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Azure DevOps Marketplaceランキング(2025)

2025/01/01に公開

0. はじめに

明けましておめでとうございます。

2024年末時点で、Azure DevOps には2,500件以上もの拡張機能が公開されています。
これらの拡張機能をうまく活用することで、Azure DevOps(以下 AzDO と略)をより効率的に使うことができます。
この記事では、AzDO の拡張機能のうち「Installs(インストール数)」が多いものを、カテゴリ別に5件ずつピックアップしてみました。


1. Azure Boards ランキング

Title Publisher Installs Released on Last updated
Azure DevOps Open in Excel Microsoft DevLabs 272,406 2016/10/29 8:54:05 2019/4/10 2:41:28
SARIF SAST Scans Tab Microsoft DevLabs 201,105 2020/9/30 6:17:40 2024/11/28 22:55:39
Delivery Plans Microsoft 81,540 2017/1/21 11:20:53 2024/11/22 5:23:49
Retrospectives Microsoft DevLabs 80,439 2019/1/16 12:05:05 2024/11/20 7:27:12
Work Item Visualization Microsoft DevLabs 64,772 2015/11/18 1:21:54 2023/5/10 17:59:51

Azure Boards はAzDOを利用する上でチームタスク管理を行う中心的な機能となりますが、
ここに挙げた拡張機能は、Excel連携(Azure DevOps Open in Excel)や**セキュリティ分析(SARIF)**など、プロジェクト管理をさらに便利にするものが多く見られます。
また “Retrospectives” はレトロスペクティブ(振り返り)用のテンプレート機能を提供し、アジャイル開発チームのワークフローを支援する人気拡張です。レトロは実際のPJでも使っていますね。


2. Azure Repos ランキング

Title Publisher Installs Released on Last updated
Code Search Microsoft 221,498 2015/11/12 23:08:26 2024/11/21 18:20:52
Pull Request Merge Conflict Extension Microsoft DevLabs 105,339 2018/1/24 3:31:24 2023/11/4 0:39:39
Pull Request Dashboard Ryan Stedman 10,822 2016/11/3 5:54:25 2020/3/30 3:13:02
Jupyter Notebook Microsoft Devlabs 10,269 2018/10/26 9:10:50 2022/9/30 1:59:32
Create Pull Request Shayki Abramczyk 7,035 2019/7/15 22:21:43 2023/10/3 17:24:33

リポジトリ管理をサポートする拡張機能には、検索性プルリク管理を強化するものが多数見られるようです。
“Code Search” はプロジェクト全体のコードベースを横断的に検索できるため、規模の大きなリポジトリで重宝しますし、Pull Request関連の拡張はコメントのやり取りやマージ手続きをスマートにします。
また “Jupyter Notebook” のサポートは、データ分析・ML系のチームにも利便性をもたらすものとなりますね。


3. Azure Pipelines ランキング

Title Publisher Installs Released on Last updated
SARIF SAST Scans Tab Microsoft DevLabs 201,105 2020/9/30 6:17:40 2024/11/28 22:55:39
SonarQube Server SonarSource 137,719 2016/12/2 19:53:50 2024/11/26 19:35:39
Replace Tokens Guillaume ROUCHON 121,765 2016/3/2 0:16:51 2024/10/30 22:59:49
Terraform Microsoft DevLabs 109,620 2019/7/26 14:18:34 2024/10/10 21:49:57
SonarQube Cloud SonarSource 75,629 2018/1/26 22:57:52 2024/11/26 19:32:12

Azure Pipelines 向け拡張機能は、静的解析CI/CD の効率化を主な目的としたものが多数存在します。
特に SonarQube 関連の拡張はコード品質向上に直結するため人気が高く、“Replace Tokens” はビルドやリリース時の変数置換などを柔軟に行える便利ツールとして知られています。
Terraform はインフラ構築の自動化を実現するうえで外せないツールであり、こちらも堅調にインストール数を伸ばしています。


