Arch Linux のインストール
はじめに
- システムに変更を加える前に、必要なデータをバックアップしてください。
- 記事中に登場する
[文字列]
という記述は、その部分を読者が適切な値に変更する必要があることを示します。-
例:
ping
コマンドを使用して、特定のホストに ICMP Echo Request を送信できます。ping [ホスト] # 実行例: ping 1.1.1.1
-
- この記事では、デスクトップ環境の導入を行いません。
- すべての手順を終えた後で、デスクトップ環境を追加できます。
手順
-
イメージを USB フラッシュメモリに書き込み、Live ブートする
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Live ブートを設定する
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ネットワークに接続する
-
イーサネット: LAN ケーブルを接続すると、自動的にインターネットに接続されるでしょう。
-
Wi-Fi:
iwctl
を使用して、インターネットに接続します。-
iwctl
を実行します。 -
Wi-Fi アダプターの一覧を表示します。
device list
-
アクセスポイントを検出します。
station [2 で確認したアダプターの名前] scan
-
3 で検出したアクセスポイントを表示します。
station [2 で確認したアダプターの名前] get-networks
-
アクセスポイントに接続します。パスワードを求められることがあります。
station [2 で確認したアダプターの名前] connect [SSID]
-
exit
でiwctl
を終了します。
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-
以下のコマンドで疎通を確認できるでしょう。
ping 1.1.1.1
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セットアップを準備する
-
NTP を有効にします。
timedatectl set-ntp true
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UEFI ブートしていることを確認します。
ls /sys/firmware/efi/efivars | head -n 5
-
認識されているパーティションを確認します。
lsblk
-
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パーティションを設定する
-
cgdisk
を実行します。cgdisk [ディスクのデバイス ファイル] # 例: cgdisk /dev/nvme0n1 # cgdisk /dev/sda # etc.
-
既存のパーティションをすべて削除します。
- 表示されているすべてのパーティションに対して、
Del
を実行します。
- 表示されているすべてのパーティションに対して、
-
必要なパーティションを作成します。
New
を実行することで、パーティションを作成できます。順番 開始セクタ 終了セクタ コード 名前 1 そのままリターン +512M
(= ディスクの始まりから 512M まで)ef00
efi
2 そのままリターン -3G
(= ディスクの終わりから 3G 手前まで)8300
Arch Linux root
3 そのままリターン そのままリターン 8200
swap
-
変更を保存します。
Write
を実行します。
-
-
パーティションをフォーマットする
それぞれのパーティションに対して、適切なコマンドを実行します。-
EFI パーティション
mkfs.fat -F32 [EFI パーティションのデバイス ファイル]
-
root パーティション
mkfs.ext4 [root パーティションのデバイス ファイル]
-
swap パーティション
mkswap [swap パーティションのデバイス ファイル]
-
fdisk -l
で、設定したパーティションを確認できます。
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パーティションをマウントして、swap の使用を開始する
-
EFI パーティションを
/mnt/boot
にマウントします。mount -m [EFI パーティションのデバイス ファイル] /mnt/boot
-
root パーティションを
/mnt
にマウントします。mount [root パーティションのデバイス ファイル] /mnt
-
swap の使用を開始します。
swapon [swap パーティションのデバイス ファイル]
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Arch Linux の基本的なシステムをインストールする
以下のコマンドを実行します。pacstrap /mnt base base-devel linux linux-firmware bash-completion nano sudo refind networkmanager
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インストールしたシステムの基本的な設定をする
-
/etc/fstab
の生成
以下のコマンドを実行します。genfstab -U /mnt >> /mnt/etc/fstab
-
chroot 環境に入る
chroot 環境では、インストール予定のシステムと同じPATH
を使用できます。
以下のコマンドを実行します。arch-chroot /mnt
-
タイムゾーンを設定する
この記事の読者の多くは日本に住んでいることが予想されますから、ここではAsia/Tokyo
を設定します。
以下のコマンドを実行します。ln -sf /usr/share/zoneinfo/Asia/Tokyo /etc/localtime
また、以下のコマンドで Arch Linux システムから UEFI に時刻をコピーします。
hwclock --systohc
