操作動画だけで画像付きマニュアルを自動作成する方法
操作動画からマニュアルを自動生成する方法
「操作手順を動画で録画したけど、マニュアル作成が面倒...」こんな悩みを解決する方法があります。
Google AI Studio と Claude Code を組み合わせることで、操作動画から画像付きマニュアルを自動作成できます。手動でスクリーンショットを撮る必要はありません。
本記事では、動画一本から完成度の高いマニュアルを作成する具体的な手順を解説します。
この方法のメリット
従来のマニュアル作成では、以下の作業が必要でした:
- 操作しながらスクリーンショットを撮影
- 画像を整理してドキュメントに挿入
- 手順説明文を一つずつ記述
この方法を使えば、動画一本だけで効率的にマニュアルが作成できます。
AIが動画を解析して以下を実行します:
- 操作手順の文章化
- 必要な場面のタイムスタンプ特定
- スクリーンショット自動抽出
- Markdownマニュアル自動生成
最新の技術動向
GUI自動化の進歩
2024年の研究では、VideoGUIという新しいベンチマークが登場しました。これは、操作動画からGUI自動化を評価する技術です。この技術により、以下が可能になっています:
- 高レベル計画:視覚的な条件から手順的なサブタスクを再構築
- 中レベル計画:視覚的な状態とゴールに基づいて正確なアクション列を生成
- 原子的アクション実行:特定の要素をクリックするなどの具体的なアクションを実行
マルチモーダルAIの活用
最新のAI技術では、ChatGPTやGPT-4などのマルチモーダルモデルが、テキストだけでなく画像や動画も理解できるようになりました。これにより:
- より自然で人間らしいマニュアル作成
- 文脈を理解した適切な説明文生成
- 複数言語での自動翻訳対応
必要なツールと準備
作業を始める前に、以下のツールを準備してください:
- Google AI Studio(無料アカウント)
- Claude Code(Cursor IDEまたはVSCode拡張)
- FFmpeg(動画処理ツール)
- 操作録画動画(MP4、MOV形式など)
FFmpegのインストール方法:
# macOS
brew install ffmpeg
# Windows(Chocolatey使用)
choco install ffmpeg
# Ubuntu/Debian
sudo apt update && sudo apt install ffmpeg
Step1: Google AI Studioでマニュアル構造を作成
1-1. 動画をGoogle AI Studioにアップロード
Google AI Studioにアクセスし、新しいプロンプトを作成します。
「ファイルを追加」から操作動画をアップロードしてください。
1-2. マニュアル生成プロンプトを実行
以下のプロンプトをGoogle AI Studioに入力します:
この操作動画からマニュアルを作成してください。
出力要件:
- Markdown形式で出力してください
- 各操作手順に対応する動画の秒数を「XX:XX」形式で記載してください
- 重要な操作場面の詳細な説明を含めてください
- 手順は番号付きリストで整理してください
- UIの要素を具体的に説明してください(ボタン名、メニュー項目など)
- ユーザーがつまずきやすいポイントを明記してください
1-3. 出力結果の確認と保存
Google AI Studioが出力した動画タイムスタンプ情報をメモしておきます。
この情報は後のStep2でClaude Codeに使用します。
Step2: Claude Codeで画像自動挿入を実行
2-1. 必要ファイルの準備
プロジェクトフォルダに以下を配置します:
project/
├── manual.md # 作成するマニュアルファイル
├── source-video.mp4 # 元の操作動画(.movファイルでも可)
└── images/ # 画像保存用フォルダ(自動作成)
2-2. Claude Codeへの指示プロンプト
Claude Code(CursorまたはVSCode)で以下のシンプルな指示を出します:
mdファイルの動画秒数を指定している箇所へ、操作動画の秒数のスクリーンショットを挿入する。スクリーンショットの取得はffmpegを使う。
2-3. Claude Codeの実行
Claude Codeが自動で以下の処理を実行します:
- 動画から指定秒数のスクリーンショット取得
- 画像ファイルの自動保存
- マニュアルファイルへの画像挿入
あとはClaude Codeの実行完了を待つだけです。
処理完了後、images/
フォルダに操作画面のスクリーンショットが保存されます。
2-4. 最終確認
生成されたマニュアルファイルを開き、以下を確認してください:
- 画像が正しく表示される
- 操作手順と画像の内容が一致している
応用テクニックと注意点
より精度の高いマニュアル作成のコツ
動画撮影時の工夫:
- 操作をゆっくり行う
- 重要な箇所で2-3秒停止する
- マウスカーソルを見やすい位置に配置
- 画面解像度は1920x1080以上を推奨
- 操作前後の状態変化を明確にする
プロンプトエンジニアリングの活用:
- 具体的な出力形式を指定する
- ターゲットユーザーを明確にする
- 専門用語の説明レベルを調整する
画像タイミングの微調整:
- 画像秒数を少しずらしたい時は、ffmpegを手動で実行して画像を差し替える
- 例:
ffmpeg -i source-video.mp4 -ss 00:32 -vframes 1 images/step-01.png
- 秒数部分(-ss 00:32)を調整することで、より適切なタイミングの画像を取得可能
高度な活用方法
業務別カスタマイズ:
- ソフトウェア操作:UI要素を詳細に説明
- 製造業務:安全注意事項を強調
- 顧客サポート:よくある質問を併記
多言語対応:
この操作マニュアルを以下の言語でも作成してください:
- 英語版
- 中国語版
- 日本語版
各言語で文化的な違いに配慮した説明を含めてください。
トラブルシューティング
よくある問題と解決方法:
-
タイムスタンプ抽出エラー
→ コメント形式を統一する -
FFmpeg実行エラー
→ パス設定とコーデック確認 -
画像品質の問題
→ 解像度とフォーマット設定を調整 -
AIの理解精度が低い場合
→ より具体的なプロンプトを作成
→ 動画の品質や長さを調整
今後の展望
AI技術の進化
2024年以降、以下の技術発展が期待されています:
- リアルタイム処理:操作と同時にマニュアル生成
- インタラクティブガイド:動的な手順案内
- パーソナライズ:ユーザーレベルに応じた説明調整
統合プラットフォーム
将来的には、動画録画からマニュアル公開まで一つのプラットフォームで完結する可能性があります。これにより、より効率的な知識共有が実現されるでしょう。
まとめ:効率的なマニュアル作成方法
この方法を使えば、動画一本から高品質なマニュアルを自動作成できます。
得られるメリット:
- 作業時間を大幅短縮
- 手順漏れや画像ミスを防止
- 一貫性のあるマニュアル品質
- 動画更新時の迅速な対応
- 多言語対応の簡素化
活用できる場面:
- ソフトウェア操作マニュアル
- 業務手順書の作成
- 研修資料の準備
- 顧客向けガイドの制作
- オンボーディング資料
操作動画があれば、誰でも簡単にマニュアルを作成できます。
まずは簡単な操作動画で試してみて、この方法の効果を実感してください。
この記事は2024年の最新技術情報を基に更新されています。AI技術の進歩により、今後さらに効率的な方法が登場する可能性があります。
Discussion