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アクセシビリティの琴線に触れるいくつかのアプローチ

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デザイナーやエンジニアがアクセシビリティのそれらに共感して「やっていき」になっていくとき、いくつかのパターンがあると思っています。新人教育や講義などでアクセシビリティについて語るにあたって 「どうやったら知識としてインストールされるだけなく、モチベーションを上げていわゆる『やっていき』に開眼させることができるか」 を常々考えています。十人十色なので、少ないパターンだと響かないで不発に終わることもあります。もちろん、そもそもそういうタイプではない(そこに良し悪しはありません)のかもしれませんが、潜在的に素養があるのにアプローチを間違えただけだとしたら非常に勿体ないですよね。今回はいくつかパターンを考えてみようと思います。

どれが正しいとか、こう考えるべきだ、とかそういう話にするわけではないです。あくまでも「こういうことを話すともしかしたら共感を得られるかもしれない」という素材と思ってください。(教育担当・エバンジェリスト各位の参考になれば🙏 )

人権

「アクセシビリティは人権だ」という考え方です。アクセシビリティを向上させることは社会モデルにおける障害を取り除くことです。「すべての人類に与えられるべき権利」だと思えば、「ああ、アクセシビリティは絶対必要だ」と思う人もいるでしょう。

福祉

人権と隣り合っている概念ではありますが、こう考える場合もあります。「困っている人を助けたい」「誰かの力になりたい」という思いが強い人には響くかもしれません。

法の遵守

日本も含め世界各国に障害者の権利に関する条例や法律があります。日本は2016年4月から障害者差別解消法[1]が施行、2021年の5月に改正、同年6月に公布され、2024年6月4日までに改正が施行されます。改正後は行政機関か事業者か関係なく法的義務として合理的配慮が求められます。合理的配慮の解釈次第にはなりますが、法やルールに対しての正義感が強い人には提供したい情報です。

技術的な正しさ

WWWを発案したティム・バーナーズ・リーはウェブに対して次のように語っています[2]

The power of the Web is in its universality. Access by everyone regardless of disability is an essential aspect.
訳: Webのパワーは、その普遍性にある。障害の有無に関係なく、誰もが使えることが、その本質である。

わたし自信もHTMLをマークアップするにあたって「最適解」や「相応しさ」を求めて「アクセシビリティ」にたどり着いた口です。何が正しいかや、何を正しいとするかは人それぞれですが、アクセシビリティがウェブの技術のひとつの基準になることは間違いないので、これに共感する人はわりといるんじゃないでしょうか。

好奇心

アクセシビリティに限った話ではないですが、学ぶことによってその周辺の分野についても知ることができます。人の身体的なことや脳機能に関すること、支援技術となるソフトウェアやハードウェア、様々なユースケースやユーザー体験を学ぶことになります。「自分の知らない世界をもっと知りたい」という好奇心の強い人にはアクセシビリティはもってこいなのです。

ニーズ

これは邪な考えだ思う方もいらっしゃるかもしれませんが、アクセシビリティを学んで稼ぎましょう。必要としている企業は潜在的な面も含めてかなりあります。アクセシビリティの知見のあるデザイナーやエンジニアは必要とされています。アクセシビリティのスペシャリトも必要です。然るべきところで動けばそれは適切に評価され年収を上げるはずです[3]。大事なことなので改めますが、評価されるところで活躍してくださいね。

当事者

自分が当事者である場合、もしくは身近な人が当事者の場合は当然その必要性はすぐに理解できると思います。しかしそうでなかった場合でも「今そうでなくても明日そうなるかもしれない」と考えると少し違った見え方になるかもしれません。病気や事故はいつ起こるかわかりません。1人でも多くアクセシビリティの向上に取り組めば、将来その恩恵を受けることできる可能性が上がります。

リアルユーザーの声

事業会社などエンドユーザーの直接の声を聞ける場合に気づくケースです。自分の携わった製品が「使えなかった」と聞いたり、もしくはユーザーテストで目の当たりにしてショックを受けるそうです。もしくは、実際にそのような声が届いていなくても、「もしそうだとしたら嫌だ」と動機になる人もいます。せっかく作ったものが「使えない人がいる」「使えない場合がある」と思うと勿体ないですよね。

使命感

これはある程度「やっていき」になってから更にブーストがかかったようなケースですが、使命感としてアクセシビリティをやっている人もいますね。福祉にちょっと近いかもしれませんが、アクセシビリティを向上することで、その活動をすることでいろんなところに波及していることを実際に感じると「もっとやっていこう」と思えるんだと思います。冷房の温度を1℃上げるような、そんな小さな活動でもいいのです。「世界を変えられる」と思いましょう。

人には人のアクセシビリティ

おそらくこれを読んでいるほとんどはアクセシビリティに興味があるか既に「やっていき」だと思います。みなさんはどういった部分が琴線に触れたのでしょうか。「自分はこうだった」「こういう場合もあるんじゃないかな」など、コメントやリツイートなどで反応を貰えると嬉しいです。

そしてアクセシビリティがよくわからないという人がこれを読んで琴線に触れることを願います。

脚注
  1. 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律 ↩︎

  2. 訳も含め https://weba11y.jp/basics/accessibility/accessibility_index/ から引用しました ↩︎

  3. かくいう私はこれで年収は上がっています ↩︎

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