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音響学入門:スピーカーの振動板の形状と特徴(2)
ホーン型スピーカーの構造と特性を徹底解説
ホーン型スピーカーは、音響効率を高め、大音量での再生が可能なスピーカーです。本記事では、ホーン型スピーカーの基本構造、物理的および電気的な動作原理、さらにコンプレッションホーンドライバーの種類や特性について解説します。
ホーン型スピーカーとは
ホーン型スピーカーは、大きな振動板で空気を圧縮し、ホーン状の構造を通して音を効率よく伝送する設計です。
コンプレッションホーンドライバー
ホーン型スピーカーの中心となる要素がコンプレッションホーンドライバーです。
基本構造
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振動板と小室:
- 振動板が振動することで、小室内の空気が圧縮されます。
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開口孔からの音の伝送:
- 圧縮された空気が小さな開口孔から高い音圧で放射され、ホーン状の構造を通じて効率的に音を伝送します。
動作原理
物理的な原理
ホーン型スピーカーは、パスカルの原理を応用しています。
- 小室内の空気が振動板の振動により圧縮され、その圧力がホーン構造を通じて増幅されます。
- これにより、同じエネルギーでより高い音圧を得ることができます。
電気的な動作
ホーン型スピーカーの動作は、電気的なトランスの動作に相当します。
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コイルの関係:
- 1次側にターン数を持つコイルが、ターン数の少ない2次側のコイルに誘起して大きい電流を引き出す。
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エネルギーの伝送:
- 磁気回路によるエネルギー変換と同様に、空気のエネルギーを高効率で伝送します。
このため、ホーン型スピーカーは音響変成器とも呼ばれます。
位相等化器(フェージングプラグイコライザー)
位相等化器の役割
ホーン型スピーカーでは、音の移送過程で干渉が発生しやすいため、これを防ぐために位相等化器が使用されます。
- 音の移送を整えることで、歪みを低減し、スムーズな周波数特性を実現します。
主な種類
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マルチホールスリット形:
- 多数の穴を備え、音の流れを均一化。
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円環状スリット形:
- 円形のスリット構造で位相を整える。
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ラジアルスリット形:
- 放射状にスリットを配置し、高精度で音の位相を調整。
これらの位相等化器は、ホーン型スピーカー内部に高精度で組み込まれています。
コンプレッションホーンドライバーの種類
コンプレッションホーンドライバーは、大きく以下の2種類に分類されます。
フロントドライブ方式
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特徴:
- 高音再生用に適しており、特にツイーターとして使用されます。
- 小型で軽量な振動板により、高周波数の再生能力が向上。
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用途:
- 高音域のスムーズな再生が求められる音響システム。
リアドライブ方式
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特徴:
- 振動板を大きく設計することが可能。
- 中低音域の再生や、ハイパワーを必要とする音響システムに適している。
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用途:
- フルレンジスピーカーや昼光域(中低音域)の再生に使用される。
まとめ
ホーン型スピーカーは、その高効率な音響特性から、多くの音響システムで利用されています。
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コンプレッションホーンドライバーの原理:
- 振動板が小室内の空気を圧縮し、小さな開口孔を通じて音を高効率で伝送。
- 物理的にはパスカルの原理、電気的にはトランス動作に相当する。
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位相等化器の役割:
- 音の干渉を防ぎ、スムーズな音響特性を実現。
- マルチホールスリット形、円環状スリット形、ラジアルスリット形などが使用される。
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コンプレッションホーンドライバーの種類:
- フロントドライブ方式: 高音域の再生に特化。
- リアドライブ方式: 中低音域の再生やハイパワー用途に適する。
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