Linux構築中に画面が真っ黒に…!AIに頼りすぎた最初の失敗
はじめに
はじめまして。Zennでの初投稿になります。
右も左も分からない状態ですが、まずは最初の失敗談を共有できればと思います。
温かい目で読んでいただけると嬉しいです。
私はLinuxを触り始めてまだ2か月ほどの初心者です。
ただ、「AIに聞きながらやれば構築ぐらいできるだろう」と思い、独学で挑戦してみました。
今回の構築は、ローカルネットワーク内のサーバーPC(AlmaLinux 8.9)にリモートで接続できる環境をつくること。
AIとして使ったのはChatGPT(当時4o)、環境は以下の通りです。
- サーバーPC: AlmaLinux 8.9(セキュリティ上インターネット非接続)
- 中継PC(踏み台PC): Windows 11(ローカルネットワークと公共Wi-Fiの両方に接続)
- 目的: サーバーはローカルネットワークでVNC接続、外部からはAnyDeskで中継PCに入りサーバーを操作
「AIのサポートがあれば行ける!」そう信じて進めたのですが、待っていたのは悪夢でした…。
計画
ChatGPTと相談しながら、次のフローで進めることにしました。
- サーバーでVNCを立ち上げる
- 中継PCでサーバーのVNCに接続する
- 中継PCでAnyDeskを起動
- 外部からAnyDesk経由でサーバーを操作
最初は順調に進んでいきます。
VNCの立ち上げ
まずはVNC。
サーバーはネットに繋がっていないので、別のPCでtigervnc-server
のRPMパッケージをダウンロード → サーバーへコピーしてローカルインストールしました。
vncserver :2
vncserver -list
きちんと起動していることを確認!
中継PCにはUltraVNC Viewerをインストールし、サーバーに接続を試みます。
…が、なぜかパスワード入力画面すら出てこない。
ChatGPTとやり取りした結果、firewalldの設定が原因と判明。
サーバー側でポートを開放しました。
sudo firewall-cmd --add-port=5902/tcp --permanent
sudo firewall-cmd --reload
再度接続すると、無事にVNC画面にログインできました。
「おお、ChatGPTすごい!これは頼りになる!」と厚い信頼を置いた瞬間でした。
ターミナルが立ち上がらない
ところが、ここから暗転が始まります。
VNC画面上でGNOME Terminalを開こうとすると、タイムアウトで起動できない。
調べていくと、GNOME TerminalとD-Busの相性問題らしいとのこと。
ChatGPTに言われるまま、~/.vnc/xstartup
に設定を書き込んでみました。
#!/bin/sh
unset SESSION_MANAGER
unset DBUS_SESSION_BUS_ADDRESS
/usr/bin/dbus-launch --exit-with-session /usr/bin/gnome-session &
しかし改善せず…。
さらにAIは「別のGUIなら解決できる」と提案。
その名は XFCE4。
「なるほど、それなら!」と、またもやAIの指示を信じて進めてしまったのです。
XFCE4の導入、そして悪夢
サーバーはネットに繋がっていないので、外部でXFCE4のパッケージをダウンロードし、サーバーにコピーしてインストールを開始。
途中で「依存関係の競合(conflicting requests)」といった警告が出ましたが、ChatGPTは「問題ないので無視してOK」と回答。
信じてEnterを押した瞬間――
プツッ……画面が真っ黒に。
何も表示されず、ただ沈黙するサーバー。冷や汗が止まりません。
思わず外に出て散歩に行き、気持ちを落ち着けることにしました。
さらなる混乱と再インストール
ChatGPTに再び相談すると、「GNOMEと衝突するからインストールすべきではなかった」とのこと。
…いや、さっき「無視して良い」と言ったやん!💢
結局、再起動してもGUIは立ち上がらず、CLIのみ(multi-user.targetの状態)。
そこから再びGNOMEを入れ直そうとしましたが、バージョンが違うのを入れてしまった(AlmaLinux 8.9に8.10のGNOMEを混入させていた)ため、依存関係が完全に破綻。
最終的に、OSがまともに動かなくなる状態に陥りました。
最後の手段として、RockyLinuxのライブUSBでファイルを救出し、AlmaLinux 8.9をクリーンインストール。
デスクトップが再び表示されたときには、本当に涙が出るほど安心しました。
最後の仕上げ:GPU問題
ただし、これで終わりではありませんでした。
GUIの表示が異様に粗い。原因はNVIDIA GPUドライバが正しく動いていなかったこと。
ドライバを再インストールし、設定を整えてようやく元のきれいなGUIに戻れました。
この間、実に8時間以上ぶっ続けで作業していたと思います。
学んだこと
今回の失敗から学んだことは大きく3つです。
-
AIの回答は「ヒント」であって「正解」ではない
- AIの指示をそのまま実行するのではなく、なぜそのコマンドが必要なのかを理解してから実行することが重要。
-
Linuxは「壊しながら覚える」もの?
- パッケージの依存関係やGUI環境は想像以上に脆い。
- 壊すことで学べることは非常に大きい。なぜなら必死になるから(笑)
-
失敗からの復旧もまた大事なスキル
- OSの再インストールやバックアップからの復旧は、Linux利用者にとって避けられない経験。
- 今回はAIに助けられた部分も大きかったが、自分で調べ、手を動かして復旧できる力をつけることが今後の成長につながると思います。
まとめ
AIの言いなりでLinuxを触った結果、画面が真っ黒になり、最終的にはOSの再インストールまで経験しました。
しかし、この失敗で学んだことは本当に多かったです。
- AIのおかげで独学でも挑戦できた
- 失敗からの復旧もAIと一緒に乗り越えられた
つまり、AIがある今は失敗も含めて挑戦のハードルが大きく下がっています。
もしこれからLinuxに挑戦する方がいれば、ぜひAIを活用しながらどんどん失敗してみてください。
その失敗こそが、きっと大きな学びになると思います。
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