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INZONE BudsとArctis GameBudsの比較

Yuichiroh AraiYuichiroh Arai

はじめに

最近、ゲーミングワイヤレスイヤホンのSteelSeries / Arctis GameBudsを購入しました。
競合製品としてSony / INZONE Budsも検討していたんですが、普段使いのiPhoneとBluetooth接続して使用できるArctis GameBudsを選びました。

ところで、INZONE BudsはRentioでレンタルすることもできます。
せっかくの機会なのでレンタルして両者を比較してみることにしました。
ここ5~7年ぐらいはイヤホンにこだわりがなく安物を使っていて、久々にこの手のガジェット熱が高まった勢いのままに書いていこうと思います。

Zennに書くような内容なのか?という疑問もありますが、今はなるべくひとつのサービスに集約したいのでここに記載しておきます。

ちなみに、音質やノイズキャンセリングなど有名どころの性能比較はYouTubeなどでいっぱい動画が存在していますよね。
なので、この記事では本体やアプリの細かい操作性の違いなど、他であまり紹介されていない内容を中心に比較してみようと思っています。

検証環境

  • INZONE Buds
    • Windows 11
      • 2.4GHz(専用USBトランシーバ)接続
      • INZONE Hubアプリ
    • Pixel 8a (Android)
      • Bluetooth接続
      • Sound Connectアプリ
  • Arctis GameBuds
    • Windows 11
      • 2.4GHz(専用USBトランシーバ)接続
      • GG Engineアプリ
    • iPhone 13 (iOS)
      • Bluetooth接続
      • Arctisアプリ
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価格

2025年9月14日時点のKeepaによるAmazonの価格履歴を参考にしています。

通常価格 値下げ価格 値下げの頻度
INZONE Buds 約27000円 約23000~24000円 少ない
Arctis GameBuds 約25000円 約21000~23500円 多い

全体的にArctis GameBudsの方がお得です。
INZONE Budsを安く買いたい人は値下げ時を見逃さないように気を付けたいですね。

INZONE Buds

https://keepa.com/#!product/5-B0CKFHB9P3
INZONE Budsの価格履歴

Arctis GameBuds

https://keepa.com/#!product/5-B0DF2KLHSR
Arctis GameBudsの価格比較

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本体操作について

操作形式

  • INZONE Buds
    • タッチセンサー
  • Arctis GameBuds
    • 物理スイッチ

INZONE Budsはタッチセンサーなので、軽く手が当たっただけですぐに反応します。
Arctis GameBudsは物理スイッチなので、カチッと押しんだ時にだけ反応します。

他の人のレビューでもわりと言われていることですが、Arctis GameBudsの方が誤操作が少なそうな安心感はありますね。
INZONE Budsで誤反応が頻繁に起こる場合は、1回押しに割り当てる機能を無効にする必要があるかもしれないです。

割り当て可能な操作

  • INZONE Buds
    • 8通り
      • 1回押し 2回押し 3回押し 長押し (左右それぞれ)
    • 無効(何もしない)に設定できる
  • Arctis GameBuds
    • 4通り
      • 1回押し 2回押し (左右それぞれ)
    • 無効(何もしない)に設定できない

INZONE Budsは割り当てられる操作の種類が多く、自由度が高いので特に不満はなかったです。

Arctis GameBudsの3回押し 長押しには固定の機能が割り当てられていて、ユーザーが変更することができません。
音楽を聴く機会が多く、「再生/一時停止」、「次の曲」、「前の曲」の操作が必須の人はそれだけで3つ埋まってしまうので、注意が必要です。
個人的にはそこまで多くの機能を割り当てる予定がないので、Arctis GameBudsでも問題はないかなとは思っています。

それから、Arctis GameBudsでは操作を無効にできないのが少し残念でした。

仕方がないので、使わない操作に対しては「モバイル音声アシスタント(Siri/Googleアシスタントなどを起動する)」を設定しています。
これであれば、PCに接続している時は何も起きないので、誤操作が発生しても特にストレスにはならないかなと思います。

まあ、物理スイッチなので誤操作の心配がほとんどないのが救いですけどね。

割り当て可能な機能

機能の名称はそれぞれの表記に従っています。
名称は違うけど似たような機能もあります(「ノイズキャンセリング/外音取り込み/OFF」と「ノイズのサイクル制御」など)。

INZONE Buds

機能 接続モード 補足
音量を上げる 両方
音量を下げる 両方
再生/一時停止 Bluetooth
次の曲 Bluetooth
前の曲 Bluetooth
ノイズキャンセリング/外音取り込み/OFF 両方 アプリで切り替えたい項目を選べる
マイクのON/OFF 両方
ゲームの音を上げる 2.4Ghz 「ゲーム/チャットバランス」については後述
チャットの音を上げる 2.4Ghz 「ゲーム/チャットバランス」については後述
クイックアテンション 両方 長押し中に周囲の音が聞こえやすくなる
※左右の長押しにのみ設定可能
- 両方 何もしない

