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音響学入門:スピーカーの振動板の形状と特徴(2)

2025/02/15に公開

ホーン型スピーカーの構造と特性を徹底解説

ホーン型スピーカーは、音響効率を高め、大音量での再生が可能なスピーカーです。本記事では、ホーン型スピーカーの基本構造、物理的および電気的な動作原理、さらにコンプレッションホーンドライバーの種類や特性について解説します。


ホーン型スピーカーとは

ホーン型スピーカーは、大きな振動板で空気を圧縮し、ホーン状の構造を通して音を効率よく伝送する設計です。

コンプレッションホーンドライバー

ホーン型スピーカーの中心となる要素がコンプレッションホーンドライバーです。

基本構造

  1. 振動板と小室:
    • 振動板が振動することで、小室内の空気が圧縮されます。
  2. 開口孔からの音の伝送:
    • 圧縮された空気が小さな開口孔から高い音圧で放射され、ホーン状の構造を通じて効率的に音を伝送します。

動作原理

物理的な原理

ホーン型スピーカーは、パスカルの原理を応用しています。

  • 小室内の空気が振動板の振動により圧縮され、その圧力がホーン構造を通じて増幅されます。
  • これにより、同じエネルギーでより高い音圧を得ることができます。

電気的な動作

ホーン型スピーカーの動作は、電気的なトランスの動作に相当します。

  1. コイルの関係:
    • 1次側にターン数を持つコイルが、ターン数の少ない2次側のコイルに誘起して大きい電流を引き出す。
  2. エネルギーの伝送:
    • 磁気回路によるエネルギー変換と同様に、空気のエネルギーを高効率で伝送します。

このため、ホーン型スピーカーは音響変成器とも呼ばれます。


位相等化器(フェージングプラグイコライザー)

位相等化器の役割

ホーン型スピーカーでは、音の移送過程で干渉が発生しやすいため、これを防ぐために位相等化器が使用されます。

  • 音の移送を整えることで、歪みを低減し、スムーズな周波数特性を実現します。

主な種類

  1. マルチホールスリット形:
    • 多数の穴を備え、音の流れを均一化。
  2. 円環状スリット形:
    • 円形のスリット構造で位相を整える。
  3. ラジアルスリット形:
    • 放射状にスリットを配置し、高精度で音の位相を調整。

これらの位相等化器は、ホーン型スピーカー内部に高精度で組み込まれています。


コンプレッションホーンドライバーの種類

コンプレッションホーンドライバーは、大きく以下の2種類に分類されます。

フロントドライブ方式

  • 特徴:
    • 高音再生用に適しており、特にツイーターとして使用されます。
    • 小型で軽量な振動板により、高周波数の再生能力が向上。
  • 用途:
    • 高音域のスムーズな再生が求められる音響システム。

リアドライブ方式

  • 特徴:
    • 振動板を大きく設計することが可能。
    • 中低音域の再生や、ハイパワーを必要とする音響システムに適している。
  • 用途:
    • フルレンジスピーカーや昼光域(中低音域)の再生に使用される。

まとめ

ホーン型スピーカーは、その高効率な音響特性から、多くの音響システムで利用されています。

  1. コンプレッションホーンドライバーの原理:

    • 振動板が小室内の空気を圧縮し、小さな開口孔を通じて音を高効率で伝送。
    • 物理的にはパスカルの原理、電気的にはトランス動作に相当する。
  2. 位相等化器の役割:

    • 音の干渉を防ぎ、スムーズな音響特性を実現。
    • マルチホールスリット形、円環状スリット形、ラジアルスリット形などが使用される。
  3. コンプレッションホーンドライバーの種類:

    • フロントドライブ方式: 高音域の再生に特化。
    • リアドライブ方式: 中低音域の再生やハイパワー用途に適する。

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