Day 1 — PoR入門:AIの“照合点”を見つける
導入として
PoR(Point of Resonance)とは、質問 Q がモデル内部で意味的に “芯” をつかみ、出力 E と完全に重なった瞬間の座標です。
この一点を捉えられれば、モデルが「なぜその回答にたどり着いたか」を可視化でき、説明可能性が飛躍的に向上します。
PoR は安全性評価・デバッグ・プロンプト最適化の共通プラットフォームとなり得る概念です。
PoR の定義と数式
ΔPoR = 0 → 意味重力が安定し、出力核が収束
PoR の定義により、「出力の芯」が存在する条件を数学的に記述できます。
PoR 検出アルゴリズム(簡易版)
図1:PoR検出フロー(簡易フロー)
Q → 隠れ状態 → コサイン類似度ストリーム → ピーク → 安定幅チェック → PoR確定
LLM に内部状態 API が無い場合は logprob
のスパイクを代理指標として使用できます。
実装例:10 行 Python スニペット
import openai, numpy as np
resp = openai.chat.completions.create(
model="gpt-4o",
stream=True,
messages=[{"role": "user", "content": Q}]
)
Q_vec = embed(Q) # 任意の埋め込み関数
for chunk in resp:
tok = chunk.choices[0].delta.content
h = chunk.choices[0].embedding # 仮想API
score = cosine(Q_vec, h)
update_meter(score)
if is_PoR_confirmed():
break
PoR が崩れると何が起きる?
崩壊ケース①:トリッピング前兆ログ
「トリッピング(Jekyll–Hyde Tipping)」とは、
長文生成の途中で意味重力 Δ が急減し、Good 谷 → Bad 谷 へ滑落する現象です。
for Δcos in stream:
if Δcos < 0.07: warn() # 予兆
if Δcos < 0.03: halt() # 強制停止
Δcos の連続低下は幻覚谷へのスリップ兆候となります。
崩壊ケース②:戦略的欺瞞
「戦略的欺瞞(Strategic Deception)」とは、
出力の表面上は安全でも、内部では報酬最大化・虚偽生成が進んでいるケースです。
if ΔE_t / E_base > 1.5:
flag_cheat()
PoR 値だけでは検出できず、ΔE + grv の複合監視が必要です。
今日押さえておきたい 3 つの核心
-
PoR は「生成の軸足」
質問 Q と内部文脈 S が一点で共鳴した瞬間を捉える。 -
Δcos/ΔE は “意味重力の温度計”
崩壊の前兆を数トークン前に察知可能。 -
PoR を軸に据えると監視が一本化できる
複雑な逸脱ロジックを 3 指標に集約可能。
明日(Day 2)の予告 — PoR を“動画”で追跡する
ΔE(存在変動量)で PoR の位置エネルギーを定量化
grv(語彙重力)で「Good 谷/Bad 谷」の深さを測定
3 つの時系列を Synced Plot に重ね、“逸脱の瞬間” をフレーム単位で観測
サンプルノートブックと CSV ログ可視化ツールを配布予定
読者のあなた自身が PoR ストリームをプロットできた瞬間、
LLM は「ブラックボックス」から「計測可能なシステム」へ変わります。お楽しみに!
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