List-Unsubscribeを使ったメーリングリストのワンクリック登録解除
最近Googleの「メール送信者のガイドライン」の対応に追われています。
この中の「1日5,000件以上のメールを送信する場合の要件」に、ワンクリックでの登録解除に対応するよう書かれていますが、List-Unsubscribe
というヘッダーの話が書かれていて理解できなかったので整理しました。実装方法については触れません。
メールクライアントが提供する「登録解除」ボタンのインターフェイス
メール本文に登録解除用のURLを記載してクリックさせるのではなく、 Gmail や Microsoft Outlook などのメールクライアントが提供する「登録解除」等のボタンを介して登録解除できるように対応しましょう、ということのようでした。
以下2つのヘッダーを設定することで実現できるようです。
- List-Unsubscribe
- ユーザがメーリングリストから登録解除するためのURLを含む
- URLのパスやクエリストリングで、登録解除の対象ユーザを識別するための情報を含める
- List-Unsubscribe-Post
- メールクライアントが
List-Unsubscribe
に記載したURLにPOSTリクエストで登録解除することを示す
- メールクライアントが
多くのメールクライアントは、上記のヘッダーを含むメールを表示するとき、自動的に「登録解除」ボタンを生成します。受信者がこのボタンをクリックすると、メールクライアントがList-Unsubscribe
に記載された登録解除用のURLにHTTPリクエストを送信し、メーリングリストを登録解除するという仕組みのようです。
ガイドラインに従わないとどうなるのか
日本には「特電法」と「特商法」という2つの広告メール関連の法律があるらしいです。
List-Unsubscribe
を使えとまでは書かれてなさそうです。したがって、法律上は問題ないが、対応しないとGmailアカウントへのメール配信が今後は制限される可能性がある、という状況のようです。
ちなみに、法律上は次のような規制があるようでした。
- 承諾した相手以外にメールを送ってはいけない(オプトイン)
- オプトインを証明する記録を残さなければならない
- 受信を拒否した相手に送信してはいけない
- 送信者の情報(氏名、会社名、配信停止リンク)を表示しなければならない
List-Unsubscribe
を使うと何が良いのか
送信者、受信者それぞれにメリットがあります。
送信者にとってのメリット
- スパム報告の減少
- 到達率の改善
- レピュテーションリスクの減少
- ブランドの信頼性向上
- エンゲージメントの向上
- メーリングリストの質の向上
受信者にとってのメリット
- 利便性の向上
- 購読解除の方法を調べる必要がない
- 不要なメール配信を停止して受信トレイを管理しやすくなる
- 安全性の向上
- フィッシングや詐欺のリンクを誤ってクリックするリスクが減らせる
まとめ
メールを受け取る側として、ワンクリックで配信停止ができるのは嬉しいです。これまで、メール配信を止める方法がわからなかったり、停止するにはパスワードをリセットしなければならなかったりとイライラしていたのですが、メールの「登録解除」をクリックするだけで解除できるようになるなら便利だと思いました。
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