Google検索結果でプライバシー情報、誹謗中傷を削除リクエストする「より」も良い方法。SNSを本名・実名で運用して「ポジティブなSEO」
Google検索結果に悩む全ての人に愛を込めて。
まとめ
- あなたの本名を検索した時、Google検索結果で「何も出てこない」状態を目指すのではなく「あなたのページ」が上位表示される状態を目指そう
- 「あなたが運用しているページ」(Twitter / Faceook / ブログなど) がGoogleに上位表示されることで、相対的に検索優位性や、自分の実名に対するブランドを保とう。
- 普段からソーシャルアカウントを運用して、Google検索結果を「育てて」おけば、他の人がいたずらをしにくくなる
著者経歴 – 稲浦悠馬について
- とある小さな、商用のソーシャルサイトを10年運用して生計を立ててきた
- 自分のサイトのユーザーや、まったく関係ない人からも、Google検索結果削除についての相談を受けることもよくあった (自分のサイトであればもちろん実際の対応もおこなった)
- 警察からの削除依頼に対応したことも10回以上はあったように思う
- 逆に自分のサイトに書き込まれた情報の件で、警察、弁護士に相談した経験も
- 個人的にも実名での誹謗中傷を受け、半分ノイローゼ状態、数年間の無気力状態に陥った経験がある (今思えばあのインパクトはすごかった)
- 「10%だけ事実、90%は根も葉もないデタラメ」のような情報を大量拡散されて、寝ても覚めてもGoogle検索結果のことを考えてしまうような状態だった
Google検索結果が個人の名誉に与えるインパクトは大きい
このような経歴もあって、このインパクトは十分に身にしみて理解しているつもりだ。
その理由もあって僕は途中から、Google検索結果に怯えるのではなくて、逆にGoogle検索結果をコントロール、支配していくということを始めた。
たとえばこのQiitaでも @YumaInaura という実名アカウントを取得しているし、Twitter や はてなブログなど、他のソーシャルアカウントでもほぼ、完全に実名を利用している。
この具体的なメリット、やり方については後述する。その前に、Google検索結果の誹謗中傷やノイズに対して個人が対応することの難しさについて語りたい。
Google検索にネガティブ情報が載ることのデメリット
- 就職活動、転職活動、受験活動などに影響を及ぼす。
- リアルライフに影響を及ぼす。悪い噂が家族、友人、知人、仕事仲間に「いちどでも検索」されたりしたら、そこから
- 夜眠れなくなる。たとえネガティブ情報自体は取るに足らないようなものでも、自分のことが書かれれば
- 他人は「気にするな」というかも知れないが、我が身のこととなれば、本当に深刻な悩みになる。
あなたは果たして、そんな人生を送りたいのか。武器を取れ。立ち向かえよ。
Google 検索結果に一度乗ったものは、削除が難しい
もしくは膨大なコストや時間がかかる。
たとえば2ちゃんねるの情報は、本当の色々なサイトに自動的に転載されたりする。
同じような情報が100個のサイトでGoogle検索でヒットするとして、その全てに対して
- 掲載サイトへの削除依頼
- そもそも掲載サイトによって削除依頼の方法が違うので、
- 掲載サイトが削除に応じない場合は、掲載サイトの提供ホスティングサービスを調べるなどして「親サービス」に連絡する
- 「親サービス」の削除依頼に対する対応もまちまちなので、個別に連絡を取る必要がある
- Googleへの削除リクエスト
- 検索結果が削除されるまでタイムラグがあるので、毎日不安に過ごしながら待つ
- 削除リクエストが通らなかった場合は、理由を調べて何らかの対策を取る
- 削除リクエストが通った結果、同じサイトの「二番目以降の検索結果」が出てきた場合などには、また最初の手順からやり直し
をおこなう必要がある。
気が遠くなる作業、気が遠くなる日々はお好きですか
心理的にも「いつ削除されるのだろう」「今日だろうか」「明日だろうか」と不安で仕方がなくなることは必然だ。
それでも完全に削除することは難しい。
Googleへの削除リクエストの手順自体も煩雑で、普段からWebに親しんでいる人でも、相当に辛かったように覚えている。
(5年以上前の話なので、今はもっと簡略化されているのかもしれないが)
パーフェクトが求められる難しさ
この方法だと、1サイトでも検索結果に残ったら意味がない。
たとえば100個のサイトのうち、99個のサイトでGoogle削除リクエストに成功したとしよう。
すると残るのはなんだろうか。「最後に残った1個の誹謗終章ページが、Googleで1位表示される」という現実だ。
これを考えると、実名キーワードでのGoogle検索結果をクリーンに保つことが、いかに難しいかということが分かるだろう。
「警察に相談しよう」だって?
