デブサミ2024に参加してきました!
はじめに
2024/02/15~2024/02/16に開催されたDevelopers Summit 2024(通称:デブサミ2024)に参加してきました!
昨年とは異なり、完全オフラインでの開催でした。
聴講したセッションや感想などを紹介します。
入口にあったデブサミ2024の看板
参加セッション
今回のデブサミのセッションはやはり「生成AI・LLM」に関する話題が多かったです。
2日間、生成AIのセッションだけで過ごせるのではないかと思うくらい話されていました。 生成AIに関するセッション(タイトルに生成AI、LLMのワードが含まれているセッション)は全81セッション中28セッション(約35%)もありました!(タイムテーブル)
聴講したセッションをカテゴリごとに紹介します。
生成AI関連
すべてのセッションは聴講できませんでしたが、私が聴講した11セッションを総括して要約してみました。
- 2023年は生成AIが大きく発展した年であった。2024年も引き続き生成AIの発展や生成AIを利用したサービスが生まれてくるだろう。
- 生成AIはハルシネーションを起こす可能性がある。そのため、生成AIを活用するのに適した業務は(現時点では)多少のミスが許される業務や生成物を人がレビュー、修正できる業務である。
- 生成AIはアーリーアダプター(流行に敏感な人)が触って試している状況だが、これからは生成AIを触ったことがない人、使いこなせていない人にも使ってもらう必要がある。そのためには、プロンプト例を示して使い方を提案したり、情報の安全性に関する不安を取り除いてあげたりするUXが求められる。
- 生成AIによって技術的な知識やそれに対する理解、コーディングスキルが不要になるのではない。生成AIによる生成物を評価、修正するには専門的な知識が必要になる。
- GitHub CopilotなどLLMを利用した開発ツールやテストツールは今後も発展し、開発生産性を向上させる。エンジニアはコーディングする機会が減るが、コーディングスキルが不要になるのではない。プロンプトエンジニアリングや生成されたコードを評価するためのコーディングスキルが必要になる。
- 一方で、エンジニアは評価するだけで良いのか、仕事のやりがいや教育の機会を奪ってしまうのではないか、という側面もある。
- 生成AIによって新しいサービスを生み出すチャンス!まずは自分で生成AIを使い倒して、周りに広げていこう!
以上です。
個人的にも2023年は生成AIの圧倒的な勢いに驚きましたし、所属企業でも生成AIを使った機能をリリースし生成AIを使ったサービスがどんどん増えていくのではないかと非常に楽しみにしています。
生成AIとの付き合い方や今後の予測
-
要約
生成AIをうまく活用するコツはプロンプトエンジニアリングのほか、自分の理解領域と理解してない領域の境界線に関する質問をすること。生成AIは間違っても良い仕事または人間がレビューできる仕事で活用できる。今までホワイトカラーが担っていた仕事を代替可能になる。生成AIの成果物をレビュー、修正する必要があるため。ポスト生成AIの時代では、生成AIが作成したものをプログラミングに落とし込める人が優秀と評価されるのではないか。
-
要約
Elasticは検索エンジンで有名な企業だが、生成AIに駆逐されるのではなく、共に歩んでいく。例えばRAGにおける生成AIの活用で、参考情報を取得する際に検索機能が重要になる。
生成AIを利用したプロダクト開発
- Google Cloudで始める生成AIアプリ開発入門
- GenAI in Production~生成AIに君がみた光と、僕がみた希望~
- 生成AIを搭載したプロダクト開発~少人数で爆速リリースしてわかったこと~
- LLMを活用してオンライン薬局のオペレーションを自動化した話
生成AIで開発生産性向上
Webアプリケーション開発
-
パスワードレス認証とは?Passkeysを導入することで得られるユーザー体験と考慮点
要約
