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【2022/09】統計検定準1級に合格するための準備方法・教科書を紹介します

2023/04/09に公開

はじめに

2022 年、私は多くの試験を受けました。3月に CBT 版の統計検定 2 級を受け、9 月には CBT 版の統計検定準1級、そして 11 月に 1 級(統計数理 & 統計応用:理工学)を受験しました。
これから先統計検定を受験する方に向けて、そして備忘録として未来の自分に向けて、どのような受験勉強をしていたのかを書きます。

自己紹介

  • 経済学部生 B4 (2022/04 ~ 2023/03)
  • 2年の頃から機械学習に興味を持ち、趣味が高じて統計学や数理最適化に手を出す
  • 凸最適化など、連続最適化に関するゼミに所属
  • 2023 年度から情報系の大学院に進学予定

時系列

  • 2022/02 下旬: 統計検定2級申込み、受験勉強
  • 2022/03/13: 統計検定2級受験。56 点で不合格 😢
  • 2022/04~07: 基本的には大学院の受験勉強
  • 2022/07~09: 大学院の受験をしつつ隙間時間で統計検定準 1 級の受験勉強。
  • 2022/09/24: 準1級受験。77 点で合格 😆
    同時に統計検定 1 級の受験を申し込む
  • 2022/11/22:1級受験。
  • 2022/12/19: web 合格発表。統計数理不合格判定 😭

統計検定とは

まず統計検定とは、日本統計学会公式認定・総務省後援・文部科学省後援・経済産業省後援・内閣府後援・厚生労働省後援の、統計学の上手さを測る検定です。

1 級(だけ)は、「統計数理」と「統計応用」の 2 部門から構成されており、1つずつの合格も可能です。受験料は各 6000 円、同時受験は 10000 円となっています。

合格すると「部署やラボに1人いれば助かる統計の専門家」みたいな印象を得られるそうです。大人ウケも結構いいと聞きます。

求められる統計知識の範囲でいえば、実は統計準1級の方が広いです。あれは広く浅くこの世のすべてを知ることが求められる試験で、1級は理論の方により重きを置き積分と結果の解釈をスピーディに行うことが求められる試験です(本当はこの世のすべてを知る必要はないので、統計1級の方が難しいです)。

正直、別の検定試験と言ってよい程です。ただし、準1級に合格しておくと1級がかなり楽になることは確かなので、先に準1級をとっておくことは強く推奨します。

https://i5882353i.hatenablog.com/entry/2022/12/20/045705

統計検定受験のモチベーション

統計学の勉強を続けてきて、何か今までの学習の成果のようなものが欲しくて受験しました。
これから先データサイエンティストになりたいという強い想いがあって、それを見越して受験したわけではありません。
単にチヤホヤされたくて受験しました。

知識的なバックグラウンド

高校生の頃は理系だったので数 Ⅲ まで履修済みであり、微分積分に関する基本的な知識、そして確率や組み合わせの基本的な知識を備えています。
大学の授業で微分積分学や線形代数学、数理統計学を履修しました。数理統計学においては各種検定や基本的な分布関数の知識を学びました。

学部3年の頃、大学院の受験勉強も兼ねて、線型代数入門を読みました。大学の授業で線形代数を学習している頃は、正直に言ってかなり苦手意識があったし、成績もそこまで良くなかったのですが、この本を通してかなり理解が深まりました。今では線形代数が好きです!

また、線型代数入門を読んだのちに現代数理統計学を読みました。
大学の授業ではかなり理論的な部分や定理の導出が端折られていたのですが、この竹村先生の現代数理統計学でその部分を補完しました。
この本を読むにあたって線形代数の知識が必要になるので、事前に線型代数入門を読んでおいて正解でした。これから現代数理統計学を読む方も、線形代数に関する知識を盤石にすることをオススメします。

勉強方法

基本的には 受験勉強前から既にある知識 をベースに、過去問を周回して傾向を掴むという方法で進めました。

2級

  • 勉強期間は約 1 週間です。
    • 勉強時間は一日につき約3時間で、ほとんど過去問オンリーで進めました。

利用した本

  • 統計検定2級公式問題集
    安心安全の公式出版。しかし解説が簡潔すぎてあまり理解できない箇所もあります。

利用したサイト

  • 統計 Web
    2級までの範囲の内容が簡潔にまとまってます。はじめて知った内容についてはこちらのサイトで学習しました。
  • 統計 Web 過去問
    上記サイト内の2級の過去問の解説ブログです。上記の公式問題集の解説で分からないところがあれば、このサイトというフローで学習を進めました。