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国際化をする
-
/etc/locale.gen
をテキスト エディタで開き、以下の行をコメントアウトします。en_US.UTF-8 UTF-8 ja_JP.UTF-8 UTF-8
-
ロケール ファイルを生成します。
locale-gen
-
システムで使用する言語を変更します。
echo "LANG=en_US.UTF-8" > /etc/locale.conf
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-
その他の設定をする
-
キーボード配列を JIS に変更します。 (任意)
英語配列キーボードを使用している方はスキップします。-
/etc/vconsole.conf
をテキスト エディタで開きます。 -
KEYMAP=us
の行をKEYMAP=jp106
に変更します。
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-
コンソールのフォントを大きくします。 (任意) \
-
フォントをインストールします。以下のコマンドを実行します。
pacman -S terminus-font
-
/etc/vconsole.conf
を開き、フォントを指定します。
以下を追記します。FONT=ter-128n
- 変更は再起動後に反映されます。
-
-
ホスト名を設定します。
-
ホスト名を変更します。
以下のコマンドを実行します。\echo "[ホスト名]" > /etc/hostname # 例: echo "arch" > /etc/hostname
-
名前解決の設定をします。
/etc/hosts
の内容を、以下のように変更します。
ホスト名
には、ステップ 1 で決定したホスト名を入力します。127.0.0.1 localhost ::1 localhost 127.0.1.1 ホスト名.localdomain [ホスト名]
-
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root
アカウントのパスワードを指定する
以下のコマンドを実行すると、新しいパスワードを入力するよう求められます。passwd
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ユーザーを作成し、設定する
普段 Arch Linux を使用する際のユーザーを作成します。-
ユーザーを作成します。
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wheel
グループに参加させます。
これは、このアカウントがシステムの管理者であることを示します。
以下のコマンドを実行します。
useradd -m -G wheel [ユーザー名]
-
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パスワードを変更します。
以下のコマンドを実行すると、新しいパスワードを入力するよう求められます。passwd [ユーザー名]
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sudo
を実行できるようにする
sudo
は、一時的に権限昇格を行うコマンドです。-
visudo
を実行します。-
nano
を使用する場合、EDITOR=nano visudo
とします。
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以下の行をコメントアウトします。
%wheel ALL=(ALL:ALL) ALL //この行をコメントアウト
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ブートローダーを導入する
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rEFInd のファイルを EFI パーティションにコピーします。
以下のコマンドを実行します。refind-install
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既定の設定ファイルをバックアップします。
以下のコマンドを実行します。cp /boot/refind_linux.conf /boot/refind_linux.conf.bak
-
rEFInd の設定を書き込みます。
以下のコマンドを実行します。echo "\"Boot with standard options\" \"root=UUID=$(blkid [Linux をインストールしたパーティションのデバイス ファイルの場所] -s UUID -o value) rw splash\"" > /boot/refind_linux.conf
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システムを起動する
reboot
で再起動します。
Arch Linux が起動できないときは、以下を御覧ください。- Arch Linux のセットアップは、再度 Live ブートすることで全体的に、あるいは部分的に修正できます。
- 以下の点が、多くの場合において致命的にブートを失敗させる要因となります。
- rEFInd の設定の間違い
-
/etc/fstab
の記述の間違い
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-
ブート後の基本的な設定を行う
- 以下の操作は、ブート後ログインして行います。
- インターネットに接続する
-
NetworkManager を起動する
以下のコマンドを実行します。sudo systemctl enable --now NetworkManager
多くの場合、自動的にインターネットに接続されるはずです。
Wi-Fi 環境である場合や、なにか問題が発生した場合は、以下のコマンドを実行して NetworkManager を設定します。sudo nmtui
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