パスワード認証はユーザーにとって管理が大変でセキュリティ面でのリスクがある。MFAによりセキュリティ面を向上させても、UXの低下やコストなどのデメリットがある。パスキーはこれらの問題を解決できる認証方式となる。しかし、パスキー認証をサービスに組み込むにはいくつか考慮すべき事項がある。例えば、ユーザーへのオンボーディングやデバイス紛失やパスキーにアクセスできるアカウントが停止した際のアカウントリカバリ方法を確保しておくと良い。
-
『グランブルーファンタジー』100万行を超える大規模なシステム再構築~10周年のその先へ~
要約
積み重なった機能開発により開発効率が落ち、パフォーマンス面の問題が発生していた。10年先の開発を考えてら100万行を超えるリファクタリングを行った。単一責任の原則などの原則やクリーンアーキテクチャの設計を徹底するため、設計レビューやペアプログラミングをチームで行った。プランナーやQAチームとも連携しながら大規模リファクタリングを進めている。
キャリア・プロダクト開発
-
要約
シニアエンジニアからスタッフエンジニアになるには大きな壁がある。ジュニアエンジニアやシニアエンジニアの仕事はある程度正解があるが、スタッフエンジニアやプリンシパルエンジニアの仕事は正解がなく、意思決定と実行を繰り返して進める必要がある。さらに、スタッフエンジニアは自分より立場が上の人の意思決定に影響を及ぼすことが求められ、これらの違いにより高い壁となっている。仕事で失敗したことがないのは確実性が高い仕事しかしていないのではないか。
他のカンファレンスとの違い
私が今までオフラインで参加したことがある技術系カンファレンスはRuby Kaigi(2022, 2023)、Kaigi on Rails (2023)の計3つでした。
それらのカンファレンスと少し違いがあって面白かったので紹介します。
- 展示エリアにブースを出展している企業は、アプリケーションの監視やテスト自動化などシステム開発に関わる製品を開発している企業が多かったです。Ruby KaigiではtoC向けのサービスを展開している事業会社が多い印象だったのでカンファレンスによって雰囲気が異なるのだなと感じました。
- 企業ブースの企画も採用目的ではなく、製品紹介の色が強めでした。例えば、Ruby Kaigiでは「X(Twitter)のフォロー&ポストしてくれたらノベルティ差し上げます!」という企画が多いのですが、デブサミでは製品説明をした後にノベルティをもらって名刺交換をする企画が多かったです。名刺は一応持っていったのですが、あまりにも多かったので2日目の途中で名刺を切らしてしまいました。
- 講演内容をX(Titter)で実況する人が少なかった印象です。講演を聴きながらタイムラインを眺めて、みんなの感想や要約を読むのが楽しいのですが、今回は実況ツイートしてる人が少なく、各々でメモしているようでした。
- 11:40から始まるセッション(ちょうどお昼ご飯どきのセッション)ではなんとお昼ご飯が用意されていました。ご飯を食べながらセッションが聴けたのはありがたかったです。
- ※今回の会場のすぐ外には飲食店が並んでいるのでそちらで食べることも可能でした。
懇親会
ほとんどの方が初めてお会いする方でしたが、とても楽しい時間を過ごすことができました!
カンファレンスの懇親会が始まるまでははいつも「知り合い少ないし全然話せなかったらどうしよう。。。」と怖気づいてしまいます。
ですがいつも「色々な人と話せて楽しかった!」となるのがオチです。
懇親会の最後には来年のデブサミの日程と場所の発表がありました!
来年のデブサミは2025/02/13-14で、場所はホテル雅叙園東京だそうです!
聞いた話によると、コロナ前のデブサミは雅叙園で開催されるのが定番だったそうです。
さいごに
非常に学びがあった2日間でした!
今回は完全オフラインのイベントでしたが、やはりオンライン聴講よりもオフラインの方が有意義な時間を過ごせますね。「せっかく足を運んでいるからこの時間で吸収するぞ!」と参加するモチベーションが高くなり、展示ブースや懇親会でも対面でコミュニケーションできて純粋に楽しかったです。
今回のイベントで初めてお会いした方、他のイベントで知り合って再開できた方々、皆さんありがとうございました!
また来年も参加したいです。
Discussion