Claude × LinearでPM体験が劇的に改善した話
はじめに
ClaudeとLinearを組み合わせたプロジェクト管理の体験が非常に良かったので、AIを活用したプロジェクト管理の個人的なアプローチについてご紹介します。
※ChatGPTなど他のツールでも連携可能です
ClaudeからLinearへ:AIドリブンなプロジェクト管理
なぜClaude × Linearなのか
従来のプロジェクト管理では、以下のような課題がありました:
- 仕様書の作成に時間がかかる
- タスクの細分化が属人的
- 優先順位付けが主観的
ClaudeのAI能力とLinearの洗練されたPMツールを組み合わせることで、これらの課題を解決できるか試してみました。
最初は作りかけのLinearでのベストプラクティスがわからなかったため、雑に投げたりしながら徐々にコミュニケーションのコツを掴んでいきました。
実践:ClaudeによるPMフロー
0. セットアップ(5分で完了)
1. Claudeの設定を開く
Claude Desktopの設定 → Connectors → Linear を選択
2. 認証する
「Connect」をクリックしてLinearアカウントでログイン
3. 権限を許可
Linear側で「Authorize」をクリック
💡 ポイント: 連携後、Claudeに「Linear見える?」と聞いて確認しましょう
1. 要件定義 (Claude)
まず、Claudeに要件を伝えて、要件を構造化、整理してもらいます。
▼プロンプト
以下の内容で要件定義をしてほしい。
# ゴール
* XXXからの問い合わせに対する返信文言を自動で作成すること
# 現状の流れ
1. 面倒な手順その1
2. 面倒な手順その2
3. 面倒な手順その3
・・・
# 実現したいこと
* 2の部分を過去の担当者からの返信内容を学習してAIが考えて返信文言を作成し、スレッドに返答する
* 技術的には、Dify+n8nを考えているが、他の候補もあれば出してほしい
▼Claudeの回答
素晴らしい仕様の整理ですね。まず、この要件を基に詳細仕様を定義し、その後で技術選択肢についても検討しましょう。
## 詳細仕様定義
### **1. 機能要件**
#### **1.1 コア機能**
...
#### **1.2 学習・改善機能**
...
#### **1.3 運用支援機能**
...
### **2. 非機能要件**
#### **2.1 セキュリティ**
...
#### **2.2 性能**
...
#### **2.3 運用性**
...
### **3. 技術選択肢の比較**
#### **3.1 現在の候補: Dify + n8n**
**メリット:**
- ローコード/ノーコードで開発速度が早い
- Difyのナレッジベース機能で過去データ学習が容易
- n8nでSlack連携が簡単
- コスト効率が良い
**デメリット:**
- 複雑なワークフロー制御が困難
- カスタマイズ性に限界
- 大規模データ処理の性能制約
#### **3.2 代替案1: OpenAI API + カスタム開発**
**メリット:**
- 最新のLLM技術活用
- 完全カスタマイズ可能
- 高い回答品質
**デメリット:**
- 開発工数が大きい
- API利用料が高額
- セキュリティ要件クリア要
#### **3.3 代替案2: Azure OpenAI + Logic Apps**
**メリット:**
- エンタープライズレベルのセキュリティ
- Microsoft環境との親和性
- 日本国内データセンター利用可能
**デメリット:**
- Azure環境の学習コスト
- ライセンス費用
#### **3.4 代替案3: Claude API + AWS Lambda**
**メリット:**
- 高い文章生成品質
- AWSでスケーラブル
- 比較的コストが抑えられる
**デメリット:**
- 開発工数が必要
- AWS環境の管理コスト
### **4. 推奨アプローチ**
**フェーズ1(MVP): Dify + n8n**
- 迅速な概念実証とフィードバック収集
- 3ヶ月程度で実装・検証
**フェーズ2(本格運用): 要件に応じてカスタム開発検討**
- MVP結果を踏まえた技術選択
- スケール要件やセキュリティ要件に応じた最適化
### **5. 次のステップ**
1. **詳細要件の確認**
...
2. **技術選択の最終決定**
3. **プロトタイプ開発**
4. **段階的リリース計画**
この仕様定義で進めて良いでしょうか?また、何か追加で定義すべき点や確認したい点はありますか?
2. プロジェクト仕様書の作成 (Claude)
要件をある程度Claudeと揉んだら次は仕様書を作成してもらいます。
▼プロンプト
上記の要件で仕様書を作って
作ってもらった仕様書をLinearの仕様書ページを切って貼り付けておくことで、今後常にClaudeが見るマスタ仕様書として機能します。
3. issueの作成( Claude -> Linear )
次は仕様書を基に、起票をしてもらいます
仕様書を元にLinearでissueを作成してください。
するとLinearではこのようなissueがBacklogに積まれました。
issueの中身も詳細な要件やチェックリストを書いてくれています。
実際の効果
定量的な成果
- 仕様書作成: 2時間 → 15分(87%削減)
- タスク分解: 1時間 → 5分(92%削減)
- 起票作業: 30分 → 3分(90%削減)
意識したポイント
- Linear初心者だったため、Claudeにベストプラクティスを聞きながら進めた
- 「Linear のタスク管理のベストプラクティスを教えて」と質問すると丁寧に教えてくれる
今後の展望
- 今回はゼロスタート、かつ小規模プロジェクトであったため、主にPMである自分とClaudeで考えた結果をメンバーに展開するというやり方でした。もっと規模が大きくなった場合にはメンバー中心の設計にどうAIを組み込むか?はまだまだ考える余地がありそうでした。
- Linear自体が高機能なためもう少しLinear自体に慣れてから触るとさらにできることが増えそうです
- 他にもマイルストーンや優先順位なども考えてくれました
よくある質問
Q: ChatGPTでも同じことできる?
A: はい。ChatGPT PlusでもLinear連携は可能です。手順はほぼ同じです。
Q: 無料プランでも使える?
A: Linearは無料プランあり。ClaudeはPro版が必要です。
まとめ
AIと相性が良いと聞いていたLinearをプロジェクト管理に使ってみた紹介でした。
初めてのツールでもAIを介すことで、プロジェクト管理の工数を90%削減できました。
触ったことないツールでもAIと一緒なら臆せず試せますね!
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