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プライバシーファーストな画像結合ツール「Merge JPG」を作りました

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プライバシーファーストな画像結合ツール「Merge JPG」を作りました

はじめに

こんにちは!今回は、ブラウザ上で完全にクライアントサイド処理を行う画像結合ツール Merge JPG を開発したので、その技術的な詳細と開発背景について書きたいと思います。

開発の背景

既存の画像編集ツールの多くは、画像をサーバーにアップロードして処理を行います。しかし、これには以下のような問題があります:

  • 機密文書や個人的な写真がサーバーに送信される
  • データの保存・処理過程が不透明
  • アカウント登録が必要なケースが多い
  • アップロード時間がファイルサイズに依存する

これらの課題を解決するため、完全にクライアントサイドで動作する画像結合ツールを開発しました。

技術仕様

アーキテクチャ

  • フロントエンド: Next.js 15 + TypeScript
  • スタイリング: Tailwind CSS + Shadcn UI
  • 画像処理: HTML5 Canvas API
  • パフォーマンス最適化: WebWorkers活用
  • 国際化: next-intl(日本語・英語・中国語対応)

核となる技術的特徴

1. 完全クライアントサイド処理

// 画像処理の核心部分(概念的なコード)
const mergeImages = async (imageFiles: File[]): Promise<Blob> => {
  const canvas = document.createElement('canvas');
  const ctx = canvas.getContext('2d');
  
  // すべての処理がブラウザ内で完結
  for (const file of imageFiles) {
    const img = await loadImage(file);
    // Canvas APIを使用した画像結合処理
    ctx.drawImage(img, x, y, width, height);
  }
  
  return canvas.toBlob();
};

2. メモリ効率的な大量画像処理

  • 50枚以上の画像でもパフォーマンス低下なし
  • プログレッシブローディングによる最適化
  • インテリジェントなメモリ管理

3. 多様な出力形式

  • JPG、PNG、PDF形式での出力
  • オリジナル解像度の維持
  • 最適化された圧縮アルゴリズム

主要機能

レイアウトオプション

  • 水平結合: 画像を横方向に配置
  • 垂直結合: 画像を縦方向に配置
  • カスタムスペーシング: 画像間の間隔調整
  • ボーダー設定: 境界線の追加

プライバシー保護

  • サーバーアップロード一切なし
  • アカウント登録不要
  • データ収集なし
  • 完全無料(透かしなし)

実用的なユースケース

ビジネス用途

  • 税理士: スキャンした税務書類のPDF結合
  • 不動産業: 物件写真のショーケース作成
  • 小規模事業主: レシート写真の経費レポート作成

個人・学術用途

  • 学生: 研究用スクリーンショットの文書化
  • SNS管理者: ビフォーアフター比較画像の作成
  • デジタルアーティスト: コンセプトスケッチのムードボード作成

技術的な工夫点

1. パフォーマンス最適化

// WebWorkerを活用した重い処理の非同期化
const processImagesInWorker = async (images: ImageData[]) => {
  const worker = new Worker('/image-processor-worker.js');
  return new Promise((resolve) => {
    worker.postMessage({ images });
    worker.onmessage = (e) => resolve(e.data);
  });
};

2. 国際化対応

// next-intlを使用した多言語対応
import { useTranslations } from 'next-intl';

const HomePage = () => {
  const t = useTranslations('HomePage');
  return <h1>{t('title')}</h1>;
};

3. レスポンシブデザイン

  • モバイルファーストアプローチ
  • タッチデバイス最適化
  • クロスプラットフォーム互換性

開発チャレンジと解決策

メモリ管理の課題

大量の画像を扱う際のメモリリーク防止のため、以下の対策を実装:

  • Canvas要素の適切な破棄
  • 画像オブジェクトの明示的なメモリ解放
  • プログレッシブロード方式の採用

ブラウザ互換性

  • 最新のCanvas API機能の段階的適用
  • フォールバック機能の実装
  • パフォーマンステストの自動化

まとめ

Merge JPGは、プライバシーを犠牲にすることなく、プロフェッショナルな画像結合機能を提供するツールです。完全なクライアントサイド処理により、ユーザーのデータは確実に保護され、同時に高いパフォーマンスを実現しています。

今後の展開

  • WebAssembly導入によるさらなる高速化
  • より多くの画像形式への対応
  • AI機能の統合検討

ぜひ一度試してみてください:mergejpg

技術スタック詳細

  • フレームワーク: Next.js 15 (App Router)
  • 言語: TypeScript
  • スタイリング: Tailwind CSS
  • UIコンポーネント: Shadcn UI
  • データベース: PostgreSQL + Drizzle ORM
  • 認証: NextAuth.js
  • 決済: Stripe統合
  • デプロイ: Vercel

何か質問があれば、お気軽にコメントください!技術的な詳細についても喜んでお答えします。

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