4. Azure Artifacts ランキング

Title Publisher Installs Released on Last updated
Machine Learning (classic) Microsoft DevLabs 9,815 2019/5/5 9:30:37 2023/8/16 6:52:16
Azure DevOps CLI Microsoft DevLabs 3,532 2017/11/16 0:18:40 2019/2/21 20:39:44
Azure DevOps Dashboard Migration Microsoft DevLabs 3,298 2021/1/19 22:38:16 2021/3/2 19:36:44
Configurable Pipeline Runner CSE-DevOps 2,593 2020/4/28 0:57:35 2023/12/23 9:37:24
Resharper DotCover analyse Christopher Pateman 1,145 2018/4/5 3:33:34 2021/11/18 18:42:49

Artifacts まわりの拡張機能は、NuGet パッケージやコンテナイメージを扱うシナリオだけでなく、機械学習ダッシュボードの移行など、さまざまな作業をサポートするツールが登場しているようです。
特に “Machine Learning (classic)” は以前から一定の需要があり、現行の Azure Machine Learning サービスではなく**旧世代(classic)**をサポートする拡張として利用され続けているようです。


5. Azure Test Plans ランキング

Title Publisher Installs Released on Last updated
Test & Feedback Microsoft 130,682 2015/11/10 7:04:54 2024/11/14 18:15:15
Code Coverage Widgets Shane Davis 15,726 2016/11/24 23:56:57 2019/1/21 5:13:28
SpecFlow+LivingDoc SpecFlow Team 9,390 2017/7/11 17:05:16 2021/9/10 16:48:05
Offline Test Execution Microsoft DevLabs 8,870 2017/1/27 11:40:42 2018/4/12 5:37:02
Contributions Guide Microsoft 5,041 2015/7/27 7:11:18 2018/8/3 22:35:44

テスト管理に関する拡張機能としては、“Test & Feedback” が圧倒的に利用されています。実際に動かしながらのバグ報告やテスト実行がしやすくなるため、品質向上には必須のツールと言えるでしょう。
そのほか “SpecFlow+LivingDoc” など**振る舞い駆動開発(BDD)**を可視化する拡張機能や、カバレッジ可視化を強化する拡張が人気となっています。


6. 拡張機能をAPIで取得するには?

ExtensionQuery API 概要

Azure DevOps Marketplace の拡張機能情報は、次のような REST API(プレビュー版)から取得することも可能です。

典型的なエンドポイントは以下のとおりです。

POST https://marketplace.visualstudio.com/_apis/public/gallery/extensionquery?api-version=7.0-preview.1
Content-Type: application/json
{
  "filters": [
    {
      "criteria": [
        {
          // filterType=10 => フリーテキスト検索
          "filterType": 10,
          "value": "Azure Pipelines"
        }
      ],
      "pageSize": 10
    }
  ],
  "flags": [
    "IncludeStatistics",
    "IncludeVersions",
    "IncludeCategoryAndTags"
  ]
}

ただし、プレビュー版かつ公式ドキュメントが限定的であるため、Web UI と同じ結果を 1:1 で取得できる保証はありません
実際、今回のような「すべての拡張機能をインストール数順で並べる」処理を再現しようとしても、思うように動かないことが多いという報告があります。実際動きませんでした・・・。


7. まとめ

  • Azure DevOps Marketplace は現在2,400件を超える拡張機能が登録されており、日々アップデートが行われています。
  • カテゴリ別に人気のある拡張機能を眺めると、実践的に使われているOSS や Microsoft 公式の拡張機能が多いことが分かります。
  • APIを使った自動収集は一部可能ですが、仕様がまだ安定しておらず、今回のように手動で確認するのが一番確実です。
  • もし「自社の Azure DevOps をどう拡張しようか?」と悩んでいる方は、上記に挙げた人気拡張をまず導入してみると良いかもしれません。

この記事が、Azure DevOps を利用するエンジニアの皆さんの一助となれば幸いです!

2025年以降も、新たな拡張機能やアップデートが次々登場すると思われるので、継続的なリサーチをおすすめします。


リファレンス

https://marketplace.visualstudio.com/azuredevops
https://learn.microsoft.com/ja-jp/javascript/api/azure-devops-extension-api/extensionquery

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