Azure DevOps Marketplaceランキング(2025)
0. はじめに
明けましておめでとうございます。
2024年末時点で、Azure DevOps には2,500件以上もの拡張機能が公開されています。
これらの拡張機能をうまく活用することで、Azure DevOps(以下 AzDO と略)をより効率的に使うことができます。
この記事では、AzDO の拡張機能のうち「Installs(インストール数)」が多いものを、カテゴリ別に5件ずつピックアップしてみました。
1. Azure Boards ランキング
Title | Publisher | Installs | Released on | Last updated |
---|---|---|---|---|
Azure DevOps Open in Excel | Microsoft DevLabs | 272,406 | 2016/10/29 8:54:05 | 2019/4/10 2:41:28 |
SARIF SAST Scans Tab | Microsoft DevLabs | 201,105 | 2020/9/30 6:17:40 | 2024/11/28 22:55:39 |
Delivery Plans | Microsoft | 81,540 | 2017/1/21 11:20:53 | 2024/11/22 5:23:49 |
Retrospectives | Microsoft DevLabs | 80,439 | 2019/1/16 12:05:05 | 2024/11/20 7:27:12 |
Work Item Visualization | Microsoft DevLabs | 64,772 | 2015/11/18 1:21:54 | 2023/5/10 17:59:51 |
Azure Boards はAzDOを利用する上でチームタスク管理を行う中心的な機能となりますが、
ここに挙げた拡張機能は、Excel連携(Azure DevOps Open in Excel)や**セキュリティ分析(SARIF)**など、プロジェクト管理をさらに便利にするものが多く見られます。
また “Retrospectives” はレトロスペクティブ(振り返り)用のテンプレート機能を提供し、アジャイル開発チームのワークフローを支援する人気拡張です。レトロは実際のPJでも使っていますね。
2. Azure Repos ランキング
Title | Publisher | Installs | Released on | Last updated |
---|---|---|---|---|
Code Search | Microsoft | 221,498 | 2015/11/12 23:08:26 | 2024/11/21 18:20:52 |
Pull Request Merge Conflict Extension | Microsoft DevLabs | 105,339 | 2018/1/24 3:31:24 | 2023/11/4 0:39:39 |
Pull Request Dashboard | Ryan Stedman | 10,822 | 2016/11/3 5:54:25 | 2020/3/30 3:13:02 |
Jupyter Notebook | Microsoft Devlabs | 10,269 | 2018/10/26 9:10:50 | 2022/9/30 1:59:32 |
Create Pull Request | Shayki Abramczyk | 7,035 | 2019/7/15 22:21:43 | 2023/10/3 17:24:33 |
リポジトリ管理をサポートする拡張機能には、検索性やプルリク管理を強化するものが多数見られるようです。
“Code Search” はプロジェクト全体のコードベースを横断的に検索できるため、規模の大きなリポジトリで重宝しますし、Pull Request関連の拡張はコメントのやり取りやマージ手続きをスマートにします。
また “Jupyter Notebook” のサポートは、データ分析・ML系のチームにも利便性をもたらすものとなりますね。
3. Azure Pipelines ランキング
Title | Publisher | Installs | Released on | Last updated |
---|---|---|---|---|
SARIF SAST Scans Tab | Microsoft DevLabs | 201,105 | 2020/9/30 6:17:40 | 2024/11/28 22:55:39 |
SonarQube Server | SonarSource | 137,719 | 2016/12/2 19:53:50 | 2024/11/26 19:35:39 |
Replace Tokens | Guillaume ROUCHON | 121,765 | 2016/3/2 0:16:51 | 2024/10/30 22:59:49 |
Terraform | Microsoft DevLabs | 109,620 | 2019/7/26 14:18:34 | 2024/10/10 21:49:57 |
SonarQube Cloud | SonarSource | 75,629 | 2018/1/26 22:57:52 | 2024/11/26 19:32:12 |
Azure Pipelines 向け拡張機能は、静的解析やCI/CD の効率化を主な目的としたものが多数存在します。
特に SonarQube 関連の拡張はコード品質向上に直結するため人気が高く、“Replace Tokens” はビルドやリリース時の変数置換などを柔軟に行える便利ツールとして知られています。
Terraform はインフラ構築の自動化を実現するうえで外せないツールであり、こちらも堅調にインストール数を伸ばしています。