注意点は、PC(2.4Ghz)と接続している時は「再生/一時停止」、「次の曲」、「前の曲」が使えなくなることです。
離席中にYouTubeなどのメディアを操作したいときに、これがないのは不便ですね。

「ノイズキャンセリング/外音取り込み/OFF」はアプリで切り替えたいしたい項目を選べます。
例えば、「ノイズキャンセリング」と「外音取り込み」だけを交互に切り替えることもできます。
これは、Arctis GameBudsではできない機能で、さりげなく気が利いていて好感が持てますね。

Arctis GameBuds

一部の機能は固定操作があるので、割り当てせずにそれを使うのも手です。

機能 補足 固定操作
音量を上げる 右を1回押し長押し(*1)
音量を下げる 左を1回押し長押し(*1)
再生/一時停止
次のトラック
前のトラック
ノイズのサイクル制御 3種類の切り替えで固定
マイクのミュート/ミュート解除 左右どちらかを短く長押し
オーディオモードの切り替え 2.4GHz/Bluetoothの切り替え 左右どちらかを3回押し
モバイル音声アシスタント Siriなどを起動

*1 アプリの説明は日本語だと「しばらく押す」になっていますが、英語だと「Singe Press Then Hold」となっています(しばらく押しても何も起きなくて困りました)。

INZONE Buds違って、接続モードによる機能の制限は基本的にはなさそうです。
PC(2.4GHz)と接続している時でも、「再生/一時停止」、「次のトラック」、「前のトラック」の操作は可能です。

「ノイズのサイクル制御」はアクティブノイズキャンセル -> 透明モード -> オフの固定の順番で切り替えになります。

「音量を上げる/下げる」を右/左の2回押しに割り当てておくと、2回目を長押ししてもしなくても音量調節になるので、使いやすいと思います。

接続モード(2.4GHz/Bluetooth)の切り替え

  • INZONE Buds
    • 左右を同時に長押し
  • Arctis GameBuds
    • 左右どちらかを3回押し
    • カスタム設定で1回押し 2回押しにも割り当て可能

Arctis GameBudsの方が片耳で操作できるので断然使いやすかったですね。
3回押すのが面倒なら、カスタム設定で1回/2回に割り当てることも可能です。

この違いはPCとスマホを切り替える頻度が多い人には実感しやすいと思います。
INZONE Budsもカスタム設定で割り当てができたら良かったのですが……。

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自動電源オフ

どちらのイヤホンも一定時間使用していない時に自動で本体の電源がオフになる機能を備えています。
※設定でオフにできます

条件 時間設定
INZONE Buds 一定時間、装着していない 15分(固定)
Arctis GameBuds 一定時間、音が流れていない 1分~90分(*1)

*1 1分 5分 10分 15分 30分 45分 65分 75分 90分から選択可能

INZONE Budsは「装着していないこと」が条件ですが、私は使わない時は充電ケースにしまうので、この機能が使われる機会はないだろうなと思っています。

Arctis GameBudsは「音が流れていないこと」が条件なので、作業の合間に断続的に動画を聞き流すような使い方では意外と発生します。
充電を長持ちさせたいときは助かる機能ですが、ノイズキャンセリングを耳栓代わりに使っていると困る場合もあると思うので、状況によって使い分けたいですね。
時間設定も充分な選択肢が揃っていると思います。

電源オフからの復帰

一度電源オフになった場合、本体操作で復帰できます。
※どちらのイヤホンも充電ケースに一度入れてから取り出す方法でも復帰します。

操作方法
INZONE Buds 装着 or タッチ操作
Arctis GameBuds 3秒間押し続ける

INZONE Budsは自然な流れで復帰できます。
Arctis GameBudsは3秒間の長押しがは必要で、片方ずつ復帰させないといけないので、ちょっと時間が掛かりますね。

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各アプリによる設定変更について

以下の環境で検証しています。

PCアプリ スマホアプリ
INZONE Buds INZONE Hub (Windows 11) Sound Connect (Pixel 8a / Android)
Arctis GameBuds GG Engine (Windows 11) Arctis (iPhone 13 / iOS)

設定変更が可能なアプリと接続モード

PCアプリ スマホアプリ
INZONE Buds 2.4GHz接続時のみ Bluetooth接続時のみ
Arctis GameBuds 2.4GHz/Bluetooth接続どちらでも 2.4GHz/Bluetooth接続どちらでも

Arctis GameBudsは2.4GHz/Bluetooth接続のどちらの状態であっても、PC/スマホのアプリから設定変更できます。
設定変更できる項目にPC/スマホのアプリで特に違いはないので、スマホアプリを入れずにPCアプリのみで運用することもできなくはないです。

それに対して、INZONE Budsは2.4GHz接続の時はPCアプリからしか操作ができず、Bluetooth接続の時はスマホアプリからしか操作ができません。
また、Bluetooth接続の時のみ使われる設定はスマホアプリにしか項目が存在しないので、スマホにもアプリを入れる必要があります。

