軽深コンサル 裸の王様チェックを15分で
軽深コンサルとは
軽深コンサルとは、軽いけど、深遠な内容まで踏み込んだコンサルティングです。もちろん造語。時間は、15分程度を想定しています。相談ごとをするときに、最初の15分で相談内容の整理をするいわば、事前の軽いコンサルティングです。ただ、それなりに相談内容を深掘りします。実際に行うのは、課題について、気づいていない点を明確化します。裸の王様チェックですね。
さて、コンサルティングの定義は、知識や理解力のある人が、クライアントの課題解決のために、解決策を示し、解決策実行の立案、実行の支援を行うこと とされます。
軽深コンサルティングは、次にあげるようなコンサルティングの問題点を感じたので、アドバイスを含む本格的なコンサルティングをする前の、一つのコミュニケーションスキルとして考えてみました。なお、軽深コンサル と略称します。
軽深コンサルは、カジュアルな状況で5人ほど実施して高評価です。
コンサルティングの問題 課題理解が浅いとアドバイスが機能しにくい
知識や理解力があるのか? ない
コンサルは、事業領域をしらない分野のことに、深い知識や理解があるわけないです。アドバイスはまとはずれになるのではないでしょうか?
課題が明確になっているのか? 事実誤認、論点ボケ、曖昧なのが当たり前
本人にとって何が課題かはっきりしないのが通常です。自分のことを考えても、前提がまちがっていたなということはよくあります。適切な大きさの箱が欲しいと思ったら購入しなくても、ダンボール工作でつくればいいということがあります。購入する必要があるという前提ははずしてもよいのです。
解決できるのか? そう簡単にはできるわけないのが普通のはず
地域再生コンサルティングではよく話題になります。コンサルタントのアドバイスが機能しないことはよく記事になっています。相手の状況を的確に把握せずに、アドバイスをするのは、課題解決にはつながらないはずです。
立案、実行できるのか? ソフト開発をみればわかるように失敗するのが普通
新規プロジェクトの立案、実行は基本的に最初は間違いだらけで、失敗しないほうがおかしいです。それは新しいことを行うからです。そして、なんのためのプロジェクトか不明だったら、さらに、成功する方がおかしいです。特にソフトウェア開発プロジェクトで失敗は顕著です。みずほ銀行や、セブンペイの件は皆さんもよくご存知だと思います。
どうしたら、いいか? 明確化、結果の想像
まず、質問して状況を確かめる。まさに、「敵を知り、己を知 れば百戦危うからず」をするだけ
軽深コンサルティングは、15分程度なので、状況を確かめるために、質問をするだけです。どんな質問をするかというと、明確化と結果の想像 です。比喩的には裸の大様チェックです。
明確化にするには、確認的応答 + fork in the road(どっちですか?)
確認的応答をします。「私の理解では、あなたのいったことは、xxx のようですが、xxxであっていますか?」
fork in the road (どっちですか?) は、確認的応答の一種です。「あなたのいったことは、Aのようでもあり、Bのようでもあります。どちらですか?」
確認的応答のテクニックはこのぐらいで十分です。場合によっては、もっと上手に、曖昧、冗長、矛盾を減らすこともありですが、fork in the road を使えば、大体なんとかなります。
なお、どうしても、分からないことは、もちろん質問します。ただ、確認的応答の中で実質的に質問することはできるので、「わからないので、教えてください」というやりとりはほぼないです。
結果の想像 → 想像できないなら、ググる
課題の明確化のつぎは、課題解決するとどうなりますか? に答えてもらいます。想像力をつかってもらいます。単純な例で考えてみましょう。現場の状況をしりたいので、現場にいかなければならないがすぐにはいけないというという課題をもっているとします。どうしたらいいかですが、電話かけて聞けばいいのでは ということは結構あります。「いかなくちゃ ちょっとまてよ、連絡してみるか? ぐぐってみるか?」です。よくあることです。
これは、「現場にいって状況をしりたい」→「状況をしりたい」 と前提条件をゆるくすることです。課題が解決した状態に意識を向けると、課題解決に想定している前提条件が浮き彫りになり、前提条件緩和により課題解決がより合理的になります。実際には、想像力が不足していることが、多いのでネット検索(ぐぐって)で想像力不足を補うのが通常だと思うのがいいでしょう。
課題確認が、軽深コンサルの終わり
整理され、明確化された課題の確認をして終わりです。ただ、場合によっては、アドバイスまで踏み込むこともあります。
軽深コンサルが難しいのは 自分は完璧だと思っている人
課題を持っていない人に、軽深コンサルをするのは難しいです。特に、自分の理解や知識は完璧だと思う人にはあまり役立ちません。さらに、軽深コンサルは、コンサル側は知識がない人が、行うのが前提です。なので、上から目線で人を馬鹿にするには効果がほぼありません。軽深コンサルは、王様は裸だ というようなものなのです。自分は完璧だと思っている人にとっては、苦痛を伴う指摘になってしまいます。確認的応答は、「裸の大様みたいですが、そうですか?」と聞くことが多いからです。
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