準1級

  • 勉強期間は約 2 ヶ月です。
    • 一度2級に落ちてから受験だったので、入念に対策しています。
    • 試験一週間より前は、大学院受験期間と重なっていたためあまり時間が取れない中で、統計学実践ワークブックをゆっくりと進めていました。勉強時間は一日につき約 1 時間程度でした。
    • 試験一週間前からは過去問をがっつり進めました。勉強時間は一日につき4~5 時間とっていました。

利用した本

  • 統計検定準 1 級公式問題集
    2級と同様です。
  • 統計学実践ワークブック
    準1級の広大な出題範囲を一通り抑えているすごい本です。しかし、その広大すぎる範囲の代償として一つ一つの単元が薄くなっており、定理の導出などを丁寧に行なっているわけではないです。なので、この本から新たな知識や概念を得て、他の本やサイトでそれを深掘りするのが吉だと思われます。個人的には現代数理統計学がかなりその役割を担ってくれたように感じます。

利用したサイト

  • 個人ブログ
    統計検定 2 級に落ちた後、リベンジとして準 1 級に受かってやると意気込み、初めに参考にしたサイトです。
    この記事が私の勉強方針の指針となりました。
  • 高校数学の美しい物語
    このサイトのアクチュアリーのカテゴリの記事は、統計検定の対策としても使えるものが多いです。

1級

  • 勉強期間は約 2 ヶ月です。
    • 現代数理統計学のおかげで、統計数理の範囲は既に抑えていると考えていたので、ずっと過去問を回していました。
    • 統計応用の範囲を抑えている自信はありませんでしたが、ググっても対策があまり分からなかったので、ほとんど理工学の過去問を回していました。一応、実験計画法に特化した専門書も用意しましたが、そこまで読み進めませんでした。

利用した本

  • 統計検定準 1 級公式問題集
    上記と同様です。2016~2019 年度分の計 4 年度分を2周しました。

  • 品質管理のための実験計画法テキスト
    ここ数年の傾向として、統計数理の理工学では実験計画法がかなり頻出でしたので、こちらの本で対策しようと考えました。
    しかし、自分にとって興味のある単元ではなく、やる気があまり出なかったため、そこまで読み進ませんでした。

利用したサイト

  • 公式サイト
    2021 年度(昨年度分)の過去問題が掲載されています。私は2回解きました。
  • 個人ブログ
    統計検定 1 級の過去問を解説しているブログです。式変形が丁寧で非常に分かりやすかったので、公式問題集の理解しづらい解説の代わりにこちらを参考にしました。

合格の要因

準 1 級

統計検定2級に落ちた後で、かなり入念に準備をしたのが勝因だと考えています。
また、合格体験記がたくさんあったため、あまり勉強方法に関して迷わず進められたのもよかったポイントの一つかなと考えられます。

不合格の要因

2級

正直に言って統計検定2級の試験を舐めてかかりました。醜い言い訳ですが、前日友人と飲んでほぼ徹夜のまま受験しました。56 点ということは、つまりあと一問でも解けていたならば合格だったと考えると、かなり悔しいです。。

1 級

私は試験当日に統計数理の問 ①、②、③ を選び、統計応用:理工学の問 ②、③、④ を選択しました。
現時点(2022/12/28)では詳細レポートが返ってきていませんので、詳しい敗因はわかりません。
ただ時間内に解く練習が足りないこと、そして特に統計応用に関しては筋の良い勉強法を見つけられなかったことも一つの原因だと考えています。(今年は特に統計応用:理工学の難易度が高く、試験後に Twitter のタイムラインが荒れていました笑)

さいごに

今年初めの3月、統計検定2級に落ちてしまい非常に悔しい思いをしましたが、準1級で飛び級リベンジを達成できてよかったです。
その後自分の実力を信じて 1 級の受験を申し込みましたが、結果は思ったようなものではありませんでした。しかし、限られた時間の中で自分の最大限はぶつけられたと思っています。試験当日緊張してしまったことはさておき、悔いはありません!
結果はどうあれ、自分にとって今年一年は充実したものとなりました。種々の統計検定を通して、私の統計の知識はすごく深まったように感じます。

最後まで読んでくださりありがとうございます。
この記事が誰かの役に立てば幸いです。
そして 2023 年度の1級試験を受ける方は一緒に頑張りましょう!

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