ただ、頻繁に設定変更をするような使い方をしない限りは、これが致命的な問題にはならないとは思っています(検証する時はとても不便でしたが……)。

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装着検知

両製品には(多くのワイヤレスイヤホンと同様に)イヤホンを外すと自動で再生中のメディアを一時停止する機能がついています。
ただし、これはBluetooth接続(スマホ)の時にのみ有効です。

Arctis GameBudsは2.4GHz接続(PC)の時にも本体操作で「再生/一時停止」ができるので、同じようにこの機能があっても良さそうですが、ちょっと残念です。

INZONE Budsでこの機能を有効/無効にするにはスマホアプリが必要です(Bluetooth接続限定の機能なので)。
あと、これは偶然発見したのですが、INZONE Budsはイヤホンを外している間は「ノイズキャンセリング/外音取り込み」の機能が一時的にオフになります。
バッテリー消費を抑えられて、気が利いている機能だなと感心しました。

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音声ガイダンス/通知音

個人的に、長い音声ガイダンスって没入感を損なうので、かなり重要な比較ポイントとなっています。

  • INZONE Buds
    • 設定で一部の音をオフにできる
      • ただし、タッチした時のフィードバック音(ポンっという軽い音)は消えない
    • 英語・日本語・中国語から選べる
  • Arctis GameBuds
    • 設定でオフにできない
    • 英語のみ

代表的な音声ガイダンス/通知音

INZONE Budsは英語設定にしています。
日本語より英語の方が現実味がなくて没入感を損いにくいので好みです。

INZONE Buds Arctis GameBuds
再生 なし 通知音
一時停止 なし 通知音
次のトラック なし 通知音
前のトラック なし なし
音量を上げる 通知音(*1) 通知音
音量を下げる 通知音(*1) 通知音
ノイズキャンセリングに切り替え 通知音(*1) "ANC"
外音取り込みに切り替え 通知音(*1) "Transparency"
NC/外音取り込みをオフ 通知音(*1) "Noise control off"
2.4GHzモードに切り替え 通知音+"USB transceiver mode" "Two point four mode"
Bluetoothモードに切り替え 通知音+"Bluetooth mode" "Bluetooth mode"
*1 設定でオフにすることができる

INZONE Budsの方が音声ガイダンスではなく効果音になっている場合が多く、設定でオフにすることもできるのが嬉しいですね。
ただし、タッチした時のフィードバック音は必ずなるので(3回タップしたら3回鳴る)、意外と騒がしい印象になっているのも事実だったりします。
とはいえ、通知音自体は軽ろやかな音色なので不満というほどではないですけどね。

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イコライザー

INZONE Buds

INZONE Budsのイコライザーは2.4GHz/Bluetoothの接続モードごとに設定されるようです。
PCでゲームをする時とスマホで音楽を聴く時で、イコライザーの設定を変えることができますね。

イコライザーのUIやプリセットもINZONE Hub(PC)とSound Connect(スマホ)のアプリで違いがあります。

INZONE Hub(PC)

説明
FPS-1 足音や銃声、効果音を強調した音になります。
FPS-2 銃声や効果音を強調しつつ、バランスを重視した音になります。
FPS-3 大きな効果音を抑えた音になります。
Bass Boost 低音が強調された音になります。
Music/Video 音楽や映像視聴時におすすめの音になります。
Custom カスタムプリセット(*1)

*1 既存のプリセットを変更しようとすると上書きされます(デフォルトで警告が出ます)。

Sound Connect(スマホ)

既存のプリセットの説明は見当たらなかったのですが、名前でなんとなく想像してもらえればと思います。

説明
Bright
Excited
Mellow
Relaxed
Vocal
Treble Boost
Bass Boost
Speech
Manual カスタムプリセット(*1)
Custom 1 カスタムプリセット
Custom 2 カスタムプリセット

*1 既存のプリセットを変更すると上書きされます(カスタム枠がさらに2つあるので警告は出ません)。

Arctis GameBuds

Arctis GameBudsのイコライザーは、2.4GHz/Bluetoothの接続モードに関係なく、共通の設定が常に使用されます。

プリセットの数は、ゲームごとに用意されたものも含めて、2025年9月19日時点で全部で289個あります。
たくさんあり過ぎて一覧にはできませんが、有名どころのゲームタイトルが揃ってる印象でした。

ただし、汎用的なものとゲーム向けのものがすべて一覧で表示されて、区別しづらいのが少し気になりました。
カテゴリ分けがあるともっと良かった気がしますね。

カスタムプリセット

GG Engineアプリ(PC)からのみカスタムプリセットの作成・編集ができます。


画像を見ると分かる通り、いわゆるパラメトリックイコライザーなので自由度が高い反面、素人が手を出しづらいのも事実ですね……。
たくさんのプリセットが用意されているので、そこからお気に入りを探していく方が良さそうです。

GG Engineアプリで作成したカスタムプリセットは本体に保存され、Arctisアプリ(スマホ)に転送されて選択できるようになります。

ちなみに、Arctisアプリでは、プリセットをお気に入りにすることができます。
※iPhoneの場合、右にスワイプする操作なので分かりにくいですが……。

正直、プリセットの量が多すぎて一覧から選ぶのが大変なので、これはありがたい機能ですね。