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【勉強】私立の外部大学院を受験した話(バイオインフォマティクス)

2023/09/03に公開

こんにちは。zenzenR-2です。

今回は、学部と全く違う分野を大学院入試で受験し、合格した話をしようと思います。
簡単に言うと、生命系の学部がない私立大学(理系)から生命系の学部がある外部の某有名(?)私立大学院に独学で勉強し、合格した話です。

外部の私立大学院受験対策はブログにはあまり載っていないので、皆様のご参考になれば幸いです。

はじめに

世間では、大学院入試は簡単だとか、誰でも入れるなどと囁かれることがありますが、全くそんなことはありません。 確かに、有名な大学院でも倍率が低いところはありますが、そこに集まるのは、その分野を4年間勉強してきた方々です。
学部の時と大幅に違う専攻を受験する場合は、何人かの協力者がいなければ難しいでしょう。
特に、外部の大学院受験は自分一人だけの力で合格することはとても難しいと思います。
ですが、何事も挑戦してみることが大切であると私は考えています。
なので、そのような挑戦をする方々の参考になれば幸いです。

筆者の境遇

私の通っていた大学の学部の偏差値は50くらいでした。(大学院入試に偏差値はないので、いま通っている大学の偏差値を気にしても意味はないですが、参考までに。)
大学3年生までは主に統計やPythonなどを勉強していて、私のGPAは3.0くらいでした。ただ、コロナの影響もありGPAは高めに出ていたと思います。
大学3年生の後期まで、大学院に行きたいとは思っていましたが、どんな研究をするのかは全く思いついていませんでした。そんな中で、生命情報学の講義を取り、生命情報学の面白さに触れ、この分野を研究していきたいと思うことが出来ました。しかし、私の通学している大学には生命系の大学院がありませんでした。
従って、3年生の3月から大学院入試で問われる細胞生物学などの勉強を始めました。
そして、無事に志望する大学院に合格することが出来ました。

生命系とプログラミングの繋がり

生命系と一言で言っても様々な分野があります。その中でも、私の専攻する情報生命(バイオインフォマティクス)という分野は、生物が持っているさまざまな情報をコンピューターや数学を使いながら生命現象を解き明かす分野です。
つまり、実験データなどをプログラミングを駆使して解析していくということが主な研究となってきます。
近年の大きな動きで言えば、AlphaFoldの登場が挙げられます。ここでは詳しくは説明しませんが、長年解けなかったタンパク質の構造予測を高精度で出来るようになったソフトです。
私が興味を持った一つの理由として、このような革新的なソフトを作りたいという思いもありました。

スケジュール

~3年生~

  • 8月初旬 TOFEL/TOEICの勉強を開始。
  • 2月下旬 生命系を大学院で学ぶことを決意。
  • 3月上旬 生物学の勉強を開始。基礎となる教科書を購入。
  • 3月中旬 志望校の調査、大方の検討をつける。
  • 3月下旬 志望する学校の過去問を初めて確認。

~4年生~

  • 4月初旬 入試説明会・オープンラボに参加。
  • 4月中旬 TOFELを受験。(出願に必要な点数を超えたので、1回で終えました。)

これ以降は試験の日程などによって変わると思います。

  • 5月中旬 志望する大学院の研究室を訪問。志望する大学院と研究室を決める。
  • 6月中旬 願書提出。
  • 6月下旬 過去問を解き始める。
  • 7月下旬 入試当日。(テスト+面接)
  • 8月初旬 合格発表。

以上です。

詳細説明

以下からは、スケジュールに沿って勉強内容や知見を説明したいと思います。
詳しくは、アコーディオン形式で書きましたので、▶をクリックして下さい。

TOFEL/TOEIC

私は何回も英語の試験を受けるのは面倒くさいと思ったので、ほとんどの大学院で使えるTOFELのみを受験することにしました。
ですが、私立大学院であれば大体はTOFELもTOEICも受け付けて貰えます。出願する大学院の入試要項を踏まえて、好みで受験すれば良いかと思います。

TOFEL勉強の詳細

TOFELについては80点を目標に勉強し、70点台を取りました。配分は、リスニングが20点台で残りは10点台でした。

主にTOFEL大戦略シリーズを使って勉強しました。中でも、TOFELテスト英単語3800は重宝しました。

TOFELの英単語を8月初旬に始め、毎日100個ずつ覚えていきました。加えて、日常的に英語を読んだり、聞いたりするように心掛けました。聞くことに関しては寝ながら英語のYouTubeを聞けるので、個人的には勉強しやすいです。
ただ、最後の方の英単語は難しいものが多かったので、完璧に定着させることが出来ませんでした。
TOFEL受験の2ヶ月前くらいから4つのセクションをTOFEL大戦略シリーズを使いながらそれぞれ進めていきました。
公式問題集を使うという選択肢もあると思います。

