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React Native 書籍の一部一般公開について

2023/05/17に公開

はじめに

この度、React Native ~JavaScriptによるiOS/Androidアプリ開発の実践 という商業誌の一部を公開させていただく運びとなりました🙇🙇🙇 (こちら)

これに際して、『一般公開の経緯について』書かせていただきたいたいと思います。
なかなかない機会なので『執筆の経緯』や『商業誌を執筆した経験について』など、今後商業誌を書きたいと思う方へ向けて参考になればと思い・・・また、多くの方へ商業誌を書いてみたいと思っていただけるように・・・誠に勝手ながら思いの方も書かせていただけたらと思っております🙇🙇

かしこまった話ではあるのですが、気軽に読んでいただきたい気持ちがあるためカジュアルな文面になっておりますのでご了承くださいませ。

最後に・・・

お買い上げくださった皆様方。。。本当にありがとうございました!!😭
非常に多くの良いお声をいただき、我々一同、非常に嬉しく思っております。
この度、誠に勝手ながら公開をさせていただく運びとなりましたが、何卒ご容赦いただけますと幸いです。

一般公開の経緯について

時の流れは早いもので、この本を出版したのは2020年の5月30日と今から遡ること約3年前の出来事です。当時はコロナウイルスによる様々な影響があり、出版予定から約一ヶ月を過ぎてから出版がされました。そのため2023年の4月末をもって出版契約の有効期限の更新日がやってきました。

そこで同著者である やぬすさんの提案、にたさんの同意により、『契約を解除し一般公開をする』という決断をすることになりました。この件に関しては出版元である技術評論社様にも相談をさせていただき、わがままを了承をいただきました。
この場を借りて、深くお礼申し上げます

なぜ公開することにしたのか??

大きな理由としては2点あります。
一つは『技術書であるため、3年もの歳月の経過により内容がかなり陳腐化してしまっため、現在お勧めし難く、流通を取り止めたい』ということと、
執筆の目的はReact Nativeの普及促進であること』という二点です。

そのため、一部に絞り、公開させていただくこととしました。

なぜ一部なのか・・・??

技術の進歩は非常に目覚ましいもので、その一方非常に残酷なもので・・・・
執筆当時から、3年前で更新が止まっているコードベースが現代においてどのようになっているのか・・・というと

  • react-navigation v5が出たばっかりだったのに現代では7系が準備されていたり
  • 素のreduxが全盛期でtool-kitやrecoilなどの面々はまだ実践投入するには尖り過ぎている時代だったり
  • TypeScriptが3系だったのが現代では5系になっていたり

などなど・・・・
コードが絡んできたりするような箇所は軒並みアップデートしなければならず現段階においても通用する箇所のみの公開ということで一部公開となりました。

公開していない部分については、どうなるかは未定ではありますが、現在においてはお蔵入りをさせる予定でいます。

執筆の経緯について

本記事も折角の機会ですので、経緯や執筆について書かせてください。

執筆の発端はReact Native Japanというコミュニティをしていたところ、当時の代表者に担当者の方から執筆の依頼が来たことが発端になります。

その後、技術評論社本社へ足を運ばせていただき、こんな編集社ってこんな感じなんだ・・・!!と緊張しながらお話をお伺いさせていただいた記憶があります。

当時はまだまだReact Native関連の書籍がほとんど流通しておらず、React Native関連の書籍を出版したいとのことでした。

本のレベル感や対象者については、僕らの方で設定させていただくことになり、
現場でしっかりと使っているエンジニアが提供する
僕らの目的はReact Nativeの普及促進である
ということから、『入門書ではなく現場でしっかりと使える実践的な内容』という書籍にし、『React Nativeを実戦投入してもらう機会を増やす』という目的をかかげました。

こうして執筆が開始されるのですが・・・・一度ある程度書き終えるものの・・・内部で色々あったり・・・・体を壊したり・・・・・などなどの事情が重なり、実は一度、執筆が頓挫しかけてしました・・・・(この件については本当に申し訳ございませんでした。)

