ZOZO Advent Calendar の運営を支える技術
これは今年こどもたちと楽しむスリーコインズで買った “一般的な” アドベントカレンダー
技術戦略部 Developer Engagement ブロックの @ikkou です。Developer Engagement ブロックは社外向けのいわゆる「技術広報」に加え、社内向けのエンゲージメント施策に取り組んでいます。冬の風物詩となっているアドベントカレンダーは Developer Engagement ブロックが音頭を取りながら進めています。
ZOZO とアドベントカレンダー
ZOZO は 2018 年からアドベントカレンダーに参加しています[1]。
初年度から 3 シリーズ 75 記事を書いていて、翌 2019 年は 5 シリーズ 125 記事、コロナ禍の 2020 年は 4 シリーズ 100 記事と減らしたものの、2021 年に 5 シリーズ 125 記事に戻り、2022 年に 7 シリーズ 175 記事と年々記事数が増え、昨年 2023 年は 9 シリーズ 225 記事に達し、Qiita賞Organization部門のOrganizationカレンダー投稿数賞(メンバー数11名以上)を受賞しました[2]。
そして今年は 11 シリーズ 275 記事に挑戦しようとしています。この記事を公開する 2024/12/01 時点ではカレンダーのシリーズ数も過去最多を記録しています。
今年は過去最多の 11 シリーズに挑戦します
観測する限りでは Qiita Advent Calendar 2024 の Organization カテゴリーだけでなく全カテゴリーにおいて、もっとも参加者数が多く、もっともシリーズ数が多くなっています。
なぜこんなに盛り上がるのか?
私は ZOZO に入社する以前に過去複数社でアドベントカレンダーに参加していますが、これほど盛り上がっている会社はありませんでした。もちろん開発組織に属するスタッフ数は年々増えています[3]が、アドベントカレンダーへの参加は強制ではなく任意です。参加するもしないも自由ですし、1 人で複数の記事を書くのも自由[4]です。
強制力を働かせずに毎年いい感じに盛り上がっているので、アドベントカレンダーという年末のお祭りをみんなで純粋に楽しんでいるのだと考えています。個人的にこの空気感はとても気に入っています。
この盛り上がりが最後まで続くためにやっていること
前述の通り自由意志で盛り上がっていると考えられる ZOZO Advent Calendar ですが、その盛り上がりが少しでも加速・維持されるように Developer Engagement ブロックでいくつかの取り組みを実施しています。
公開先も内容も自由
普段、ZOZO としての技術情報は ZOZO TECH BLOG で発信していますが、ZOZO TECH BLOG で公開する記事はレビューが必須となることを始めとして一定のルールを設けています。
アドベントカレンダーに関しては普段のルールに則って ZOZO TECH BLOG に公開することもありますが、内容によっては Qiita Organization 内や Zenn の Publication 内、あるいは個人のブログなども OK としています。
これらの場合、原則としてレビューは発生しませんが、内容に不安があれば相談できるようにし、公開後でも明らかな誤りなどがあれば指摘し、憂いなく参加できる体制を整えています。
カレンダーはすぐに作成して告知する
例年、11月1日にその年のアドベントカレンダーを作成できるようになるので、作成できることを検知したタイミングでその年の分を作成し、開発組織メンバーが集まっている Slack のチャンネルで告知しています。
告知当時の予想を超えてシリーズ 11 に達しました
リアクションの多さから、その反響を伺えるのではないでしょうか。
11月1日の 18:00 時点で参加者は 50 人に達し、シリーズ 5 まですべて埋まっていました。その後、11月12日には昨年タイのシリーズ 9 まですべて埋まり、ZOZO としては初のシリーズ 10 に突入しました。
参加者向けのリマインド
直前リマインド
期間中は翌日の担当者向けに前日にメンションを飛ばして担当日であることをリマインドしています。
今年は初日の12月1日が日曜日なので金曜日中にリマインドしました
アドベントカレンダーは営業日ではない土日にも発生するので、金曜日は土曜日・日曜日・月曜日の 3 日分をリマインドすることになります。
効率的にリマインドできるよう、スプレッドシートで Qiita アカウントと Slack アカウントを紐づけた一覧表を作成、リマインド用のテキストを一括で作成しています。それをコピペして Slack の予約投稿機能で確実にリマインドできるようにしています。
このリマインドは業務都合を始めとして、担当日に記事を公開できない場合に別の参加者と入れ替える機会としても活用しています。
当日リマインド
15:00 前後を目処として、すべての記事が公開されているか確認し、公開されている場合は前日リマインドとあわせ、すべての記事が公開されている旨を、公開されていない記事がある場合はその担当者にリマインドしています。
X での投稿告知
投稿後は X の @zozotech アカウントで記事ごとに公開した旨を告知しています。
前述のスプレッドシートで公開された記事の URL も管理しているので、X に投稿するテキストもあわせて作成していますが、X への投稿そのものは自動化せず手動で実行しています。
例年、この形で記事ごとに投稿していましたが、メインの投稿に URL を載せると表示の優先度を下げる 旨を Elon Musk 氏が投稿しているため、今年は投稿方法を改めることを考えています。
サマリー記事の作成
アドベントカレンダー記事の投稿は12月25日で終わりますが、2020年からその年のサマリー記事を作成しています。
こうしたサマリー記事は新たに入社したメンバーに ZOZO Advent Calendar を伝える役割も果たしています。
余談ですが、現在 ZOZO TECH BLOG のカバー画像 (og:image 相当) は今年の途中から Vue.js で作成したジェネレーターで都度生成していますが、このサマリー記事はデザイナーチームに作成してもらっています。
アドベントカレンダーを継続するべきか?
近年では『アドベントカレンダーは供給過多となり記事が読まれないので記事を書く労力が見合わない』という言説が語られていることもあります。
前述の通り ZOZO Advent Calendar は参加者の自由意志のもとで継続できています。これが嫌々まではいかないも渋々続けている状況であれば労力 (コストパフォーマンス・タイムパフォーマンス) を天秤にかける必要があるかもしれませんが、少なくとも ZOZO に関してはそういうことはありません
『冬の風物詩とも言えるお祭りに参加して個々人が書きたいことを書く』というモチベーションに支えられているので、継続することに疑義が発生することもなく、毎年続けられています。そして今後も続けることに疑いはないと考えています。
『ZOZO Advent Calendar の運営を支える技術』として記事をしたためましたが、参加者のモチベーションありきです。Developer Engagement ブロックは縁の下の力持ちとして動いているだけとも言えるため、再現性はないかもしれませんが、アドベントカレンダーを始めてみたい、うまく運用できていないという組織・チームにとって何かの参考になれば幸いです。
それでは期間中に公開される他の全 274 記事もぜひお楽しみください!
シリーズ 1 の Day 2 は @hiro san です!現場からは以上です!
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