4. Azure Artifacts ランキング
Title | Publisher | Installs | Released on | Last updated |
---|---|---|---|---|
Machine Learning (classic) | Microsoft DevLabs | 9,815 | 2019/5/5 9:30:37 | 2023/8/16 6:52:16 |
Azure DevOps CLI | Microsoft DevLabs | 3,532 | 2017/11/16 0:18:40 | 2019/2/21 20:39:44 |
Azure DevOps Dashboard Migration | Microsoft DevLabs | 3,298 | 2021/1/19 22:38:16 | 2021/3/2 19:36:44 |
Configurable Pipeline Runner | CSE-DevOps | 2,593 | 2020/4/28 0:57:35 | 2023/12/23 9:37:24 |
Resharper DotCover analyse | Christopher Pateman | 1,145 | 2018/4/5 3:33:34 | 2021/11/18 18:42:49 |
Artifacts まわりの拡張機能は、NuGet パッケージやコンテナイメージを扱うシナリオだけでなく、機械学習やダッシュボードの移行など、さまざまな作業をサポートするツールが登場しているようです。
特に “Machine Learning (classic)” は以前から一定の需要があり、現行の Azure Machine Learning サービスではなく**旧世代(classic)**をサポートする拡張として利用され続けているようです。
5. Azure Test Plans ランキング
Title | Publisher | Installs | Released on | Last updated |
---|---|---|---|---|
Test & Feedback | Microsoft | 130,682 | 2015/11/10 7:04:54 | 2024/11/14 18:15:15 |
Code Coverage Widgets | Shane Davis | 15,726 | 2016/11/24 23:56:57 | 2019/1/21 5:13:28 |
SpecFlow+LivingDoc | SpecFlow Team | 9,390 | 2017/7/11 17:05:16 | 2021/9/10 16:48:05 |
Offline Test Execution | Microsoft DevLabs | 8,870 | 2017/1/27 11:40:42 | 2018/4/12 5:37:02 |
Contributions Guide | Microsoft | 5,041 | 2015/7/27 7:11:18 | 2018/8/3 22:35:44 |
テスト管理に関する拡張機能としては、“Test & Feedback” が圧倒的に利用されています。実際に動かしながらのバグ報告やテスト実行がしやすくなるため、品質向上には必須のツールと言えるでしょう。
そのほか “SpecFlow+LivingDoc” など**振る舞い駆動開発(BDD)**を可視化する拡張機能や、カバレッジ可視化を強化する拡張が人気となっています。
6. 拡張機能をAPIで取得するには?
ExtensionQuery API 概要
Azure DevOps Marketplace の拡張機能情報は、次のような REST API(プレビュー版)から取得することも可能です。
典型的なエンドポイントは以下のとおりです。
POST https://marketplace.visualstudio.com/_apis/public/gallery/extensionquery?api-version=7.0-preview.1
Content-Type: application/json
{
"filters": [
{
"criteria": [
{
// filterType=10 => フリーテキスト検索
"filterType": 10,
"value": "Azure Pipelines"
}
],
"pageSize": 10
}
],
"flags": [
"IncludeStatistics",
"IncludeVersions",
"IncludeCategoryAndTags"
]
}
ただし、プレビュー版かつ公式ドキュメントが限定的であるため、Web UI と同じ結果を 1:1 で取得できる保証はありません。
実際、今回のような「すべての拡張機能をインストール数順で並べる」処理を再現しようとしても、思うように動かないことが多いという報告があります。実際動きませんでした・・・。
7. まとめ
- Azure DevOps Marketplace は現在2,400件を超える拡張機能が登録されており、日々アップデートが行われています。
- カテゴリ別に人気のある拡張機能を眺めると、実践的に使われているOSS や Microsoft 公式の拡張機能が多いことが分かります。
- APIを使った自動収集は一部可能ですが、仕様がまだ安定しておらず、今回のように手動で確認するのが一番確実です。
- もし「自社の Azure DevOps をどう拡張しようか?」と悩んでいる方は、上記に挙げた人気拡張をまず導入してみると良いかもしれません。
この記事が、Azure DevOps を利用するエンジニアの皆さんの一助となれば幸いです!
2025年以降も、新たな拡張機能やアップデートが次々登場すると思われるので、継続的なリサーチをおすすめします。
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