基本的に警察はWebリテラシーなんかまるでない世界だし、明らかに事件性があるような、特定の条件が揃わなければ動けないものだと思っている。
たくさんの資料を用意して警察に行って説明しても、そもそも警察にPCなんてない。
門前払いを食らったり、いざ刑事課(だったろうか)に通されて問題を説明したりしても、そもそも話が通じなかったり。何度もやり取りを繰り返して、それだけでなかなか疲弊した経験がある。
僕自身が他の掲示板サイトに、実名入りで「殺すぞ」と書かれた時も、結果的には事件として扱われることはなかった。
そう、警察は確かに正義の味方だけれど、それよりも大きな「法律」や「運用」という現実問題を抱えている。あなたの「ネット上の名誉」のために、コストをかけて守る時間も、法律上の建前も、存在しなかったりするのだ。たぶん。
「警視庁 サイバー犯罪対策課 対策係」は?
サイバー 警視庁 なんてひどいもので、自分がいちど電話したときは、職員のおじさんか警察官のおじさんか、Webサイトのガイドラインに書かれていることを機械的に読み上げるだけの対応をされたことがある。
「どこのナビダイヤルですか?」といった感じ。
たぶん中学生や高校生よりもネットリテラシーは低いし、Webのことなんか全く分かっていないんじゃないだろうか。でも、警察ってそういうものだよね。
言ってみたら「警察の圧倒的苦手分野」がネットなのだから。
「弁護士に相談しよう」だって?
こちらも膨大なお金やコストがかかるかもしれない。匿名で誹謗中傷が書かれた場合などは、そもそも裁判所に情報開示手続きをしたりする必要があるケースもあるだろう。
もしかしたらネットリテラシーのたかい弁護士事務所があるのかもしれないが、まずその弁護士事務所を捜すことからしてコストがかかる。
いかにもあなたを助けてくれそうな、正義の味方のような広告を出している弁護士事務所に連絡しても、相手も商売だ。お金にならない事案は真面目に扱ってくれないかもしれない。これが偏見だったらごめん。
商売のために仕組み化された系の弁護士事務所が得意なのは「離婚相談」「過払い金請求」などの「セットパック」だったりするように思う。
ただしこれもあくまで個人の一体験、しかも5年前ぐらいの情報が最近なので、完全にはアテにしないでほしい。
あなたの「実名」に対する名誉は、誰も保障してくれない、あなたが守るしかない
自主自衛。
これを大変だと思うだろうか、むしろ「自由だ」と思うかどうかは、人次第だ。
対策は「自分の実名で、SEOする」こと。
あなたの管理するソーシャルアカウントなど、実名のサイトが上位表示される状態を作っておきたい。
日頃からソーシャルアカウントなりを運用して、心無い人のいたずらや、ノイズが与えるインパクトを減らしておこう。
具体的な方法は、別記事にもまとめてあるので、読んでみてほしい。
「自分ブランド」を確立するセルフブランディング術。実名で全てのソーシャルアカウントを統一してキャリアアップ・就職・転職対策してみよう。 by 稲浦悠馬 YumaInaura - Qiita
あなたの主張ができるようにしておく
何かあった時には、検索結果上位のページから「誤解」を解けるようにしておくことが出来る。
たとえばあなたのサイトが上位表示されていれば、そこに「いま、あらぬ誹謗中傷を受けています」「警察とも連携して相談中です」などと「正確な事実」を書くことが出来る。
これである程度、あなたの名誉は担保されることだろう。
ネガティブな情報を減らすのではなくて、ポジティブな情報を増やそう
これはGoogle自体も昔、ガイドラインで推奨していたことだ。今探しても見つけられなかったけれど、確かな話。
なぜ独自ドメイン+自分のサイトとかじゃなくて、ソーシャルなのか
- 圧倒的にSEOに強いから。(我らがQiitaのSEOパワーを見よ)
- 拡散力が強いから。(だってソーシャルだから)
- 自分で保守運用する必要がないから。(自分で保守運用は、自分の精神エネルギー、時間やお金が尽きたら終わり)
- 運用を軌道に乗せるまでのコストがかからないから。
たとえば、独自ドメイン+Wordpressとかいう組み合わせは、一見強いように思えるかも知れないが、これをGoogle検索で「強い」ところまで押し上げるには、相当な努力や工夫が要求される。
「独自ドメインが強い」というのはSEOの幻想だ。相当うまく運用しなければ。あれは単に、「ドメイン」という自分の財産になるだけ。
独自ドメイン+個人サイト・ブログ運用より、Qiitaに記事を書くべき理由。それは「SEOの強さ」と「保守運用コスト」。 - Qiita
ポジティブもSEOは完璧じゃない。
あくまでネガティブないたずらや誹謗中傷に対して、武器を持てる、対抗手段を持てるというだけの話だ。
そもそもソーシャルアカウントを運用していない状態から、実名検索結果を「育てて」いくのには時間がかかる。
たとえあなたのソーシャルアカウントがGoogleでトップ表示されたとしても、残りの結果に誹謗中傷が含まれていたら、心理的にも穏やかではいられないだろう。
Google時代、ソーシャル時代に求められる「メンタルタフネス」
僕らは狭義のネットリテラシーってやつを育てると共に、講義のネットリテラシーである「気にしない技術」も身につける必要がある。