その後、執筆を再始動させ、やぬすさんのマネジメントの元、無事に今日に至ることができました🙌

商業誌執筆の経験について

良かった点

同人誌は出版しているものの商業誌については初めてのことで非常に勉強になりました。

ここで対比的にそれぞれについて述べると、同人誌は、内容・ページ量・レイアウトなどなど、自分が執筆者が全ての裁量を持ってできる反面、自分で全てをなんとかしなければなりません。

これに対して、商業誌では、さすが出版社!ということもあって、図やレイアウトに関してはとても手厚いサポートを受けることができます(一部の図については、身内デザイナーに手伝っていただきました)。また、表現方法や構成などについてもしっかりと添削をしていただけます。

特に違いを感じたので添削(レビュー)で、同人誌においてエンジニア同士で添削するとしたら、github作ってレビューする感じになる・・・つまりテキストベースでの添削が行われるかと思うんですが、出版社とのやり取りでは添削結果がPDFつまり書籍としてのレイアウトになった状態にて帰ってくるという点です。

もちろん指摘内容をそのまま文章に活かすことができなかったりと、テキストベースのみのレビューと比べると大変なことはあるのですが、これによって『書籍のページとして、内容だけでなくレイアウトも見える』ため、例えば、段落的に空いた箇所に関連のあるtipsなどを入れるなど書籍としてより読みやすいものを作ることができ、まさに『本という一つの作品』を作っているのだと再認識させられました。
こういった裏側を知ることができたのは非常に価値のある体験でした。

大変だった点

反対にしんどかったこととしては、やはりボリューム感と書きたいことのバランスです。

本を書くとなると、ましてや技術書を書くとなるとやはり詳しく書きたくなるのが性。
そうするととんでもないボリュームになってしまうこともしばしばあると思います。

同人誌の場合は、こういったケースにおいて内容が山盛りになりすぎたりしそうな時/した時 は、特定の内容に絞って深堀りするということや巻を分けて書くということができます。

これに対して、商業誌ではしっかりと市場のニーズにあったテーマである必要があり、著者としても続編を書けることが約束されているわけではないため、そういった方法を取ることができません。
そのため、著者としては一球入魂ならぬ一冊入魂スタイルで一冊に読者に向けた思いをまとめる必要があります。

となると、やはり難しいのが『内容の厳選』です。
僕らもこれに関してはかなり悩みました。それぞれ担当を分けて書いていたのですが、本のボリュームがとんでもないことになってしまったため、何度か会議を開き、『誰に何を提供したいのか?』を改めて考え、厳選に厳選を重ね、最終的に現在の項目まで絞りこみました。

ここが本当に大変だったポイントで、内容に直結し、市場の反応やレビューなどにダイレクトに現れる部分なので、実際の反響を見て『成功した』と思うところもあれば『失敗した』と思うこともあるポイントでした。

成功した』と思ったポイントについては、全般的な内容に触れたため、概要を知るのに良かったとの声や、設計のところについてはきっかけになったというコメントです。

失敗した』と思ったポイントについては、それぞれの内容が薄いとのコメントをいただいたことです。
ここについては得たものが多ったため少し多めに書かせてください。
我々としては『入門書ではなく現場でしっかりと使える実践的な内容』、『React Nativeを実戦投入してもらう機会を増やす』という主軸があったため、実践的なことを網羅的に紹介するという厳選方針を取りました。
その結果、React, React Native, JavaScript, TypeScript, 設計, Redux, ユニットテスト, E2Eテスト... etc と幅広く実践で使われるものを網羅する代償に内容は控えめにすることになりました。
この点については、全てを紹介するのではなく、何項目かは言及するのみに留め、その分どこかの項目を厚くするというのでも良かったのかもしれません。また、技術を広く取り扱ったことは技術のアップデートに弱くなってしまうという弱点にもなってしまいました。

今でも『ああしていれば良かったかな・・・、でもそうすると今度は・・・』などとこの時のことを反省することがあります。それくらい自分の中では難しいと感じたポイントでした。
それと同時にもし次の機会があるのであれば、しっかりとこの反省点を生かしたいと思っています。