TOFELはとにかく全てのセクションにおいて高レベルの速度と理解が求められます。半年以上の準備期間があればそれなりの点数を取ることができると思いますが、付け焼き刃の勉強では現状の実力程度の点数しか出ないと思います。大方、英検と同じような点数が出ると思います。

生物学の勉強

志望する大学院の問題では生物学の中でも細胞生物学や分子生物学の分野から出題されていたので、先ずは基礎を固める為にEssential細胞生物学を使って勉強しました。
院試まであまり時間がなかったので、Essential細胞生物学をひと通り学習してからは過去問を解きました。

生物学の勉強の詳細

私は、一度も生物学の授業を取ったことがなかったので、勉強はとても苦労しました。
志望する大学院の過去問題をひと通り見た後に、一部の大学院では出題範囲について参考になる教科書などが提示されていることに気づきました。それらを参考にEssential細胞生物学を軸にして勉強することを決めました。図が多く、基本的なことがきちんと説明されているのでとてもお勧めです。(生物学をあまり知らないので、もしかしたらもっといい教科書があるかもしれません。)

Essential細胞生物学を毎日1章程度で進めて2周しました。細胞とは何かという初歩的な部分から勉強していきました。分からない部分は、その分野に明るい研究室の先生に聞いていました。

その後は、志望する大学院の過去問を解きながら知識を増やしました。過去問に解答はなかったのでChatGPTなども使いながら解答を調べました。
過去問をやることで、その大学院の傾向を学ぶことができます。それに合わせて、追加の勉強をしていました。

志望研究室の決定

大学院入試において志望する研究室を決めることが大学入試までとは大きく違うところだと思います。
当時の私にはそこまでの知識はなかったので、志望する研究室は生物学に知識のあった研究室の先生に相談しました。まずは、生命系の研究科がある大学院を調べ、自分のやりたい研究がある研究室がある大学院をリストアップしました。その中から、入試日程などを考慮して3校程度に絞り込みました。その後、オープンキャンパスや研究室訪問などをし2校を受験することにしました。

研究室決定の詳細

志望校については、大学院入試においては非常に大きな部分を占めています。テストで点数を取ることも大切な要素ですが、どの研究室に進学するかは今後の大学院生活を左右するとても大事なことです。
外部の大学院に進学する際は特に、自分がどのような研究をしたいのかビジョンを描くことが大切だと思います。
ただ、私のように興味はあっても勉強を始めたばかりの段階だと、なんとなく考えることが限界です。そんな時は、大学の先生や先輩などを頼ることが大切です。そのような方に、自分の学びたい研究分野の歴史や現状を教えてもらうことは、研究分野についての理解を大幅に深めるチャンスです。自分の学びたい分野を体系的に理解することで自分がやりたい研究がより鮮明になり、研究室を決めやすくなると思います。
私の場合は、研究室の先生が生物分野を元々やっていたこともあり、この部分ではかなり手助けをして頂きました。

志望する研究室の絞り込みができたら、研究室訪問をしましょう。特に、規制などがなければ直接研究室に伺うことをお勧めします。研究室の主宰以外にも研究室に所属する学生にも話を聞くことが出来ればなお良いと思います。過去問を貰うチャンスでもあります。
研究室訪問は自分が研究室の雰囲気を知るだけでなく、自らを教授に知ってもらう機会でもあります。自分が大学院でやりたい研究を説明して、フィードバックを貰うことが出来ればベストです。大学院出願の際に書く、研究計画書の参考にもなります。
私の場合は、研究室訪問の際に研究方針をまとめて行きましたが、話を伺うと現状の研究手法では先行研究からもかなり難しい研究になることを知ることが出来ました。なので、研究計画書を書く時にはより実現性のある手法へと転換することが出来ました。

出願・入試について

出願書類では研究計画書を提出することがほとんどの大学院で必要です。ここまでくるとある程度一人で書くことはできますが、内容について頼れる先生や先輩に一度は聞いたほうが良いでしょう。研究内容だけでなく誤字や誤用にも気を付けながら見てもらえれば良いと思います。
入試では面接も含まれることがほとんどなので、試験対策だけでなく、面接対策も必要です。
私の場合は、面接官の方々から研究計画についてかなり深く聞かれたので、現在の研究と研究計画は実現性や関連する分野を含めて一通り喋れるようにしておくとスムーズにいくのではないかと思います。

まとめ

以上が、大学院受験の解説です。
読んでいただいた皆様に少しでも参考になる部分がありましたら幸いです。
長々と文字ばかりの解説になってしまいましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます。

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