Azure DevOpsのTest Plansを使ってテスト計画を作成する
Overview
Azure DevOpsのTest Plansを使ったテスト計画の作り方、テストのやり方について記載しています。
※この内容はAzure DevOpsオンライン Vol.7 ~ テストはExcelから卒業できるのか?でお話したTest Plansの使い方をまとめたものです。
アーカイブがYouTubeで公開されているので、興味がある方はこちらからどうぞ!
Test Plansって?
Azure DevOpsでテスト計画の管理ができる機能です。
Azure DevOpsのメニューのここから使用できます。
できることとしてはざっくりこんな感じです。
- 手動/自動テストの設定と実行
- テストケースの作成
- テストの実施
- テストスイート(テストケースのまとまり)の作成
- Azure Boardsで作成されたwork itemに紐づいたテストスイートの作成
- テストの進捗状況の表示
- NGになった箇所のテストステップに基づいたバグチケットの作成
公式Docはこちらです。
(残念ながら無料枠では使えませんorz 課金が必要になります。。。。)ここでは手動テストでTest Plansを使う方法について紹介します。
Test Plansの構成
Test Plansでは以下のような階層でテスト計画を管理していきます。
Test Plans(テスト計画)> Test Suite(テストケースのまとまり)> Test Cases
TestPlanの作成
Test Plan(テスト計画)を作成します。
赤枠の+New Test Planを選択
New Test Planのダイアログで以下の内容を設定します。
Nameにテスト計画の名称、
(複数のAreaを設定している場合)Area Pathでテスト計画を作成したいAreaを選択
Iterationでテスト計画を作成したいIterationを選択します。
※Scrumで開発を進めている場合、Sprint単位でテスト計画を作成して管理していけるので便利です。
こんな感じでTest Planが作成されます。
Test Suiteの作成
Test Plansを作成したら、次にTest Suiteを作ります。
Test Suiteはテストケースのまとまりなので、テストケースをどういう単位でまとめたいかによって作り方が変わります。
作成したTest Planの中のNew Suiteからテストスイートの作成ができます。
Test Plansでは、以下3つの種類のTest Suiteが作成できるので、使用用途に応じてTest Suiteを作成して下さい。
Static suite
名称を設定するだけのシンプルなテストスイートです。
Requirement based suite
Azure BoardsにあるPBI work itemsに対応して作成するテストスイートです。
PBIに対する受入れテストをまとめたいとき等に使用します。
例えば、Sprint1にこういうPBIがあるとして、
テストスイート作成時にRequirement based suiteを選択するとこんな風にクエリエディタが表示されるので、「Sprint1のIteraitonに存在する」等の条件を設定すると、それに合致するRequirementが抽出されるので、それらのRequirementに対応したテストスイートが作成されます。
各開発タスクのPBIごとにRequirement basedでテストスイートとUTテストケースを作成して、PRにテストスイートの紐づけを強制するような運用にして、コードレビュー時にテストスイートに含まれるUTテストの実施の有無も確認するようなレビュー体制にする、という運用にすると、Azure DevOpsをフルに活用してコード品質の向上させられるのでおすすめです。
Query based suite
クエリで条件に合致するTest Casesを返す動的なテストスイートです。
※事前にいくつかテストスイートとテストケースがある状態で使用します。
例えば、特定の誰かにアサインしたテストをひとまとめにしたいとき等に使用します。
Test Caseの作成
テストスイートを作成したら、テストケースを作成します。
New Test Caseを選択すると、テストケースの追加ができます。
テストケースのタイトル、Actionにテストステップ、Expected Resultに期待結果を設定します。
Save&Closeを選択すると、テストスイートにテストケースが作成されます。
テストの実施
テスト実施の際にはテストケースのタブをExecuteに切り替えます。
実施したいテストケースを選択して、Run for web applicationをクリックします。
Test Runnerが開くので、ここでテストを実施していきます。テストステップがOKだったら右端の✓をつけていきましょう。
エビデンスの添付が必要な場合は、対象のテストステップを右クリックすると画像の添付ができるので、こちらで添付できます。
余談ですが、テスト実施の際にキャプチャを取らなきゃいけない!という方はTest&Feedbackの使用をオススメします。自動でキャプチャを取ってくれるGoogleの拡張機能です。
拡張機能をインストールすると、ここから使用できます。
Test&Feedbackについては、こちらの記事にいい感じにまとめられています。
Chromium 版 Edge 用の Test & Feedback 拡張機能を試す
バグチケットの作成
テストがNGだった場合、コメントの挿入とその場でバグチケットの作成ができます。
赤枠のCreate bugをクリックすると、
書くのが大変なRepro Steps、実行日時、実行環境が記載された状態でバグチケットを作れます。
Related Workにテストスイートも紐づいてる!便利!
Test RunnerのSave and closeを選択すると、テストが終了します。
テストの実施結果の確認
テストケースの実行結果は、Exectuteで確認できます。
テストケースのタブでChartを選択すると、テストケースやテスト結果でチャートが作成できます。
チャートを作成すると、こんな感じでテストの実行状況を確認できます。
ちなみに、テストのチャートはDashboardsにも追加できるので、頻繁に進捗をウォッチしたいテストはここで見えるようにするといいかもしれません。
もっと興味がある人は
Test Plansの使い方に関してはこちらの本の
第2部 プロフェッショナルスクラムの実践
第7章 テスト駆動開発
にいい感じにまとまってます。
アジャイルとスクラムによる開発手法 ~Azure DevOpsによるプロフェショナルスクラムの実践
以上、Azure DevOpsのTest Plansを使ってテスト計画を作る方法でした!
Happy Holiday!
Discussion