Open2
探索的データ分析(EDA)と確証的データ分析(CDA)
探索的データ分析(EDA)と確証的データ分析(CDA)
探索的データ分析(EDA)と確証的データ分析(CDA)は、データ分析の2つの重要なアプローチです。これらを深く理解するために、それぞれの特徴と違いを説明しましょう。
1. 探索的データ分析(EDA)
EDАは、データセットの特徴や構造を発見するためのアプローチです。
主な特徴:
- データの傾向、パターン、異常値を見つけることが目的
- 仮説を生成する段階で使用される
- 柔軟で創造的なアプローチ
- 視覚化ツールを多用する(ヒストグラム、散布図、箱ひげ図など)
- 予想外の発見を歓迎する
例えば、ある会社の売上データをEDAで分析する場合:
- 月ごとの売上推移をグラフ化
- 製品カテゴリー別の売上分布を確認
- 地域別の売上比較
- 異常値や季節性の検出
2. 確証的データ分析(CDA)
CDAは、事前に設定された仮説を検証するためのアプローチです。
主な特徴:
- 特定の仮説や予測を検証することが目的
- 統計的手法を用いて仮説を検定する
- より厳密で構造化されたアプローチ
- p値や信頼区間などの統計指標を重視する
- 結果の一般化可能性を重視する
例えば、新しいマーケティング戦略の効果をCDAで分析する場合:
- 仮説: 「新戦略は従来の戦略より売上を10%増加させる」
- t検定やANOVAなどの統計的手法を用いて仮説を検証
- 結果の統計的有意性を評価
- 効果量を計算し、実用的な意味を考察
- EDAとCDAの関係:
これら2つのアプローチは相互補完的な関係にあります:
- EDAはデータの探索段階で使用され、潜在的な関係性や仮説を生成します。
- CDAはEDAで生成された仮説を厳密に検証します。
- 多くの場合、分析プロセスはEDA → CDA → EDA → CDA...と繰り返されます。
- 比喩でイメージする:
EDАとCDAの関係を探検家と科学者に例えると:
- EDA(探検家): 未知の土地を自由に探索し、興味深い場所や現象を見つけ出す。
- CDA(科学者): 探検家の報告を元に、特定の場所や現象について厳密な調査を行い、その性質を明らかにする。
両者が協力することで、新しい発見と確実な知識の蓄積が可能になります。