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シグモイド関数は何故あの形なのか?

2023/07/27に公開

以下の形の関数をシグモイド関数と呼びます。

このシグモイド関数は何故こんな形をしているのでしょうか?

数式から考えてみましょう。
シグモイド関数は
y = \dfrac{1}{1+e^{-x}}
という式で表されます。

一見難しく見えますが、1つずつ紐解いていきます。

{e^{-x}}

まずは{e^{-x}}です。
これは{e^{-x}}=\dfrac{1}{e^{x}}と変形でき、グラフは以下のようになります。

\dfrac{1}{e^{x}}なので、xが大きくなるとその値は0に収束し、xが負の値になると
\dfrac{1}{e^{-x}} = {e^{x}}
なのでxが負の方向に大きくなるとその値は指数的に増加します。

\dfrac{1}{e^{-x}}

次に\dfrac{1}{e^{-x}}を考えます。これは先ほどと真逆のことが起きます。
つまり
・xが正の時、その値は\dfrac{1}{e^{-x}}={e^{x}} →指数的に増加
・xが負の時、その値は\dfrac{1}{e^{x}} →指数的に減少(0に収束)

よって以下のようになります。

\dfrac{1}{1+e^{-x}}

そして最後にシグモイド関数\dfrac{1}{1+e^{-x}}です。
先ほどと同じように、xが正の時と負の時に分けて考えてみましょう。

・xが正の時、その値は\dfrac{1}{1+e^{-x}} →{e^{-x}}が0に近づく →1に収束
・xが負の時、その値は\dfrac{1}{1+e^{x}} →{e^{x}}が∞に近づく →0に収束

従って以下のようになります。

ここで、それぞれの値に収束する速度は、{e^{-x}}のグラフと連動します。
上記{e^{-x}}の青いグラフを見るとわかるように、x軸の値が3の時、y軸がほぼ0に収束しています。
これはシグモイド関数でも同じで、x軸が3の時にシグモイド関数は1に収束します。

つまり{e^{-x}}のグラフが0に収束するタイミングで、シグモイド関数も一定値に収束します。
ここで、例えば\dfrac{1}{1+e^{-2x}}とすると、e^{-2x}e^{-x}に比べて早く収束するので、シグモイド関数の収束も早くなります(つまり傾きが急になります)。

\dfrac{1}{1+e^{-2x}}

x=2のあたりでシグモイドが関数が1に収束していることが分かると思います。

まとめ

sigmoid関数は、{e^{-x}}の収束のタイミングで0や1に収束します。
そのため、xの係数を変更することで、シグモイド関数の収束速度を変化させることが可能です。
※xの係数が大きいほど早く収束します。

今回は式からシグモイド関数の形について考えてみました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!

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