そもそも「実名検索結果を、100%クリーンな状態に保つのは難しいのだから、ノイズありきで「検索優位性」を保った上で、誹謗中傷がされてもあまり問題に感じないような、メンタル面でのリテラシーを持っておきたい。
- Amazon.co.jp: メンタル・タフネス ストレスで強くなる eBook: ジム・レーヤー, 青島 淑子: Kindleストア
- 「イヤな気持ち」を消す技術 | 苫米地英人 | 個人の成功論 | Kindleストア | Amazon
- 自衛隊メンタル教官が教える 心の疲れをとる技術 (朝日新書) | 下園 壮太 | 心理学 | Kindleストア | Amazon
それでもGoogle検索結果が気になって眠れない人のために
- 自然に触れよう。外を散歩してみよう。
- デジタルデトックスしてみよう。
- 「スマホで見られない世界」が「世界の99.99%」を占めていることを実感してみよう。
- デジタルデトックス 稲浦 - Google Search
- 「一緒にいてもスマホ」 〜デジタルデトックスと瞑想〜 - マインドフルネスやってみた
- 瞑想、マインドフルネスをやってみよう。
- 瞑想はストレスを減らす。
- 瞑想するエンジニア ( by 稲浦悠馬 Yuma Inaura ) — Googleやスティーブ・ジョブズに学ぶ「マインドフルネス」のススメ— - Qiita
- 瞑想 稲浦 - Google Search
余談. フィクションだって「実名」とかぶることがある
たとえば、誰も悪気がなくたって、誰かが書いた小説の登場人物が、たまたまあなたの実名と一致していて、Google検索結果に上位表示されるかもしれない。
他の人から見たら「気にするなよ」案件かもしれないが、案外、これは気持ち悪いものだとは思う。
実際に、僕が自分のサイトを運営している時も「フィクションの人名と実名が同じだから削除してほしい」という依頼を、ちらほらと受けたことがある。
僕も「そこまで気にする?」「フィクションであることは、作品を見れば分かるでしょ?」と思っていたのだが、これを「稲浦悠馬」という名前に当てはまると、たしかに気持ち悪さが分かる気がした。
たとえば「稲浦悠馬が主人公のポルノ小説、変態小説」などがあったら、たとえそれが偶然の一致だとしても、僕はそのサイトに削除依頼を出すだろう。
余談. ナイフを振り回すのは本当に簡単なこと
たとえば人は簡単に人を殺せるように、人の名誉に対していたずらをしたり、それを貶めようとするのは、とても簡単なことなのだから。逆に守ることは難しいけれど、それでも僕らは、いざというときは対策をしなければならない。
余談. Google検索結果対策をきかけに新しい趣味が増えた
いったんGoogle検索結果に「自分のコンテンツ」を作り始めたら、案外趣味も増えて、楽しくなってきたりした。
もう本名も公開しているそ恐れるものは何もないので、Youtube動画を作ったり、Instagramに自撮りをアップしたり、boketeでボケてみたり、Amazonに実名でレビューを書いたりと、何かと楽しんでいる。
別の選択肢. 逆SEO業者というものもあるらしい。
この世の中には、Google検索を上手に「埋めて」くれるSEO業者・逆SEO業者もあるようなので、自分で対策できないという人、本当に必要な人、お金の余っている人は調べてみても良いかも知れない。
僕はそんな業者を噂に聞いたことがあるぐらいのレベル。もしかしたら善意のある業界なのかもしれないし、もしかしたらそうではないのかもしれない。
ただし、いちど業者に頼んでもGoogle検索結果を自分でコントロールすることにはならないし、何かあるたびに、業者にお金を払い続けることになるかもしれない。自分でコントロールできるのがベターだとは思う。
雑感. あと5年早く、こんな記事を書けば良かったかもしれない
おそらく「人権としてのGoogle検索結果」のような考え方、システムがまだ確立されておらず、Google検索で悩む人が一番多かったであろう時期に。いや、自分がいまその渦の中にいないから、逆にそう思えるだけかもしれないけれど。
今はFacebookなどのソーシャルで悩む人が多いのかも知れない。
どうかテクノロジーが人間の幸福に寄与しますように。ただ運が悪かった1個人を社会的に殺してしまうことがありませんように。
ところで、このQiita記事は確かに、技術情報を扱っていない
だがしかし。
- 全人類に必要な情報リテラシ、Webリテラシについて書いてある
- Googleに関することを書いている
- SEOに関することを書いている
- ソーシャルサービスに関することを書いてある
- QiitaだってSNSだ
もし不適切だと思われる方がいらっしゃれば、Qiitaサポートに報告されたし。
もし記事が削除されたなら、その後に、僕がGoogleに削除リクエストを送ろう。
備考. この記事のサブタイトルにしたかったものたち
- 誰も教えてくれなかった情報リテラシの授業
- Google検索結果の予防医学。
- Googleリテラシを上げる免疫学。
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公開日時
2018-11-09
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