3ヶ月でLPIC level-2を取得した振り返り
概要
LPIC level-2を取得したので、全体の総括や個々の試験対策について書いていきます。
総括
私はインフラエンジニア(クラウド)としての業務が20%、バックエンドエンジニアとしての業務が60%ですが、今回の勉強は非常に有益でした。
Linuxの基礎に加えて、ネットワーク、暗号化、メモリ管理、デバイスの使用方法なども学ぶことができました。
クラウドエンジニアとして、ほとんどのクラウド環境でLinuxが使用されているため、業務に直結する知識が得られましたし、バックエンドエンジニアとしても開発環境のトラブルに対処する際に役立ちます。
合計で80時間程度かけたと思いますが、非常に価値のある資格取得だったと思っています。
資格取得のモチベーション
私は情報工学を専攻しておらず、エンジニアとして新卒での経験もないため、体系的な基礎知識に弱点がありました。しかし、技術本で「土台があるから経験が応用できる」という言葉に深く共感し、基礎をしっかり学びたいと思いました。生成系AIでほとんどのことを調べられるという意見もありますが、私自身は他の人と差をつけるためには、生成系AIでも回答できない状況を理解し、質問すら思いつかないような問題に対処できる基礎力が重要だと考えています。
今回の勉強を通じて、Linux自体の知識はもちろん、ネットワークや暗号化、メモリ管理、デバイスの使い方などの基礎も学べました。試験のために暗記することも多かったですが(特にLevel-1)、資格勉強をしなければここまで時間をかけて学ばなかったと思うので、結果的に良かったと思います。
資格取得の効果
勉強前は業務でLinux環境を使用していたものの、その理屈を理解していませんでしたが、勉強することで以下のメリットを得られました。
- 開発環境関連でのトラブルシュートの時仮説を立てられるので、対症療法でなく根本解決法を考えられる。またその知識が蓄積できる。
- リソース管理を行なって適切に定期ジョブや開発プログラムを回せる。
- インフラエンジニアの人と共通言語で会話ができる。
- 裏で動いているであろう仕組みが想像できるので、楽しい。
あとは履歴書が充実する効果も期待しています。
勉強期間
対象試験 | 期間 | 総勉強時間(体感) | 試験スコア | 合格スコア |
---|---|---|---|---|
101 | 4/27~5/2 | 10時間 | 720/800 | 500 |
102 | 5/3~5/9 | 10時間 | 620/800 | 500 |
201 | 5/18~6/24 | 30時間 | 500/800 | 500 |
202 | 6/25~7/16 | 30時間 | 680/500 | 500 |
一応業務でlinuxに触れていたり、AWS資格を取得していたりするので、ゼロから勉強する場合は上記より時間がかかると思います。AWSの勉強をしていたことで、類似の概念を理解しやすかったです。
level1はゴールデンウィーク中に取得したかったので密度かなり詰め込んで、実働2日の1日5時間くらい勉強しました(結局間に合いませんでしたが)。level2は序盤30分〜1時間ずつゆっくりやって、最後の週の休日に3時間くらいかけて仕上げるようにしてました。
効率はlevel1の勉強方法が良かったと思いますが、急ぎすぎると試験受かるためだけの勉強に行きがちなので、level2の勉強方法が満足度は高かったです。
勉強方法の概要
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基本あずき本を読んで、ping-t解いて、あずき本の模擬試験で理解度確認です。
理解度十分ならそのまま受験して、不十分なら対策を打つという感じでやっていました。
101
- あずき本を一通り読む(1時間くらいでサラッと)
- ping-tで問題を全て解く(101は無料)
- 全問題1回正答するまで繰り返す
- あずき本の模擬試験で最終確認
とにかくping-tを解いてコマンドオプションや関連用語を覚えまくります。
かなりの時間暗記ゲーにはなりますが、コマンドをたくさん学べたり、できることが増えるので結構楽しいです。
地味にsysvinitとsystemdの違いや役割、ファイルシステムの概要も新鮮でした。
ただ、この時点ではコマンド以外の分野は理解が浅かったです。201あたりで解像度が上がってきました。
102
- あずき本を一通り読む(1時間くらいでサラッと)
- ping-tで問題を全て解く。解けなかった問題はあずき本で振り返る。
- 全問題1回正答するまで繰り返す
- あずき本の模擬試験で最終確認
101はこんなもん暗記やろと思うものが多いんですが、102は理解すれば繋がっていく感覚があったので、ping-tで解けなかった問題はあずき本で振り返るようにしていました。
暗記ゲーが少なくなった分、初見の正答率は上がってたので、総合の勉強時間は同じくらいかと思います。
201
- あずき本を読みながら、ノートに雑にまとめていき、理解をまとめる(3時間くらいかかった)
- ping-tで問題を全て解く。解けなかった問題はあずき本で振り返る。
- 全問題1回正答するまで繰り返す
- あずき本の模擬試験で最終確認
- 理解不十分だったので、コマ問(ping-tの補助教材)を可能なだけ実施。ping-tの問題集も模擬試験を解き直しまくる
level-1は整理が雑な暗記でも覚えられるのですが、201では一連のフローに対する問題や関連する項目が多く、図にして覚える必要が出てきました。
いうてもping-tの問題全部解いてたし大丈夫と思って、前日に模擬試験受けたら半分程度の正解率で、焦って復習しまくったのを思い出します。
試験自体は余裕もって合格くらいの手応えあったのですが、合格点ピッタリで冷や汗をかきました。
202
- あずき本を読みながら、drawioに簡単に図で理解をまとめる(5時間くらいかかった)
- ping-tで問題を全て解く。解けなかった問題はあずき本で振り返り、drawioにまとめ直す
- 全問題1回正答するまで繰り返す
- あずき本の模擬試験で最終確認
201の経験をもとに、より図で理解することにフォーカスしてdrawioを使い始めました。
当初は復習の時にパッと見て理解できるようにと思ってましたが、そういった使い方はできなかった(ある程度理解が済んだら、図だけ見ても状態になりました)ので、効果のほどは分かりません。
ただ、201と体感同じ勉強時間で、だいぶ余裕を持って合格できたので、良い方法だったのかもしれません。
設定ファイル系の問題がとにかく多いんですが、図にまとめておくと、今ここのことを勉強しているんだなと現在地把握できるのが良かったです。
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