エンジニアの会社で1on1ミーティングを始めたけど本当に役立つの?無駄じゃないの?
1on1はなんとなく良いものだというような感じがする。
ただなんとなく良いものだと思っていても、人に説明できるような言葉にするまでは、腑に落ちないものである。
そんな状態では自分自身、納得がいかない。
理で説明しておけるようにしたいという欲望がある。
1on1のメリット
健康診断
1on1はメンバーが健康に働けているかどうかのチェックだ。
健康診断を時間の無駄だと思う人はいない。
開発の促進
リスナーの知見によっては、効果的なアドバイスが出来る。
たとえばプログラミングで悩んでいる人がいるプロジェクトに対しては、定例の開発会議を提案したり、ペアプログラミングを提案したり。
ただ話を聞くだけではなく、効果的な対策が打てる。
不満の防止、解消
人間関係や給与、開発などに関して、不満があれば早めにキャッチアップし、ヒアリングしたり、対策を考えることができる。
離職防止
人知れず不満をいだいて職を離れることを防止できるのではないだろうか。
不満というのは人知れず、人に言えない場所でたまっていくものだ。
心理的安全性づくり
定期的に悩み相談ができる人がいること、自分を気にかけてくれる人がというのはおそらく、多くの人にとって嬉しいことではないだろうか。
プロジェクト、チーム、組織として具体的対策が取れる
本人から話を聞くだけではない。必要があれば他所に伝達し、積極的に問題解決をはかることができる。
たとえば今のプロジェクトに不満をいだいており、他に移りたいのであれば検討するとか。
給与面に不満を抱いたエンジニアが去る前に給与交渉をおこなうなどのことよ。
答えは本人が知っている
人と話すことで問題に答えが出るという効果がある。答えはそれを話す人がすでに知っている。
人と話すことで答えが具体化する。
組織あるいはチーム全体の状況が把握できる
複数人との1on1をすると、全体像が分かる気がした。俯瞰である。
それぞれの意図や、それぞれの気持ちを個別に聞いていくことで、建前ではなく本音を集めることができる。
つまり組織について正しく把握できる気がした。
1on1で注意したいこと
価値
たとえば月に1回でも、二人の手を1時間止めるのならば、開発が止まる時間を上回る価値がなければいけない。
仮に今までの業務時間に加えてミーティングをするにしても、事情は同じだ。
価値がないことはする意味がない。
武勇伝、武勇伝 (オリラジすんな)
ミーティングと称して自分の自慢話、武勇伝ばかりする人もいるらしい。言わずもがな。厳重注意。
評価ではない
1on1の狙いを説明し、社内評価とはまるで関係ないことを説明した。
これは評価面談ではない。
LISTEN
1on1のメインは傾聴だ。
1on1のリスナー側にとって、ミーティングとは話を聞くことの訓練でもある。
主要なポイントの方向づけはこちらがするが、主に相手自由に話してもらう。自分の言葉を最小化する。
ビデオ通話して、相手の表情や雰囲気を見る
声の調子も聞く。自分の思考のノイズに惑わされるな。
相手にとって何が重要なのか、何が一番の問題何かを探り出すのに、表情や声のテンションはたよりになる。
なのでビデオはつけてもらった方が良い。
準備もあるので、事前にビデオ通話であることを伝えておくと良いだろう。
相手のためにミーティングはある
相手の問題解決が第一である。
締めくくり
ミーティングの締めくくりに「他に気になっていることや、悩みなんかはありませんか?」と聞くようにした。
取りこぼしがないように
時間延長もOK
お互いの時間が許すならば、話せることは話しておきたい。
話題
だいたい話題は技術的な話ではない。
主に仕事そのものに関して。
技術的な話ならば、普段の時間、プロジェクトでおこなえば良い。
だがもちろん、自分に答えられる分野であれば答える。
緊張させたくない
相手が緊張するのではないか、1on1自体がプレッシャーを与えるのではないかということが懸念だった。
しかし1on1は意義があるという信条のもとに、進める。
いったん打ち解け合えば、きっと緊張の心配もなくなるだろう。
自分の場合
対象
10人以上を相手に。主に若手エンジニア。
形式
オンライン通話でおこなった。
なるべくリアルの対話に近づけたい。相手の表情も重要な情報だ。
自分はビデオをつけたが、相手もそれに合わせてビデオをつけてくれた人がほとんどだった。
動機
僕自身、忙しいプロジェクトの中で誰にも相談できる人がおらず、ひとりで悩み続ける時期があった。本当に大変だった。
そのとき仮に定期的な1on1でもあって、悩みを打ち明けることができれば、どれだけ助けになっただろうと思う。
この経験が1on1が必要だという信念に影響している。
個人的な手応え
探り探りの中だが、手応えを感じている。
- 「1on1で話せたことで問題意識がはっきりと出来た」という反応をもらった
- 相談によって、本人が具体的なアクションが起こせた
- 相談によって問題をあぶりだし、効果的なアドバイスが出来た、もしくは周囲への伝達、調整が出来た
- 当初は1on1の対象でなかった熟練エンジニアからも「1on1で相談がしたい」とリクエストをもらった
師匠
僕も以前、会社で1on1ミーティングを受けて、厳しくも手厚い支援をしてもらっていた。そのおかげで少しはちゃんとした社会人、そして仕事人になれたように思う。
あのミーティングがなければ今の自分はなかった。
たぶんその会社で早期に失職していたと思う。
読んだ本
これがなかなか良い感じだった。
あとは先述した「LISTEN」。
「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」の1on1解説部分も良かった。
元記事
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公開日時
2022-05-17
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