商業誌執筆のメリット

大手ECや書店本が並ぶことになります!!!!!
つまり、非常に多くの方に読んでいただけます!!そして、実際に本屋で自分の本が並んでいるというところを見ることができます!!(また、お世話になった方や両親に向けて本を贈るということもできとても良い経験もできました)

実際に、本を手に取っていただけて本買ってくださるというのは、非常に嬉しいものがありました

またそれとは別に、キャリアとして非常に良い武器になりました。
この点は本当に非常によく、直接お仕事をいただく機会も増え転職の際も有利に働き・・・・などなど、日々忙しく過ごさせていただけるほどさまざまな機会をいただくことができました

商業誌執筆のデメリット

皆さんもすでにお察しの通り、書いた後のデメリットはありません!!

唯一のデメリットはお察しの通り『執筆のしんどさ』ですね・・・・。ここは同人誌と全く同じです。

ライブラリのアップデートやら、ブレイクスルーの登場やら、なんやらで、技術書はゆっくり書いていていいものではありません。そのため、本誌のような分量が多い本を書くのは非常に大変で、残念ながら執筆中にメジャーアップデートにお見舞いされたので、対応を余儀なくされました・・・😱

この経験を経て『分厚い本を一人で書かれている方、本当にすごい・・・!!』と改めて感じました。

終わりに

今回執筆にあたり、本当に多くの方のサポートにより書き上げることができました。この場を借りて、改めてお礼を言わせてください。本当にありがとうございました!!
ご購入いただいたみなさま、ご活用いただいたみなさま、フィードバックをいただいたみなさま、本当にありがとうございました!!
本書をきっかけに導入をしていただけた事例があったら僕らとしてはこの上ない幸福でございます。この度、本書は寿命を迎えることとなるのですが、本書をきっかけにReact Nativeをつかったプロダクトという形で現世に残り続けてくれたら、著者冥利に尽きます。

最後に、技術評論社様、この度は執筆というまたとない機会だけでなく、一般公開をさせてくださり本当にありがとうございました。また、機会があればぜひ書かせていただけましたらと思いますので何卒お願いいたします!!

そして・・・僕の執筆の経緯は本当に『ご縁』でしかないのですが・・・これから商業誌を書いてみたいという方がいらっしゃったら企画の持ち込みという方法もありますのでぜひ検討をしてみてください!!

ここまでお読みくださり本当にありがとうございました!!

最後に個人的な感想を・・・

本書は、僕にとってとても思い出深い書となりました。というのも、(僕の中での)師弟三代で書き上げることができた本だからです。

やぬすさん はいわば僕の師匠に当たるお方で、2016年ごろ新人でコード書く仕事をしておらず悶々とした気持ちを、『Qiitaに書くのは怖いから(当時はマサカリが横行してました)』という理由で個人ブログでアウトプットしていたところ、それを見つけてくださり本当にありがとうございました!!!
これをきっかけに、お食事に誘ってくださり、gitの使い方も知らない僕に色々なことを教えてくださり、お仕事もくださり、コミュニティーにも誘ってくださり本当にありがとうございました!!
この出会いがなければ、僕はもっともっと埋もれていた、悶々とした日々を送り続けていたかもしれません。

にたさん は僕が師匠(上司)に当たるパターンで、日々仕事に追われる毎日を共に乗り越えた仲間でもあります。初めてあった時は、まだ始めたてということもあり、そこまでweb界隈に関する知識はなかったものの、キャッチアップの能力は素晴らしいものがあり、いきなり大きな仕事(それこそSwiftアプリのReact Naive化)をぶん投げるという僕の無茶振りにもしっかりとついてきてくれました。そして、お恥ずかしいながら管理職なのに全く管理できない僕のことをサポートしてくれて本当にありがとう笑
そして、今も最前線を活躍し、興味のあること、今の流行りに器用に乗り、何にかけてもキャッチアップと発信の能力に優れた人物として活躍をしていて本当にすごいと心から思っております。そして、今も良き友人としていてくれて、ありがとう!!

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