Claude CodeとGitHub Issuesを活用した階層的タスク管理システム(草案)

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はじめに

開発において、タスク管理は常に悩みの種です。要件定義から実装まで、すべての情報を整理しながら進める必要があります。この記事では、GitHub Issuesを活用した3段階の階層的タスク管理システムと、Claude Codeのカスタムスラッシュコマンドを組み合わせることで、この課題を解決する方法を提案します。

本システムは個人開発はもちろん、チーム開発における個人の作業管理にも活用できます。

注:本記事は草案であり、筆者自身もまだ実践段階です。継続的な運用を目指して、システム設計を整理したものです。

なぜ階層的タスク管理が必要なのか

開発者は、以下の3つの視点を時間的に切り替えながら作業を進める必要があります:

  1. 要件理解:何を作るか(What)を理解する
  2. 設計思考:どう作るか(How)を設計する
  3. 実装作業:具体的に作る(Detail)

これらを同時に考えると思考が混乱し、生産性が低下します。階層的に情報を整理することで、各段階で必要な思考に集中できるようになります。

3層アーキテクチャの全体像

┌─────────────────────────────────────────────┐
│ レベル1: 要件レベル (親Issue)                │
│ ・ビジネス価値・ゴール定義                   │
│ ・全体スコープ・制約条件                     │
├─────────────────────────────────────────────┤
│ レベル2: 細分化レベル (Issue本文)            │
│ ・サブタスク一覧                           │ 
│ ・チェックボックス形式                       │
│ ・実装可能な論理単位                         │
├─────────────────────────────────────────────┤
│ レベル3: 作業レベル (各サブタスクのコメント)   │
│ ・具体的実装手順                           │
│ ・技術的詳細・注意点                         │
│ ・1サブタスク = 1コメント                    │
└─────────────────────────────────────────────┘

実際のワークフロー

1. タスク開始時の流れ

例:ユーザープロフィール画像機能の実装タスクを受けた場合

# ユーザープロフィール画像機能の実装

## 概要・目的
ユーザーがプロフィール画像をアップロードできる機能を追加し、
パーソナライゼーションを向上させる

## 完了定義
- [ ] 画像アップロード機能が動作する
- [ ] 画像が正しく表示される
- [ ] エラーハンドリングが実装されている

## サブタスク一覧(自分の作業分解)
- [ ] データベース設計 (3h)
- [ ] API仕様設計 (2h) 
- [ ] フロントエンド実装 (4h)
- [ ] テスト実装 (2h)
- [ ] ドキュメント更新 (1h)

2. 実装時の流れ

コメントでの詳細化例:

## サブタスク: データベース設計

### 作業内容
1. ユーザーテーブルのカラム追加
2. マイグレーションファイル作成
3. インデックス設計・追加

### 技術詳細
- 新規カラム: profile_image_url (VARCHAR(255))
- インデックス: idx_users_profile_updated_at
- 制約: NOT NULL, DEFAULT ''

### 実装手順
1. `rails generate migration AddProfileImageToUsers`
2. マイグレーションファイル編集
3. `rails db:migrate` 実行
4. モデルのバリデーション追加

### 注意点
- 既存データの互換性確認
- 本番環境でのマイグレーション時間考慮

チーム開発での活用シーン

1. 大きなタスクを受け持ったとき

  • チームから割り当てられた機能開発を自分なりに整理
  • 見積もりの精度向上と進捗の可視化
  • レビュアーへの実装意図の伝達

2. 複数タスクの並行作業

  • 各タスクの進捗を階層的に管理
  • コンテキストスイッチを最小限に
  • 中断したタスクへの復帰が容易

3. 引き継ぎ・共有が必要なとき

  • 実装の詳細がコメントに整理されている
  • 他のメンバーが作業を引き継ぎやすい
  • ペアプロやモブプロ時の情報共有

Claude Codeでの自動化アイデア

筆者が継続的に実践できていない部分を、Claude Codeのカスタムスラッシュコマンドで解決できる可能性があります:

/task-init コマンド

  • 親Issue作成時のテンプレート自動生成
  • 要件レベルの情報を対話的に収集

/task-breakdown コマンド

  • 要件からサブタスクを自動提案
  • 依存関係や優先順位の分析

/task-detail コマンド

  • サブタスクの詳細化支援
  • 技術選択の提案や実装手順の生成

/task-review コマンド

  • 実装後の振り返り支援
  • 学びや改善点の記録

このシステムの利点

1. 思考の整理

  • 各レベルで必要な情報だけに集中できる
  • 文脈切り替えのコストを最小化
  • 実装前の設計思考が深まる

2. 知識の蓄積

  • 将来の自分への情報伝達が効率的
  • 判断根拠や制約条件が明確に残る
  • 類似タスクでの再利用が可能

3. チーム内での価値

  • PR時に実装意図が伝わりやすい
  • レビュアーの理解が深まる
  • チーム全体の知識共有に貢献

導入のコツ

  1. 小さく始める:最初は簡単なタスクから適用
  2. テンプレート化:よく使う構造をテンプレート化
  3. 継続的改善:自分に合った形にカスタマイズ
  4. チームへの共有:効果を実感したら、チームメンバーにも紹介

おわりに

この階層的タスク管理システムは、個人開発での思考整理はもちろん、チーム開発における個人の作業効率化にも効果的です。Claude Codeのカスタムスラッシュコマンドと組み合わせることで、継続的な運用のハードルを下げられる可能性があります。

筆者自身もこれから実践していく段階ですが、同じような課題を抱えている方の参考になれば幸いです。実践してみた結果や改善アイデアがあれば、ぜひ共有してください。

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