やってること以外のチケットは捨てる」という発想を本当にやるなら計画やマネジメントの放棄なのでは?と思いました。
もちろん、思考実験や前提としてそういった問いかけをするのはアリだと思いました。

スナミスナミ

Go!Go!Gomaznさん、コメントありがとうございます。

本当にやるなら計画やマネジメントの放棄なのでは?と思いました。

確かに、「目の前のタスクをやるだけです!」としか言わないチームは計画・マネジメントを放棄しているといえるでしょう。

しかしこの記事で示したような、『誰が何をやっているかわからない』状態は『どれがいつ終わるかわからない』という状態であり、これもまた計画・マネジメントの放棄だと思います。

手始めに「これを終わらせます!」と宣言してきちんと終わらせることを覚え、第二段階として「この順番で終わらせます!」と宣言し、見通しを立てながら進むのが理想だと考えております。

スクラムにおける集中やスウォーミングの価値については、別記事にまとめるつもりです。

改めて、コメントいただきありがとうございます。